まめしんぶん・2019秋冬 1
皆さま、こんにちは。
ご案内DMはお手元に届いていますか?
作品展がもうすぐです。
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vol.70 Kutch artisan & eternal warming
ブランド設立1998年から21年、本格的にバリでの服作りが始まってから20年となります。
1998年3月にVol.0(ゼロ)のプレ作品展をやらせていただいてから、今回で70回目となります。
これほど長い期間、回り道をいっぱいしながら、家族や仕事仲間にいろいろ迷惑もかけながら、わがままに作り続けて来られたのも、偏に着てくださる皆さまのおかげなのです。本当に本当に、ありがとうございます。
今年はずっと行きたいと思いながらなかなか機会が持てなかった西インド、グジャラート州のカッチへおもむき、産地の素晴らしい織手の人々から直接分けていただいた布が中心に、春夏から今回の秋冬展を通して心温まる素材をご覧いただいています。
グジャラートをはじめインドの布の一部は、もはやエスニックではなく、多様性に富み作り手のセンスと技術を今の時代にどんどん膨らませていて唸ってしまいます。
東インド会社からマハトマ・ガンジーさんの思想を経て、今や経済発展まっしぐらの中にこれほど麗しいテキスタイルが、保存会のような特別扱いされずに、ひとつの商売として淡々と作られている。
機械化に傾倒しないで職人的仕事が生き生きとしている。
よって今回はこれまでより一層時間をかけてじっくり服へ落とし込みをしました。
時間をかけた分点数は少なくなりましたが、現在進行形のカッチ流アルティザンの着心地をお楽しみいただけたらさいわいです。
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カッチのウール
カッチの毛織と言えば、デシウール呼ばれる硬いウールが代表的。
長年間接的に入手して使ってきていましたが、軽さと柔らかさを追求する冬素材の中でこのゴワゴワしたウールは相当なマイノリティです。
なぜこんな硬いのかと思ったら、移動の民ラバリ族の周辺にいるラクダや羊、ヤギなどの獣毛(たぶんその一番硬い部分)を使っているらしい。硬いせいか、洗ってもあまり縮まないようです。
この個性的なウールのほかにも輸入されているメリノウールを使っているもの、模様織を入れたものなど種類も豊富。
今回はショールとして売られていたものを主に使って織柄とフリンジを生かしながら仕立ててみました。
デシウールブランケットのラバリコート
ショールサイズのブランケット1枚から1着がぎりぎり取れるサイズのハーフ丈チュニックを作りました。
ショールのサイズがまちまちなので、小さくてパターンに満たないものは別布を足しています。
両端のフリンジを裾に使って、身頃部分だけ裏地付けて。
裏地、パイピングと紐を1着ずつ選んでいく作業は成り行き任せ。
個性的なウールをナチュラルに着る、今年の秋冬です。
中央のダークブラウンが一番カッチ風気分ですが、右の深いインディゴがいいバランスで仕上がっています。左のオフホワイトはフリンジだけがインディゴ染で面白いのでパイピングも同系色に。
カッチ産デシウール&タッサーシルク手織ショールのロングスカート
ウールとワイルドシルクのタッサーの美しいインディゴ染め。
伝統的な織柄が入った贅沢なショールをほぼ裁断せずそのままタック入りスカートに。
裾にステッチワークを効かせたフルロング丈です。
カッチ産デシウールインディゴダイ手織のシュミゼロング丈
こちらはオーダーしてつくってもらった布。タテヨコともデシウール100%です。
カッチではインディゴ染が盛んなようで、私が見せてもらった工房では地面に彫り込まれた簡単な藍のプールを使ってサクサクと染めていました。ウールのインディゴ染はしばしば色が落ちやすい事があるのですが、今回は2度洗いしてもあまり色移りせずなかなかよい状態です。
糸染めなので部分的に濃淡があります。
こちらは人気上昇中にて残りわずかとなりました。
カッチ産デシウールインディゴダイdolkiモティーフのインドパンツ
同じタテヨコ共デシウール・インディゴ染の機で一部を織柄入りにしてもらいました。
模様が入るとフォークロアっぽさが一段と出てきます。
模様織はこんな風に織りながら刺繍するような感じで入れていきます。
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カッチのインディゴウール
メリノウール(オーストラリアからの輸入糸という)のインディゴ染。
もっと柔らかいものが来ると思っていたのですがサマーウールのように強撚でした。薄くて丈夫そうな仕上がりです。
織模様にはそれぞれに名前がついていて、私の乏しい英語力ゆえ正確さに欠けますが、メモしてきたものが以下です。今回はこの中からdolkiという模様を選んでお願いしてみました。
カッチ産インディゴ手織メリノウールdolkiモティーフのロングカシュクール
裾と紐のコットンがポイント。いつものカシュクールよりも丈長にしています。
同じ生地でサックボトムを。
同じ素材で模様無し(無地)。
生地幅から成り行きで裁断した四角いパーツを縫い合わせたTOPです。
裾に上の巾着スカートで使わず切り落としたフリンジ部分を縫い付けてポイントに(一部ついていないものもあります)。
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まめしんぶん、続きます!
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