2019年10月27日 (日)

まめしんぶん・2019秋冬 3

予約配信にて

再びまめしんぶん連投、最終回です。

70回もの作品展を重ねることで

精進できているのかどうか怪しいところですが、

20年振り返ってやはり今回がいちばん良いもの(布)が集まっていると思います!

布からいただくメッセージを勝手な解釈で料理する方法だけは

ずっと変わっていませんけれど。(なぜだか理由もわかりませんホントに。)

布が好きなだけかも!

では、では。

続きにまいります。

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ナチュラルカラーのパート

山岳地帯ヒマーチャル州の風合いの良い温かな手織ウールは、長年大好きで集めているのですが、最近は生地としてなかなか手に入らないのでショールとして売られているものを収集。

両端のフリンジはせっかくの手仕事なので成り行きでそのまま使っています。

ブラウン系の天然色に合わせてピックアップした東ジャワ・トゥバンの天然染バティックとカッチのへリンボンを加えています。

 

ヒマーチャル産ヤクウール&シープウールショールを使った「ショールコート」

9月のインドで探し回ったヒマーチャルのヤクウール。

ヤクはカシミアよりも希少とされる標高の高いところで放牧されている牛のような方々で、本物は相当軽くて暖かいそうですが現場へ行ったことがないのでいまだ不明です。

ヤクの毛が50%というショールは確かに温かさが少し違うような(気がします)。

囲み製図のようにパターン無しで囲み製図のようにパターン無しで裁断。

パイピング、見返しにブロックプリントやカラムカリ(手描きプリント)を使っています。

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ヒマーチャル産アンゴラxシープウールショールのインドローブ

ラビット、というからにはアンゴラですねきっと。ウサギ&ヒマーチャルにいるヒツジによる大判ショールはとても柔らかく、ち密に織られています。なかなかに贅沢な手織です。

薄手カディのためのパターンをアレンジしてロング丈のローブを。裾に幅広の見返しを付けてアウター風に。

フレアが利いたインド風シルエットです。

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ヒマーチャル産シープウールショールのワークローブ

「シープウール」というのは輸入のメリノウールとは別物でヒマーチャルにいる羊さんから採った毛であるという事だそう。

やや強撚で硬さがある大判ショールは縁に黒いラインが入っています。

TOPの裏にストライプ柄のタッサーシルクコットンを使い、ボトム部分はショール風の素材感そのままに仕立てたローブです。

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ラジャスターン産カディウールショールの「ショールコート」

下の写真のTOP:ジャイプールのカディ専門店にあった昔のお父さんたちが使っていたような雰囲気の襟巻風ショールを使っています。

カッチ産カラコットンへリンボンの空手パンツ

下の写真のボトム:カッチの柔らかい風合いのひし形ヘリンボン。こげ茶とベージュの交織でリネンやウールにぴったりの自然派コットンです。

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ベーシックのパート

国産の上質なリネンとウールで。

 

国産ライトリネン高密度のジプシーシャツ

額縁のような均等幅の見返し、玉縁型のボタンホール。アルティザンな定番のTOPです。

今回のものはパイピングに別色を使ったコンビネーション。

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同じ生地で、いつものツイストパンツ。

ハリがあってバランスのよい仕立て上がりです。

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国産ミドルリネンへリンボンのダブルホールジャケット

2年越しで使っているリネンヘリンボン。

フロントのボタンホールが二重になっています。掛け方は右側を折り返す、折り返さない、の二通りです。

後ろ身頃の大きなタックが全体にAラインのシルエットを醸し出しているデザイン。

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圧縮アルパカウールツイードetcのベンガルパンツ

昨年使った黒とグレーのウール生地の残りをはぎ合せ、ポケット部分にはヒマーチャルのツイード生地を合わせています。

無地部分とはぎ合せ入が入っているボーダー部分をMIXしています。

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国産圧縮ウールメルトンのオールドコート

光沢のないメルトンのようなニット素材の圧縮タイプ。ニットなので厚さのわりに柔らかさがあります。

見返し、裏襟はトゥバン産手つむぎコットン。(ほかカッチ産カラコットンストライプなどなど。)

シンプルなパターンのおじさん風コート。大き目のシルエットで襟はシャツ風の仕立てです。

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カッチウールの黒、トゥバンコットンの黒

大阪弁風のおっちゃんが何度もメッセージを送ってくるので、ある日ひらめいてもう一色お願いしたデシウール。

絶句の黒に染めてと頼んで、確かにしっかりと主張する黒が送られてきました。

英語が苦手なおっちゃんと私の間で、絶妙なやり取りの末、よくぞ。

いい感じの黒です。

インドネシアのトゥバン産からも黒を。

 

カッチ産デシウール手織プレーンブラック&カッチ産カラコットンオーガニッククロスの

テントパーカ

両面カッチ産、中もう一枚バリシャンブレーを噛ませた3枚仕立てです。

ボタンホールは玉縁仕立て。100%天然素材で手織という贅沢なアウターです。

 

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同じ黒でマウンテンパンツ。スタンダードな七分丈パンツを冬向けにくるぶし丈に。

バリ手織シャンブレーとの二重縫いで温かな仕上がりです。

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トゥバン産手つむぎコットン(Tenun)パッチワーク&バリシャンブレー

ダブルホールジャケット

毎回使っている東ジャワ、トゥバンの手つむぎコットン布です。

今回ははぎれから作ったパッチワークと、黒い無地で。

北タイのコットンのようにやや甘撚りで太い糸ですが比較的ハリがある織りです。

後身頃はタックが大きいデザインなので無地布で1枚仕立て、前身頃、袖、襟をパッチワーク布で2重仕立て。

ボトムは、いつもより少し丈長にした定番の八分丈の「ブーツパンツ」です。

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お読みくださいましてありがとうございました。

フラスコさんにてお目にかかりましょう!

 

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2019年10月26日 (土)

まめしんぶん・2019秋冬 2

11月1日から3日間のアトリエマニス作品展でご覧いただく予定の今期新作を

引き続きご紹介させていただきます。

ちょっと長文になりますがご覧いただけたら嬉しいです。

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カッチ風冬素材

砂漠地帯のカッチを3月に訪れたとき、昼間の灼熱と夜の寒気との差に驚きました。

この気温差の中にウール織の伝統があるのですね。

また、ラバリ族と言うとアップリケやミラーワーク、刺繍がメインかと思っていましたが、豊かな技術を生かしたシックなサリーやショールが思いがけず豊富でした。

殺風景な土地でなぜこれほど染織と手仕事が盛んなのか、とても興味深いものがあります。

 

カッチ産メリノウールミラーワークショールのチベタンショート

ミルキーホワイトのしんなりソフトなウールはオーストラリアからの輸入糸だそうです。

小さくあしらわれたミラーワークには今風のセンスがありますね。

ガラス部分を取り除きながら裁断&縫製。シンプルにふんわりしたカシュクール型です。

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カシミール産ホック刺繍コットンキャンバス

こちらは北部カシミールのホック刺繍によるインテリアクロス。上のミラーワークに合わせて引っ張り出したもの。

緩い織目のコットンキャンバスに立体的にウール糸で刺繍されているものです。多配色のものが多い中この生成地が好きで見かける度に買っています。

裾丈を出すために無地ウールとタッサーオーガンジー(裏側)のヘムパーツを加えたスカートです。

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カッチ産メリノウールミラーワークショールのワーカーズドレス

シンプルな四角いシルエットの夏向けのパターンを使って、この魅力的なショールを裁断。

夜空の星の輝きが服の中にちりばめられるようなちょっと素敵なドレスになりました。

袖とネックはリネンネルを使っています。ショールのサイズに差があり着丈が長いものと短いものがあります。

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Khadimanisの服から

カラ・コットンとdolkiモティーフ

カッチの織工房にチャレンジでお願いしてみた布を中心に充実のカディマニス。

大阪弁が合いそうな熱心なおっちゃんにいろいろ作ってもらいました。

カラコットンは生成とインディゴでそれぞれボーダー柄とDolkiと呼ばれるリボンのような交差柄の織模様を入れてもらいました。

砂漠のカッチとバリ間をワッツアップでリアルタイムにやりとりしつつ、荷物は日本経由(インドネシアに直接輸入できないため)という遠回りでしたが、布の個性を最大限引き出せるようにバリ側でも大いに頑張ってみました。

 

カッチ産カラコットンオーガニッククロスの

チュニスブラウスとギャザースカート、トラペーズドレスなど

インディゴ染に白糸の織柄。とても柔らかい肌触り。織るときに硬く糊をほどこし仕上げにしっかり洗っているのだと思います。

ブラウスは片袖だけボーダー柄を入れ、他をDolki柄に。ステッチワークと包みボタンをポイントに。

先染めで色が擦れ落ち着きがあるインディゴ。袖とスカートに使ったボーダーの織柄部分にはとても時間がかかるのだそうです。

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下は同じ素材で作ったトラペーズドレスです。写真が暗めですが上と同じ色目です。

TOPにDolkiモティーフ、スカート部分にボーダーを使い、半裏仕立てに。

アクセントにパイピング、ボタン、ヘムには布飾りなどいろいろプラスしています。

ヘムの飾りはご不要の場合は簡単に外せます。

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生成は赤とブルーの織模様。

インディゴとは違う世界感。

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チュニスブラウスはステッチとボタンづかいにひと手間。

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 写真がやや暗めですが、こちらも同じdolkiモティーフの生成コットン。

赤いパイピングをアクセントにした「チベタンショート」という形です。

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カッチ産カラコットンチェックショールのギャザースカート

下は茶系が効いた格子とボーダー、落ち着いた配色のドビー風織柄。強撚でリネン的風合いも感じる薄手のショールを使って。

裾に太めの見返しをつけて裏無し。いつでも気持ちよく着られると思います。

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インド茜を中心に

グジャラート州の荒涼とした乾燥地帯でつくられているブロックプリント。

バティックのように糊防染をして染め抜きをする方法と直接を版で押す方法(=ブロックプリント)があり、染めた布を洗うためのプールが独特です。

水を張ったコンクリのプールに職人が半身漬かりながら、糊抜きをするために布をバシバシ縁にたたきつけるのです。

媒染剤や染料も周囲にあるものを使っていて、防染に使うゴムの木もはじめて見せてもらいました。

ここではインディゴ染も盛んですが、今回は美しい発色の茜染めを。

 

カッチ産インド茜染ブロックプリント

黒っぽい配色のものが多いストックの中で目を引くのはインド茜の赤。秋冬服の中にも彩りとなります。

TOPは紺色のクルミボタンを丁寧に並べアクセントに。生成色のリネンやウールに合わせやすい温かみのある深いピンク色です。

スカートは深紅のヒンドゥ的な花柄がおおらかに描かれたプリント。

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下はカシュクール・エテと呼んでいるオーバードレス。

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ヒマーチャル産手織ウール&グジャラート産インド茜ブロックプリントのトラベルコート

Sinduさんが現地マナリーから直接買ってきてくれた手織ウール。

無地の黒地のライニングに、赤いブロックプリントを大胆に使って。

このほか岩立さんから10年以上前にいただいた、ウメドプーラのナンナ模様(黒いプリント)の裏地のものがあります(11月下旬入荷予定)。

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カッチ産ラバリトライブ風サリー&リネンドビークロスのベルトポケットパンツ

トライブ=民族風の織柄、アンティークのような落ち着いた天然染めのサリーが1枚だけ手に入りました。

こんな枯れた色もアリなのかと驚くカッチ流センス。写真は明るく見えますが、結構渋めの赤です。

本物アンティークならばハサミを入れられないのでスルーしていたかもしれません。

ポケットパーツで明るさを彩るようなパンツを考えてみました。リネンの裏地と重ねて縫っています。

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西ベンガル・ヘリンボン

カディコットンを秋冬向けにと西ベンガルで依頼したヘリンボンのシリーズです。

一見似た組織ながら糸が違うだけでずいぶんと違う2種類が上がってきました。

西ベンガル産ギッチャーシルクxリネン手織ヘリンボンのオールドコート

経糸に太い黒のリネン糸、緯糸にはギッチャーシルク。

ウールツイードのようなネップがたくさん入ったMIX調ですが、光沢と軽さ、しなやかさはシルクならではの着心地です。

布の雰囲気に合わせて四角いシルエットのおじさん風コートを作ってみました。襟芯を貼らずに柔らかい仕立て。

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西ベンガル産カディコットンホームスパンxリネン手織へリンボン&バリシャンブレーのマオコート

経糸に太い黒のリネン糸、緯糸に0番手と言うカディの一番太い糸を使ったヘリンボン。

カディコットンの柔らかさが特徴です。

打ち込みがやや緩くカディ糸の撚りが甘いため、裏地を一緒に縫い込む仕立て方にしています。

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色はこちらのブルーとライトブラウンがあります。

同じ生地でパンツを作っています。

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西ベンガル・総刺繍のシルクカンタ

コルカタの古いお屋敷で西ベンガルの女性たちの生活支援を兼ねてカンタづくりを奨励している、Malika’s Kantha Collectionのショールとサリーを使っています。(コロニアル風のとても素敵なお宅でした。)

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パイピングや縁をそのまま使いながら3タイプの服をつくりました。

セミフォーマルや日常のちょっとしたお出かけに手刺繍を楽しんでいただけたらと思います。

 

西ベンガル産シルクエンブロイダリーカンタ&ラジシャヒシルクのワークローブ

黒地に赤糸だけの大胆なペイズリー柄。無地部分が多いサリーなので、黒いプレーンシルクを合わせてみました。

TOPが短めでハイウエストのローブ型ノースリーブ。スカート部分の裏地も全部シルクです。

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西ベンガル産タッサーシルクエンブロイダリーカンタサリーのシュミゼショート

1枚にどれくらいの時間がかかるものなのか、5.5メートルのサリーのほぼ全体に1色の糸だけで贅沢に刺繍されています。

素朴な柄が何ともベンガル風。

縁取りやステッチワークをプラスして1つのサリーから4点のブラウスを。基布は張りのあるタッサーシルクです。

裁断の位置によって刺繍の込み具合が違うため価格もそれぞれです。

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下はちょっとピンクがかった落ち着いた赤で、クリーム1色の刺繍。

ダークグリーンのトリミングを入れて、ちょいと引き締めてみました。

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西ベンガル産タッサーシルクエンブロイダリーカンタ&ラジシャヒシルク 

ライニング:カーディコットン

基布はタッサーシルク。モティーフの縁取りが色糸、中を白糸で埋め尽くした清楚なデュパタ(ショール)を使ったドレス。

TOP部分はバングラデシュのシルク産地ラジシャヒのプレーンシャンブレー。

ライニングドレス付きです!

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ライニングドレスは洗濯ができるようにカディコットンを使っています。

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まめしんぶん、もう少し続きます!

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2019年10月25日 (金)

まめしんぶん・2019秋冬 1

皆さま、こんにちは。

ご案内DMはお手元に届いていますか?

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作品展がもうすぐです。

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vol.70 Kutch artisan & eternal warming

ブランド設立1998年から21年、本格的にバリでの服作りが始まってから20年となります。

1998年3月にVol.0(ゼロ)のプレ作品展をやらせていただいてから、今回で70回目となります。

これほど長い期間、回り道をいっぱいしながら、家族や仕事仲間にいろいろ迷惑もかけながら、わがままに作り続けて来られたのも、偏に着てくださる皆さまのおかげなのです。本当に本当に、ありがとうございます。

今年はずっと行きたいと思いながらなかなか機会が持てなかった西インド、グジャラート州のカッチへおもむき、産地の素晴らしい織手の人々から直接分けていただいた布が中心に、春夏から今回の秋冬展を通して心温まる素材をご覧いただいています。

グジャラートをはじめインドの布の一部は、もはやエスニックではなく、多様性に富み作り手のセンスと技術を今の時代にどんどん膨らませていて唸ってしまいます。

東インド会社からマハトマ・ガンジーさんの思想を経て、今や経済発展まっしぐらの中にこれほど麗しいテキスタイルが、保存会のような特別扱いされずに、ひとつの商売として淡々と作られている。

機械化に傾倒しないで職人的仕事が生き生きとしている。

よって今回はこれまでより一層時間をかけてじっくり服へ落とし込みをしました。

時間をかけた分点数は少なくなりましたが、現在進行形のカッチ流アルティザンの着心地をお楽しみいただけたらさいわいです。

 

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カッチのウール

カッチの毛織と言えば、デシウール呼ばれる硬いウールが代表的。

長年間接的に入手して使ってきていましたが、軽さと柔らかさを追求する冬素材の中でこのゴワゴワしたウールは相当なマイノリティです。

なぜこんな硬いのかと思ったら、移動の民ラバリ族の周辺にいるラクダや羊、ヤギなどの獣毛(たぶんその一番硬い部分)を使っているらしい。硬いせいか、洗ってもあまり縮まないようです。

この個性的なウールのほかにも輸入されているメリノウールを使っているもの、模様織を入れたものなど種類も豊富。

今回はショールとして売られていたものを主に使って織柄とフリンジを生かしながら仕立ててみました。


デシウールブランケットのラバリコート

ショールサイズのブランケット1枚から1着がぎりぎり取れるサイズのハーフ丈チュニックを作りました。

ショールのサイズがまちまちなので、小さくてパターンに満たないものは別布を足しています。

両端のフリンジを裾に使って、身頃部分だけ裏地付けて。

裏地、パイピングと紐を1着ずつ選んでいく作業は成り行き任せ。

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個性的なウールをナチュラルに着る、今年の秋冬です。

中央のダークブラウンが一番カッチ風気分ですが、右の深いインディゴがいいバランスで仕上がっています。左のオフホワイトはフリンジだけがインディゴ染で面白いのでパイピングも同系色に。

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カッチ産デシウール&タッサーシルク手織ショールのロングスカート

ウールとワイルドシルクのタッサーの美しいインディゴ染め。

伝統的な織柄が入った贅沢なショールをほぼ裁断せずそのままタック入りスカートに。

裾にステッチワークを効かせたフルロング丈です。

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カッチ産デシウールインディゴダイ手織のシュミゼロング丈

こちらはオーダーしてつくってもらった布。タテヨコともデシウール100%です。

カッチではインディゴ染が盛んなようで、私が見せてもらった工房では地面に彫り込まれた簡単な藍のプールを使ってサクサクと染めていました。ウールのインディゴ染はしばしば色が落ちやすい事があるのですが、今回は2度洗いしてもあまり色移りせずなかなかよい状態です。

糸染めなので部分的に濃淡があります。

こちらは人気上昇中にて残りわずかとなりました。

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カッチ産デシウールインディゴダイdolkiモティーフのインドパンツ

同じタテヨコ共デシウール・インディゴ染の機で一部を織柄入りにしてもらいました。

模様が入るとフォークロアっぽさが一段と出てきます。

赤いコットンの付属パーツと赤いステッチを効かせて。

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模様織はこんな風に織りながら刺繍するような感じで入れていきます。
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カッチのインディゴウール

メリノウール(オーストラリアからの輸入糸という)のインディゴ染。

もっと柔らかいものが来ると思っていたのですがサマーウールのように強撚でした。薄くて丈夫そうな仕上がりです。

織模様にはそれぞれに名前がついていて、私の乏しい英語力ゆえ正確さに欠けますが、メモしてきたものが以下です。今回はこの中からdolkiという模様を選んでお願いしてみました。

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カッチ産インディゴ手織メリノウールdolkiモティーフのロングカシュクール

裾と紐のコットンがポイント。いつものカシュクールよりも丈長にしています。

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同じ生地でサックボトムを。

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同じ素材で模様無し(無地)。

生地幅から成り行きで裁断した四角いパーツを縫い合わせたTOPです。

裾に上の巾着スカートで使わず切り落としたフリンジ部分を縫い付けてポイントに(一部ついていないものもあります)。Img_2819

 

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まめしんぶん、続きます!

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2019年7月 8日 (月)

まめしんぶん2019盛夏

7月になりました。

作品展から先、いろいろあって、また「まめしんぶん」です。w

今月また帰国する予定があり、6月につくった夏の服の続きを担いでいくので

思い付きで、急遽、間kosumiさんにお願いをして

3日間のプチマニス展を開催していただけることになりました!

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2019年7月19日(金)~21日(日) 12:00~18:00

間・kosumi

http://kosumi.net/index.html

19日は私もおります。お直しのご相談も受付いたします!

(14:00~17:00頃)

JR総武線/地下鉄大江戸線・東中野駅西口下車6
地下鉄東西線落合駅 2b 出口前

 

164-0003 東京都中野区東中野4-16-11-2
tel/fax 03-3360-0206
mail:
kosumi@bk.iij4u.or.jp

 

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盛夏から秋の服は、ベーシック素材が中心です。

春夏にインドの布をたくさん使ったので、今回は国産生地とインドネシアのバティックで

よりシンプルで実用的なタイプのラインナップです。

リネン・エンブロイダリーのカタックラージ

濃紺のナチュラルなリネンをカットレースした国産生地。

写真だと分かりにくいかもしれませんが、白いネット状の部分は穴あきになっています。

そのままだと季節が限られるので、

紺色のバリ手織シャンブレーでもう一枚。ライナーブラウスをおまけ!

別々の2着なのでそれぞれをシングルで着るのもよし、重ねてジャケット風に着るのもよし。

いつもの「カタックラージ」のヘムを水平にして(いつもは後ろ身頃に向って短い丈)ジャケット風シルエットに。

フリーサイズです。

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リネンエンブロイダリーの三角スカート

こちらはカットレースではなく布の上に少し立体感のあるエンブロイダリーが乗った国産生地。

前は四角、後ろは台形のパターンで

全体的にすっきりしたシルエットのセミロング丈。

ポケット無しのとてもシンプルなデザインです。

前スカートのヘムは生地端のトリミングをそのまま使ってポイントに。

天然素材なのでお洗濯OK。M,Lサイズ、紺とライトブルーがあります。

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リネンヒッコリーのワークパンツ

アトリエマニス15年来の定番パンツ。

一見プレーンな形ですが、履きやすさと合わせやすさが人気です。

裾がややワイドな太目タイプで、立体的カーブのウエスト。

今回のヒッコリーは薄手でややしっかりした3色。2サイズ。

後中心にウエストサイズ調節用のタブがあります。

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高密度リネンのボタンループパンツNew

薄手で高密度のリネンは実用的。

キュロットのような幅広、ひざ下丈のボトムです。

後はややたっぷりめのギャザーが入っています。

フリーサイズ。紺1色のみ。

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ライトリネンクロスのカタックラージ

一番上のと同じ形ですが、

こちらは後ろがちょっと短い従来のパターン。

19個のボタンが涼し気に並ぶ夏の羽織りものです。

パイピングにインド産カディコットンチェックを使っています。

透けるような薄手ながらしっかり安定した生地。

フリーサイズ、写真の黒のほかにこげ茶があります。

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SOLOバティックのツイストパンツ

INA craftで手に入れた、はんなり柄。

伝統的バティックの老舗によるシンプルな柄のサロンです。

何万点ものバティックが持ち込まれているインドネシア最大級の展示会の中で

この一見すごぉーく地味なのを選んでおりましたが

パンツにしたらかなりいい感じに落ち着きました。

バティック宇宙の広がりは結構果てしない。

市松格子柄もありますよ!

ツイストパンツ派の皆さまはお見逃しなく。

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ギンガムチェック柄バティックのツイストパンツ

上のと同じツイストパンツ。

こちらは

ギンガムチェックのように見えるようにバリで版をつくり染めてもらったものです。

実は昨年作った分の染め直し。

なかなか深みのある色に上がりました!

濃紺との2色、M,Lサイズ。

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リネン・へリンボンのベンガルパンツ

ヘムに向って幅狭、逆三角形のようなボリュームで履きやすい8分丈パンツです。

オールシーズン向けのしっかりしたリネンのへリンボン(杉綾)。

サスペンダー風の紐は生成リネンです。

写真の濃紺のみ、フリーサイズ。

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コットン・プリミシマのギャザーTOP

たっぷりした分量、肘までの短めの袖が細めでバランスを取っているブラウス。

ネック部分に昔の封筒のような、2つボタンに紐をかけて留めるデザインです。

紐の先端には、平貝の形の天然貝パーツをつけて。

手描きジャワバティックの基布に使われるプリミシマは強くしなやか。

フリーサイズ。

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ワッシャーリネン・ストライプのシュミゼ

岡山で加工されている人気の国産ワッシャーリネンです。

薄手で肌触りが良く、洗い立てが爽やかな風合い。

コートのように羽織れる夏のアウターです。

写真の深緑のみ、フリーサイズ。

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SOLOバティックのBigパンツ

スクリーンによるいい感じのバティック。

こちらもINA craftで入手したものですが、深めで鮮やかな印象のグリーンに

黒いトリミングとソガ風の赤茶色がうまく響いています。

掘り出し物です!

とても大振りな柄なので大きなシルエットのパンツに。

いつもより少し丈長にしてみました。

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カディチェックのトラペーズドレス

初夏で使ったインドのカディコットンでパイピングを生かしたサマードレスを。

暗い色ではないけれどそのままだとぼんやりするタイプのチェックなので

はっきりした同系色のパイピングを効かせました。

やさしい着心地とキリリとした雰囲気が調和しているかな、と思います。

フリーサイズ。こちらのほかにモノトーン系があります。

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オリッサ産イカットのリスパンツ

インド絣の一大産地、オリッサ州のおしゃれなランニングクロスを組み合わせ。

夏らしい爽やかな配色の2柄。

それぞれの単独の柄で縫ってもよいのですが

こうして組み合わせることで

イカットの柄が引き出されるような気がします。

着心地も爽やかな薄手コットン。

ウエストは紐で調節できますがM,Lサイズがあります。

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間kosumiさんで、お目にかかりましょう!

 

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2019年5月20日 (月)

まめしんぶん 2019春夏 3 カラコットン

5月17日に京都に着きました。

きょうは、もう東京へ送る荷物の梱包作業中。

早いもので、作品展はもう今週です。

週末はお天気もまずまずでちょっとまた気温が上がって来そうな予報ですね。

初夏のための爽やかなコレクションが映えるといいな、と

楽しみでなりません!

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まめしんぶん3回目は、

「Khadimanis」のシリーズをご紹介します。

カーディマニスは、薄ピンクのネームラベルをつけています。

天然素材、天然染めのベーシックな服を中心にしているのですが

シーズンによってあったりなかったり。比較的影が薄いのですが、

今回は薄ピンクラベルが充実です。

 

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カルナタカのカディ

カダールと呼ばれるカディ、手つむぎによる本来のカディ。

地図で探すと、南インドのバンガロールに近い地域です。

カディコットンと言うと今や半分機械のような動力で大量生産もされている中で

ここでは有機染料(天然染め)だけを使い

ガンジー思想のポリシーを尊重した織物をつくっているそうです。

今回はカディコットン探しに没頭しているうちにここの生産者と巡り合い、

インディゴを使ったストライプを取り寄せてみました。

ふわっと綿毛が時折飛び出してくるようなナチュラル感。

これまで扱ってきたどのカディより、コットンらしさが感じられます。

(DMのコラージュ写真にこの布のアップの写真を入れています。)

柔らかいので、弱りそうな力がかかる部分にステッチワークを入れました。

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カッチのインディゴ・カラコットン

砂漠地域グジャラート州・カッチ地方から直接担いできた布を

高温多湿のバリで洗うと、ちょっとしんなり。湿気のせいかどうかは分かりませんが。

カッチでは、カラコットンと呼ばれる綿毛の実が小さい品種を栽培しているそうで、

それが糸車で紡がれている。

繊維が短いタイプのコットンは太く分厚くされがちですが、

こちらはガーゼのように薄い生地。

カッチのセンスはなかなかです。

濃いインディゴ染のカラコットンで、ノースリーブ重ね着タイプのカシュクールと

脇にパネルを入れすっきりしたフォームのブラウスを。

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一見ボソッとした表情ですが、薄いガーゼ調のせいか、いい雰囲気。

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ブラウスは2サイズ。

チューブスリーブTOPと名付けられていて、

スッキリしたシルエット。

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ほんの一部に白糸ステッチを効かせて。

(ボタンループの脇ですが見えるでしょうか?)

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カッチのカラコットン・ストライプ

カラコットンの中でダントツかわいいのがストライプです。

まずはメビウスTOPというデザインで

インディゴ染料を使ったブルー系の爽やかなストライプを使いました。

緯糸の撚りが強く、洗い立ては楊柳のように縮みます。

裾、端にシルクオーガンジーのパイピングワークを取り入れて

しっかり仕立て。

さらりと羽織りやすい夏のアウター。

Img_2007

同じ工房のやや太めのストライプ。

こちらはロングチュニックを作りました。

紐にはストライプに似せたステッチワークを入れて。

Img_6085

 

カラコットンのサリー

デリーのギャラリーで買ったサリー。1枚からブラウス2点、スカート1点を。

写真の柄は完売していますが、こんな風に紐の先端にパーツを付けて。

袖口と裾にシルクオーガンジーを付け足して、

ブラウスそのものが2枚重ねのようにも見えそうな一枚仕立てです。

Img_6348

サリーのTOP部分からスカートを。

ストライプのグラデーションがおしゃれ。

ポンポンが付いているのは片面だけです。

中地にタッサーシルクのオーガンジーを使った贅沢仕立て。

Img_6711

別のサリーは、グレーの天然染めとルビー色のコンビネーション。

Img_2096

下のはサリーではなく

カッチで買った服地用。

このようなジャムダニのような織模様の事も、カッチと呼んでいるようです。

ベンガルのに比べて柄が大きくはっきりしているのが面白いです。

東西パキスタンがあったように、グジャラートと西ベンガルは共通していることが時々あるように思います。

(キルト=カンタはベンガルとパキスタンにあるし、自分の祖先はカッチから来たというベンガル人もいます。。)

生成にトリコロールがおしゃれですね。

Img_2198_1

下は、カッチの工房作のデュパタ(ショール)を使った

「カシュクールエテ」、

夏のオーバードレスです。

1枚1着だと不足なので、パーツがコンビになっているものもあります。

端のタッセルをそのまま裾に使っています。

Img_2187

 

最後は、カラコットン・ボーダーです。

ビーチタオルのような太いボーダーが薄手の織にいい雰囲気。

風合いは上のストライプと似ていますが、楊柳のように縮まないタイプ。

 Img_7587_1

ボタンとボタンの間にコメ印ステッチを入れて、ポイントに。

Img_2176

カッチのコットンは、この生成色の雰囲気がいいですね。

真っ白、オフ白のストライプと比べてこの地色であること、

短繊維のコットンながらカジュアル過ぎない粗野な感じがしない。

薄さ加減も服地にバランスよくて。

色合いを保つためにも洗剤ではなく石鹸系のもの、ソープナッツなどで洗ってくださいね。

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それでは、

今から荷物発送します。

神楽坂でぜひお目にかかりましょう。

 

 

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2019年5月14日 (火)

まめしんぶん 2019春夏 2 ステッチワーク&トリコロール

きょうは、まめしんぶんの続きです。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

ステッチワークの服

前の投稿にもいくつか入っていましたが、

薄手の生地をしっかりさせる為もあり、ステッチたっぷりの今回です。

インドにある服の仕立て方には縫い目を使ってステッチでそのまま縁飾りを描くものもよく目にします。

それをちょっと応用して色糸を使ってポイントに。

下は、リネンガーゼを後染めしたもの。

Img_2134

こげ茶と紺があります。

ふんわりしたポムショートという形の服。

薄手の生地に色糸ステッチが入ると服の雰囲気が楽しくなります。

Img_2130

下は、毎シーズン作っているロングジプシーという形。

ややしっかり目の薄手リネンです。

白地にブルーのステッチと、ナス紺に白のステッチ。

襟をしっかりさせるために、これまたステッチたくさん入れました♪

Img_2095Img_2110_1

下は、ブルマーパンツという形。

ギャザーとフロントボタンがポイントの履きやすいパンツです。

濃赤に生成ステッチ、紺には赤ステッチで。

ベーシックないつもの形も、ステッチ効果でちょっと新鮮、かな?

今回お題にしているトリコロール調で

その他いろいろ。

Img_2118   Img_7538_1

ちなみに、ポイントに使っている赤は

リネンのほかコットンキャンブリックも。

深めの赤がこのところ続いていますが、

来シーズンの秋冬でも天然色にこの赤を差し込んでいく予定です。

(赤の時代が到来しているみたいです・笑)

 

 

イカットとバティックの服

夏なので、

爽やかなイカットを少々使って

2タイプのドレスを作りました。

毎度お決まりのようですが、コンビです、やはり。

左のワーカーズドレスの形では、ブルー系のコンビネーションで2柄。

右のギャザードレスではモノトーンで4柄(写真のほかの3柄はチェック地)。

どちらもフリーサイズ。

イカットはオリッサ州の手織です。

バリ産のエンデックという腰巻イカットと比べると、かなりソフトな風合い。

実は最近イカットに再注目しています。

インドネシアにいると腰巻派はバティック部隊が大勢の中、おしゃれなイカットがしばしば目につきます。

バティックは生地が機械織でち密なのに比べて、イカットは手織りのせいか

ちょっとしたズレがリズミカル。

涼しい夏ドレス、おすすめです。

Img_2192Img_2193

 

お次のバティックは、ほんの1週間前に行ったジャカルタのINAクラフトというイベントで

見つけたものです。

スクリーン(手作業のプリント)ですが、同じ配色でいろいろな柄があるので

やはりコンビネーションです。(笑)

ボタンループパンツは今回履きやすいローウエストに。3サイズあります!

写真は左が前、右が後ろ。

Img_2199      Img_2200

レイヤースカートもやっぱりコンビで。

1着ごとに全部組み合わせが異なります♪

Img_2201

Img_2202    Img_2203

 

・・・・・・・・・・・・・・

バリから京都へ今週移動。

5月18日の土曜日は私がtoko manisのお店番をしています。

お直しなどのご相談がある方、お待ちしております。

・・・・・・・・・・・・・・

まめしんぶん、続きます!

 

 

 

 

 

 

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2019年5月 8日 (水)

まめしんぶん 2019.春夏 1 ブルーの服

GW直前に投函している作品展のお知らせDM、

受け取られていますか?

Manis_dm1904_egara Manis_dm1904_atena2

今回は、西ベンガルの写真を少しコラージュしてみました。

早いもので作品展と銘打っての季節の展覧会も、もう69回目。(次回の11月には70回目となります!)

アトリエマニスをスタートしたのが1999年辺りですので、今年辺りはかれこれ20歳。

こんなに長く一つのブランドを続けてこられるなんて、

本当に感謝の一言に尽きます。

着てくださる方があってはじめて存続できる仕事です。

皆さま、いつもありがとうございます!!

・・・・・・・・・・・・・

今回の春夏服は、あえてナチュラルなタイプに偏ってみました。

まずは昨年末の本藍の出会いから。

藍染師佐々木睦子さんに染めのお願いをし、そこから発展して

前から訪れてみたかった徳島の本藍染工房・矢野藍秀さんのところで

服を染めていただくことが出来ました。

本藍を中心に、インディゴ染によるさまざまな布集めをしてきました。

また、

段々ヒートアップする世界気候の中でより快適に着られる夏服をイメージすると、

それはやはり西ベンガルのカディコットンでした。

モスリンと呼ばれる極薄コットン、おそらく世界でも最も薄いタイプの手織コットンは

以前から大好きで何度も使っていますが

今回は

昨12月より2回に渡って布探し、注文、産地の訪問、と

コルカタを拠点にかかわって来ました。

もうひとつ、

同じカディでも綿花そのものが異なり風合いも独特なカラコットンも

産地のカッチ地方・ブージから入手してみました。

「布集め」にスタート地点を置き、集まった布で

着やすい服&いつまでも着られる(なるべく!)服を今回も。

少し早めですが、今日から3回に分けて、「まめしんぶん」2019春夏服を投稿していきます!

 

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本藍染の服

矢野藍秀さんは、着分ずつの生地を染めるのがベストとおっしゃったのだけれど

いろいろ考えて、先に縫いあげた服を染める方法でお願いをしました。

こちらはリネンガーゼ。コットンよりも藍を良く吸い込み、深い色合いとなりました。

ほとんど黒に近い深さ。それでも透明感がある。

矢野さんの本藍染めについては前に書いていますが(→こちら

インディゴ染料とは異なり色が落ちない、というところが本当に素晴らしい。

何よりも鮮やかな染め上がりが素晴らしい。

(そのほかさまざまな効果も期待できると言われています。)

矢野さんがこのリネンガーゼをご覧になったときに

「わ、いい布ですね!」と即おっしゃった。

ショール用のみならず服地になる強度があります。

京都の麻専門老舗のリネンガーゼ。

本藍は染める人によって出来上がりが結構異なるのかもしれない、とふと思いました。

こちらのチベタンチュニックのほかに、80番手リネンのシュミゼ、ツイルのパンツも好評です。

Img_5431

下が佐々木睦子さんによる染です。

あまりにも鮮やかで、写真にうまく写し込めませんでしたが

光が差し込む深海のような自然界のイメージ。

佐々木さんは、藍が持つ潜在能力は人を治癒すると言い

染めるタイミングや内容はインスピレーションで決められているようです。

今回お願いしたのは、作品の中でもひときわ強い印象がある「ねじり絞り」です。

本藍独特の濃淡が1点ごとに異なり、絵画のような出来上がり。

佐々木さんのこれまでの中でも手ごたえがあったそうで、「作品に光を入れることができた」、と。

今回の新型「バックタックパンツ」を仕立てていますが、

布の特性から、一部を作品展時にカスタムオーダーをお受けすることにしました。

デザイン、サイズなどを承り7月下旬までにお仕立てする予定です。

2着限定です。

Img_2154

 


インディゴブルーの服

本藍とはまた違ったインディゴの魅力。

今期最初に入ってきたのは、アフリカ。ブルキナファソの手織です。

岩立ミュージアムやBigaさんでも販売されている、アレです。

New itemでも以下のように紹介中です。

ブルキナファソという西アフリカの小さな国はかご編みで最近知られていますが、綿とのつながりが深いモシ族のお話を文化人類学者の川田順三さんが書かれています。
モシ族は綿を織るだけではなく種を食用にもするそうです。
岩立広子さんによれば、細幅(10センチほどの)テープのような織物を横に何枚もはぎ合せた衣は、昔、懐が寂しい時には何枚か切り取ってお金の代わりにした、という事もあったらしい。
手縫いによるはぎ合せは思ったよりしっかり縫われていて風合いも気持ちよく、服になってまた一段と個性が出たと思います。
1枚の大判ショールからパンツが1着、それぞれの厚さや染め濃さが異なります。 

Img_6237

まずはしっかり洗いこんでから仕立てました。

色が相当落ちた分風合いがソフトになりました。

1枚ずつ染めあがりや風合いも異なるので、面白い出来上がりに。

Img_5290

下は、先染めリネン。

薄くてナチュラルな皺がおしゃれな手織りです。

西ベンガルで作られていますが糸はヨーロッパから輸入しているようです。

見返しと袖口裏の赤い部分は1ミリ幅のステッチ。

表側は生地と同色の糸なのでプレーンです。今回はお試しに、生地生産地のコルカタで縫ってもらってみました。

ピンタックや細幅ステッチに長けたベンガル人仕立屋集団の仕事です。ちなみに全員男性です!

Img_5738

下のパンツ(インドパンツ)は同じものはもうなくなってしまったのですが、

上のジャケットの生地で似た感じのリピートを作っています。

紐が赤ではなくインディゴ。白との配色もあります。

ポケット口、裾にやはりステッチワークが入っています。

Img_2056

 


ジャムダニ・カディコットンの服

2月にもご紹介をしているジャムダニです。(→こちら

2月制作のプルシュミゼはストール風の極薄でしたが、下のチベタンチュニックは

ロング丈用に少ししっかりした糸を選んで織ってもらったもの。

織産地の様子は先日アップしています。(→あちら

現代社会の中で希少と思われる

有機的で伝統的な生活様式の村で丁寧に織られている

ピースフルな織物であり、

恐らく世界でもっとも薄く軽いタイプのコットンです。

昨年ご紹介したダッカのジャムダニは複雑な織模様でかなり高価なサリーでしたが

今回のジャムダニは単純模様を全体に入れて服地用に長く織ってもらいました。

ダッカやタンガイルのものと比べて、素朴なセンスが感じられます。

Img_2147

インディゴの濃い染めと薄い染め。

下が薄い方。

Img_2120

白地のものも爽やかな出来栄えです。

出来るだけ細い縫い代で、ステッチを重ねて丈夫に。

この薄地縫いはバリの我々マニススタッフの熟練者が上手にやってくれました。

Img_2137_1

ジャムダニの織模様に合わせて、繊細なステッチワークが

効いていると思います。

こういう布だからこそ、細部がポイント。

デザインはほとんどないくらいのシンプルなチュニックです。

・・・・・・・・・・・・・・・・

続く。

 

 

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2019年2月24日 (日)

まめしんぶん 2019・春スタート!

予想をさらに上回り、2月のうちから春の便り。

東北のお店からも早々と「春の服を送ってください」とのご依頼が!

2019年春夏マニスは、インドの自然派素材や藍・インディゴに注目しつつ

トリコロールをテーマにしています。

2・22より
間・コスミさんでのマニス春服展が始まっています。
今週末は自由が丘がゴールデントライアングルになっているようですが、
ちょっと足を伸ばして
落合にも是非お立ち寄りください。2・28まで。

きょうは、
コスミさん初め
今週各地へお送りし始めている春の新作をご案内します!
(一部の服は3月のマニス展以降となります。)
Webサイトの「new item」というページ内にも
今期のおすすめアイテムを掲載していますので
併せてご覧いただけたら嬉しいです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
西ベンガル産カディコットンジャムダニの
プルシュミゼ
西ベンガル特有の極薄モスリンタイプのカディコットン。
産地の人たちから直接分けてもらったものです。
フリーサイズで夏に着やすい「プルシュミゼ」を、早い時期から少しずつ作ってきました。

模様織のブッディは、インディゴ染め。
ストライプとジャムダニ柄、ベースがインディゴ染めのものもあります。
Jamdani_pul


ジャムダニ織ボーダー・インディゴ染カディの
ギャザーTOP
贅沢なジャムダニ織がインディゴの中に爽やかに浮き立っています。
織柄のデザインの柔らかさが独特、感触もふんわり。贅沢な夏の一着です。

(3月から販売開始です。)
Photo

リネンガーゼ+ステッチワークのポムショート

白いリネンガーゼにたくさんステッチを。
芯地を貼らずに、縫い重ねによってフチを丈夫に仕立てる。

ステッチの揺らぎが、バリっぽい。(笑)
こちらは赤ステッチのほかに、ブルーステッチもあります。

(3月から販売)


Photo_2
Photo_3

西ベンガル産手織リネンインディゴダイのプリーツスカート

ステッチワークでちょっと工芸風になるのが面白くて
あれこれたくさんステッチが入っている今回です。
極めつけは、こちらのスカート。

裁断時にはただの四角い布なのですが、タックを縫い、
ウエストと裾にびっしり入ったステッチで存在感あるスカートに。
西ベンガルで手織されているリネン生地はナチュラルで気持ちの良い素材。

この先もっと活用していきたいベーシックに加わりました。
Indigo_linen_sk
Sk


トゥバン産手つむぎ茶綿(Tenun)のインドパンツ

ジャワの綿産地トゥバン・テヌン。一度着ていただきたいと思います。
汗ばむ季節にも快適な着心地で、
私はこのパンツを太極拳の時に活用しています。

今回のものは、ワタの色そのものが茶色い「茶綿」の手つむぎ。
ぼんやりした色に深めの赤をプラスしたら、元気が出ました。(笑)
ポケット口や裾にお題のステッチワークが入っています。


Pt


オリッサ州産シルクイカット&
ビハール州産タッサーシルクオーガンジーの
フレアスカート


おしゃれなベージュ色のシルクイカット。
一重だと膨らみが出ないので、タッサーオーガンジーを重ねて
贅沢なスカートに。

ジプシー風の裾飾りをポイントに。

Ikat_skIkatsk


フェーン(羊歯)柄バリバティックの
バックタックパンツ

羊歯の葉が重なっているようなボタニカルモティーフは
バティック作家・植田有加さんにお願いした新作デザインです。

遠目に見ると、大きな格子柄のようにも見える
面白い仕上がりに。

柄になびいて
新たに起こしてみたパンツのデザインです。

写真だと形がよく分からないのですが、左右のボリュームが異なる
シンプルで夏らしいスタイル。

ダークレッドとブルーの2色。
元気が出てきます!

(3月から販売)
Backtukpt

カッチのカラコットン・オーガニックストライプ
バロックチュニックロング

西インドのカッチ地方で作られている原種綿・カラコットン。

プリミティブな綿の素朴さに満ちた自然派素材です。
sinduさんにお願いして入手しましたが、3月にはわたしもカッチへ行ってみる予定!

先行して仕上がっているカラコットンの服は

春の到来に合わせてふんわりとしたデザインで。

Photo_4

高密度リネンのちびポケパンツ

生成の上質な国産リネンで仕立てたベーシック。

ウエスト部分にステッチワークを入れてベルトのような硬さを出してみました。

(3月から販売)

Pt_2

ダブルリネンガーゼのボタンループパンツ

生成のリネンダブルガーゼでボリュームのあるボトムを。

堅さと柔らかさが共存し、風通しが良いリネンガーゼ。

Blpant
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より快適にポジティブに今年の春から夏を。

時代の中に、ちょいと手仕事の服を。

まだまだ続いていきます!






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2019年1月 1日 (火)

明けましておめでとうございます 2019

               \明けましておめでとうございます。/
 
            
New Year Market 2019
                                                         
              今年のスタートは、こちらのプチマーケットから。
                            
過去~前回制作の服からちょいと訳アリのもの、埋もれていた旧作、
サイズが半端なベーシックなどなどをUP to 80OFF ! 

●お申し込みはメールでのみ。11日~9日までの受付です。info@ateliermanis.com

●複数の方がお申し込みの場合は先着順とさせていただきます。

●お申込み確定後110日~11日にマニス京都事務所よりメールでお支払い方法、お送り方法をお知らせします。

●おひとり3着まで。ご試着希望の方は111日にtoko manisへお越しください。

●返品はご容赦願います。 

●転売目的のご購入は固くお断りいたします。

★メールにはお名前、ご住所、お電話番号、ご希望の服の番号をご記入ください。

期間後は通常価格に戻ります。

★以下の価格は販売価格です(消費税はサービス)。
送料が別途かかります。

★お支払いは銀行口座振り込みです。お振込みが確認されてからのお送りとなります。





ラジシャヒ産シルクシャンブレーコンビネーションのギャザードレス

右側スカート縫い目の滑脱があります。たっぷりしたデザインなので着用には支障がないのではないかと思いますが、ドライクリーニングの際はお店にご相談ください。
Mサイズ(フリーサイズ)
赤・ダークレッド
28000円 → 9000円

Img_3328


2

ラジシャヒ産シルクシャンブレーのループスカート

ウエスト縫い目に一部滑脱があります。芯地を貼って補強してありますので着用には問題がないと思います。2018秋冬の作品です。写真は裾の一部が中に潜っていますがセミフレア型です。
フリーサイズ
黒&グレーのコンビネーション
30000円 → 15000円

Img_5750
3

中国産シルクシャンタン&中国産シルクオーガンジー+リボンワークのセミタイトスカート二重仕立て


過去にもセール価格で販売をしました。最後の1点ですのでご本人が来ていただける場合に(プレゼントや他への転売はご遠慮ください)。ウエストサイズは64センチ、丈67センチ。
品質には問題がありません。
Mサイズ
前回のセール価格7000円 → 4000円

Img_5749
4

カランガスム産手織チェックコンビネーションの7パーツスカート

写真がちょっと不鮮明ですが、赤、オレンジ、パープルのチェック柄7種類を組み合わせ、台形と四角のパターンが交互に組み合わされているゆるいフレアの巻きスカートです。
品質には問題がありません!
フリーサイズ
赤系MIX
25000円 → 7500円

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5

カランガスム産手織チェックコンビネーションの長袖二重服

裾で繋がっている2着のブラウス。リバーシブルではないのですが、内側の配色を外側に着ることができるのです。品質には問題がありません。
Mサイズ
赤・ダークレッド
25000円 → 7500円
C
6

いろいろウールアップリケ&パッチワークのひざ掛け(大)

10年前の作。昔はミシン縫いが出来ない手仕事スタッフが数名いて、こんなこともやっておりました。圧縮ウールニットの残布を使ったリサイクルです。♡部分をランニングステッチで留めつけています。品質には問題がありません。
赤・チャコールグレー・ベージュ
20495円 → 10000円

Photo_2

7


いろいろリネンクロスパッチワーク&バリ手織シャンブレーの箱タックスカート

こちらも残布リサイクルのパッチワークです。前後に大きくタックが入ったセミフレア。ウエスト仕上がりサイズ66センチ、ゴムテープで若干ゆとりがあります。
Mサイズ
茶系シャンブレー・生成MIX
40000円 → 16000円

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8

上海手織綿セミアンティークのダブルベンツジャケット

少数民族の手織りが元になっているというしっかりした木綿細幅の反物。細かい工夫が詰まった貴重な布たちを組み合わせたジャケットです。こちらだけ配色が半端となってきたため期間限定価格に!品質には問題がありません。
Mサイズ
38000円 → 19000円

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9

国産カラーワッシャーコットン&コットンリネンシーチングの二重服

こちらは中側がベスト(袖なし)になっている二重服。リバーシブルではなく、裾で2枚の服がつながっているような形です。紺色面を表面に着ることもできます。季節を問わず着られる便利服! 最後の一着となりましたので特別参加です。品質には問題がありません。
Lサイズ
ブルーグレー・ネイビー
28000円 → 9000円

Img_1096


10

コットンリネンポプリンの2ポケジャケット

昨年の福袋で1点だけ残ったジャケットです。オフィスにお勤めの方なら気軽に着ていただけるデザイン。洗濯機で洗えます。品質には問題がありません。
Lサイズ
ベージュ
前回のセール価格8000円 → 4000円

Img_5748


11

プリミティブリネンハードクロスダークのトリパンツ

トリニティ(三位一体)のトリという言葉をお借りして呼んでいる、マニス仕様のトレパン型です。化繊のトレパンが世の中心なので、しっかししたリネンで作ったもの。サイズが大きい方におすすめです。紳士服の芯地に使うしっかりしたリネンは着こむと馴染んできます。品質には問題がありません。
Lサイズ
30000円 → 15000円

Img_1164


12

ヘンプリネンクロス&バリシャンブレーのジョッパーズパンツ

股上が深いカジュアル系のデザイン。寒い期間にしっかり履けるよう二重仕立てになっています。品質には問題がありません。
Lサイズ
31000円 → 8000円

Img_5751

13

チェンマイ産ピュアヘンプ手織のラウンドネックTOP

手織ヘンプでこの風合いのものはなかなかないので、とても高い布ですが使ってみました。とてもシンプルなTOP。2016年の作、最後の1点。品質には問題がありません。
Lサイズ
生成
27000円 → 9000円

Img_1068

14

インド産ファインカディコットンのタイチュニック

薄いけれど洗濯に強い、すぐれもの。こちらは蘇州で縫われたサンプルですが、バリショップで保管中に穴があいてしまったため補修しました。下の写真(ちょっと見えにくいかもしれませんが、、)のように穴の部分に芯地を貼ってかがっています。全体に6か所ほどこのような補修があり、透けると分かります。
Mサイズ(フリーサイズ)
17000円 → 8500円

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15、16

インド産コットンジャカードサテンのツイストパンツ

カーテン生地として売られていた唐草模様のジャカードをパンツに。コットン100%なのでサテンでも着心地はナチュラル。2014年の作でM、Lサイズともになぜか未だ1点ずつあります。ツイストパンツがお好きな方、ちょっとしたフォーマルにも着られるタイプでおすすめです。品質には問題がありません。
Mサイズ=15
Lサイズ=16
クリーム色
29000円 → 11000円

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17

クロマニヨンのカンボジア産手織クロマー&リネンクロスのツイストTOP

バリショップで保管していて袖に汚れがついてしまった在庫。2010年の作。アームホール
が細いデザインなので小さいサイズの方におすすめします。袖の汚れは色移りによるものなので洗いを繰り返すと薄くなってくると思います。
Mサイズ(フリーサイズ)
赤・ダークレッド
26000円 → 4000円

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18、19

バリショップオリジナル「ソカシ」スカーフ

綿50%、シルク50%で大判で使いやすいスカーフ。バリのソウルアイテム「ソカシ」(お寺へお参りに行くときに供物を入れるかご)がモティーフです。写真手前のサーモンピンクxネイビーのものと、手前から二番目のきみどりx水色の2点が下の写真のように汚れがあり、こちらに参加!
135センチ正方
サーモンピンクxネイビー=18
きみどりx水色=19
各5000円

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以上19点すべてこの期間だけの特別価格!
お見逃しなく。

皆さまのお申込みをお待ちしております。
・・・・・・・・・・・・・・
皆さま、今年もどうぞよろしくお願いいたします!



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2018年12月20日 (木)

まめしんぶん 2018年末版

皆さまクリスマスで年の瀬で師走の折、こっそり投稿します。

日本からの季節の便りに、もう何年もご無沙汰しているこの時期のあれこれを

遠い目で、おぼろげな記憶をなぞっています。

大掃除、という言葉が出てきた時、それだ!、と膝を打ちましたね。

お餅より、ご馳走より、私にとってのこの時期といえば

大掃除とお年玉でした!(なぜに?笑)

さて、今年最後の投稿は

作品展後に11月末までに仕立てた服たちについて。

アサンブラージュさんでのマニス展は12月25日まで、

いわき市の和樂さんでは引き続き12月30日までの参加です。

その他のお取り扱い店の中にも以下ご覧いただけるところがあります。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この秋冬は赤をキーにノクシカタの服を作りました。
今年最後のコレクションはクリスマスっぽくこちらの

ブロックプリントのシリーズで。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

バグルー産天然染ブロックプリントの
カタックラージ

インディゴ染のブロックプリントに赤いブロックプリントをパイピングと包みボタンに使ったもの。柄が赤いドットなので、写真だと赤いボタンが背景に溶け込んでしまいましたが、実物はなかなかスパイスが効いた仕上がりです。
フォークロアで工芸的な服になったかな、と。

Img_1953
・・・・・・・・・・・・・・・・・
バグルー産天然染ブロックプリント&コットンキャンブリックの
ワーカーズドレス

こちらの赤い生地を今回はたくさん使いました。深みがあって天然素材、天然色によく合います。
今回はワンピースの部分使いに。

スカート部分のブロックプリントは少し前のもので、昔ながらの色柄がいい感じなのですが、そのままだと案外地味なのでコンビネーションしてみました。

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こちらの紺のスカート部分は細かい花柄。こんな細かな版を押せる職人は、もうあまりいないのだと聞きました。


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・・・・・・・・・・・・・・・・・
トゥバン産手つむぎ手織コットン(tenun)&
バリ手織シャンブレーのHoldシャツ

生成のトゥバンコットンとバリシャンブレーのリバーシブル仕立て。表面の袖口と裾に古いサリーの手刺繍トリミングを縫い付けました。

昔の高級サリーは縁取りのブレード部分を手刺繍していたようです。サリーの生地は着古してボロボロなのでブレードだけを外してアンティークパーツとして売られているのです。

ウールにもリネンにも合うシャツジャケット。ボタンにも近似色の色糸でモティーフを。

Img_1967

Img_1976
・・・・・・・・・・・・・・
インドネシア産コットンプリミシマのチュニスブラウス

ジャワ・バティックの下地に使うとても気持ちの良いコットン。
共地ボタンでシンプルな仕上がりです。


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・・・・・・・・・・・・・・・・・

カッチ天然色手織ウール&バリシャンブレーの
空手パンツフロントオープン

裁断の方向でたて縞と横縞の組み合わせを。

カッチの薄くてかたいウール生地はとても個性的です。砂漠を感じます。

誰にでも似合う無難さはなく、はっきりとしています。

履くと案外心地がいいので、その違和感(?)も面白いのです。

Img_1962_2
・・・・・・・・・・・・・・・・

良いお年をお迎えください!

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