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2024年7月13日 (土)

アトリエマニス布ツアー2回目 その2

1ヶ月以上経ってしまいましたが

布ツアーの様子をお伝えします!

 

6月4日

お昼のフライト1時間半遅れにて

時差マイナス1時間のジョグジャに着いて移動する頃には

もう陽が傾いていました。

バリ島とは異なる広々した景色の中、

空港からジョグジャ市内には入らずに直接ボロブドゥール地区へ向かいます。

今回のツアーにご参加いただいたのは

日本からの方2名、バリ在住の方1名の3名。

ナビゲーターのまみさんと主催者のたかはしも入れていただき普通の車1台での

3泊3日の旅。(4日目は各自行動、そのまま解散でした。)

車内も内容もツメツメでしたが皆さん快くご理解くだいまして

おかげさまでとっても素晴らしい旅となりました。

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渋滞でごちゃごちゃしたバリ島から

スカッと開放的なジャワのカントリーロードです。

気分が上がります。

⚫︎

ボロブドゥール地域に近いMendutという地域にある

加藤まみさんのギャラリーで

バティックコレクションを見ながらお話し会。

今回の中部ジャワ伝統的バティックがどんな存在なのかを

その他の時代&地域のデザインと技術を見ることで

比較、勉強しました。

これまでも何度か触れていますが、

まみさんのギャラリーに集められているものはアンティークとしての価値はもちろん

美しく、それなりの縁があってどこかからやってきたもの。

古い物の復刻版も手掛けられていて、インドネシア国内のマニアからも

注目されています。

そして、お手頃価格なんです。

なので、

いちいち価格を確認していたのは私でした。笑

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その後は

丘陵地を登ってコロニアル風のホテルPulataranにある

オープンエアのレストランで遅めの夕食会でした。

時間が時間ならボロブドゥールが見下ろせる場所だそうです。

ジョグジャに滞在中の若手アーティスト、安田葉さんが合流して賑やかなディナーになりました。 

安田さんは「凧」のデザインで画期的な提案を世界に発信されていますが、

8月にはまみさんと一緒に展覧会を企画されています。

写真はホテルのエントランスです。

セメントタイルの柄と白いしつらえがスッキリと調和。

辺りが暗く土地勘もなく外観が分かりませんでしたが

次回は泊まってみよう!

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6月5日

 

早朝5時集合で

ボロブドゥール遺跡&朝日を拝めるという

見晴らしポイントへ行くも残念ながら

濃霧で朝日は見れず。

結構たくさんの人が望遠レンズ構えて待機していましたが

なんと日の出の後に一気に晴れました!

その頃には我々はもう下界。

ツアーの間はお天気絶好調だったのに何故かここだけ曇りでした。

パーキングから15分くらい山道を歩き

山頂ではコーヒーも飲めたし

これで世界有数の遺跡のサンライズが見れたらすっごく感動した事でしょう。

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⚫︎

ホテルに戻って7時の朝食。

とても丁寧なナシゴレンとフルーツサラダに

大喜び。

これが出てくる前に、バナナのフリッターもありました。

チョイスは皆様いろいろ、どれも充実のメニューです。

皆さんちょっと寝不足なのですが、気分が上がっています。

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8時出発。まみさんの提案で、ホテルから程近いMendutの仏教遺跡にまず立ち寄りました。

敷地内は美しく整備されていて

素晴らしいエネルギーに満ちていました。

建物の中には優しい表情のブッダさんが座っています。

かつてたくさんの人に撫でられたようでツルピカでした。

もうね、

ボロブドゥールが拝めなかった事はすでにどうでも良くなっていました!!

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その後、徒歩で幹線道路の裏道を10分ほど散歩。

普通の暮らし、佇まいを垣間見ながら、のんびりとしたJavaの朝。

短い時間でも点と点ではなく線として巡る(車での移動とは違った)体験は

後々結構記憶に残っていたりします。

まみさんの自宅&カフェで小休止してから、

イモギリ地区へ出発です。

 

ジャワの田園風景と自然、小さな集落などを経て

Mendutから2時間弱。

ピーカンの夏空のもと、ジャワ伝統系のバティックを製作している

イモギリの産地へ。

ここは2006年の中部ジャワ震災のときに大きな被害を受けた場所なのだそう。

まみさん達ボランティアグループが毎週現地を訪れ

復興プログラムを支えてきたのだそうです。

私達が訪れると、たくさんのお茶やお菓子でもてなされ

まみさんの再訪をとっても喜ばれていました。

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ショールームの方が、作業場も案内してくださいました。

イモギリの集落は山の斜面にあり、細い急勾配を何度も切り返しながら

車で上がって行きました。

作業場は村の各家庭です。

写真は、伝統柄のパターンを写し取るための元絵です。

パランと呼ばれる斜め柄が多いのが伝統柄の特徴でしょうか。

今もこうした柄を昔ながらの手法で手描きしているのですが

だんだん仕事が減ってきているそうです。

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質素な家屋に佇む布文化。

これは中国雲南省もインド西ベンガル州も同じですね。

私たちはAIを受け入れる今のタイミングに

永遠の昔から続く無垢なものづくりの村人に会いに行くこともできます。

ある意味、素晴らしい時代ですね。

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イモギリはまたジョグジャ王家の陵墓がありそこそこの観光スポットだそうですが

今回は陵墓を見下ろす丘陵にあるオーガニックレストランで

お昼をいただきました。

オバマさんも来たとかいうレストラン。

値段が安いからきっと量は少ないだろうと

いろいろ頼んだら、すっごいボリュームで皆絶句。笑

写真は青菜がのっているテンペのおかず。ピーナッツソースで和えます。

この辺りの名物、マトンの串焼き?は後で道端で買ってみましょう、と

まみさんに案内していただくと、ご当地食べ物についてはきっと取りこぼしがありません。

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⚫︎

 

ランチの後はジョグジャ市内へ移動し

縞織物のルリックを作る工房を見学です。

バティックは染めだけどこちらは織り。

仕事場の感じもかなり異なる雰囲気です。

今回はルリック老舗のクルニアを見学しました。

ジョグジャ王室御用達の雰囲気のある作業場でした。

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クルニアの工房と私たちが滞在したプラウィロタマンの間にある

モダンなギャラリー。

隣にコンテンポラリーなデザインのバティック店も。

古い伝統のものを見た後にモダンに触れると新鮮です。

エアコン空間で涼むのもちょうど良かったです。

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もう一軒、カフェとして賑わっている中庭式のバティックギャラリーを見て

2日目は終了でした。

解散後、ホテルの近くにあるViaViaというカフェでビール飲みながら

雑貨を購入。Via Viaの雑貨は私たち日本人にも結構ツボです!

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6月6日

 

3日目のホテルの朝食は

ジョグジャ名物料理をブッフェで。

グデッグ(ジャックフルーツの煮物)、オポールアヤム(チキンのココナッツミルク煮)、テロールピンダン(塩茹でたまご)

テンペバッチャム(テンペの味噌醤油煮)やサンバル(辛味ソース)各種。

ココナッツミルクで炊いたご飯もありました。

またも朝から大満足!笑

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10

3日目はソロ方面へ。

途中のクラテンでお世話になっている織物工房にトランジット。

最近は生地耳をリサイクルした裂織風ラグカーペットが人気のようです。

この方は仕上げのクリーニングをしています。

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11

ソロではHarjonegoroさんのバティック工房を見学。

クラトン(王室)のための伝統柄の他に

ソダガランと呼ばれる一般人でも着る事ができる

自由な柄を多く取り入れているのがソロの作風なのだそう。

チャンティンの素晴らしい技術にも感嘆しましたが、

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工房内の機能性、清潔感、伝統家屋の趣きにも

良いものを生み出すためのこころざしが感じられました。

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ショールームは家具含めスハルト前大統領が設計したものなのだそうです!

スカルノ氏は前身は建築家で設計事務所を設立していたそうです。

その後は1945年に日本統治から独立宣言をした初代大統領に。

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こちらの貴重な1枚を参加者の方がご購入!

sodagaranの面白い構成のものでした。

12

お次はインドネシアバティック大手の第2位と言われる名店

ダナールハディが集めたバティックのミュージアムへ。

素晴らしいと前評判を聞いておりとっても楽しみにしていたのですが

何とちょうどお昼休みでした。

開館を待つ間、自社製品のショールームを見せていただき

隣のカフェでおやつを食べたり雑談したり。

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13時にミュージアムに入ると、とても丁寧なキュレーターの解説付きでした。

写真NGで1枚も撮っていないのですが、

クラトンの柄の一つで斜め柄のパランには保護・安全のシンボルと言われるそうで

その模様の中には霊力が込められているとか。

残念ながら次の予定が14時のため、全部を見切れずに。

 

13

次の予定とは、ソロ王室内にあるレストランでのランチです。

14時からの予約になっていたのでダナールハディからの滑り込み。

この温室のような総ガラス張りの建物は、元は王族の運動場?だった場所のようです。

メニューが難解で注文を決めるのにとても時間がかかってしましましたが

出てくる料理がこれまたメニューからの想像と相違い。

一人一品の肉料理が多かったです。

価格はそれほど高くなくてホッ。

王宮内なので

先ほどのパランのような王室柄を避けなければならないというドレスコードがあります。

給仕が着ているのはルリックです!

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⚫︎

 

この後、もう一軒まみさんが下見をしておいてくれた

素敵な伝統建築のカフェが予定されていたのですが

何とお休みでした。

帰路は途中でもう暗くなりジョグジャ名物Sate Klatak(ヤギ肉の串焼き)の屋台に立ち寄り

コンビニに寄ってそこに日本のローソンコーナーがありまみさんと私がシュークリームを立ち食いし。

すっかり遅い時間だったけれど

またVia Viaでビール飲んで解散でした。

 

⚫︎

翌日はそれぞれのフライトでバリ島へ戻ることになっており

私は午後のフライトにしていたのでホテルの近くにある市場で野菜を買ったり

プラウィロタマン通りのベーカリーでパンを買ったり。

それらを機内持ち込み荷物に入れつつ空港内では

バッピアのいうジョグジャ土産のお菓子を買い込む。

結構な手荷物になりつつフライトは遅延で

空港内でメール送ったり早速仕事再開でした。

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⚫︎

参加の皆さま、まみさん

楽しい旅をありがとうございました!

布をめぐる旅は、何度行ってもいつも心が満たされて

次回はいつにしようかと考えながらの帰路です。

 

⚫︎

お家に帰ったら

猫たちとルビーがベッドで寝てましたー。

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お留守番ありがと。

 

⚫︎

 

それでは皆さままた近いうちにお目にかかりましょう。

今回もお読みくださいましてありがとうございました。

 

 

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