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2023年2月 3日 (金)

ジョグジャ行きました③ ルリックに初めまして

縞柄って、いつしか限られたものしか使わなくなっていました。

 

理由としては、

和っぽくなるから。

和が好きな方々もおられるのですが私の勝手な趣味として和っぽくなる縞は何となく△で。

それなのに、今回は縞をたくさん注文してきてしまいました。

これです。 ↓
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天然染料をつかったマルチボーダー風の縞。

丁寧な仕事でしっかりしたテンションで。

こんなおしゃれな縞なら着てみたい!

 

ジョグジャに着いた最初の日、2日目と2回もそこへ行ったのに。

5時で閉店のお店。
(5時からはモスクでお祈りがあるからでしょう。)
しかも夕方は大渋滞に巻き込まれながらの。

そんなわけで、
最終日の3日目の朝は、
7時半から行動開始。
ついに見る事が出来た3度目の正直、ルリックです。

まずは朝に戻って、こちらの写真。

年末のせいか泊まろうとしていたホテルが満室だったので
近くの別のところに泊まって、朝食だけそのホテルへ食べに行く。

私以外全員インドネシア人って感じです。

 

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普通にブッフェ式ですが、3日ぶりに野菜も食べました。

外国人がまだ全然少ないのに、

ボロブドゥール遺跡の入場制限が加わっているというのに。
ホテル満室って。
インドネシアの好景気ぶりが伺えます。


話しを戻します。

ルリックの存在すら知らなかったし、2回も行って閉まっていたから

ほぼ縁がなさそうな気がしながらも
朝からのちゃんとした朝食からの仕切り直しで
ホテルから数十分、歩いて行ってみました。

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グーグルGPSを使う面白さ、これです。
車は通れないから別ルートになるも、徒歩を選択するとこのような細い路地を案内される。
殆ど、人の家の庭を横断しているような感覚。

こんな感じの垣根の無さがインドネシアのいいところ。(反面ももちろんありますが。)

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路地の迷路を抜けて、

ルリックのお店に行くと、今度はまだ開いたばかり。(笑)

9時オープンなんですけども。(笑笑)



WEBサイトのリニューアルと共にまだ本ブログ投稿がうまいとこ入らず。

写真があと1個しか入らないのは、
これまた5時閉店の感覚に近いですな~。

最初の写真、マルチボーダーの縞柄を

織っている場所はお店のすぐそば。
案内してもらって、
小さな場所で上手に清潔に
染めから織りまで数人の職人さんたちが
楽しそうに音楽掛けながらやってました。

IMG_8456.JPG

ルリックについて調べてみるとwikiに以下のように掲載されていました。

とても古くから認められている縞模様のようですが、
実際のクオリティと、
元気いっぱいに手作業で行われているこの布づくりに「いいね」をたくさん押したい気分です。

「ルリック」

ウィキペディアからの引用

 

インドネシア国立百科事典(1997) によると、lurik はJavaの農村地域に由来すると考えられています。当時のルリックはスカーフの形で作られていました。その機能は、女性の胸(ケンベン)を覆うことと、それを体に結び付けて何かを運ぶための道具です. その後、lurik の使用が発展しました。人々が所有するだけでなく、宮殿環境でも使用されます。[1] [2]

ボロブドゥール寺院でルリク布の姿を見ることができます。レリーフの 1 つ に、担ぎ機で 織 っ て い る 人物 が 描か れ て い る1033 年に東ジャワから来たアーランガの碑文には、ルリック布の名前の 1 つとしてトゥルフ ワトゥ布が言及されています。[1] [2]

マジャパヒト王国時代の人々の間でルリック織りの作品が流行ったと言われています。これは、持参金として持ち運び用の織機を持って王女にプロポーズする 騎士を描いたワヤン・ベベルの物語から見ることができます.

ルリック、来月の仕上がりにワクワクしています。

急遽インドへ行けなくなった関係で、
また2月もジャワへ行こうと思います。

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ジョグジャ行きました② カパスについて

ボロブドゥール遺跡に近いまみさんの息子さんのお宿

SAKA Home Stayから9時半に出発。

この日の目的地は、ソロ方面にあるクラテンという地域です。
これまた
私の頓珍漢で

クラテンはボロブドゥール方面なのかと思いきや
ジョグジャを跨いで逆方面であり、

30分くらいで着くのかと思ったら
2時間弱かかってしまう。

年末の忙しい時期なのに、まみさんも一緒に来ちゃって!と
無理矢理同行いただく。
10時半の約束だったのが11時半過ぎの到着、とほ。
しかし工房の人たちのお昼休み前にお仕事場を見せていただく事が出来ました。
こちらの布はコロナ中に一度お取り寄せして使ってみたところ
「輸入綿糸ではなくカパス(産地の糸)ではないか」という印象があったので
コロナが終わったら行ってみよ、と思っていたのでした。

(そして、こういう事には行動が早い私です。笑)

 

IMG_8372.JPG      

おお、やっぱり。テヌン(手つむぎ)ではないですか!!
…てことはカパスですね。

わたを紡いでいるところは見られなかったので分かりませんが、
工房の人によると、わたは同じクラテンで栽培しているという。

カパスの産地は概ねトゥバンだけかと思っていたし
トゥバンのものは先日コロナ明けに一度送ってもらったのだけど
以前よりも織りムラが多くて頓挫。

同じジャワに別の産地があると分かってとても嬉しい。

 

IMG_8374.JPG

上の写真:染めは天然染めが中心で、こちらはマホニー(木の皮)と生成の絣状の糸を緯糸につかったもの。

おそらく何度か本ブログで書いておりますが
カパスがUSコットンとは違う品種かどうかを以前から確かめようとしていて
まだ確証が取れていません。

インド・カッチ地方のカラコットンやメイソールコットンのような
原種綿であるといいのですが。なぜなら
大量生産品種ではないことで土地に負担を掛けずに長く作ることができるからです。
一般的にオーガニックコットンと言われているものは
オーガニックコットンの表示を付けた繊維製品であり、

農薬や化学肥料を3年間使用しない土地で栽培された遺伝子組み換えでないコットンの事を指すようですが
その種子は大量生産向けのUSコットンだと思われます。

(ちなみに綿花を製品にする工程で何度か洗浄されるので
一般のコットンとオーガニックコットンとは大差がないという説もあるそう。)
いずれにしても大量生産型の品種ではないのかな、と、勝手な推測です。
そんなわけで
インドネシア国内で原種綿の優良な織物が作れるなら
是非どんどん使っていきたいと常々思っていたのです。

 

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上の写真:糸棚には美しいインディゴ染の糸が。

この糸でアトリエマニスの春の服地を織ってもらう事に。

 



これも以前と重複しますがもう少し書きます。

カパスにこだわるもう一つの理由は、
インドネシアのやっかいな関税です。

インドネシアではバティックという財産を守るため?なのか
とにかく昔からずっと繊維製品の輸入における関税が高く
またインドからの輸入はだいぶ前からもう実質的に出来なくなってしまっている為
アトリエマニスでは
インドで買ったり織ってもらったりしたものを一度京都事務所へ送り、それをまたバリ島へ送っています。

送料も関税も2倍かかりますが、
それでもインドの布を使う理由は、
ここインドネシアの手織り布の大半がレーヨンのような
洗うと固くなる類のインド産のコットン糸しかない事。
(この辺はあくまでも主観ですので、もし詳細をご存知の方がいらっしゃいましたら
是非コメント欄でご指摘ください!)

バリ島の無地シャンブレーを筆頭にエンデックやソンケット、
あのフローレスのイカットですら同じ糸が使われていて
つまりどれだけ手間がかかった布でもレーヨンみたいな光沢があるように見受けられるからです。
なぜ民間の繊維輸入に高額な関税を課して
国内の工芸的な織物を同じ安価な糸しか使えないような事にしているのか
常々まったく疑問です。



余談が長くなりました。

    IMG_8389.JPG  

そんなわけで
インドネシア国内で上質で雰囲気の良い布が安定して作られているなら
それを使えばもっと販売価格も安くできるので
以前からずっとカパスに注目していながら
なかなか巡り合えなかった。
クラテンのコットン織物は
久しぶりにちょっと楽しみな新種になりそうです。

     IMG_8391.JPG 

早速服地用の布をあれこれ見せてもらいながら春の服向けに注文をしています。
当面は織り密度や堅牢度などのバランスもあるので
試行錯誤になるかもしれませんが。
折しも、
2023年が始まったばかりだというのに
インドからのみならず
日本からの生地の輸入さえも
税関で差し留めになる新年の幕開けです。

なんと、これまで通り日本から送った生地が
書類不備で返送または廃棄されるという通達が来ました。
めっちゃ難解な手続きのようで頭を抱えております。


昨年末にリニューアルしたホームページに紐づけされるようブログの投稿の仕方が変わったのですが

こちらのブログサイトからだと閲覧できなくなっておりましたので

コピペして再投稿しました。

では、また近いうちに
続きを書きます。
お読みくださりありがとうございました!

 

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