« 2022年6月 | トップページ | 2022年10月 »

2022年8月14日 (日)

インド行きました 2022.5 その5

お疲れ様です!

最終回です。


・・・・・・・・・・


冒頭ですが余談を先に入れます。

インドの入国条件について。

ビザはオンラインで申請しカードなどで料金を支払い

送られてくる書類をプリントアウト。

出発前のPCR検査陰性証明を

政府指定のサイトにアップロードし

返信で送られてくる書類をプリントアウトすればOKです。

2022年5月時点ではワクチン接種の有無は問われませんでしたが

現在(2022年8月)は必要になっているようです。

注射不可の私としては5月に行っておいて良かったのかも。

これから出かけようとしている皆さんは

「その1」も一応読んでみてください。


・・・・・・・・・・

5月18日(水)

運転手のシュルジートさんが、またとんぼ返りでヒマーチャルへ行くというので

その体力に驚きながら5日間本当にお世話になったお礼を言って

さよならしたんですが、

夜になって、やはり私の体調と翌日のスケジュールを気にしてくれて

ヒマーチャルへの出発を夜にし

朝から夕方までの運転をまたやってくれるという。

何という強靭さ!

Img_4304

というのも、私、インドネシアの再入国のために

「出発国の国立病院の医師の診断書」が必要。

デリーの国立病院=AIIMS(エイイムズ)に行くことにしたんですが、

シュルジートさんは反対意見。

でも、必要なのだから行かなければならないと主張したので

付き合ってくれたわけです。

結果は彼の言う通りで、

AIIMSはローカーストの人たちが無料で医療を受けられるような施設らしく

アメリカのERみたいに物々しく、

入り口に直接緊急車両がどんどん入ってくるようなところ。

猛暑のせいで倒れたのか

その人たちは担架に乗せられたまま入り口前の屋外にずらりと並べられており

まるで野戦病院みたいなところでした。

「内科の受付」を訪ねても、

Img_4328

「内科?はぁ、あっちで聞いてみて」みたいに

誰もがひっ迫している様子で、

はい、これはもう、無理ですね。

行ってみて納得でした。

いい勉強になりました。


Img_4321

AIIMSに行く前に少し時間が取れて久しぶりハウスカーズ・ヴィレッジへ行ってみました。

入り口付近にあるOGAANというアパレルブランドの上階、Coast Cafeというところです。

何を食べたのか、メモしてなくて

今となっては説明しがたいのですが、

おわん型に湾曲したアッパムという白いパンとココナッツミルクベースのアジア風カレー。

それに3種のチャツネが付いてきて

ピンク色のはビーツの色だとか。

久しぶりのカプチーノ、でしたが、やはり薄い。

この冷房空間でスタンバイしておけてよかったです。




シュルジートさんのすすめで

ホテルの人にAIIMSでの件を話すと、

どんな書類か見本があれば頼めるかもしれないとのことなので

試しにお願いしてみました。

写メで公立病院の医師に書類を送り、1日待ってみました。

が、やはり断られたとのこと。

もう書類無しのままインドネシアに再入国するしかありません。

(バリ島での私立病院の診断書は持っています。)

ちなみに前の「その4」にちらっと書きましたが

PCR検査はホテルまで来てくれました。

普通に私服の人が検査キットだけ持ってきました。

2回ほどアポの時間が変更になり面倒でしたが、

結果はホテルに送られてきてプリントアウトしてくれました。

費用は1500ルピー。




翌日。

5月19日は外出前に近くのお寺に行ってみました。

グルドゥワラ・シュリ・バングラ・シャヒーブという広大なパレスで

シーク教の礼拝所だそうです。

敷地内はどこかクリーンで清々しいエネルギーに満たされているような気配。

さすがに宮殿まで入るのは作法などもありそうで憚られ、

回廊をぐるっと散策。

食事がふるまわれるらしく、入った場所は大きな厨房の脇でした。

Img_4339

たくさんの人が歩いているから通り抜けの道なのかと思ったら

中に学校などもあるそうです。

この日も午前中から43度くらい。

Img_4342

お寺の前にある売店。

布がどんなのか見たかったのですが、、

Img_4347 




この日から別のドライバーさん、マンジートさんに。

英語があまり通じないけど真面目なので

どこか涼しいところにいて終わったら連絡するから来てね、といっても

駐車した場所で車の外で待ってるので

私が生地選びに没頭してると待ってる間に溶けちゃうかもしれないから

生地は一回に全部まとめて買わずに

2日に分けて同じところへ行き、待機時間を減らす工夫をしましたよ。

ふぅ。

46度ですからね。

Img_4357

私も帰り道にちょっと涼みにカーンマーケット。

ここはマンジートさんにお金渡して1時間ほどどこかへ行っていてもらう。

やっとカフェラテにありつき、ついでにおっきなスイーツも頼んじゃう。

(けどお持ち帰りにした~)



その翌日も同じパターンで

同じカフェでレバニーズ・プレートのランチ。

ファラフェルがスパイシーでした。

マイフェイバリット、タートル・カフェ。

Img_4390

マンジートさん、最後の日の早朝出発にも

時間バッチリで来てくれて。

5分前に「前にいますよ」、とワッツアップメッセージ。

本当に真面目で良い方でした!

Img_4423_20220806235501

カウンターでの手続きでえらい時間がかかりお金をたくさん払わされることは

夜な夜な夢に出てきて覚悟をしていましたが、

ホントその通りになりましたね。

荷物超過チャージが今は1キロ3200円もしますから。

だから事前申請で割引価格にしたかったのに、

オペレーションがごちゃごちゃで。

インドからの生地がインドネシアでは受け取れないという税関の掟があるために

いつもカーゴで一旦日本へ送り、日本からバリ島へ送るものと

こうして超過荷物で運ぶものと半々なんですが、

今回は帰りゼロ円チケットのせいか、帰りのチケット代を普通に払うのを越える

重量超過料金になりました。

それでもって、

デリー発シンガポール航空にやっと乗り込むと満席でした。

ふぅ。

Img_4424

シンガポールではこれまたゼロ円チケットのせいで

16時間待ち。

注射してないので空港から外へは出られずに

物凄く高いエアポートホテル(しかも常時混んでいるので早めの予約必要)、にしました。

実際は空港内の床に寝ている人もたくさんいたので、それでもよかったのかも。

まずはホテルに入る前にエアポート屋台村でハイナンライス!

Img_4430

シンガポール空港内ではほぼキャッシュレスになっていて

こうして自動支払機でクレジットカードなどをピッとかざすだけでOK。

両替をする手間が不要になったのはいいけれど

今やレートが悪すぎて、コーヒー1杯600円とかしてしまうのに泣きながら

あちこちでぴ、ぴ、とやってしまう。(笑)

Img_4432_20220806235501

ホテルに入ると、何と12時間滞在というパッケージで2食付きでした。
(すっかり見落としていました)

翌朝はミール利用したけど、なかなかちゃんとした内容でした。

ターミナル1のエアロテル。

昔SARSの時も一度泊ったことがありますが

値段が上がった分、室内もサービスもグレードアップしていました。



バリ島、上等なお天気!

バリ行きフライトには前日デリーから一緒の便だったインド人の人たちがちらほら。

インドが私に付いてきてくれてるみたいで何だか楽しい。

Img_4440

さぁ、

ココから先が「証明書なし」の私に通せんぼがありませんように。

しかもアプリに不具合があり書類のアップロードも出来ていない。

荷物をまた税関で呼び止められ全部出して見せるのも勘弁してほしい。

今回最大の難関がインドネシアの再入国なのであります。

Img_4441

そしたら、何と

全部スルー出来ました。

最後は完璧!




最後の写真は、

作品展も駆け抜けた後

友人の子供たちの卒業式で

ヌサドゥアへ行き

ボートゥリーのスミちゃんと合流し

ビーチで寛いだときの。

Img_4710_20220806235501

ここまで

駆け抜けた後、ガルンガン&クニンガン休暇だったのは

本当に有難かったです。

・・・・・・・・

最後に一つお知らせです。

8月28日(日)12:00~17:00

久しぶりに京都oko manisオープンデーです。

私の京都inに合わせて1日だけなんですが

作品展の時のように関西の皆さまのお直しご相談も承ります。

お時間がある方、お直しをお考えだった方は

是非いらしてください。

| | コメント (1)

2022年8月12日 (金)

インド行きました 2022.5 その4

バザールの日曜日の午後に

1件だけ仕事場を見せてもらえるところがありました。

クルの川沿いにあるインダストリアル・エリアから

車と徒歩で傾斜地を上がった場所。

お休みの日だけど職人さんが一人だけ来てくれてました。

Img_4237

ここもショールが中心。

比較的真新しい機が並んでいます。

製品は街の方にあるショールームで見せてもらいましたが

ローカルシープよりも輸入のメリノウールを使うものが多いみたいです。

Img_4234

写真はメリノですが、

ヤクやローカルシープの産地はアップルバレーという場所で

クルからマナリへ行く途中にあるそうです。


この工房の社長さんはデリーにいるそうで

見学しかできなかったのですが

後日この社長さんがデリーの出先に訪ねてきてくれて

見本をいろいろ見せてもらえました。

その様子ったら、日本のアパレル生地屋さんそっくりで

在庫数もすぐに分るし、見積もりもその場ですぐ!

(インドなのに・笑)

私はその商談時間をお昼に充て、チャーミエン食べながらで

失礼しました。

さらに驚いたことに

試しに選んでみた生地が翌日の午前中に届いたんですよ。(笑)

クルの街からの夜行バスにこうした荷物を運ぶサービスがあるらしく。

まぁ、届いた内容が注文と大幅に違っておりましたけれども、

インドなので。オチはあります。

社長さんがホテルに生地が届けに来た時間とPCR検査がこれまた重なって、航空会社との電話も重なって

多めに支払い釣りはいらんと手を振ったら

不思議そうな顔をされました。

本当に失礼ばかりしてしまいました。

・・・・・・・・・


ここからはまた話しと時間を巻き戻し、

5月16日(月)です。

早朝からの下痢と熱で起きれず、

11時ごろの出発にして

途中の道沿いで教えてもらったウール屋さんへアポなしで訪問しました。

なかなか大きな工房です。

ここでは糸から織りまでを一貫して行っていて

入り口にはショールとツイード(服地)を並べる店舗もありました。

Img_4269_20220806222201
ジャワ島トゥバンの織工房でもそうでしたが、

リズミカルな音楽を掛けながら

リズミカルに織っています。

30代くらいの若い社長さんですが

職人さんたちが皆ニコニコしていていい感じ。

織っているのは全部ショール。

Img_4272_20220806231701

チベタン風のお母さんも。

Img_4273

ヤクの天然色です。

Img_4279_20220806231801

Img_4278_20220806231701

下は寄りを掛ける前の糸。

写真がありませんが、緯糸はチャルカ(糸車)を使って作業されていました。

Img_4288

こちらは経糸を巻き取っている作業場です。

Img_4283

織りあがった布の整理をしているおじいさん。

Img_4286

店舗からいくつかのツイードを選んで車に乗せたら

荷台も助手席もパンパンです。

やはり時間がかかっても車で動くのが私には合っていますね。

行き当たりばったりの買い付け派だから。



この後は運転のシュルジートさんの意見で

チャンディガールまで一気に戻ろうという事に。

デリーから4~5時間ほどの都市で空港もあるし。

しかし

途中の山道でまた長い渋滞。

桃源郷みたいな場所の渋滞に綿菓子売りに来る青年たち、

一体どこから来るのでしょう??

その先私はほとんど寝落ちていたのですが

チャンディガールに着いたのは夜10時近くだったかもしれない。

シュルジートさんが薬局で

この「電解水」の粉末を買ってくれて

これ飲んだら治るよ、って。

水に溶かしてね。

飲んでみたら、あ、ポカリでした。

Img_4298_20220806231801

翌朝には熱が下がり、

体力も少し戻ってきて助かりました。


翌日はwifiも快調でデリーに入る前に

あれこれ予定を立てられました。

先ずは直接カーゴ会社へ。

車の中は出発時と同じ、スーツケース1個だけになって

またコンノートプレイス近くのホテルに。

夕方は元気を取り戻し

また徒歩で生地を買いに出かけたりして。

あぁ、デリー。暑いです!


・・・・・・・・・・・


次回最終回は・おまけ編

デリーとシンガポールの「まめたび」です。

お時間がありましたら

また引き続き眺めてみていただけたら嬉しいです!

| | コメント (0)

2022年8月10日 (水)

インド行きました 2022.5 その3

おはようございます!

書いていたら、久しぶりに消えました

気を取り直して

また書きます。もうね。予定を返上して

朝から書くよ、今日は。

(昼ごはんはテイクアウトにしよっと。)

・・・・・・・・・・

 

5月15日(日)

ヒマーチャルプラデーシュ州2日目、

デリーを出発してから3日目です。

日曜なのでウール屋さんたちも休みだし、

(1件だけアポ入れてもらえた以外は)

選んだホテルは街のど真ん中だし、

歩く気満々。

標高2000mほどというクルの朝はそれほど寒くなくて

なぜかしらと思ったら、インド全体が記録的な熱波の日だったそうで

この日はデリーが49.2度。クルも午前中から30度越え。

そうとは知らず歩き回ったあと

フラフラになって

今までほとんどNGとしてきたローカル屋台のものを食べたら

当たってしまって

翌明け方から丸一日、熱と下痢でした。

インドでは同行人の人たちがローカルフード食べて寝込むケースを何度か見てきて

私は誘惑に負けないようにとこれまで気を付けてきていたんだけど。

お陰で、翌日はダラムシャラーまで行けるかな?なんて薄っすら期待をしていたのも

全部取りやめになりました。

ダライラマさんが、出直してくるように、っておっしゃったんだわきっと。

・・・・・・・・・


インド人は朝遅く夜遅いんですが、

10時半過ぎに敷地から出てみると

バスロータリーの広場でバザールが始まっていました

日曜日だからかな?

下の写真はバスロータリーの前に並ぶ果物屋。

Img_4215_20220807204901

日よけクロスと地面のマットもある。

これが無いと厳しいのが実感できます。

キョーレツな日差し!

乾物、日用品、雑貨品、化粧品、衣料品。

Img_4209_20220807204901

色とりどりのカーペットは化繊かも。

中国製かも。

量がすごい。

Img_4210

カットゥのショールもあります。

が、

上の2点は何とプリント。

バリ島でも浮き織のソンケットをプリントしたサロンが流行っています。

Img_4249

下の写真は

夕方のもの。

もうこの頃はフラフラしていた。(笑)

午前中よりも倍くらい店が増えていて

もう一回見に行かなきゃで。

お馬かわゆし。

子供が小さかったら

買って担いで帰ったかもしれない。

Img_4251

インドのソウルドリンク、さとうきびジュース。

北の国にもありました。

Img_4245_20220806222201

これ探していたんですよ。

ローカルマーケットで売られている

ヒマーチャルウール。

全て製品化されていて

生地や糸がなくて残念でしたが

一般の人たちがこの風合いとクオリティを身に着けて暮らしていると分かって

嬉しかったです。

 

Img_4242_20220806222201



バザールとは反対側のスペイン坂みたいな坂道に

お店が並んでいたので

行ってみる。

売られている雑貨品は観光客向けのものは乏しく

中国製っぽいリュックやらウエストポーチ、スニーカーなどなど。

クルはヒマーチャル水晶の有名な産地らしいのだけど

クリスタルには出会えませんでした。

もう数時間北にあるマナリーはバックパッカーのアジトみたいなので

そちらの方にいろいろあるのでしょうか。

Img_4218_20220807204901

あっ、ヒマーチャルウール着ているおじさんを発見!

カットゥの伝統的な帽子もかぶっている♡

Img_4225

遠目ですが、

右側を歩いている人はヒマーチャルのコスチュームを着ています。

モンゴルっぽいチュニック。

Img_4219

山あいの住人たちはバスで町へ降りてくるのでしょうか、

バスがたくさん。

Img_4223

野菜はこっち側エリアで売られていました。

茶色の大きな建物は市場なのかも、閉まっていましたが。

道端で売られているは

オクラ、ナス! 

上のはマンゴー、ココナッツ、パパイヤ、チェリー。

Img_4229


こちらは橋の上の「場外」です。

苗を売っている!

レシピが知りたくなりますね。

Img_4227


種を売る人も。

暑そうです~

Img_4226


チベタン・モモのお店。

Img_4231_20220806222201

「ファーストフード」店が意外と多い。

ちゃんとしたレストランは意外と見ない。

ヒマーチャル風ファーストフードは

トゥクパ、モモ、チャーミエン。

トゥクパは小麦粉の麺と野菜にヨーグルトやスパイスを使ったスープのスープヌードル。

モモはネパール料理にある肉まんまたは餃子みたいなあれですね。

チャーミエンは焼きそば。

ホント、今回は焼きそば三昧です。流行っているのかもしれません。

Img_4233

・・・・・・・・・

インドの連休だし日曜日だし

郊外にはラフティングのポイントもあって、なかなか賑やかな一日。

冬季は積雪もあるしどんな感じなのでしょう、

ウールの産地ですからね。

この街クルは小さな町ですが、空港もあります。

フライトは天候に左右されやすいそうです。

・・・・・・・・・

キリが良いので一旦区切ります。

続きはまた!

| | コメント (0)

2022年8月 8日 (月)

インド行きました 2022.5 その2

続きますと言いながら、

2か月もあいてしまいましたが

再開です。

 

まずは日本の皆さまへ

暑中お見舞い申し上げます。

インドで49度の日が1度ありましたが

日本とは暑さの質が違いますから

のんきに外歩きしてました。

毎年暑さも寒さも天候の振れ具合もどんどんギャップが大きくなり

斎藤幸平さんのような革新的な主張がやっと出てきましたが

どうか間に合いますように。

いえ、あの、きっと間に合うんですが。

 

この夏休みは、世界中の人が待っていた夏休み。

行きたかった、我慢していたところにやっと行くんだ!

シャンパンの泡がはじけるようなピチピチしたエネルギーが

感じられるのは私だけでしょうか?

 

日本のこの夏の感染拡大、

私の中では

スペイン風邪の時のオーストラリアみたいな印象があります。

世界中がパンデミックで大わらわな頃には封じ込みができていたのが、

他国ではそろそろ集団免疫がついて再開する時期になって

感染が激増するという?

(スペイン風邪の頃のオーストラリアはいち早くロックダウン、鎖国をしたので当初は流行らなかったが世界で終息に向かう頃にパンデミックに陥ったそうです。)

しかしこれ、日本だけではない可能性も。

人々はコロナへの恐怖心、警戒心が薄くなり、「もうそろそろ終わりにしようよ」という空気感になり

熱が出ても検査してないだけ、って気がします。一先ずバリ島ではそんな感じです。

かくいう私も知らず知らずのうちに罹っていて

出国72時間前のPCR検査で陽性が出てしまったんです!

ピークシーズンゆえ日程変更の差額は高額ですが

これはもう仕方あるまい。

8月2日からの帰国予定を3週間延期することにしました。

 

8月をまるまる開けようと6月下旬から秋物試作に取り掛かってきたので

制作はもうスタッフだけで進行できるようになっていますし、

「延期」により予期せず時間の棚ぼたが訪れたので

さっそくブログの更新をば。

表題の「インド記」を続けます。

 

・・・・・・・・・・

 

2022年5月14日(土)

インド、ヒマーチャル・プラデーシュ州の拠点、マンディの街から出発

車からの写真しかありませんが、川を挟んで両側に美しい景色が広がっています。

山の緑も青々と美しく、気温はデリーより10度も低い。

Img_4090

この日は、

ずっと前から連絡を取り合っていたマンディ郊外のHimachal Textileというウール工房からスタートです。

ヒマーチャル州のウールは

素朴で安定しているので

毎度あの手この手で取り寄せていましたが

いつか見に行かなくては、と思いながらのコロナ中断でした。

娘さんのアンシュルさんが案内してくれました。

Img_4093

まずはこの作業から。

山になっている原毛からゴミを取り除いています。

Img_4101

傍らには、乗っても凹まないくらいパンパンに硬い袋が山積みされています。

1袋は100キロですって。

何匹分の毛だろう?

地域では、

インド政府の繊維省のサポートを得ながら

原毛になる家畜(羊、ヤク、アンゴラなど)を飼育する生産者、

繊維製品をつくる生産者がいて

大きく二手で分業しているそうです。

織り手は(家畜生産者と同じ人たちの場合もあるかもですが)

桃源郷の住民たち。

紡いだ糸を支給し

政府から支給された織機で

産地特有の手織りウールを作っています。

紡績には機械を使いますが、それでも大変な手間です。

大学で繊維学を学んだアンシュルさんは機械の調整もお手のもの。

お父さんの代から

機械は買うのではなく、自分たちで作ったのだという。

Img_4095

原毛はまず種類別により分け、洗います。

そしてコーミングするとふわふわの太い紐のような状態になります。

脂ぎっていた自由奔放な原毛はこの過程で空気を含み

一気に素晴らしい素材に変身します。

Img_4111

下は、

撚りを掛ける前のローカルシープの毛。

天然のままの色だそうです。

(※メリノウールも広く使われていますが、オーストラリアからの輸入です。)

Img_4104

撚りを掛けるのはアンバーチャルカと呼ばれる機械。

作業はオートメーションではなく

全て人の手により管理されています。

Img_4115

出来上がった糸は織り手へ分配される。

下の写真の女の子は織りの研修生です。

工房では、

足にハンディキャップがある住み込みの職人さんも抱えていらっしゃるそうですが

地域の山あいに契約している織り手は200人にのぼるそう。

織りあがったものをまた買い取り、

インド各地や海外で政府が奨励する販売会を通したりして

販売している。

政府が管理、支援していることから

多くの人々にとって買いやすい価格にもなっていて

ある程度の数量が売れるから

たくさんの職人を抱える事が出来る、というわけです。

Img_4118_20220806155601

これはカットゥと呼ばれる模様織。

ヒマーチャル伝統のウール織物は主にショールで

両端にこのカラフルな織柄が入っています。

ナチュラルなローカルウールにカラフルな市販の毛糸を織り込みます。

Img_4124

今回はアトリエマニスの服地用に、

ナチュラルカラーの圧縮ウールとヘリンボーンを買いました。

こうした服地は総じてツイードと呼ばれていて

ヒマーチャルの男性のジャケットに使われているようです。

手織とのことですが一部は機械織のようです。

Img_4126

さてさて。

授業終了。

アンシュルさんが

ひよこ豆の炒ったのとプラムを出してくださったけど

時間が無くて。おみやげに包んでいただきました。

Img_4134

幹線道路に面しているショールーム。

不便な地域ではありますが、興味がある方はこの写真を参考に

ネットで調べてみてください。

この方がアンシュルさんですよ!

Img_4133

先を急ぐ私を察して

Himachal Textileから少し先まで彼女に同行してもらい

地域の事などをさらに教えてもらいました。

エアコン車だから助かったものの、ホコリがすごい!

Img_4137

下の写真は、マンディ地域の中でも風光明媚といわれる

ビューポイントです。

よく見ると

山の上の方まで家々が点在しています。

住民たちは主に自給生活なのだそう。

冬の間は備蓄食料と薪だけで籠る。

水は川から山の上の方までポンプで引いている。

「これだけあれば安心、モノが多すぎると逆に不安ですよ」、って。

8月辺りの雨期には緑が生い茂るのでしょうけれど、

私の知っている人が暮らす場所とは

ハッキリ言って程遠い。

これでも数日前まで豪雨だったのです。

「モノが少ない方が、いつくらいまで暮らしていけるって具体的にわかるから安心するんですよ」

Img_4135

どうでしょう、この景色を見て豊かだと思えなかった私の貧しさと言ったら。

この風景の中にたくさんの家庭があり、若者も、子供たちもいるんですね。

幸せって、すごく近いところにありますね誰にもきっと。

(はい、私はいつも最高に幸せですけれども。笑)

Img_4147

アンシュルさん&ショールームのスタッフさんとランチ。

彼女たちはこの後、灼熱の幹線道路で

どのくらい待ったのだろう、路線バスで帰宅していきました。

(自家用車もあるのに倹約家なんだなぁ、と思いながら)

こんな場所でも道が渋滞していたのは丁度ウエサク祭休暇だったから?

この後、ホコリまみれのまま

渋滞にはまりながら

クルの街を目指します。

Img_4148

Img_4150

道路は少し前と比べたらすんごく改善されているそう。

次に来る頃には山間の長距離トンネルも開通して

デリーからの所要時間が半分になるよ!って運転のシュルジートさん。

それにしても、、

ずっとこの乾燥した景色が変わらぬまま。

地球がどれほど乾燥し暑くなっている事か。

Img_4154

これ、滝なんだって。

干からびて見えるけれど、

確かに周囲に緑があるからそうなのかも。

Img_4170

わお、もう日没の時刻。

渋滞その他で2時間も遅くなりましたが

それでも待っててくれたおじさんと息子さん。

右のワンコは何とルビー!

(ウチのわがままゴールデンと同じ名前)

Img_4183

ここはヒマーチャル州の観光地、クルという街の郊外にある

ウール産業の特別区。

作業場はさすがに時間的に見れませんでしたが

素敵な在庫を購入できました。

Img_4185

一日が長い事といったら。

前日のホテルでwifiが使えなかったことから

この日の宿がまだ予約されていなかったのを思い出し、

下調べしていたホテルに

もう時間的に直接行きまして。

そしたら、、

すごく素敵なお宿でした。

エコノミークラスは分かりませんが、wifiが使えるのは

ワンランク上のみで

そしたら、、

villaでした。けど、予算内の価格、です。

コンクリだけど伝統建築でリビングスペースもあって

Img_4188_20220806155801

バルコニーからの夜景が

何とも素敵でした。

Img_4195

子供たちの声や車の音が

山間こだまして

幸福度高かったです!

いやはや、

実は

今回は

短期ながら旅程が未定という初めての体験。

 

ヒマーチャルのふところにダイブしています。

・・・・・・・・

続きます!!



過去最高に長かったかも。(笑)

読んでくださって本当にありがとうございました!

 

また続きも読んでいただけたら!

| | コメント (0)

« 2022年6月 | トップページ | 2022年10月 »