2008年10月17日 (金)

暑さの中でひとりごと

バリはこの数日間すごい暑さなのですが、そのことが地元の新聞にも載ったそう。

その前1週間はときおりの集中豪雨で雨期真っ只中、みたいな天気だったから、連日の日照りはかなりのインパクト。新聞記事を読んだバリ人によれば「何でも地球上でバリとジャワだけに太陽が急接近しているらしい。皮膚に注意しないといけないそうだ」。とP1010343_2、真顔で言うさまはナカナカおかしい。確かに皮膚には注意した方がいいと思う。しかし、太陽の大接近が事実としても、天体の成り立ちからしてバリとジャワだけってはずはないのではないか??? 

太陽のことは、でも、気にしていなければいけない事と思っている。

ひところに比べてずいぶんと憂いが増えました。

バリのゲリラ豪雨が明けたのは先週の日曜。

あまりに気持ちよいので近くの村まで散歩に。その散歩が本当にすごく気持ちよくて、自分でもちょっと驚きました。景色がきらきらと目に染みて。言葉で書くと何だか「あ、そう」って感じですが、久しぶりの日差しの中を時間を気にせず、地図も持たず歩くのは単純に気持ちがいい。住み始めてかれこれ2年半。近所にはまだ知らないところがいろいろあります。Photo_3

上の写真はお寺の拡声器塔です。伝統的にはクルクルという木の中をくりぬいた筒を叩いて村の合図につかっていた塔だと思います(ですよね?)。いまや拡声器。なのだけど、その下にはめ込まれたワルンがなかなかいいかんじです。舌から見上げると何となくネパールか(行った事ないけど)中世ヨーロッパの鐘の塔みたく見えて(個人的主観)。

週中に日本から発送した荷物が届く。中は特別入荷のチベッタンウールです。今回はインディゴ染めのブルーの杉綾。チベットで取れるウールが国境交易でインドのヒマーチャル・プラデーシュ州に運ばれ、桃源郷のような山村で織られているものです。この青、標高3000mの空の色でしょうか?

昨日、ジャカルタ・グローブ誌のエディター、ヴェダさんが来マニス。Photo_4

コマネカのイマンさんの紹介で、ジャカルタに発つ前の1時間という慌しさの中来てくださいました。ヴェダさん、すごくキュート。アンド、感性の高い人で、布の事もいろいろよく知っていて舌を巻きました。ちょっとの間だったけれど素晴らしい仕事ぶり。撮って、聞いて、書き取って(最後のはたまたま録音マイクをトイレに落としちゃったせい)。写真でわかるでしょうか、こーゆー感じであっさりと小一時間。それで、今朝のメールによれば、もう入稿もしちゃったんだって! さすが記者。だけど見かけも本人もまるで四角くないのです。いいですよね、こういう人(ひとりごと)。

アジア人だけど中身はウエスタン、という雰囲気もあってかDOSAのクリスティーナを思い出しました。

最近、会う人からいろいろ影響を受けること多し。

Photo_5 きょうはクリスタルストーンを売っているりさちゃんと赤ちゃんに会いに行きました。りさちゃんは7月のショップオープンの時に来てくれて、その1週間後に出産。その赤ちゃんはまるで夜鳴きもしないでアレルギーも今のところなく、大変優秀なお子様です。ぱっちりしたお目目でじ~っと覗き込まれ、キャラキャラっと笑ってくれました。きっと将来大物ですよ!

りさちゃんの姿を見ていると、自然に生きる素敵さをいつも感じます。クリスタルなんてどこかオタクな感じの世界でしょう? 売っている人ってきっと怪しい感じだろうと思うでしょう? でもこんなに自然なの。石を見せてもらうときも決してアドヴァイスしないのです。自分が気に入るのがいちばんいいからって。

いい人にたくさん会ってますます元気になった今週です。

皆さまよい週末を! 

日本部けろちゃんは「月曜は晴れたら出張します」ですって。これが最後で今週一番の素敵かも!

| | コメント (0)

2008年10月 9日 (木)

2階からの写真をふたつ

Photo 10月4日、日本からバリへ。

今回はマイレージをつかってシンガポール航空を利用。成田~シンガポール間のフライトはこの総2階建てとでもいうべき新型ジャンボ機です。行きはメインデッキ、帰りはアッパーデッキ。成田では直接アッパーデッキへ入れる坂道つき搭乗口までできていました。大きさゆえか飛行中は安定感。特徴として、ファーストクラスの上の「スイートクラス」というのがあるそう。個室でベッドつき。へぇ(まるで縁がないもので)。エコノミークラスの個人的所見としてブランケットが軽くて色も控えめで静電気も起きず、前より数段進歩したと思う。

2階の登場口からってこんな感じです。

シンガポールの空港もターミナルが拡張されていて、その間にちっこいトラムが行き来している。新しいターミナルはデザインもさすが。成田や関空のシンプルさもいいけれど、シンガポールの公共デザインは欧州仕込みですから。

その2日前。Photo_2

白金の利庵でゆり&えり姉妹とアラカルトでおいしいお昼(せいろ、出汁巻き、れんこんの素あげ、わらびもち)を食べ、シロガネーズのカフェpoint5でお茶。利庵、やっぱり有名だけあります。最初はミナの方から教えてもらったのでしたが、そのときは寒かったのであったかいおそばを食べたのです。でも今回分かりました。利庵においてはやっぱり周りにならって「せいろ」です。満席状態のテーブルには、せいろがずらり。そしておそばの後は「わらびもち」。これ、是非モノ。

ふたりとバイバイしてからワタシは麻布十番へ。

いまどきは白金台から電車で2駅という便利さ。麻布十番は地下鉄が出来たらこの風情も終わりだ、と嘆いていた住人が多かったけれど、そんなことないと思いますよ。

十番といえばくめさんです。ときどき会いたくなるのです。Photo_3

マニスの大先輩にあたる服の作家さまで、麻布十番にアトリエとお店を構えていらっしゃる。今年からショップこと「ギャラリーくめ」の近くに今度はアートギャラリー「Azabujuban Gallery」をオープンされました(オープニングの時の様子をけろちゃんが日本部ブログに載せてくれていました)。新しいギャラリーは、古いビルの1階と2階を吹きぬけにして、シンプルですごく心地のいい空間です。

2階のオフィスから見下ろすと、こんな感じ。

展覧会は毎週、週代わり。おすすめのアーティストがいたら是非ご紹介下さい、とのことなので皆さまよろしくお願いいたします! おすすめのアーティスト? まずはマニスのけろちゃんはどうかしら、とふと。けろちゃん、いかが?

くめ先生はいつもきちんとおしゃれしていらして、作業着のままどこでも行っちゃうワタシは反省点多し。せんせは人生そのものも周りへの影響力が大きいのです。お目にかかるだけでいっぱいエネルギーをいただいているように思います。

バリにて。うわっ、もう雨期? みたいに毎日毎日雨ざんす。

| | コメント (0)

2008年9月20日 (土)

台風とともに

2ヶ月ぶりの日本です。

作品展でお目見えする服と、台風typhoonと、ちょいと引きかけた風邪hospitalを背負ってまいりました。

風邪は腎の冷えから来ているらしく(整体の先生の談)このところ何度も直る前にまたぶりかえしているので、今回こそは完治するぞっ! と心に決めた途端。東京の週末はなんて静かなことでしょう! ゆるゆると気持ちよく眠って、満足して起きたら風邪もなんだかもうダイジョウブな気がしてきてしまった。Photo

もしかしたら、昨日飲んだ“梅しょう番茶”のお陰かも。

ホメオパシーよりももっとシンプルで、身近な野菜をつかって病気を治す方法を提案する大森一慧さんの本に出ていたレシピです。身体の陰と陽のバランスを整える考え方で、とにかく冷蔵庫に普段あるものでカンタンにつくれるところがいいです。“梅しょう番茶”は梅干としょうゆとショウガを三年番茶(これだけはナチュラルハウスで仕入れて)に溶かしながら飲む。すると、鼻が詰まって息が苦しかったのがすぐに直ってしまう。胃がきりきり痛むときも、下痢にも効く。バリで不調な朝に時々飲むのだけど、即効性があるのでサプリなど飲まなくてもこれでオッケーだったりすることしばしば。

きょうはかなり久しぶりに自分だけのためのごはんを作って食べた。

ピーマンとオクラとしいたけの炒め物、みぞれ納豆、梅干ごはん。冷蔵庫の中から食べたいな、と思う食材を選んでさくっと作る。Photo_2

身の丈にリセットした気分のきょうでした。

本といえば、帰路の飛行機の中で皆川明さんの本を読んだ。「文化服装学院に入ったごく初期の段階で、こんな何千人もいる学生が、卒業してすぐデザイナーになんてなれるはずがないと思ってしまったので、僕は最初から淡い夢を持たなかった……」という辺りは、私となんて異なっていたんだろう、と驚く。年齢からして私もそう時期は違わなかった文化の学生時代。バブル世代で好景気、ファッション産業がぐいぐい伸びていた頃です。でもひとり冷静にものを見据えていた皆川さんはなんて鋭かったのだろう。ミナが世の中でオンリーワンなのは、皆川さんのゆるぎないおおらかな感性によるものなんですね、きっと。

規模もこころざしもかなり違うけど、どっちかといえばオンリーワンではある(?)マニスも七転び八起きで頑張りますよ~。ええ、こういう時代ですから。もっともっと張り切ります! 

身の丈を思い知らされながらも、奮い立つきょうでした。

今週、といいつつ結果的に来週になりますが(すみません!)、作品展予告編もブログアップいたします。けろちゃんが早速「あしゅら男爵」と名づけたタマちゃんシリーズが日本部ブログに入っています。

| | コメント (0)

2008年7月25日 (金)

tokoナイト炸裂!

P1000951_2 tokoのきょう。

昼間はお店、夜はナイトマーケットと称してワイン片手にプティパーティーという流れがこのところほぼ定着しているもよう。お祭りごとがキライではない私はナイトのために久しぶりにがしっと料理(うわっ)。クール宅急便で届いた小女子、たらこ、ニシンの甘露煮、ホタテのピリ辛煮を使って、いざ!

ええっと、その前に。

toko manisを企画したのは私ですがこれまで実際に運営してくれているのはけろちゃんたち日本部。今回遅ればせながら私も参加です。

ぎゅうぎゅうに狭いマニスの事務所内を使って強引に「お店」をやっちゃうんだなぁ、これが。実際にやってみて、やっぱり。ノリとしてお店屋さんごっこ。今回初めて来て下さったお客さまいわく「フツウのおうちみたいな感じですね~」。ええ。その通り! 鋭いご指摘! つくり手の我々とお客さまとがいちばんリラックスした関係で接することができたら、と思いつつスタートしたtokoです。そういうわけで、日が傾く時間となればごはんも出て来ます。

以下本日のメニュー。

4時半頃からぼちぼちと下ごしらえ。小女子をさっと油でいためてお醤油とお酒たらして下味をつけ、ごはんに混ぜておにぎりに。もひとつニシンの甘露煮をざくっと混ぜたのなどちびおにぎり3種。

札幌のma douceというリビングのお店(札幌三越最終日の夕方に社会見学としてちょこっと外出して行って来ました)のレジ横で売られていたオーガニック野菜。インゲン。ぐらぐら茹でたては甘さが最高! …にホタテのピリ辛煮を和えたの(サポートきくよさんが上手に味付けしてくれました!)。

同じくマデュースの紫色のピーマンを中心にナス、シメジ。油でさっとねつを通したものにガーリックとお酢をからめたマリネ風野菜たち。トマトをトッピング。

Koraiyu もひとつはタラコ。アツアツごはんにそのままがおいしいのだけど、冷めてもおいしいお惣菜モノとしてタラモにしたい、と思い立ち、しかし作り方が曖昧~。そこでピンポン。お料理研究工房コライユに電話。下ごしらえをしておいて近藤先生と靖子ちゃんに味付け&混ぜ混ぜ工程を強引にお願いしちゃう。下ごしらえはじゃがいもを下茹でしてつぶす。それだけらしい! 日が傾いた頃の電話一本でtokoナイトに強引に来て頂くことに。そこから先は彼女たちにバトンタッチ。狭いキッチンも何のその。タラコを適量混ぜ込んでマヨネーズ、ミルク、こしょう、レモンジュース、塩。以上のものを味を確かめながら混ぜ込んでいきます。さすがだなぁ。すっごくおいしいものが出来ちゃいました。写真はタラコの身を加減しながら茹でポテトに混ぜていく図。

ずーっと外食続きだった札幌から戻って炸裂。専門家を急遽巻き込んで、がっつり料理日に満足のきょう! いろんなクチコミ情報も楽しかったです~

明日もtokoオープンしております。楽しい1日となりますように!

| | コメント (1)

2008年7月24日 (木)

東京アツいっす!

19度の札幌から30度の東京に戻って、わ~暑い。しかし、暑いと何となくじわっと元Photo気になっちゃう南方体質。けろちゃんが日ブロで語ってくださいましたが私はそーいえば北国系の血筋でした。バリに住みついてからなのか、その前にいた六本木の古いビル(最上階にて夏は格別の暑さ)で鍛えられたせいなのか。ともかく暑い=ポジティヴなんです(逆に寒さにはもちろん内向的)。

きょうはきくよさんと新しいパターンの仮縫いを。

これがもう大笑いの新型。案を出しているのは自分なので、う~む、一瞬アタマのなかが真っ白。

ブラウスなんだけど袖の部分に足を入れてパンツとして履けちゃうもの。もうひとつは、スカートなんだけど脇に穴が一個空いていてそこに足を入れるとパンツとしても履けちゃうもの。平面的なパターンなのだけどすごくユニークな服。

前者はきくよさんがサービスで「大は小を兼ねる」ってえらい大降りなトワルを組んできてくれて「MCハマーだ!」とか「ジュディーオングだ!」とか。きくよさーん、おもろ過ぎsweat02。けろちゃんにも見せたかったなーsweat01。仮縫いというのは彫刻とか陶芸にも似て、服の形を自由に組み立てていく工程Photo_2。生地探しが旅だとしたらこっちは自由創作です。どっちも成り行き。そういうのが大好きな私。こんな過程を経たパターンが皆さまにも楽しく着ていただけますように。登場するのは9~10月です。

写真上は札幌で食した例の冷やし麺です。写真を見て思い出したけどカニが乗っていたりするところが札幌流のこだわりですねきっと。トッピングの下にビックリ仰天のボリュームでたらふく満腹の麺が隠れているのでございます。

その次の写真はおとついの新千歳空港内。これ、ナンデスか?はやりに疎い私は行列の方にびっくら、いえ、びっくり。ぽてとちっぷ? 物知りのきくよさんによれば、じゃがいものホクホク感のあるそれはそれはおいしいものなんだそう。Photo_3

近頃は行く場所行く場所で行列に出会う。並ぶといいことがある、という考え方? 

ともかく手荷物預け入れカウンターで辛抱強く並んで時刻がギリギリなのに「申し訳ございません、あちらのカウンターでお願いできますか?」なーんて言われて冷や汗かいた後なのでぼやっとしてて、その人気のジャガイモのホクホクしたものは買いそびれました。なーんか、すっごく気になりつつ。

しかし。

札幌のお客さまからおすすめいただいた「大丸地下生鮮食品売場」でもうすっかり買い物しましたです、海産物系。tokoナイトで皆さまに。

けろちゃんがいつも上手に盛り上げてくれているtokoナイト。もう、どうなることやらですが今回はワタクシがホスト務めさせていただきます。わー楽しみ! 皆さまのお越しをお待ちしております!

| | コメント (0)

2007年7月15日 (日)

台風でしたが

せっかくの連休に台風。
昨日は洗濯して除湿器をオンにしてお昼から外出。

まずは富ヶ谷のhomspun開催のBeBeさんのTシャツ展へ。マニス日本部けろちゃんのお友達で前からいろいろお世話になっているアーティストBeBeさんの新しい世界を見せていただきました。DMがまずかなりかわいいの。ピンク色をやさしくたくさん使ったチョウチョのようなオブジェ。実際はその色調に絞り込まれた1点ずつ手描きというファンタジックなTシャツやボトムが中心です。
homspunさんをご存知の方は多いと思います。気負いがなくてシンプルだけどこだわった普段着ブランドですよね。その存在感はきっとオンリーワン。本当にどの服も着やすくて私たちマニス一同も大ファンです。そのお店で時々開催される企画展は、homspunの服と不思議といい響き。でも、BeBeさんのピンク色の作品はまさにマストバイって感じでした(もちろん買いました)。これは一押しです!

代官山で尾関さんほかのアーティストによる展覧会を。小さな会場でしたが絞り込まれたよいものが。ギャラリーでは販売をしていないとのことで、ここは見るだけです。尾関さんの作品は大きなベッドと小さなベッド。大きい方は死のイメージ、小さい方は誕生のイメージ。これまでずっとモノトーン中心で静かな表現(どちらかというと死のイメージ?)が多かったけれど、この先この人がどんな風な変化を遂げるのか(きっとこれから先は誕生のイメージも?)楽しみです。

きょうは久しぶりに髪型を変えました。NICAの宍戸さんに半年ぶりにばっさり切ってもらってついでにパーマもかけてもらいました。前は西麻布にあって、今は六本木ヒルズの真向かいの長寿庵の2階にあるサロン。宍戸さんは、内容のある話題をしっかりしながらすごい早業でちょうどいい髪型をつくれる方。美容師さんっていろんな方がいるけれど、こんな感じにしましょうか?ってぱっと決めてさくっと手早く切ってくれるのが私は好きなのです。NICAにはその小気味いい板さんみたいな仕事を気に入って、ずいぶんいろんな業界の方々が出入りしているみたい。たま〜にしか行けないけど、いつも話題豊富なのも楽しみのひとつ。

夕方は渋谷へ。
バリでお留守番の子供と主人にいろいろ買い物を。セール時期。年中夏服のバリ暮らしには助かります。リブロで本を見てから閉店前の渋谷市場へ。皆さん、渋谷市場ってご存知でしょうか。もうずっと昔からありつつ各お店は比較的昔のまま。安くて新鮮で活気があって。きょうは台風のせいでお客さんが少なかったらしくて「おまけだよー」とずいぶんいろいろサービスしていただくことが。目黒アトレの地下も好きだけど、渋谷東急プラザ地下の渋谷市場はもっとパサールの感じがします。最近は高級デリがいろいろ増えているけど、私はやっぱりこの市場の存在にリスペクト!

| | コメント (0)

2007年7月11日 (水)

ハンカチに恋する

きょうは早めに仕事を切り上げて、DEES HALLでのハンカチ展を見に。

昨年、文化出版局から『懐かしいハンカチ』というステキな本を出された小野寺かおりさんと茅木真知子さんの展覧会です。2000枚ものアンティークのハンカチが出展されるという前触れ(?)だけでも十分凄さが感じられましたが実際にそれを目の当たりにして、うわ〜っ、なんてかわいくてパワフルなんだろう! まことに圧巻です。ハンカチという実用性を超えて、いろんな情景をひとつの画面に封じ込めたハンカチ流行時代の楽しさがザワザワと伝わってきました。

これらのハンカチはアメリカのものが中心。40年代、50年代に盛んに描かれたハンカチアートは一頃のブームでもあり、それを集めるのが女の子たちの楽しみのひとつだったそう。

最初は壁に並んだ一枚一枚をじっくり見入り、それだけでもうバリ暮らしのスローテンポな私は頭の中がぐるぐるになってしまいました。だって、さながらミュージアム状態。なんていろんなものがあるのだろう(写真が入れられないのが実に残念です)。でもどれを買おうか、迷うことができることって、もっと嬉しくて困ることだったりする。

そうしたら、テラスの方を指差して土器さんが言いますの。
「手作りジンジャーエールがあるから試してみて!」って。
岡本太郎さんのミュージアム入り口にあるカフェからの出張カフェ、みたいなことらしいです。でも、このジンジャーエールは今回のDH展向けに特別メニューらしい。ショウガを使ったシロップをソーダで割るとジンジャーエール。そうかそうか。こんなふんわり美味しいジンジャーエールも初めてのこと。さすがですなぁ。

それを飲みつつ頭の整理をして、やっと自分に合う一枚を選びました。ハンカチとはいってもこんなに悠々自適な絵だったら是非額に入れて飾りたいな、……と思ったら、まぁ、すてき。額入りで販売されているものもありまして。ウサギがふたりでお茶している絵のものにピタっと決まりました。バリの我が家の客間に掲げさせていただくつもりです。

茅木真知子さんについてはご存知の方も多いかと思います。西荻でプリント生地のお店を営まれつつ、ソーイングブックやボタンの本など数々の必読書を書かれた方だし、その影響力は日本のマーケティングをも動かすほど。わたしなど実のところその方角に足を向けて寝られないくらいです。というのも、マニスがまだ駆け出しの頃、茅木さんのセンスと優しさにどれだけ支えていただいたことか……。きょうは何年かぶりにお目にかかれて嬉しかったことはもちろん、茅木さんが以前とちっとも変わらない優しさとこだわりを持っていらっしゃることにこれまた深く頭が下がりました。

DHでのハンカチ展は19日まで。おすすめです!

| | コメント (0)

2007年7月 4日 (水)

覚悟をきめて

Photo_53 久しぶりにひとりごとです。ええと、それできょうのは写真は文と関係ないです。

少し前にうちの子供の学校について書きましたが、ようやっと指針がついたというか判断をしました。一人っ子だし、私以外の周囲は全部バリ人なので、やはりインターナショナル系の幼稚園から高等部まである大きな学校へ通わせる事にしました。バリでは6月下旬に学年末、7月から新学年なのです。それでもう、これまたぎりぎり昨日手続きを終えたところ。

しかし。月曜から金曜まで朝7時までに出発してバイクで片道1時間の幼稚園へ行くのです。そんな早起きはどっちかというと私自身に大いなる不安なのだけど、もう遅い! それなりのお金も払い込んだし往復の運転手、付き添いの段取りも組んだし。

しかし、私は子供の頃からずーーっと夜型だったこともあり、自営に転じてからは朝7時に起きることすらかなり“特別”だったのだけど!

もうひとつ決めた事があります。それは、毎日10分のお祈りという習慣をつけること。いろいろな側面から、お祈りをする習慣を持つと次への展開が生まれる、というある方からのかなり強い助言があったんです。バリの風習や宗教を意識しなくても良くて、でも、身近なことや遠くの人に心からの感謝を1日10分するだけでいいのだそう。家のどこかにお祈りのためのスペースを設けて、花とか何かきれいなものを置いて。

ちょうど先日チベッタンベルのテラピーで少し頭の上のほうが開眼した(?)ようなフシもあり、お祈りしながらその上の方をもっと見続けると、わたしのような勝手気ままな人間でも周囲全般を浄化するというか、ぐいっと持ち上げるような力になるのだとか。うーん、、、とにかくやってみましょう。

助言を下さったその人は浄化についてこんな説明をするのです。

例えば、日本から18歳くらいの女の子がぷらっとバリへやってきて、レンタバイクでバリの田舎道を走っています。その時、ふと田んぼに目が留まって、バリじゃごく普通のおじさんがごく普通に田んぼの手入れをしているんだけど、それが何て自然で素敵な光景なのだろう、とその女の子が心の底から深く感動したとする。こんなふうな光景が世の中にごく普通にあったんだ!って。(こういうことって私たちよくありますね。)すると、その先バイクで走ると道路が浄化されるんです。その浄化の力はすごく強いんですって。バリ人だけだと淀んでしまうトラディッションを外国人が見て感動して浄化する。バリにどうして外国人が多く来るのか、それでもバランスが取れているのかは外国人にはそういう役目があるから。誰にでも普通にその力がある。……ですって。

そんなわけで、バリ人に囲まれた私は夜更かしをやめて朝早く起きて、お祈りをするんです。 ええ。まだ決めただけなので、どうなることやらです。はっきり言ってまるで自信がありません……。

| | コメント (0)

2007年2月20日 (火)

テレビも見ないし、たまには本でも。

Photo_37

最近は日本にいてもほとんどテレビを見ないので、ニュースはひとから聞くことがほとんど。バリの家では、テレビは子供のDVD専用。つまりアンテナがない。NHKやナショナルジオグラフィックが見れる衛星放送が安くなったから入れようかな、とも思うのだけど。はてさて、そんなものがあったら今度はきっと仕事がさっぱり進まなくなりそうで……。

こんなのんびりとしたところにいるというのに、相変わらず気持ちに余裕というものがない。これは私が要領が悪いことに起因すると思う。仕事と家事と子供の相手であっという間に1日のほとんどが終わっちゃう。時々、そういう日々に反省してせめて何か読もうと思う。

雑誌は定期購読のものがEMSで届くたび一気読みするのだけど、本はいつ読んでもいいみたいな安心感から買ってから3年もたってやっと読むものもあったりして我ながら驚く。日本に長くいたころはいつも同じ時間に同じ電車に乗る生活だったから本はかなり読めたし、子供が赤ちゃんだった頃まではバリでも結構読めたんだけどなぁ。

悪いのは、ここ1年。本、といっても重さの関係もあって文庫ばかり、は、去年はただ買い込む一方で1年に両手の指の数くらいしか読んでいないです。しかも、小説ばっかりで六本木の青山ブックセンターか渋谷のリブロで買うものばっかり。やはり非常に偏っています(だって、紀ノ国屋書店などへ行ってもトレンドの下積みがないから選びようがなかったりする!)(ひとり言)。

とにかく、そのいつ買ったのか忘れてしまったもののなかで(失礼!)、最近読んでよかったもの

ちくま文庫の「つむじ風食堂の夜」という本です。著者は吉田篤弘。めざせ作家、というよりも脱力系? カバーに書かれているプロフィールによると、もともとブックデザインのお仕事で、ぽつぽつと物書きもするようになったらしい。タイトルから受けるイメージと内容がかけ離れていない素直さがいいなと思う。

お話は、雨を降らせることを研究している中年男性が主人公。お父さんの思い出から始まって、お父さんの面影で終わる。夜更けまで開いている食堂が舞台で、川上弘実の「センセイの鞄」に出てくる居酒屋にも似ているかも。そこに出入りする彼と常連たちが何本かの筋書きで出てくるのですが、食堂の面々は朝の連ドラ風キャラクター。気の優しい彼は古本屋で本を買い、帽子屋で帽子を買い、舞台俳優から台本を書いて、と頼まれる。

自分の日常だってそうしたちいさな出来事や出会いの繰り返し。滅多にひとが結びついたり葛藤したり、死んだりしない。このくらいテンションの低い小説って自分に近い位置で読めていいなと思いました。

ところで、私のこの情報&活字不足。リハビリ的に最近ときどき行くのが日本の新聞を置いているカフェです。日本発JALやガルーダの直行便の機内用でお客さんが読み終えた新聞を回収して空港からUBUDまで運んでくる業者がいるそうで。ゆえ、その新聞は地方欄が東京のものから関西のものやらいろいろ。そのカフェで3日分くらいの(乗客が少ない時期は1週間くらい配達されないこともあるそうなのであまり新しくないことがしばしばだけど)新聞をばさばさっと広げて1時間か2時間くらいむさぼり読む。不二家のぺこちゃんがもう売られていない事なんかも、そうやってようやく知ったりして。

そうそう、「まめ新聞」ことアトリエマニスの初の印刷物が今週いよいよ撮影、入稿に。今春からますますモードチェンジしている新しい服についてはそちらをお楽しみに! 「ひとり言」はそちらでもいろいろ書く予定でいます。

※読売新聞が読めるUBUDのカフェ:アンカサという名前、スウェタ通りにあります。コーヒーとスパゲティがおいしい有難いお店。

| | コメント (0)

2007年1月 4日 (木)

あけましておめでとうございます

皆さんどんなお正月を過ごされたでしょう?

クリスマスがらしくなければ、私たち、お正月も何ともありませんでした(?)。

……今年の大晦日から元旦はサヌールビーチのホテルに泊まって過ごしました。ところが台風並みの悪天候。カッパ着てビーチを散歩、という午前中。お昼はホテルの中で中華。午後はホテルの前にあるスパへ。バリで天気が悪くてできることといったらコレですね。かなり混んでいるのに無理やり予約を入れてもらって(GANEというナチュラル志向のスパです)。

子供はボギーボードをやりたくて一日中うずうず。夕方近くに結局雨の中ビーチで遊びました。サヌールの海はコーラルリーフだから嵐でも波打ち際は穏やか。バリにいろんなビーチあれど私たちはやっぱりサヌールが好きです。

それで……、あれあれ? なんだ、もうお正月は終わってしまいました。おもちもおせちも無いまま、2日からもう仕事でした。さびしー。バリでは11月にラマダン(ムスリム)やガルンガン(バリヒンドゥ)の休暇があったので、ニューイヤー休暇は2日だけ。うーん、今年は子連れで1週間くらい旅行なぞしてみたいなぁ(←新年のひとりごと)。

さて、先ほど触れたGANEですが、思いのほか良かったのでちょっとご紹介。いちおしはヘッドスパ。石鹸でシャンプーしてからミントやティートゥリーが入ったクリームでの頭皮のマッサージ。悪天候でナーヴァスだったのに、しゃきっと爽やかになりました。このサロンのおおもと、intiというプロダクトの商品はオーガニック志向の人へのおみやげを選ぶのにおすすめです。石鹸やクレイ、アロマオイルも配合がユニークだけど、有機栽培の赤米の玄米やにがりも売っていてさっそくいろいろ買っちゃいました。

それでは皆さん今年もどうぞよろしくお願いします。

| | コメント (1)

2006年12月17日 (日)

暖かな週末にひとりごと

あと1日でまたバリへ戻ります。
きょうは約3週間分のシーツやら布団まわりとセーター類など、大量の洗濯物をわ〜っと片付けてからあちこち拭き掃除。その後大きなものは荷造り開始。一日水を使い続けたけど、暖かい日だったから助かりました。子供は母に頼んで“こどもの城”へ連れていってもらって、久し振りにひとりの時間でもありました。
ひとり暮らしが長かった私にとってひとりの時間は懐かしい。でも、何時頃までにこれはやってしまわなくちゃ、というのがあるから昔と今とはやっぱり違いますけれど。
バリにいるとひとりっていう状況はちょっと特殊。ひとりだと寂しいでしょ、という配慮がどこかにあります。子供が主人の実家へ泊まる日はセキュリティのおじさんが夜わりとどうでもいい用事をつくってやってくる。どうでもいいことをちょっとばかりおしゃべりして、じゃね、と戻っていく。
それとは違いますけれど、DEES HALLで展覧会を開催中のキリム拾集家のメメットさんからちょっといい話を聞きました。
キリムってお土産用のようなものを除けばトルコでは50年以上前のものしかないらしい。50年から100年くらい前のキリムは、遊牧民の生活とともにごく自然に織られていたもの。だからモティーフは星とか木とかが中心で、色彩は寒さや空虚さを彩る赤を中心としたほんわかしたものが多いらしい。忙しいものが全然ない草っぱらでの生活で生まれたのがキリムの細かさや丁寧さなのかも、と思いました。服地にできない織物だけに私の場合ちゃんと見る機会がこれまであまりなかったのだけど、やっぱり織物って語るのですいろんなものを。メメットさんのお話に一瞬旅のようなふっとどこかへ連れていかれるような気がしましたけれど、自分の中でちょっとバリの手織り布を思い起こしたりして。織物を手で織る速度ってやっぱり好きなんだなぁ。そのバリへもう間もなく戻ることは嬉しいやら残念やら複雑なのですけれど。
で、織物ですが。思うのは、やっぱり織っている時は限り無くひとりなんだけどそれを使うのは大所帯の家族だったりせわしない生活の中。それが前提で織られているのだと思うのです。自分の為にというより誰かの為に。家族の為に、誰かの為に。とくに時間のかかる手織りについては、そういったものがいっぱい入っているのではないかと。ひとりごと。

| | コメント (0)

2006年12月 9日 (土)

寒さについてひとりごと

きょうは銀座三越での作品展、5日目でした。冷たい雨が一日中降っていたのに銀座は人でいっぱい。寒さに弱い私は自分たちの作品展だから定時にバスに乗って向かったものの、そうじゃなかったらかなりの割合で“キャンセル”してただろうなぁ……。

この時期バリから日本へ来ると気候のギャップが激しいのです。南半球のバリは今が酷暑期で午前中からごくごく水を飲んでしまう日々。まぁ、幸いにして今回日本がまだそれほど寒くないのでよかったのですが、この時期に日本に来ると、まず、1回は風邪をこじらせる。今年は3月に帰国したときに雪まで降る寒さだったので、そのときには声が出なくなるくらい重傷でした。高熱が出てしまった日がちょうど作品展開催中でしかもパターンブックの出版記念パーティーの日で。つくづく「私は本番に弱いなぁ」って思いましたです。

もうひとつ寒さで恐れているのが痒み。薬局の人によれば老人性かさかさ症と呼ばれているものらしい。老人性…というよりも、年がら年中毛穴が開きっぱなしの生活をしていて急に寒い所へ来ると、毛穴がザワザワと閉じてそこが痒くなってくるというものらしい。蚊に刺されるようなスポット的な痒みと違って、一度掻くとさらに痒くなって痒さがほかに広がっていったりするから厄介なのです。そのことを以前アフリカで暮らしていた知り合いに言うと「僕なんか帰国してから何年もたっているけれど、冬になるといまだに痒くなるもん。毛穴が暑さの方に慣れちゃったままみたいで」って。ちなみに冬の日本からバリへ戻るとムズムズっと毛穴が開くのが分かります(本当です!)。

今回はもうひとつ発見(?)がありました。

うちの子供なんですが、日本に来た興奮も醒め寒さや人ごみやテレビ番組の内容などおおよそのことに順応し始めた今週から、実によく眠る。それまでは夜11時ごろまでちっとも眠くならなかったのに最近は7時とか8時に眠っちゃう。そしてかなり物音を立てても揺すって起こしたりしなければ朝9時ごろまで眠りっぱなし。暗くなるのが早いせいもあるかもしれないけれど、寒さって眠気を誘うものなのだなぁ。毛穴が開きっぱなしのところから来ると、俄然眠る。ま、彼が大好きな昆虫も今は土の中。動物たちも冬眠中ですからね。本人もいっぱい眠っていたってよいのですきっと。

さて、作品展。あと2日です。まだの方、是非お運びください。大分サイズ切れもありますがいいものがまだいろいろありますよ~。

| | コメント (0)

2006年11月19日 (日)

買っておいて良かったもの

Photo_22 前川秀樹さんのランプ。昨年、COMOさんの最終日で買った。白い熱燗用の徳利の口に鍋の取っ手を刺し、徳利の底が抜いてある。そういう、どこにでもあるものを意外な組み合わせで使えるものにする前川さんは、今や時代のひと。「欲しかったモノ」(必読!)もすばらしかったけれど、10月のDEE‘S HALLでの展覧会は「歴史的人気」だったそうです。マニス日本部のきくよさんとけろちゃんが2日目にお伺いしたら残りはわずか2点。そわそわと色めきたって3日目に伺ったところ完売だったとか。……私はメールでそう伝え聞いて、(徳利を買っておいて良かった)ひとりごと。

かの本でダントツ惹かれたもの、ブリキの椅子(ブリキのバケツから切り取ったものが背もたれになっている)。これについては在庫うんぬんよりお値段が。メールでときどきやり取りしてる前川氏の奥さんの千恵さんも、「私たちも欲しいんですけど買えません」って。わ~。でも、私、まだ夢を持ち続けております。

富田有紀子さんの絵。マニスのお得意様でもあり東京オフィスの近所にお住まいの富田さん(じつは結構仲良し)の絵は、4年前、子供の出産の少し前に「記念」という口実で買った。身の程知らずではあったけれど、とても良心的なギャラリーで支払いは自由なかたちで分割にできた。残金を出産補助金というのをそれに当てた。代わりにバリの普通の病院で出産して節約して(その子供が今元気で何より……)。蓮の葉っぱが全面に描かれたかなり大きいもので、買ったはいいものの飾るところがなくて(!)。とりあえず母のマンションで預かってもらうことに。白い壁が急に蓮でいっぱいになってしまって……。出産して子供にまだ視力が宿っていないかのような生まれてからの数日、なぜかその蓮の絵がすごくイメージとして重なった。子供の目の色の奥にあるものと。だから、やはり記念になりましたです。

購入の時期が前後したのだけれど。 その後富田さんは有名になって、今ではもうどういう口実でも買えないくらいになっているらしい。ちょうどこの11月にまた展覧会があるそうだけど、今度こそ見るだけだろうナァ(ひとりごと)。

今年は買ったのは、尾関立子さんの版画。6月末の帰国のときにちょうど何年かぶりの展覧会のDMが。尾関さんはマニス作品展の第1回目のとき借りた会場で知り合ったひと。マニスの1週間前までそのギャラリーで展示をやっていた。タイツがぶらさがっているところとかがほぼ実物大くらいのサイズで版画になっていて、何か共鳴。今回やっと機会あって買った版画はレースが破れたみたいなモティーフ。

建てたばかりのバリの家の寝室に入れると、それまで何とも落ち着かなかった空間がとてもいい感じになった(もっと大きいのが欲しかったけれど、その時期たまたま歯の治療で予定外の大きな出費があったから~)。

今年、買いたかったけれど諦めたもの。ロベール・クートラスという人の絵。タロットカードくらいのちいさいちいさい油彩で、すごくすごーく良かったのだけれど。……

| | コメント (0)

2006年10月25日 (水)

ボタンについてひとりごと

Photo_11 このところつくっている服はキブン的に、何色の生地でも白いボタンをつけてしまうことが多い。少し前までは「ボタンは生地の色になるべく近い色のものを選ぶ」みたいな思い込みがあったんだけど。マニスの服はどっちかというと濃い色の生地をよく選んでいるから、注文するボタンも黒っぽいのが多かった。

それよりもさらに前は、くるみボタンをつくるのが自分のなかで流行っていたので平べったい既成ボタンは服の内側やパンツのウエスト部分くらいにしか使わなかった。……7年もやっているうちにボタンについての認識も変わるものです。

それにしても。世の中にはたーくさんの種類のボタンが売られているのに“平べったい系”のものではダントツ貝ボタン。マニス以外でも自分で買うよその服についているのはたいてい(たまたま?)“貝”だったりする。不思議といえば不思議です。貝ボタンって割れやすいし、かなり個性的な光沢があるから生地によっては異質な感じもする。それでわたしはときどき裏面を表につかいます。裏面は模様や色にかなりばらつきがあるので、1着の服にまんべんなく似たようなものが並ぶように数百個くらいのなかから選ぶのです。「黒蝶」と呼ばれる黒っぽい貝ボタンがとくにそうで、ごつごつした岩っぽい表情のやら、つるっと茶色っぽいものやら、月が雲に隠れたみたいな半透明な光を放つものやら。そうしたなかから着分ごとにセットをつくる。だから服づくりの仕上げにつけるボタンが1着ずつ違って、出来た服たちは1着ごとに違った感じになる。……というところも貝ボタンの面白さかも。あとは滑りの良さ? 分かりませんが、とにかく飽きないしずっと好きなのです。

この前、子供に初めてパジャマを買った。それまでは悪くなった長袖やジャージーパンツでどうでもいい格好で寝せていたのだけど。大きめのチェック地で中がガーゼの二重織のもの。着始めてから「へぇ」と思ったのは、ボタンの大きさです。子供用にしては大きすぎるなぁ、と思って見ていたら、まもなく本人が「自分でできる」って。ボタンをはめるなんて難しいだろうと思っていたら、わりと上手にできるのです。そうかー。そのために大きいのがつけてあるのかーって。こういうボタンのつけ方、誰が考えたのでしょう、素敵です。あと、これも知らなかったのですが、脇に小さなボタンがついていて、これでパンツをとめてお腹が出ないようにするのですね。自分がいつごろからボタン締めを手さぐりでできるようになったのかも記憶にないけれど、ずっと昔から服のなかで同じようなものが同じように使われている。いろいろな配慮も加えられて。

| | コメント (0)

2006年10月11日 (水)

断食についてひとりごと

2週間ほど前からラマダンことムスリムのひとたちの断食が始まっています。バリはバリヒンドゥーの人がほとんどですが、ジャワ島からの移民やその人たちと結婚して改宗する人もいて、全体の2~3割はムスリム。UBUDの界隈にはあまりありませんが、クタやサヌールなど海に近い地域にはムスクがいくつもあります。

私は宗教にはあまり明るくありませんが、バリで結婚する前にバリヒンドゥへの改宗が義務づけられていて「歯削りの儀式」をやりました。かなり熱の入った儀式で、バリでは人の一生のなかでは葬式の次に重要なんだって。その前後に“しなければならない”“してはいけない”ことの数々。例えば、儀式の前夜は魔物に付かれやすいから兄弟姉妹と一室に寝るとか、家の敷地から3日間は出てはいけないとか。しかも人によって言うことが違う。本当の決まりと言い伝えがごっちゃになっていると思われる。え~、そんなこと急に言われても~。泣きましたねぇ。

話しが反れましたが、そうそう。だから、日ごろ宗教とともに生きる人たちは、さまざまな規則に沿って暮らしているということなのです(当たり前か)。

中でもラマダンはすごいと思う。毎年だいたい一番暑さが厳しい時期に当たり、3週間から4週間くらいのあいだ日が昇っている間は水も飲まない(らしい)。特別な修行者だけがするのではなくて、全員に課せられるというのが厳しい。「昼間はごろごろして夜中に活動するんだ」というお気楽なジャワ人もいるけれど、そんなマイペースが通用しない場合だって多い。

マニスのスタッフにもひとりだけムスリムの子がいます。朝から夕方までまわりの子と同じく仕事をして、他の子全員がお昼を食べている間やり過ごす。イスラムの国でもこの時期この苦行が相当辛いと思うけれど、ひとりだけで実行するっていったいどんな気持ちなのだろう。心配なので「仕事の時間を短縮したら?」とか、聞いてみるんだけれど本人は自信もあってか「大丈夫」だって。

日本でデトックスのための断食をした人の体験談が雑誌に出ていたけれど、私は1食抜いただけで血糖値が下がりふらついてしまう方なのでとても想像がつきません。ムスリムの断食も、それをやり遂げた後の爽快感や充実感ってきっとすごいだろうなぁ。リスペクト。

| | コメント (0)

2006年9月20日 (水)

湿気についてひとりごと

日本に戻ってかれこれ数日たちます。その間に、あぁやっぱり…。大きな台風が来ました。
さてさて。わたしが帰国するとき寝泊まりしているのは東京オフィスのひと部屋です(といって、間取り的にふた部屋しかないんだけれど)。普段はストックルームになっている方の部屋の床にお布団を敷いて寝る、といった具合なんです。だからわたしが来ている間はオフィスのスペースにいろいろなものがはみだして皆さん「カニ歩き」。……
マニス事務所はかつて4階建てビルの4階でした。風通しこそ良かったものの、夏は部屋の壁を触ってもアツ〜ってくらいの蒸風呂状態。しかもベータ無し。佐川急便さんもヤマト運輸さんも寄り付かないような。郵便局の集荷に至っては、自分でビルの入り口まで運んだりして、お愛想。誰も来ない日だったら1日に5回以上は行水していたと思います。いやいや、本当にモーリシャスやマダガスカルの空港並みに暑かった(ひとりごと)。
そんな過酷な夏はもうごめんだ、ということで、2年前、これまたずいぶん正反対な物件に越してきたのでした。わりとしっかりした鉄筋づくりのマンションの1階です。エントランス側はわりと人通りも車も多いけれど、裏庭の植え込みに面している部屋はすごーく静か。おまけに涼しい! 越してきた年の夏はエアコンも要らないくらいひんやりさわやか。「4階・赤道直下型」と同じエリアとは思えない!って、皆で感動。
しかし今年になって悪さをしているのが湿気です。昨年はまったく問題にならなかったのですが、今年に入ってからいろいろなものが急にカビ出した。
この前6月に戻った時にクロゼットの古い皮のバッグや下駄箱の皮靴がちょっとカビ臭くて、慌てて磨いたり防虫・防カビ剤を入れたり。引っ越してきて以来開けてもいなかった段ボールの中も整理がてら、ベランダで風を通したり段ボールの箱を替えたり(クロゼットというのは事務所の奥にある開かすの間でストックルームとはもちろん違うところにあります)。これでよし、と安心していたものの、今度はしっかりほぼ全部に来ました。靴やバッグはもちろんのこと、普段着用のシャツや上着、パンツ。それで、台風が去ってからというものひたすら洗濯、洗濯です。あー忙しー。そしてまたなかなか乾かない。
履き慣れたオーロラシューズも、スペイン製のアンティークのカバンも悲惨な姿。バブーシュは見るも惨いと捨ててくれたそうで。
今度いつかまた引っ越す機会があったら、ビルの1階でも最上階でもない風通しの良いところにしようと思います。

| | コメント (0)

2006年8月31日 (木)

本についてひとりごと

Photo_3今週は子供が“お祭り”やらのある親戚の家へ泊まりにいったきり帰ってこないので、すごく自由です、私。旦那さんも同じくあっちへ行っているから(別の理由ですが)時間がいっぱいあります。おとといはUBUDの街へ出かけて得意のひとりごはん。観光客だった頃よく行った観光客向けレストランでこっそりシーフード。でも、バリではこういう“ひとり”はあまりハッピーなことに見えないのです。「ひとりで大丈夫?」、って周りの人から心配される。これ、バリのいいところのひとつですね。嬉しいナァと思いつつ、こういうタイミングを有効に使わねば。

もうひとつやりたいこと。本を読むこと。普段は子供を寝かしつけてからまた仕事(やり方によってはそんなに働かなくてもよろしいのかも)。家事全般はお手伝いの女の子がいるから私はノータッチでも、家族がいればごはんづくりは自分でしたいなと思うので、普段の1日は結構せわしない。本などなかなか読み進まない。でも昨日は文庫を1冊読むことができました。快挙。

いつ買ったものか忘れたけど「センセイの鞄」です。雑誌クウネルの連載で短編を読んだことはあったけれどハマりました、川上弘実さん! 世間一般いろいろ評価はありますが、私にとって良かったのは導入部「月と電池」の章。だって、主人公のツキコさんは冒頭からひとりごはんしているじゃないですか!(かなり個人的主観) ……をしていると高校の頃のセンセイが同じお店で同じく……(正確には居酒屋にてそれぞれひとり酒)。そこから物語がはじまるのですが、読み進むとこのツキコさんはどうも自分の友達によく似ている。のようでいて、独身の頃の自分とも妙に重なる。真ん中辺りで「干潟―夢」という章があるのだけど、すごいな、この創作力。物語が突然彼岸の境目にやってくる。それまでとごく同じ描写で。夢なのか現実なのか思わず何度か読み返す。……あっ、すみません。こんな説明では何のことやらちっとも分かりませんよね。ともかく、ホント文庫カバーの裏にもあるとおりかなり「名作」だと思います(ひとりごはんの意味は別として)。物語の顛末はやはりツキコさんとそのセンセイが結ばれセンセイの死で終わるというやや期待通りの顛末なのだけど、そのゆっくりとした成り行きがまこと美しい。まだの方、ぜひお読み下さいませ。

きょうは次の本を読み始めました。先日バリに2泊3日という短い出張で来た友達からもらったもの。「外国にいるとき読むものって私は落語が好きなんだよね」って。まだ読みかけのをくれたのです。で、読み始めると……。笑えて気晴らしなのかと思いきや、へーっ、何だか奥ゆかしい。私、落語に対する知識ゼロだったかも知れません。こういう本、自分ではまず買わないし、今にぴったりじゃないですか。
というわけで、おふたりともまだあともうしばらく帰ってこなくてよろしいのです。

| | コメント (0)

2006年8月23日 (水)

庭についてひとりごと

Photo_3_1この頃悩んでいるのは庭です。庭というのは一体どういうふうにつくったらいいのか。

昨年から取りかかって2月にできた建物(1F:スタジオ、2F:住居)に、引っ越してきました。前の居場所が契約更新できなかったので、まだ窓がついていなかったけれど(!)水と電気が使えるようになってすぐに。だから移転後はキッチンのユニット取り付け工事やら、窓の取り付けやら、始終すごい音と埃のなかの生活。そうしたものが終わってしまうと「ふぅ~っ」と気も抜けて。セメントの塀に囲まれぺろっと土がむき出しの空き地というのにもだんだん見慣れてきてしまって。傾斜地を整地してつくった土地なので、段差があり補強のための塀で囲ってあるのです。

急がないにしてもまずは大きいもの(木)を入れたほうがいい、と人に言われ、「それじゃぁ」と、ヌサドゥアのホテル御用達のちょっと素敵なボタニカルショップへ。こういうところで“大きいもの”を選ぶなんて一生に一度でしょう、と、ニースかモナコにもありそうな外来種のシュロと、フェニックスを6本。バリにしてはずいぶん高い買い物だったけれど、それがトラック3台で運ばれてきたときは楽しかった。それを植えてかれこれ4、5ヶ月。すっかり根付きました。しかし。後、再びその大きい木だけがある景観に見慣れてしまうと「庭」についてまたぞや気持ちが遠のく。もしかして、私は庭オンチ? 庭いじりは好きなんだけどなぁ。……思うのですが、庭ってそういうものではないかしら。見慣れていつぞや伸び茂り手入れをしてさっぱりして。そしてまたちょっと新しいものを加えたりして。まっさらなところにいちどに全部の植木を入れるなんて、片手間ではなかなかできませんもの。だから庭いじり的にちびちびとしか進まない。

Photo_4ランドスケープデザイナーと称する人に図面を描いてもらったこともありました。でも四角い更地にデンと建っている白いシンプルな建物を囲むのとして、ごちゃついてまるでイメージの外だったので、そのままになってしまいました。シンプルな建物にはやはりシンプルな庭の方がすっきりまとまりそうだ、ということだけ分かりました。

おととい、せめて刑務所みたいな塀を覆うものとしてヘリコニアの一種でバリではポピュラーなヘリコニアボゴールの苗を入れました。犬が塀越しの通行人に吠えて迷惑をかけるし、という理由もあって。次はきっとこれがぐんぐん伸び茂った頃にまた何か考えよう。……と思ったら、「あなた、いくらなんでも芝生くらいは入れなさい」って苗を配達に来たおじさんから言われました。

はい、そうします。

| | コメント (0)

2006年8月 9日 (水)

服について、ひとりごと

私、バリではほとんどおしゃれをしません。Tシャツ10枚とパンツ10枚。それとときどき参加が必要なバリの伝統行事のときに着るクバヤとサロンが2枚ずつ。仕事柄、そんな手抜きは……。しかしここに長くいるうちに、次第にそうなりました。周りの女の子たちが質素だからかもしれません。バリにだってトレンドはあるし、おしゃれ好きな女の子もいっぱいいる。でも、基本的にはみんな着るものにお金をかけることはあまりしない。そういう環境に囲まれていると自分ひとりがおしゃれに気遣うことがだんだん異質に思えてきて。

昔フランスに2年くらいいたことがあります。その頃はちょうど日本のバブル期で。それで、あちらへ行ったらもっと皆おしゃれなのだろうと思い、目いっぱい背伸びしてブランド物の服やヴィンテージの古着をカバンにぎゅうぎゅう詰めて行った。そうしたらフランスでは誰もそんな服着ていないのです。上流階級やファッション関係者以外は。留学生の身の丈に合わない気張った服は逆に気が引けてしまって、せっかく持って行ったものの半分も着られませんでした。そして、思った。フランスって何てラクチンなところなんだろう、って。ときどきのフォーマルな場所へは頑張ったおしゃれがいいけれど、普段は数枚の服でいいなんて。

話を戻して今のバリ。マニスのスタッフを見ていると、たまに買った新しい服はていねいにアイロンをかけて大事に着ているみたい。新しい服は何かのときのために大切にするのです。私、日本にいるときはやっぱり、つい買ったばかりの服を次に日には(早いときには買ったそのときから)着てしまって、また2日後に着て、そうしてやっぱり1年か2年もすれば部屋着にまわることが多い。これ、バブル期感覚の名残りでしょうか? とにかくバリではその「部屋着並み」が定番なのです。もともとあまり服を大切に着る方ではないので、洗ったままとかが好きなのですが。でも、バリの質素さに慣れてから、気持ちの方はちょっと今までとは違っています。

少しでも長く着よう、と思うことで服との付き合い方が変わりました。いいものだから大切に、という感覚はそれまでもあったけれど、どんな服でも少しでも長く着ようと。自分ではやったことがなかった繕いものもするようになりましたし。ビーサンは犬に齧られて履けなくなるまで代わりを買わないし、穴のあいたTシャツや色あせたパンツはそのまましばらくは着る。

服をつくるという仕事をしているから、もちろんいろいろな服を試してみたいのです。ひとのつくった服を着ることで自分のつくっているものへの評価ができるし。でも、それは日本に戻ったときの楽しみのひとつ。日本にいるときはもっと毎日いろんな人と会うし、きょう何を着ようかなと一生懸命考えもする。ところが、日本へ戻ったばかりの数日はバリ感覚が抜けなくて、本当にみすぼらしいんです。それで出来たばかりのマニスの服を照れ臭く着ていると「やっぱりつくった人が一番似合うわね!」って言われて。恥ずかしいのと申し訳ないのとでいつもどぎまぎしてしまうのです。

| | コメント (0)