コルカタからのリネン
久しぶりに服の話題です。(笑)
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本当は、その前に「2月のインド」を連投したかったのです。けれども、
2か月もブログをさぼっていたものだから
もう、さすがに追いつきません。
書きたいことがいっぱいあるというのは良い事だから
2月の件はもうしばらく大事にしまっておこう!
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さて、何度か折に触れて投稿していたインドのロックダウンの影響、それは
私にとっては、季節を据え置かれたような印象でした。
春が止まり夏が止まったような。いや、実際には季節は巡っていましたが
感覚的な、エモーションというか。
日本の皆さまにとってもそんな感じってあったでしょうか?
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2月にインドで買ったり注文したりした布が、6月になって届いた。遅いものは7月だった。
中には、巨大ハリケーンで空港倉庫が浸水したらしい件に恐らくひっかかり、
大事な大事な荷物の一つは行方不明のまま。
いつ来るのか待ちくたびれた末、いい加減ブルーな気持ちになるのはやめよう。
手元にあった布をあれこれ引っ張り出し、夏向けの爽やかな服を考えてみた。
幸いにしてジャムダニ織だけは手持ちで持って来ていたため、
今夏の服はジャムダニだらけとなった。
最善を尽くしたつもりだったけれど、やはり来なかった布で欠けた部分はぽっかり空いたままとなった。
これ、キツカッタ。感覚的に。
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私がいちばん信頼を置いているコルカタの妹が、
時々連絡をくれていたのが励みになっていた。
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その彼女が、解除されたすぐ直後で再び封鎖に入ってしまう前日に大急ぎで送ってくれたリネンは
6月に届いた。
発送したと知らせがあった数日後にもう京都に届いたのでビックリする。
バリから飛行機に乗れば深夜に発って翌早朝に大阪に着くのが当たり前だったのに
これまた感覚的とは不思議なものだ。
そのリネンは、ロックダウン中の不安な時期に、ベンガルの田舎で無心に織られたというものだった。
急ぐことのない時間の中で生まれた布。
糸から選ばせてもらったインディゴとチャコールのベーシックな無地ツイルなのだが、
奥深い印象があって優しさもある。
そうそう、手織りならではの粗密感のあるツイル、これがずっと欲しかった!!!
素敵だなぁ。
このまま来春まで眠らせておくのは勿体ない、すぐに何か作りたい!
ここはもう春夏だの秋冬だのの決まりを無視して
布からのイメージで素直に作ってみようと思い立つ。
考えてみれば、春夏&秋冬ってメゾンやアパレルメーカーが勝手に作った商業ベースの決まり事。
夏のムンムンした中でウールのワンピース売ってたり、まだガチガチに寒い時期にヒラヒラのブラウス売ってたり。
その上、気候変動でいつものような季節めぐりにならず、真冬に桜咲いちゃうことだってある。
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「いつでも自由に着たいときに着る服」
「季節感のない服」
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そう思い始めたとたんに、これまで停滞していた自分自身の勝手なわだかまりが外れて
出来上がった服も新鮮に見えるという、
何とも思い込み中心のお話しにて恐縮です。(笑)
このツイルは、ツイルとしてはかなり薄手で
秋冬にはもしかしたら向かないのかもしれません。
いえいえ、ですので
季節感ではなく素材感を楽しむことに致します。
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そうして、何かこれもヒジョーに思い込み的ですが
もう飛行機に乗ってあちこち行かなくても本当に欲しいものは
手に入る気がしています。
結構夢中で通っていたインド、出会った人、つながった人と
これから何を作っていくか、新しいアイディアを相談し合うのが楽しみでなりません。
(もう次の注文は村人たちの手に渡っているはずです!)
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はるばる届いた布には丁寧に。そうなんです、
最近気に入っている言葉、「丁寧に」
バリでの仕立てもより時間をかけてじっくりと。
今までもそう心がけて来たけれども、少しまたスケールが広がった感じがしています
ていねいに。
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リネンツイルのお話しが長~くなりました。
こちらの服をはじめ本年のベーシックタイプの服の一部を
明日より東京の間kosumiさんで期間展示をいただけることになりました。
間kosumi
〒164-0003
東京都中野区東中野4-16-11-2F
tel/fax 03-3360-0206
mail:kosumi@bk.iij4u.or.jp
定休日 月・火曜日
営業時間・12:00~18:00展覧会の会期中は定休日・営業時間は変則的です。
https://kosumi.net/access/
kosumiさんの告知では9月6日スタートになっていますが、服はすでに届いているはずです!(笑)
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各地のアトリエマニスお取り扱いショップでもご覧いただけます。
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