2008年4月11日 (金)

子供服つくり始めました。

Kids_t 自分の子供に着せたい服を商品にするというのは、何となく気後れというか遠慮があったのですが、かれこれ5歳にもなってそろそろ主体性のある(?)服を着て欲しいなと思うとあまりピンとくるものがない。そういえば確か「見回したところ自分で着たくなる服があまりない」ことからマニスを始めたのでした。それじゃ、少し前向きになってみようかな。

子供服といっても女の子のための素敵な服は実は溢れかえっております。流行りといっていいくらい。でも男の子の服というとうちなんてGAPかZALAばっかりで。安いからというのもあるけど他のブランド服のなかに高いけど着て欲しいと思うものがあまりないのも理由です。それでマニスの子供服は女の子でも着れる男の子服みたいな雰囲気で始まりました。

T_3 まずはTシャツ。「くまちゃん」の手刺しゅうです。子供のTシャツってアニメのキャラクターとかアメカジ風やうんと子供風な甘い雰囲気が多いように思い、大人でも着れるようなシンプルさにしてみました。

もうひとつはアロハよりももう少しきちんとして見える台襟付きのシャツ。岩立さんのブロックプリントです。

「これ、インドで手でぺたぺた押してつくった模様だよ」

「これぺたっぺたっとやったの? かわいいねー」

「ブロックプリントというやり方なんだよ」

「おもちゃのブロック?」

Kids_sh ……まぁ、すぐに分からなくてもよし。まずは着て模様や色彩や風合いを覚えてもらえたら。でも親の押し付けにならないように、好きな服を存分に着て欲しいとも思います。

スタジオ内に急にちっちゃい服が掛かるようになり、楽しくなってきました。

来週3日間だけオープンするtoko manisでお目見えします。

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2008年2月 7日 (木)

馬に目を入れ、画竜点睛

今年はひと月早巻きで、今月下旬からの作品展。現在、そのためをもって連日みっちりPhotoの仕事中です。それにしてもお天気が! 

今日はチャイニーズ・ニューイヤーの祝日ですが、もちろん仕事日。 毎年この季節は雨ばかり。雨が降る前は気温と湿度がブルッと上がって(正午から午後)、ザーッと降り夜は涼しいというパターン。時々時間がずれてスタッフが帰る時間に降り出したりして気が淀む。バイク通勤者ばかりなので、風邪ひかないかなー、事故しないかなー、と。でもバリの子たちはたくましい。濡れて帰っても翌日は晴れ晴れと元気にやってくる。こんな事がもうかれこれ8年くらい。

岩立さんのブロックプリントが先日バリに届きました。けろちゃんが見立てて私が選んだものの数々。実物を見て尚すっごく惹かれます。今日からこの布にハサミが入ります。岩立さんの新しい本の中で紹介されているインドのウメドプーラというところのPhoto_2ものが中心で、ナンナ文様と呼ばれる素朴な柄のもの。これはまずギャザーがたっぷり入ったスカートにしなきゃ。本当に生き生きした布というのは何も難しく考えることなく、布が行く末というか服の形をすでに語っているみたいな気がします。

自家製ブロックプリント“もどき”も進行中。

同じ染料を使ってアフリカのドゴン族のアニマル柄に手描きを挿したりもしております。カンガを調達したアフリカ系輸入雑貨店で衝動買いしたのものですが、何ていうか、後からすごく困った。なぜかって、4mくらいの布に20くらいしかいない馬の絵に“目”がなかったりする。これって描き忘れたに違いない。描いてあげなきゃ。そういう理由で描き始めたら、背景がベタの無地というのも気になりはじめ水玉模様なんかを入れてみる。アフリカなのに雪が振ってるみたいな出来上がりに何やら複雑な思いもなくはないけど、これは『必然』と見Photo_3なす(横暴かしら?)。アフリカ人って遠視の人が多いって聞いた事がありますが、このアニマル柄を見て「本当にそうかも!」と思いました。だって、柄が点在している上にすんご~く大きいのです、一個ずつの柄が。ピーコックについては身体の模様も遠視的なので(!)身体の中もタットゥーしてあげちゃいました。ドゴン族に詳しそうな前川さん夫妻にいつかこの大きさの問題について聞いてみたいと思います。で、出来た布で何をつくっているか、それはお楽しみに……。

さてさて、先週発送した服地のリサイクル布をつかったバッグのシリーズを、Bag14作品展の前にネット上で販売します。横長のトートバッグは使いやすさでいちおしです。布も大好きなものばかり。ぺったらぺったら、ブロックもどきが飛び火したものもございます。 今月はその他、ネット上での企画がいろいろ登場の予定(予定なので未定……)。

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2008年1月17日 (木)

ブロックプリントからひもといて

今年の初めはインドにブロックプリントを見に行こうと思っていましたが、急に考えが変わってバリでブロックプリントの“ようなもの”をつくることにしました。

ブロックプリントとは木彫りの型に直接染料をつけてスタンプのように手で押していくもの。つまり、ハンコのような。そうそう、最近さすがに減りましたけど年賀状に使われるあの木版のようなもの、とでもいいましょうか。押し方によりズレたりかすれたりしていて素朴でかわいい! ……と、個人的にはすごくすご~く大好き。そうしたら、きくよさんが古いブロックの版木を持っていまして、それをお借りしてきました。どのくらい古いものなのか。大輪のひまわりのような柄ながら、すごく細かく繊細な柄。

さっそくやってみました。

日本の染料店で相談して買ってきた顔料を刷毛で版木に塗り、勢いつけてペタッと布に押す。インドのはトレーに入れた染料液を版木につけて押す、というやり方らしい。お借りしてきたものは古いもののせいか染料が合わないのか、細かい部分がつぶれぼんやりとした輪郭が現われるのみ。そのうち木がもろくなってきて心配になり、またまた考え方を変える事に。常々草木染バティックをお願いしている近所の工房に相談して、バティックのチャップを彫る職人さんに新たに版木を彫ってもらうことにしました。柄はその場の即興で(?)睡蓮に。

P マニスではあまり使ったことはありませんでしたが、比較的価格の安いバティックはロウを手描きするのではなくチャップが主流。版木はマンゴーの木を使うのだそうです。マンゴーは水に強く膨張しないのだそう。(きくよさんのブロックのハンもマンゴーではないかとのことですが、いかんせん骨董品。大切にしないと。) ……さて、それで出来てきた版木で試作です。バティックで使う場合、ロウはかなり高温でゆるゆるのを使うのだそうです。それをアイロン台よりもっと弾力性のある特性の台の上で押していきます。しかし、う~む。ペースト状の日本の顔料はやや固すぎであまり向かないのかも。「かすれ」程度だと味わいになるけれど線がはっきり出ないのは大分違いますから。

困っているところに、今度は友人がバリには靴底に使うゴム板が売られているから、それを台にしては、と。

そうして、何度か試しているうちにようやくしっかりと柄が出るようになりました。もしかしたら、マンゴー材のハンは染料と馴染むまで少し待たなければいけないのかも。そして晴れて実物制作です~。写真はやっときれいに押せるようになった記念(?)です。

P2 きれいに押せるようになったら、今度は楽しくなってきてしまった。それで、予定のスカート用以外にもいろんなものにペタッペタッと、もはや止まらなくなっております。うん、これは相当楽しい!

余談ですが、年末に訪れた日本民藝館の岩立コレクション展の図録に、岩立さんのお店のことが少し書いてありました。それでつい先日替え玉のkero(日本部番長)がお伺いして、素敵なブロックプリントを拝見したそうです。もしかしたら岩立さんチョイスのブロックを近いうちにお分けいただいて服にする可能性も。サンプルがバリに届くのが楽しみです。

ところで皆さま、バリ地震の予言のことをご存知ですか? 日本のネットでも話題になっていたそうです。ブラジル人のとある予見者が1月15日にバリで被害が5000人規模の地震があると予言。この事で私たちは相当に考えさせられました。私は人からのすすめ(お告げ?)もあってここ10日間あまりずっとベジでスンバヤン(祈祷)を続けています。すでに危険な状況は脱したようですが、自然の恵みという神様への感謝の気持ちを常に忘れないように、と。スイレンの柄はそんな折に出てきたイメージかもしれないなー、なんて思います。

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2007年11月28日 (水)

かばんに入れてく服のこと

Frill1 明日の深夜にバリを発つのですが、わたしのカバンに入れていく服は、たった今ミシンを掛け初めたばかりのものが6点も……。自分が着る服のことではないですよ。自分の服はバリでも日本でも置きっぱなしですから。作品展でみなさまに見ていただく「服」のことです、もちろん。いつもながらぎりぎりです。性格的に締め切りに迫られる事は嫌いなので、予定より遅れる事は少ないのです。どっちかというと、予定のものの目途がたつともっとつくれるかも、と、欲張っちゃうのが理由です。それでも作品展の会場では「もっとあったらよかった」といつも思う。何しろバリ部16人で月に100枚ちょっとしかつくれません。1枚の服に、うわっ、のべ4日半です~。

中でも時間がたっぷりかかっているのは、今回初登場の「フリルワーク」です。Frill3

「フリル」のパーツは、バリシャンブレーなどの残り生地で半円形のパーツを切り抜き、それを2枚縫い合わせてひっくり返してつくります。単純な作業ではありますが1着に100枚以上使うとなると、フリルづくりだけでもかなりの手間に。結構難しいのは同じカーブで均一につくること。最初は1日に40枚しか合格できませんでした。パーツが揃うと、裁断された材料セットの袋に入れて、はい、ミシン部へ。SUSIがやっています。

昨日ミシン部で縫合された服を手縫い部に戻り、今度は仕上げです。最近腕が上がってきたWAYAN(女の子の方の)が裏の始末やボタンホールの台座を縫い付けたりしています。写真は袖ぐりの始末です。Kasimir

カシミアのストールは編地だけを日本から送ってもらい、バリで縫い上げています。今回は2枚合わせてリバーシブル風を目指しています(シングルのもありますが)。しかし、編地の大きさが微妙に違っていて、後からかなり 修正します。SULISTIOはこういう難しいもの専門の人。伸びる2枚のものを同じ大きさに収めるのって性格的にも出来る人少ないかもしれません。

今バッグの取っ手を縫い付けているのは男の子の方のWAYANです。こちらは、日本部通信の番長が来訪の折「写真取り忘れた!」そうなので、おまけです。以前バリ・ショップで働いていたのでご存知の方もいらっしゃるかと思います。余談ですが髪を刈り込むとなぜかすごくかっこよくなります。今は不精でこんな感じです。そして、もちろん照れて目線くれません。番長、これでもいいっすWayan2_3か?

このほか今度の作品展は、色と柄がいっぱい。

意図したというより、なぜか集まりました。

「ブログ版まめしんぶん」は今週末にアップの予定です。

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2007年10月24日 (水)

いろいろ布リサイクル

マニス日本部からの最近の情報によると、不燃と可燃のごみ分別がなくなったって。本当でしょうか???

バリ部では相変わらず生ごみはミミズのコンポスト、紙とカン、ビン、プラスチックの有料リサイクルごみの回収、その他は通称バカール=敷地内で燃やしております。

ほか、最近では私たち一家が使い古したものを寄付に出したり、スタッフたちにオークションで販売。売上金はバリ部スタッフ用口座に保管しております。

子供が「もったいないおばあさんみたいねー」、と、よく言います。本当に、そうね~。

Photo ごみより前に、スタジオ内の切り落とし生地ストックをなるべく増やさないように毎度おなじみ「いろいろ布リサイクル」を昨今シリーズ化しようかな、と思い立ちました。

残布はこれまでは主に見返しなどの部分使いやバッグ。あとはパッチワークのスカートを時々つくるくらいでしたが、先日布を編んでマフラーにしたら開眼してしまいました。今回はクリスマスに向けてもっと楽しいものづくりを目指しております。

まずはひざ掛けです。

ウール生地でハート型に切り抜いたものを四角に切りそろえた生地にランニングステッチで留め、それを100~150枚ほど接ぎ合わせております。全面にハートがびっしりなので、スカートにするとちょっと大仰に見えるけれどひざ掛けなら! って。でも、これ、やりはじめたら、結構止まりません。現在4枚目に取り掛かっております。あくまでも残った布ばかりですので、配色などがやや難しく頑張って5枚かなー。毎日ハートばかり、もうかれこれ1ヶ月も切っている新米スタッフはきっと飽きる事をとうに越えて何を見てもハートに見えているかもしれない。親分、そろそろ勘弁して、って思っているかな。はい、もう、そろそろ見極めます。

Photo_2 コサージュもつくっています。

シンプルなカメリア一輪のようなものだったらコサージュって、わりと好きです。それで、ウールやコットンのナチュラル系の配色を中心にした大輪の思い切り咲き開いたようなカメリアをつくっております。一般的なコサージュはボンドをいっぱい使って固く形を固定するようですが、もっと布の感触が残るようなつくり方にしています。季節柄、ちょっとおめかしして「箱入り」を目指しつつ目下試作の繰り返し……。

ちびバッグ、長バッグ、それから10月からお目見えしているマフラー、他いろいろ。布ってどんなに小さくてもごみになりません。そこのところを考えなくちゃ、と思っていろいろ工夫を重ねています。すると、あの生地早く使って残布使いたい、なんてことにまでなって。どうなることやらです。

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2007年9月14日 (金)

ネルのことなど

もうすぐ開催の作品展。今週バリスタジオではその追い込み制作で大忙し。集中力に磨きがかかっています!

どんなものが出来つつあるかというと……。

今回は季節柄ウール生地が中心ですが存在感のある布たちもあちこちから取り入れています。

まず、ジョグジャのニュートレンド(?)的存在のバティック。デンパサールの富裕層を対象に最近ちらほら目に付くおしゃれ系バティック専門店で手に入れたものです。このところの傾向で、たいへん控えめな色合いながらソガ染めと違い、むしろ日本の伝統色に近いフィーリング。しかし誰が染めたものか、よくここまで深い色で統一できたなぁ、と関心。このような渋色系はしかし、綿地のサロンやカインパンジャンだと案外見つからないのです(なぜって、ご存知の方も多いかと思いますが、昨今のセレブは“シルク”がもっぱらお気に入り)。私の好みに偏っているかも知れませんが、バティックってやっぱり木綿がいちばん。服にしても自然に見えます。秋冬に着るならぜひ明るい色のマフラーやセーターと組み合わせて着ていただきたいなと思います。表地にナイロンワッシャーをつかったリバーシブルのベストは着易くておすすめですよ! たっぷり羽織るジャケット型もつくっています。

ブロックプリントは昨年はわた入れにしましたが、今回はひっくり返して両面着れる(つまりリバーシブルということですが)ブラウスに。柄どおしの掛け合わせでなかなかユニークな出来上がりです。しかしブロックって、やっぱりいいなぁ。バティックでもチャップという版押しがありますが、バティックがロウを使った防染なのに対し、ブロックは版で直接染める。その仕上がりのちょっともったりした感じが個人的に好きです。いつかこれを自分たちでつくってみたいものです。……、あ、ひとり言。

Photo それから、ネルです。

TTTの長谷さんがつくった竹炭染めのネル。そのうす~いやわらか~い色を見たとき即買いしたもの。こういうあまりにかわいらしい布って考えさせられます。何をつくろうかって。それで、まずはイカ(!)のようなかたちの服がひとつできました。

もうひとつはバリの草木染バティックで挑戦中のネル。即興の豆柄です。ですが、実は今まだ染め上がってきてません。間に合うのかどうか……。今週はバリで儀式が多い週だから心配。

もうひとつありますの。写真の、昨年買ったそもあんさんの「昭和のネル」のはぎれです。こんなにかわいいとほんとうに最後まで悩んじゃいます。あ~、でもそろそろ切り始めないと!

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2007年8月 7日 (火)

リサイクル生地の足拭き

Photo 7月の帰国では、荷物があまりなかったので久しぶりにちょっと嵩張るものをおみやげに。

これ、足拭きマットです。

私必要のあるなしに関わらず、かわいい色のものがあったらつい買っちゃう。バリでは家の中には素足で上がるのが一般的で、このマットは各入り口の必需品。ずーっと前からあるデザインで大きさも大体同じだし、何枚あってもいいからって。でもかわいい色のってそうそうお目にかからないのです。今回のようなこんなカラフルなのはちょっとめっけモノ。

裂き織りのようなつくりでTシャツの残り生地などのリサイクルとも思われ、一般的に白が多くて中に別の色が少し混じっているようなのが多いと思う。

前にうちの主人が言っていたけれど「この種類の足拭きが安くていろんなのがあるのは刑務所内でつくられているから」だって。服役中のひとたちの作業らしい。今でもそうなのかどうか分かりませんが、確かに安いのもポイントのひとつ。

風合い(?)としては、ずっしり重いので洗いにくいけど滑りにくく風で飛ばないのがまさに足拭き向き!(これが別の素材になったらきっと違ってくるのでしょう)。あ、あと、犬がかじってもなかなか破れないのも助かってます。

この裂き織りみたいなタイプのほか、生地でつくった縄で渦巻き状に巻かれたものや、生地にたくさん切り込みを入れてフリンジが表にぽわぽわ出ているタイプのもありますが、洗って何度も使うものとしては写真のこのタイプがいいのです。

むかし祖母が破れたストッキングを集めて、ルームシューズといいますか室内用のぞうりをつくっていました。祖母はそれこそ“ものを捨てないこと”と“何でもつくっちゃう”にかけては凄かった。ええと、それで思い出したのですが、この大きめの裂き織り、ふつうの残り生地でもいいのだけどTシャツ地しかりストレッチ性のある生地でつくると足元につかうにちょうどいい強さが得られるようです。ふむふむ。

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2007年7月12日 (木)

きょうは日暮里とワッツさんへ

きょうは午後から日暮里へ。マニスで前からつくりたいと思っていたブラックフォーマル向けの服のための布を知り合いの生地屋さんへ相談に。
いわゆる、喪服です。そういうものをあらかじめ買っておくというのは縁起が悪そうではあるけれど、いざお知らせがあったときに慌てて買うのも……。デパートのフォーマルラインでは気に入るもの、似合うものが見つからないし、だったらマニスでもつくりたいなぁ、と前からずっと考えていたのです。

生地屋さんのおすすめは3回以上しっかり染めた漆黒の黒。タキシードクロスと呼ばれているもので、少し重みがありますがシンプルで上品な布。仕立てが難しそうですが、これでフロントオープンで着脱ぎできるトップやウエストサイズ調節が多少できるパンツ、スカートをつくりたいなと思います。まずは試作です。

きょうは生地屋さんのあとギャルリーワッツさんへ。
勝屋まゆみさんのブランド、how to liveをはじめて見ました。マニス日本部番長のけろちゃんが3度も「ミキさんはぜひ見た方がいい」と言うの。そんなにおすすめだったらぜひ行かなくちゃ!です。ちなみにけろちゃんは、古布とギャラリーについてはすごい物知り。私は足下にも及びません。

勝屋さんの服はマニスとは角度の違う性質で新鮮。シンプルな布にプリントしたりステッチを加えたりして楽しみながらつくっているのが伝わってきます。バッグやニット、Tシャツ、いろいろなものがたくさんあるのもいいですよねー。どんなものをつくっていらっしゃるのかな、と見に行ったのについどれにしようかな、となってしまう! 私はDMに印刷されているのと同じレース模様のプリントのスカートを買いました。

そうそう、今週代官山で開催中の尾関立子さんのエッチングもレースがテーマのようなので、ぜひこれを着て行きたいな。尾関さんの版画は見れる機会が少ないのでちょっとだけインフォしておきます。代官山のヒルサイドテラスA棟にあるアートフロントギャラリーというところで15日まで。今回は3人展のようです。

お天気はいまいちだけど、見るものがいっぱいで忙しい今週です。

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2007年6月15日 (金)

バリ手織ポプリン

Photo_51 今回の作品展もたくさんの方に見に来ていただくことができました。わたしは5日間だけの帰国。会場には初日と2日目だけしか居られませんでしたが、つくった服をお客様に試着していただくのを見て、今度はこんな風につくってみようかな、とか、もっとこうすればよかったな、とか。たくさんのエネルギーをいただきました。これはもう、本当にナントカ冥利に尽きます。皆さま大変大変ありがとうございました。そうして、今週はもう秋物の服に取りかかっています! ナントカ暇なし!

きょうは、バリ手織シャンブレーのポプリン版が仕上がってきました。

マニスをはじめてからかれこれ7、8年。ず~っとつかっているバリ手織シャンブレー。皆さまご存知の通り、シャンブレーというのは縦糸と横糸の色が異なっている織物のことです。それがひとつの効果になって織り上がりにちょっとばかり光沢が出ます。で、そろそろちょっと工夫(?)を、ということで、縦横を同じ色で織る方法を手がけはじめました。う~む。しかし、仕上がりからしてポプリンというよりはポケットの裏地などに使うスレキに近いかも。とにかく同じ材質ながらシャンブレーと比べてかなりマットな仕上がり。

手織をいつもお願いしている工房の奥さんも心配そうに「本当にこんな色でいいの?」って。マニスのスタッフたちも「え~、これ?」みたいな顔。そーねー。バリで手織というとカラフルな色や光る要素が加わるのが普通だから、こんな地味な色でマットだと変な感じがするよね、確かに。でも、シャンブレーのときには光沢で目立たない手織ならではの織り目、といいますか、ゆっくりだったりスカスカだったり、というムラの加減も出ていてわたしは「ナカナカいいなぁ!」と。

頼んだ色目は「バリナチュラルカラーダイ」のような茶系です。グレーのような茶のようなちょうど真ん中くらいの色を。洗ってからゆっくり風だけで乾燥させて(これから先バリは乾期、風の季節です)、を何度か繰り返して。そうしたらきっといい感じになると思う。

バリの手織は足踏み式の織機ゆえ、比較的さくさくと織ることができます。これを「手足を使うといえ機械とほとんど同じだ」と言う人がいますが、わたしはそうは思いません。インドのカディコットンしかり、人の力で織っているものって機械の織物とは全然違う。いちばん違う点は、着て洗うたびに布がどんどん変わっていくことです。目が詰まってハリが落ちていく。綿なら綿の表情が現れてくることです。慣れてくればくるほど、自然なディテールになることはもちろん、着易くなるのです。この加減が機械で織られたものとは大分違うナァ、と。

「ポプリン」版は秋向けですが、ネイビーや茶系を取り混ぜたNEWチェックのシリーズは6月下旬からお目見えします。

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2007年5月30日 (水)

久々、バティック

Photo_50 そろそろ夏なので清清しい布が恋しくなります。

マニスの「たんす」に長らく眠っていたルーさんのバティックを表に出して品定め。強い柄のものなので、出せる時期をずっと待っていたもの。

ルーさんはバティックだけではなく生活雑貨を手広くデザインしているアメリカ人の男性デザイナー。このバティックを購入した頃はUBUBにショールームもあって知られた存在でした。「一昔前にはハリウッドランチマーケットにアクセサリーを卸していた」そうですよ。

バティックにおいてはソロで職人につくらせているとか。特徴としてソガよりももう少し明る黄色とインディゴが使われていることでしょうか。決して太い線ではないけれど図案のモチベーションによってかなり強い性質が出ている。その仕事(労力)に比べやや高めの値段で迷ったけれど10枚ほどサロンを買い込んであったのでした。

ルーさんの柄はどちらかというとアフリカ的プリミティブ。模様というより、直線や曲線の重ね合わせで全体が成り立っているものが多いのです。それを裁断して服にしてしまうと元の意味みたいなものを半減させてしまうかも、という迷いもあって比較的長く手付かずだったわけですが……。でもねぇ。思い切って服にしたところ、全然衰えていないのですよ、そのツヨ~イ感性は。ずうぅぅっと遠くから見ても一目で目立つ柄。感服。こういうの、生きている柄、という気がしてしまいます。切ってもなお個性。小さく小さく迷っていたことが逆に愚かしく思えてしまいます。

お宝生地系は、6月にいろいろ。お楽しみに!

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2007年5月23日 (水)

増殖するアップリケ

Photo_49 この変なおしりの模様は、うちの子供のもの。もとは弟のお嫁さんのお姉さんの子供(長い!)から、送ってもらったお下がり。オムツの頃から履き続け、2歳か3歳の頃に後にポケットをくっつけてまた履き、そうこうするうちにおしりの中央が磨耗してぼろぼろになったので今度は大きなハートをくっつけた次第。ゴム入りで丈だってもともと短いから、4歳になった今でも履けるのですよ。

ママはお客さんのばっかりじゃなくてちーちゃん(うちの子供、ちひろといいます)のもつくってよ、って、事あるごとに催促されるのです。でも、パターンを引いて裁断して……、と服を最初からつくる余裕はあまりないので手っ取り早いアップリケが子供への定番なのです。

このイケテナイパンツのポケットの部分はいつしか催促された折、最初からアップリケだと大変なのでマニスの服の図案サンプルとしてつくったものを切り取って縫い付けました。それでも子供は喜ぶ。こんなもので喜んでくれるならもっともっとつくってあげたいな~、と思いながらも、これまた擦り切れるまで忘れていました!

「アップリケつき」はマニスでもこのごろちょくちょくつくっています。はぎれを使えるのがその理由のひとつですが、服の利便性を考えすぎてちょっとおとなしすぎる出来になったとき、そうそう。アップリケ、というわけです。刺しゅうになる場合も多いけれど、アップリケの方が実は個人的に好きなのです。なぜかというと、刺しゅうはかなり根を詰めて刺してもインパクトは出にくいが、アップリケはささっと布を選んで切り抜いて、ざくざく縫い付ければ大きなハート模様だってほらっ! ということで。安直ですが、炒め物みたく(?)勢いが大切な事だってあるのです(ひとり言)。

これから夏に向けてはアップリケものはあまり加えていません。代わりにと言っては何ですが、アップリケみたいにも使えるちいさいブローチをつくりました。え? 例えば、染み隠しにとか(……大人の場合そうはいきませんなぁ)。

ほか、風合いは素晴らしいが地味系の色に仕上げた麻にはセーラーテープをちくちく縫い付けたものがあります。6月にいろいろお目見えします。

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2007年1月25日 (木)

カットソーの服

Photo_32 昨年春から少しずつ取り入れているカットソー素材。

これまで“織物”こと布帛が中心だったのですが、“編地”のカットソーは私たちまだまだ日進月歩。ふだんからマニスでは「ロックミシンを使わない仕立て」をしているので、カットソーの縫い代も手仕事で始末。縫いものを自分でするひとだと分かると思いますが、ロックミシンだと縫い代が服の内側で泳いでいる状態。カットソーなら素材の厚さや密度の具合でそのまま切りっぱなしでよいものもありますが、縫い代を固定するとやはりかたちがきれいだと思う。縫い糸も普通は伸縮性のあるナイロン糸を使うのだけど、今のところ普通のもめん糸で縫っています。

カットソーという素材はロックミシンとの相性で簡単に縫えることから、比較的消耗品的存在だなぁ、と思っていたのです。それじゃ普通の布と同じく縫ってみたらどうだろうと。工場で縫えばきっと1日に5枚も6枚も(もっと多いかも)縫えるでしょうけれど、マニスの手仕上げでは1枚に2日はかかります。その分値段も高くなってしまうのですが、ちょっと高級なカットソーを使ってていねいに縫うという仕事は新鮮。「ロックミシンの方がきれいに縫えるだろうな」と思うこともしばしばだし、アパレル技術的に邪道かもしれないけれど、表面にごちゃごちゃと手仕事をくっつけるよりも裏にひと仕事ある服って何となく好きなのです。

今回は通称スウェット、裏毛を試作中。ポケットとフードのかたちに特徴があるパターンをつくってみました。きょうその1着目がやっとできたのだけど、スウェットだったら洗濯機で洗ってどうなるかも実験してみようと思って。このほか、綿天竺を2枚重ねて縫うパーカーやゆるめで薄いものを斜め地に裁断してつくるものなどなど、この春の服はカットソーがいちおしです。2月中旬から企画展、委託ショップでお目見えしますので、ぜひチェックしてみてください。

バリは雨期真っ只中。ときどきの晴れ間に溜まった洗濯ものをわ~っと。ちょっと前から床のお掃除以外の家事は自分でやるようにしているのですが、ことに洗濯とアイロンかけはひと仕事なのですけれどいろいろ改良の余地があって。“裏毛”もこんどの晴れ間に洗います。

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2006年11月16日 (木)

二重仕立ての服

Photo_21 私はバリにいることの方が多いため、布を探せる機会がわりと限られている。とくに秋から冬物をつくるとき。おなじみのバリ手織シャンブレーやナチュラルダイのバティック。インドの木綿やシルク。…といった素材はやはり暑い気候の中でつくられているから、やっぱり春から夏向けですよね。ウールの布はというと、毎年もっとも悩ましい。昨年から国内でオリジナルのものをつくってもらうようにしていますが、最低生産量があってマニスのほかの布のように「少しずつたくさんの種類」はできません。

秋冬もののバリエーションを増やすために、昨年から少しずつ“二重仕立て”の方法を試しています。二重仕立て、とは言葉の通り。別々に裁断した2枚の布を裁ち端2mmくらいのところで縫い合わせてから1枚の布で縫うのと同じ手順で縫うのです(ちなみにリバーシブル仕立てとは大分違います)。もともと、1枚ではスリップ(滑脱)が起きてしまいそうな織りの甘い布を何とか服にする手段として思いついたのだけど、これ、ウールの季節に結構応用できる。

今年は薄いジャージー+バリ手織シャンブレー、ウールガーゼ+コットン、といった掛け合わせの服をいろいろつくっているところ。(といって、もう最終段階なのですが。)ふたつの布の色合いや雰囲気を一か八かで掛け合わせてみるのだけど、案外仕立て上がりは想像できなかったりする。はじめ「これは一等合う」と思っていても、縫ったあとに手を加えないとバランスが取れないものもあるし、あまり躊躇しないでずばっと合わせた布同士がぴったり納まり合ったりして。……くたくたに柔らかかったウールジャージーに薄い木綿地を合わせ1枚の布として縫い上げると、しっかりした感じだったり、同じような布同士でもリバーシブル仕立てにするとやっぱり柔らかい感じの服になったり。仕立ての技術としてはあまり慎重にならなくてもかなりいろいろなパターンでつくれそうです。

バリ手織シャンブレーは今のところ織機と糸の太さのバランスを変えることが出来ません。ずっと前は織糸を2本取りにしてキャンバスのような厚手のものをつくっているところもあったのですが。でも、二重仕立てでつくればバリシャンブレーだって通年素材。今の季節でも着ていただける服がいろいろつくれるのです。

12月5日からの作品展で是非ご覧ください。そうそう、今回はバッグもおすすめですよ。

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2006年11月 9日 (木)

バッグのこと

Photo_18 ずっと前から、服地の残りをつかったバッグを少しずつつくっていて、でも、かたちはどれも同じようなものだった。いろんなエスニック布をボーダー状にはぎ合わせて細い皮の取っ手をつけたもの。カンボジアのNGOに注文してつくりはじめたのがきっかけで、その後ずっと同じパターンを使い続けていました。今年になってから服の方を大分カジュアル路線にしているせいか、布自体に特徴があるものが減ってきて、ならば、代わりにバリエーションを! って。……今頃になって、バッグづくりに開眼したところです。

前は服地をバッグにするというのはどこか制限があるように思っていました。けれど、裏にしっかり芯を貼って厚みや堅さをある程度持たせれば結構いろいろつくれるみたい。ごく普通のキャンバス地やポプリンに刺しゅうやアップリケを加えてなかに固めの帆布をつかうとか。そうそう。芯地ってバッグにだと薄いのを何枚か重ねて貼ったりするのもおもしろいのです。あまり堅くせず厚みだけが出せたりする。普通のミシンで縫うので、地縫いは2~3回入れる。私は荷物が割りといつも重たい方だから、しっかり縫っていないと心配。壊れた頃が買い替え時、という考え方もあるけれど、気に入っているものが壊れたらいやですもん(ひとりごと)。

今回はウールの残りを表地にナチュラルダイのコットンをなか地にしたもの、トラの刺しゅうのスカートの残り地に同じトラ刺しゅうのもの、赤いポプリンの残りにアップリケのパーツの残りをつかったものなどを制作中。服はある程度マニュアルに基づいて多少の変更(アドリブ)を加えるけれど基本的にスタッフが縫う。ミシンも手仕事ももはやスタッフの方が私より上手だし。私はファーストサンプルのチェック程度、あとは仕上げ時にいろいろ調整。しかしバッグについてはまだまだアマチュア路線なのです。自分で試作して自分で縫い上げるものがほとんど。数が少ないからマニュアルを書いてスタッフに縫ってもらうより自分でやっちゃった方が早いという気もする。残り地ってやはり同じサイズにいくつも裁断できない。わりとひとつずつ違ったサイズになっちゃうし、縫う作業よりも裁断して芯を貼るまでが仕事の6、7割くらいだったりするから。

失敗した試作は子供の保育園へ持たせるバッグに。中途半端な出来上がりでも、子供にとって大層お気に入り。アップリケの試作を破れたズボンの繕いにポケットみたいにつけたのも喜んで履いているし、たとえ紆余曲折、時間がかかってしまっても、つくったものに無駄がないのはありがたいことですなぁ。

そうそう、気になって久しいエコバッグについても何かマニス風オリジナルをつくりたいなと思っているのですが、それはたぶん来年に。

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2006年10月28日 (土)

バティックのトラから

Photo_12 このトラの柄は何年も前にバングラデシュで“ノクシカタ”という刺し子刺しゅうをつくってもらったときのもの。ノクシカタはマニスではもうお馴染みになりましたが、今つくっているのは刺し子のステッチそのものが柄になっているタイプ。その1回目を注文したときには刺し子用の糸は生地と同色で全面にびっしり、さらに部分的に刺しゅうを加えてもらっていたのです。……というのは、それがもともとのノクシカタの手法だったので。だから、今注文しているノクシカタは、正しくは「ノクシカタの土台だけ」と言った方が正しいかも。

図案はジャワ・バティックの模様でときどき見かける動物模様からアレンジして、マニス日本部でパタンナーのきくよさんが描いてくれたもの。当初はカエルやヤモリや馬などいろんな柄がありました。でもこのトラ柄だけその後も一回白いブラウスに白糸刺しゅうでリピートしたことがありました。そして何年も経って最近また思い出して。今度は堅いアーミー風の生地に目立つ色の糸で。

私、このトラがどうも好きです。

バティックの図案って比較的定番的なものが多い。いろいろな色や配置で何度も使われているだけあって「あっこれ、いただき!」、ということが結構あったりする。花柄、花鳥柄もいいけれど、動物や人のようなキャラクターもの(?)が個人的にとくに面白なと思います。顔があっち向いているのにからだはこっち向いてる、みたいな描き方とか。このトラは、きっと中国辺りから猛々しい虎図みたいなので伝わって、でもジャワで何度も描かれているうちにこんな表情になってしまったのではないかと推測します。原画(見本のバティック)では顔が黒くて確かにちょっと勇ましい表情。それを、線だけをなぞって新たに描きなおしてもらったらずいぶんとかわいい感じになっちゃった。そうなるとイメージはどこか「ちびくろさんぼの回るトラ」、ということになって、一周ぐるっとまわっているような配置が浮かんでしまって。

今、このトラ刺しゅうをスカートに入れているところです。スカートだから少し太い線にしようとチェーンステッチで。写真のは少しカーキがかったグレーに赤ですが、黒地に生成の刺しゅうとの2種類を予定しています。試作がまる1日がかりだったので、6匹の回るトラが入る予定のスカートは6日かかる計算? うーむ、次の作品展までに何点つくれるか……。ともあれ、お楽しみに!

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2006年10月17日 (火)

手織のデニム

Photo ブログの修復作業でしばしお休みをいただいていました。きょうからまた復帰です。

さて。きょうはデニムのお話です。夏ごろから、いつ出来上がるものやらそわそわしていたttt(長谷さん)の手織のデニム。先日ようやく届きました。ラオスの北部でつくっているそうなので、このブルーの色はきっと藍かな。手織のデニムなんて、聞いただけでもう興味深々。

これが届いてから、いえ、届く前から悩んでいたこと。デニムという生地はどうしたって“ジーンズ”なわけで、そこからどのくらい違う服をつくるかなのです。あまりかけ離れたデザインの服もちょっと違うような気がするし、かといってGパンやGジャンのアレンジでは……。

でもデニムってどうしてこれほど固まった存在なのでしょう?? 服にも布にもある程度流行があるのに、ジーンズだけは不動の地位。多少の浮き沈みはあるものの(カラーデニムやデニムもどきは淘汰されることもあるけれど)、デニム、ジーンズといったら私が生まれたときから今までずっとどこにでもあるんですもの。

私は小学生のとき(70年代です)ハマって毎日同じGジャンばかりを着ていて叱られたことがあります。背中に大きくインディアンの刺しゅうが入っていて。あまりに毎日着るものだから2着目も買ってもらったような気がする。なぜそんなに好きだったのかは全然思い出せないのですが……。その後大きく(?)なってからは、黒と赤の501を長く履いています。というか、流行がない上ナカナカ悪くならないし、悪くなって履いていても叱られないから、もう10年、20年越し。これほど普遍的なアイテム、他にありません。

数年前にインドへ行ったとき、それまで女の人はサリー以外着ないと思わせられていたけれど、私の目から見たところ急に「ジーンズ」なことになっていた。これは変化だ、と思ったらその後は地下鉄が出来てコンピューターが普及して。いまやインドと言えば好景気でもっとも期待される国。経済が上向きだとジーンズなキブンになるのでしょうか?

あ、また話しが反れました。そうそう。しかし、手織のデニムの方もどうにか出来つつあります。ずいぶん迷った結果、ポケットが片方だけについたジャケットと裾のかたちにちょっと特徴があるパンツを。生地巾が小さくて6着しかできませんでしたけれど。不規則で立体感のある織地がやっぱり独特。もっといろいろつくってみたくなってきてしまいました。また入荷するといいのだけれど。

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2006年9月14日 (木)

竹炭で染めたウール

Photo_99月21日から3日間の作品展に、何とか登場できそう。はじめてつくってもらった天然染めのウールです。お盆前に頑張って染め上げてもらった竹炭染めは、ギャザーの入ったふっくらした衿のジャケットとランニングステッチを加えたティアードスカートに。

tttの長谷さんのアイディアで実現したこの布は、しかし上がってきたとき「ぼんやりしたグレー」という印象。風合いはもとの生地からするとずいぶん厚みとやわらかさが出てとっても気持ちがいいのですが、あまり個性的に見えなかった。染下のウールはプリント用と同じ(少し前に「まめ日記」上でもご紹介しました)ものを縮充加工しないで仕上げてもらいました。

ところがこの布、縫っていくとだんだん表情が変わるのです。最初の1点が縫い上がった時にはその何とも不思議な色合いに少しばかり感動。何といったらいいかしら。私にとっては日本の冬景色みたいに見える色。この前見たマイケル・ケンナの北海道の写真にもどこかつながっているなぁ(ひとり言)。

仕立てていく間に多少端が擦られて色が落ちたりしているのも確かだけど、竹炭は藍のように染料の粒子が布の表面に付着しているだけなのでウールのように嵩張った布だと表面と中側に色の差があるみたいです。それで立体的になると縫い代など抑えられたところとその他の面とでトーンの差が生まれて何とも面白い仕上がりに(ちょっと言葉で説明するのが難しいので、ご関心のある方はぜひ作品展でご覧くださいね)。奄美大島で染められた(大島紬の染料)茶色版もありますが、こっちは明日出来上がるのでまだノーコメント。

で、明日これを持って日本に帰ります!

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2006年8月28日 (月)

ランダム・ドット

Photo_6今年久しぶりに手作業のプリントをつくってもらうことにしました。シルクスクリーンです。ほんの少量だったのですが、たくさんの方々のご協力をいただいてしまいました。

まず私が大体のもと絵を描いて文化服装学院のテキスタイル科の学生、大槻華子さんに図案化してもらった。でも、もと絵は最初からは描かなかったのです。大槻さんからのアイデアも欲しいなと思って。まずはどんなモティフでいくかを決めて、その後はファクスや添付ファイルで何度も何度もやり取りを重ねて……。ちょうど夏休みで時間を取ってもらえたのをいいことに。バリから言葉でイメージを伝えることの難しさもあったけれど、妥協しなかっただけあって。ねぇ。大槻さんには本当に活躍していただきました。

イメージは「ランダムな水玉」。水玉だけど色使いや描き方で夏っぽくならないように、インドのブロックプリントみたいな素朴なタッチで、というのがわたしからの注文内容。プリント作業をしてくださった奥田染工場さんにはサンプル制作抜きで(わたしがバリにいて立ち会えないため)、でも、思った以上の仕上がりにしていただきました。生地はラムウールのいい糸があるとおすすめいただいて、毛織屋さんのカンにお任せしてつくってもらったもの。ミルド加工して少しふっくらとさせた仕上げにしてもらって。生地が織りあがる前までにモティフづくり。

Photo_8以下、大槻さんからのメールから抜粋です。

「奥田サンにはいろいろ考慮していただき、 P下に加工がされていたために、染料がなかなか生地に入らなくて 2回ずつ刷っていただいたり、 黒と赤の色が濃く、2回刷ったので色止めの薬品を2種類使って色止めしていただきました。ブロックプリント風にということでしたが、染料が入りづらかったことやスクリーンプリントでは加減ができませんでした。それからかなり頑張っていただいたのですが、ウールの毛羽で染料が入りにかった部分が多少すれていますがご了承くださいとのことです。」

……まことにご苦労をおかけしましたです。

これが先週届いたとき、スタジオ内でも「かわいー」ってみんなが沸いた。さて、私の問題はこれからです。「何をつくるか」。糸から選んで一からつくった布。どんな服にするかは、やっぱり今から考えるのがマニスです。いまのところ布の出来栄えが思っていたよりいいせいかあんまり思いつかず(?)。布が良すぎると、やっぱり迷ってしまいますね~。

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2006年8月16日 (水)

成り行きアップリケ

Blog103_16月にヨーガンレールさんの清澄白河のお店へ行きました。とある雑誌を見ていたら、すごく気になる服が出ていて、それ、ぜひ見せていただきたいと思って。でも、あー、やっぱりなぁ……。もうほとんど残っていませんでした。アップリケの服です。

アップリケ、最近気になりませんか? いろいろなひとがいろいろな方法で素敵につくっている。今の傾向として、部分ではなくて全体が一服の絵みたいになったものが多いように思う。アップリケ自体はマニスでも毎年いろいろつくっているけれど、それがあまり前面に強く出るものはなくて、脇役的な扱いばかりしてきました。共地・同色で小さなパーツづかいとか。グラフィックとしてのアップリケって何だか新鮮です。

そこで、マニスでもさっそく研究中。いろいろなかたちのはぎれを組んで土台をつくり、その上に何かしら図案的に模様をトッピングするやり方です。アームホールやパンツの股上、ポケットの切り落とし。間違えて切ってしまった片袖。無尽蔵に残布箱から出てくる出てくる……変なかたちのはぎれ。それを成り行きで組み合わせていって。それだけだと纏まりがないので「わざと」切ったかたちを少し足して。その先さらにこだわって「絵」みたいにしてもよいのだけれど、今回のはわりとさらっと止めている。あまりつくり込むと違う方向へいってしまうみたいなので。

Blog102_1今つくっているのはマニスで「三角スカート」と呼んでいる形にしようと思って。前はほぼ四角、後ろは三角というパターンを脇でさくっと縫い合わせる簡単な形。その前スカート部分だけにアップリケをして、出来上がりはエプロン風、となるかどうか。これからもう少し試作を重ねていこうと思います。ブランケットステッチは、ふたりで2日ほど。単調な柄よりも、こんなふうに1枚ずつ違う方が面白くてはかどるようです。上手に仕上がったら9月の作品展のDMに、と思っているのですが……。

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2006年8月13日 (日)

具合のいいわた入り

Blog112べっとり暑い夏、お盆です。季節柄、もっとも要らないもののひとつです。わた入りの話しです。今、ちょうどそれが出来つつあって、この季節にはたいへん不具合な話題ではありますが、ちょっとだけご報告を。

皆さんはわた入りって着ますか? あ、もちろん、その季節にということで。私はわた入りって聞くとコタツで上半身をカバーするもの、というイメージがあってあまりおしゃれじゃないよなー、と思っていたクチ。でもある年、ニューヨークのチャイナタウンへ行って、夜店みたいなところで安く買ったものがすごく便利で……。以来お世話になりっぱなしなんです。ダウンジャケットほどの機能服じゃないし、保温力も街着程度。でも、ちょっと寒い夜に着るとか、うんと寒い時にはコートの中に着る。ということで出番が多いのです。(着たまま寝てしまうことも……。やはりコタツの友か?)

その後も“わた”には敏感で。伝統的なわた入りは真綿(シルクのわた)でつくられていることも知りました。台北のチーパオの仕立て屋にて。おじさんひとりが店の奥で裁断からミシンまで全部やっているような小さな店だったけれど、お客さんのサイズを測るだけで(パターンを使わないで)布に直接粉チョークで線を引いて裁断する、というような。本当に昔ながらの仕事をしているところでした。ペタッとした三角形の真綿を両手でポンポンと伸ばしていく。まるで、ちいさな固まりからナンを大きく伸ばしていくみたいな職人技。みるみるうちに、本当に大きく膨らむ。……このお店のおじさんは、店主に内緒でチーパオのはぎれをこっそりくれたり、ごはんを一緒に食べさせてくれたり。忘れられません。私は何回もそこへ通いつめました。

さてさて。かつてはチーパオ仕立ての弟子入りを経て、マニスでも以前は真綿のチャイナをつくっていました。その後は真綿が次第に手に入らなくなったこともあって、いわゆるキルティング向けのわたを使っています。今年のは、水洗いもできる高機能わた。真綿のようにやわらかくて、ほんの薄いものでもかなり暖かい。たまたま、カラフルなインドのブロックプリントが手に入ったので何をつくろうかなー? そうだ、わた入りだ! ということで。「カラフル=わた入り」という図式は個人的なもので、最初に買ったチャイナタウンのがショッキングピンクだったから。暗めは普通。きれいな色がうれしいのです。仕立てのノウハウは今も少しだけチーパオ流。

マニスのはリバーシブル仕立て。ひっくり返してまたひっくり返して、またまたひっくり返して着ていただけたら嬉しいです。

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2006年7月23日 (日)

コサージュつくってみました

Blog51_2綿麻混紡のポプリン。生地としては少々地味なのだけど、服としてはナカナカ実用性があって少し前から何度か入荷するようになりました。

今回その生地でちょっとお勤め向け風のジャケットをつくってみたら……。いや、いや。やはりどうも地味でした。

これを日本に送ることを躊躇ってかれこれひと月以上。デザインがシンプル、布もシンプル。でもさびしい。というのは時々あること。そういう時には刺しゅうやアップリケ、ビーズワークなどを加えるとちょうどいい感じに仕上がったりすることもある。でも今回のジャケットはそのどれもがピンと来ない。そうだ、コサージュだったらって。ふつうに着るとき外して、ちょっと主張したいとき着けられる。

Blog52_1共地でそれをつくったら、あら、ちょうどいいかも? あまりリアルに立体的がなくて畳んで仕舞うときも一緒でOK、という位に平べったいのになりました。

残布のリサイクルとしてもひとつ新しいアイディアが加わったみたいでちょっと嬉しい。

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2006年7月14日 (金)

刺し子のサイン

Blog31_5バングラデシュのNGOにオーダーしている刺し子布「ノクシカタ」。何年ものあいだ、生成り地に黒糸、 黒地に白糸の2タイプを繰り返し注文していましたが、今回は思いつきでバーダーに刺してもらうことに。先日、それがようやく届きました。

最近このノクシカタの布端に刺し子した人のサインと思われる刺繍が入ってくるようになりました。アラビア文字みたいな、読めないけれどきっとこれ名前。布が刺し子ならサインも刺し子風ランニングステッチってところがかわいい。

きっと、検品のときに誰が刺したかわかるように、みたいなことなのでしょう。マニスでも誰が縫ったか分かるように記録することにしたら自然と仕事への責任感も生まれましたから。

Blog32ジャワで買うバティックにもときどきお店の名前などのサインがはいっているものがあります。昔バティックがヨーロッパへ盛んに輸出されていたころ、産地などがわかるように商標として描き込んだといわれています。これ、着尺(着物の生地)の先端に入っている商標というより、何だか油絵のサインに似ているんです。 バティックのサロンは一服の絵としても描かれているからでしょうか。わたしそのサインが好きで、何度も広げて見てしまう。

ノクシカタのサインはあまりに端っこなので難しそうだけれど、切り抜いて服の内側につけようと思っています。だってこういうものが一番捨てられません。服の仕上がりは7月中旬です。お店で見かけたらひっくり返して探してみてくださいね、刺し子のサイン。

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