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2019年10月28日 (月)

作品展vol.70 プチイベントのご案内

週が明けていよいよ今週末となりました。

アトリエマニス作品展2019秋冬です。

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私、たかはしは先週金曜日に予定通り帰国し、

現在京都で作品展にお持ちするものを最終確認中。

このブログはバリで書いて予約配信をしたかったのですが

あんまりにも毎日暑かったせいか、うっかり電源を刺さないまま書き進めていて

書き終えるちょっと手前でバッテリーが尽きて全部消えてしまいましたとさ。

そんなわけで、今もう一度同じ内容を回想しながら入れていきます。

ご覧いただき皆様の今週末のお楽しみになればと思います。

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その1

高橋景子さんによるワイン試飲会 11月1日(金)夕方より

毎回人気、真鶴のワインラバーズファクトリー。

いつもはカウンターに並べて私が手前味噌バーテンダーやらせていただいておりましたが、

今回はソムリエールの景子さんご自身が、特別セレクションのBIOワイン・赤を持って来てくださいます。

会場では5種類の試飲&簡単おつまみセット1000円。

おすすめは「限定&特別価格でのボトルご配送」サービス。

何といっても、すべてBIO(有機農法)によるワインです。

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予定出展:左から

●チリの渋すぎないカベルネソーヴィ二ヨン

●チリのみずみずしい味わいで華やかな香りのピノノワール

●チリの飲みやすく果実味の多いカベルネソーヴィニヨン

●スペインの果実味満載の赤はリアルワインガイドで旨安大賞受賞

●オーストラリアの酸化防止剤無添加シラーズ

なかなか巡り合えないタイプのBIOワインがボトルでも990円から。

ワインがおいしく飲める季節ですし、これからはお家でも飲む機会が増える時期。

試飲が楽しみです!

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その2

70回感謝プチパーティー 11月2日(土)18時~19時半

マニスお師匠・浅井恵子さんおすすめ、神楽坂のE-toさんの

オーガニック食材によるおいしいお料理が届きます。

(写真はイメージです。)

E-toさんは器とこだわりも持った有機農法による安全な野菜を中心に雑貨も取り扱う矢来町のお店。

店主江藤夫妻はもともとグラフィックデザインと器の商品開発をされていたそうですが、

私も今回初めてお願いをするのでとても楽しみです。

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プチパーティ参加ご希望の方はチケットを販売しますので先にお買い求めください。お一人1500円、軽いお飲み物付き。

チケットはご連絡いただければ予約もお受けいたします。

「感謝」パーティーなのにお代を頂戴するのは恐縮なのですが、

処々の事情よりご理解いただければ幸いです。

また、パーティーと言ってもご存知の通り社交性ゼロの私ですから大した余興はできませんのでお許しください。

その代わりと言っては何ですが(笑)くじびきコーナーを設置いたします。

オリジナル手仕事系小物、インドの小物や、toko manisでインスタレーションに使った不思議なものほか

ちょっとだけインドからのお土産あり。

20名様までの限定とさせていただき、空くじなしの予定です!

どんなものが当たるかは、どうぞお楽しみに!

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その3

コーヒーカジタさんのコーヒー&スイーツの販売会 期間中:無くなり次第終了

7年ぶり、あのkajitaさんからのお取り寄せ。

(写真はサイトから引用させていただいたイメージです。)

コーヒー茶会、出張喫茶などで大変人気があるkajitaさんのベストセラー、

「焼きくるみ」、「パウンドケーキ」とオリジナルコーヒーが届く予定です。

コーヒー豆といえば

前回のコラボカフェでは「アトリエマニス・ブレンド」というコーヒーを作ってきてくださったのが驚きでした。

今回も非常に楽しみです。

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その4

我妻淳子さんのナチュラルメイクレッスン 11月2日(土)、3日(日)のみ

20分:2500円、30分:3000円

ご予約不要、先着順です。

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以下は、HANAHOUSEさんのブログからの引用です。

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我妻淳子 Junko Azuma
ヘア・メーキャップアーティスト&コンサルタント

福島に生まれ。19歳の時にNHK床山に入り、日本髪を結う仕事に。21歳で1年間美容学校で学ぶ。在学中にTBSの現場に。22歳でインターン生として働きながらヘアメイクの仕事もするようになり,以後、TV、映画、スチール撮影現場で数々のヘアメイクを担当。バンタンデザイン研究所、東急BE(カルチャースクール)、都立総合芸術学校・舞台表現科で講師など。40歳で舞台の世界に出会い、主にミュージカルでのヘアメイクを担当する。蜷川作品、ホリプロ、東急文化村、東宝、劇団四季などが制作する作品を手がけた。鹿賀丈史主演「ジギルとハイド」、野村萬斎主演「オイディプス王」そして、「レ・ミゼラブル」「ミス・サイゴン」など。また、30歳頃より心理の世界に興味を持ち、「身体心理療法学院」で心と身体の繋がりをテーマに3年間学び、またNLPマスターコースも修了。バイク乗りとしては87年と88年にオーストラリアでのオーストラリアンサファリにオートバイで出場。

その道40年あまり。数多くの女優さんやタレントさんの「顔」を創ってきた人。
メイクをしながら、女優さんの悩み事も聞きながら、相手を見つめて来た。そんな、現場の日々の中である時から「顔」や「髪の毛」をいじることで淳子さんの中にその人の中から「美が立ち現れてくる」のを感じるようになったといいます。そんなことを(本人に)さりげなく伝えると、みるみるとその人のエネルギーが満ち、内側からの「美しさ」が湧き上がってくる。メイクのテクニックとその人の内なる「美しさ」の相乗効果が女優さん達のオーラを輝かせる。

塗り重ねるのではなく、あくまでもメイクはその人の本質を引き立たせる脇役。主役はその人の本質の「美しさ」。そこから改めての自分自身を創造していくことが、その人本来の生き方の動力になることを。そこに確信を得て、いわゆる「ナチュラルメイク」の礎を築いたのは淳子さんだったのです。舞台でのメイクのコンサルテーションをしつつ、プロフェショナルな現場から飛び出して、もっと広く、年齢、職業、性別を問わず、多くの方々の「美」と出会い、共同創造していきたいと個人セッションを手がけ始めました。

女優さん達に比べ、私達の多くは、その人の内なる美しさに気づかないまま、外側の価値にとらわれて、その人の本質を発揮できないでいることに,何か自分の経験が活かせるのではないかと。

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淳子さんのナチュラルメイク・個人セッションは通常3回コースで40000円。

前回「ポイントアイメイク」のWSを受けられた方は、今回は是非「眉」の描き方を習得されてください。

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それでは、皆さま

今週末にお目にかかりましょう!

 

 

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2019年10月27日 (日)

まめしんぶん・2019秋冬 3

予約配信にて

再びまめしんぶん連投、最終回です。

70回もの作品展を重ねることで

精進できているのかどうか怪しいところですが、

20年振り返ってやはり今回がいちばん良いもの(布)が集まっていると思います!

布からいただくメッセージを勝手な解釈で料理する方法だけは

ずっと変わっていませんけれど。(なぜだか理由もわかりませんホントに。)

布が好きなだけかも!

では、では。

続きにまいります。

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ナチュラルカラーのパート

山岳地帯ヒマーチャル州の風合いの良い温かな手織ウールは、長年大好きで集めているのですが、最近は生地としてなかなか手に入らないのでショールとして売られているものを収集。

両端のフリンジはせっかくの手仕事なので成り行きでそのまま使っています。

ブラウン系の天然色に合わせてピックアップした東ジャワ・トゥバンの天然染バティックとカッチのへリンボンを加えています。

 

ヒマーチャル産ヤクウール&シープウールショールを使った「ショールコート」

9月のインドで探し回ったヒマーチャルのヤクウール。

ヤクはカシミアよりも希少とされる標高の高いところで放牧されている牛のような方々で、本物は相当軽くて暖かいそうですが現場へ行ったことがないのでいまだ不明です。

ヤクの毛が50%というショールは確かに温かさが少し違うような(気がします)。

囲み製図のようにパターン無しで囲み製図のようにパターン無しで裁断。

パイピング、見返しにブロックプリントやカラムカリ(手描きプリント)を使っています。

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ヒマーチャル産アンゴラxシープウールショールのインドローブ

ラビット、というからにはアンゴラですねきっと。ウサギ&ヒマーチャルにいるヒツジによる大判ショールはとても柔らかく、ち密に織られています。なかなかに贅沢な手織です。

薄手カディのためのパターンをアレンジしてロング丈のローブを。裾に幅広の見返しを付けてアウター風に。

フレアが利いたインド風シルエットです。

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ヒマーチャル産シープウールショールのワークローブ

「シープウール」というのは輸入のメリノウールとは別物でヒマーチャルにいる羊さんから採った毛であるという事だそう。

やや強撚で硬さがある大判ショールは縁に黒いラインが入っています。

TOPの裏にストライプ柄のタッサーシルクコットンを使い、ボトム部分はショール風の素材感そのままに仕立てたローブです。

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ラジャスターン産カディウールショールの「ショールコート」

下の写真のTOP:ジャイプールのカディ専門店にあった昔のお父さんたちが使っていたような雰囲気の襟巻風ショールを使っています。

カッチ産カラコットンへリンボンの空手パンツ

下の写真のボトム:カッチの柔らかい風合いのひし形ヘリンボン。こげ茶とベージュの交織でリネンやウールにぴったりの自然派コットンです。

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ベーシックのパート

国産の上質なリネンとウールで。

 

国産ライトリネン高密度のジプシーシャツ

額縁のような均等幅の見返し、玉縁型のボタンホール。アルティザンな定番のTOPです。

今回のものはパイピングに別色を使ったコンビネーション。

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同じ生地で、いつものツイストパンツ。

ハリがあってバランスのよい仕立て上がりです。

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国産ミドルリネンへリンボンのダブルホールジャケット

2年越しで使っているリネンヘリンボン。

フロントのボタンホールが二重になっています。掛け方は右側を折り返す、折り返さない、の二通りです。

後ろ身頃の大きなタックが全体にAラインのシルエットを醸し出しているデザイン。

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圧縮アルパカウールツイードetcのベンガルパンツ

昨年使った黒とグレーのウール生地の残りをはぎ合せ、ポケット部分にはヒマーチャルのツイード生地を合わせています。

無地部分とはぎ合せ入が入っているボーダー部分をMIXしています。

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国産圧縮ウールメルトンのオールドコート

光沢のないメルトンのようなニット素材の圧縮タイプ。ニットなので厚さのわりに柔らかさがあります。

見返し、裏襟はトゥバン産手つむぎコットン。(ほかカッチ産カラコットンストライプなどなど。)

シンプルなパターンのおじさん風コート。大き目のシルエットで襟はシャツ風の仕立てです。

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カッチウールの黒、トゥバンコットンの黒

大阪弁風のおっちゃんが何度もメッセージを送ってくるので、ある日ひらめいてもう一色お願いしたデシウール。

絶句の黒に染めてと頼んで、確かにしっかりと主張する黒が送られてきました。

英語が苦手なおっちゃんと私の間で、絶妙なやり取りの末、よくぞ。

いい感じの黒です。

インドネシアのトゥバン産からも黒を。

 

カッチ産デシウール手織プレーンブラック&カッチ産カラコットンオーガニッククロスの

テントパーカ

両面カッチ産、中もう一枚バリシャンブレーを噛ませた3枚仕立てです。

ボタンホールは玉縁仕立て。100%天然素材で手織という贅沢なアウターです。

 

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同じ黒でマウンテンパンツ。スタンダードな七分丈パンツを冬向けにくるぶし丈に。

バリ手織シャンブレーとの二重縫いで温かな仕上がりです。

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トゥバン産手つむぎコットン(Tenun)パッチワーク&バリシャンブレー

ダブルホールジャケット

毎回使っている東ジャワ、トゥバンの手つむぎコットン布です。

今回ははぎれから作ったパッチワークと、黒い無地で。

北タイのコットンのようにやや甘撚りで太い糸ですが比較的ハリがある織りです。

後身頃はタックが大きいデザインなので無地布で1枚仕立て、前身頃、袖、襟をパッチワーク布で2重仕立て。

ボトムは、いつもより少し丈長にした定番の八分丈の「ブーツパンツ」です。

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お読みくださいましてありがとうございました。

フラスコさんにてお目にかかりましょう!

 

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2019年10月26日 (土)

まめしんぶん・2019秋冬 2

11月1日から3日間のアトリエマニス作品展でご覧いただく予定の今期新作を

引き続きご紹介させていただきます。

ちょっと長文になりますがご覧いただけたら嬉しいです。

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カッチ風冬素材

砂漠地帯のカッチを3月に訪れたとき、昼間の灼熱と夜の寒気との差に驚きました。

この気温差の中にウール織の伝統があるのですね。

また、ラバリ族と言うとアップリケやミラーワーク、刺繍がメインかと思っていましたが、豊かな技術を生かしたシックなサリーやショールが思いがけず豊富でした。

殺風景な土地でなぜこれほど染織と手仕事が盛んなのか、とても興味深いものがあります。

 

カッチ産メリノウールミラーワークショールのチベタンショート

ミルキーホワイトのしんなりソフトなウールはオーストラリアからの輸入糸だそうです。

小さくあしらわれたミラーワークには今風のセンスがありますね。

ガラス部分を取り除きながら裁断&縫製。シンプルにふんわりしたカシュクール型です。

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カシミール産ホック刺繍コットンキャンバス

こちらは北部カシミールのホック刺繍によるインテリアクロス。上のミラーワークに合わせて引っ張り出したもの。

緩い織目のコットンキャンバスに立体的にウール糸で刺繍されているものです。多配色のものが多い中この生成地が好きで見かける度に買っています。

裾丈を出すために無地ウールとタッサーオーガンジー(裏側)のヘムパーツを加えたスカートです。

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カッチ産メリノウールミラーワークショールのワーカーズドレス

シンプルな四角いシルエットの夏向けのパターンを使って、この魅力的なショールを裁断。

夜空の星の輝きが服の中にちりばめられるようなちょっと素敵なドレスになりました。

袖とネックはリネンネルを使っています。ショールのサイズに差があり着丈が長いものと短いものがあります。

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Khadimanisの服から

カラ・コットンとdolkiモティーフ

カッチの織工房にチャレンジでお願いしてみた布を中心に充実のカディマニス。

大阪弁が合いそうな熱心なおっちゃんにいろいろ作ってもらいました。

カラコットンは生成とインディゴでそれぞれボーダー柄とDolkiと呼ばれるリボンのような交差柄の織模様を入れてもらいました。

砂漠のカッチとバリ間をワッツアップでリアルタイムにやりとりしつつ、荷物は日本経由(インドネシアに直接輸入できないため)という遠回りでしたが、布の個性を最大限引き出せるようにバリ側でも大いに頑張ってみました。

 

カッチ産カラコットンオーガニッククロスの

チュニスブラウスとギャザースカート、トラペーズドレスなど

インディゴ染に白糸の織柄。とても柔らかい肌触り。織るときに硬く糊をほどこし仕上げにしっかり洗っているのだと思います。

ブラウスは片袖だけボーダー柄を入れ、他をDolki柄に。ステッチワークと包みボタンをポイントに。

先染めで色が擦れ落ち着きがあるインディゴ。袖とスカートに使ったボーダーの織柄部分にはとても時間がかかるのだそうです。

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下は同じ素材で作ったトラペーズドレスです。写真が暗めですが上と同じ色目です。

TOPにDolkiモティーフ、スカート部分にボーダーを使い、半裏仕立てに。

アクセントにパイピング、ボタン、ヘムには布飾りなどいろいろプラスしています。

ヘムの飾りはご不要の場合は簡単に外せます。

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生成は赤とブルーの織模様。

インディゴとは違う世界感。

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チュニスブラウスはステッチとボタンづかいにひと手間。

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 写真がやや暗めですが、こちらも同じdolkiモティーフの生成コットン。

赤いパイピングをアクセントにした「チベタンショート」という形です。

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カッチ産カラコットンチェックショールのギャザースカート

下は茶系が効いた格子とボーダー、落ち着いた配色のドビー風織柄。強撚でリネン的風合いも感じる薄手のショールを使って。

裾に太めの見返しをつけて裏無し。いつでも気持ちよく着られると思います。

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インド茜を中心に

グジャラート州の荒涼とした乾燥地帯でつくられているブロックプリント。

バティックのように糊防染をして染め抜きをする方法と直接を版で押す方法(=ブロックプリント)があり、染めた布を洗うためのプールが独特です。

水を張ったコンクリのプールに職人が半身漬かりながら、糊抜きをするために布をバシバシ縁にたたきつけるのです。

媒染剤や染料も周囲にあるものを使っていて、防染に使うゴムの木もはじめて見せてもらいました。

ここではインディゴ染も盛んですが、今回は美しい発色の茜染めを。

 

カッチ産インド茜染ブロックプリント

黒っぽい配色のものが多いストックの中で目を引くのはインド茜の赤。秋冬服の中にも彩りとなります。

TOPは紺色のクルミボタンを丁寧に並べアクセントに。生成色のリネンやウールに合わせやすい温かみのある深いピンク色です。

スカートは深紅のヒンドゥ的な花柄がおおらかに描かれたプリント。

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下はカシュクール・エテと呼んでいるオーバードレス。

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ヒマーチャル産手織ウール&グジャラート産インド茜ブロックプリントのトラベルコート

Sinduさんが現地マナリーから直接買ってきてくれた手織ウール。

無地の黒地のライニングに、赤いブロックプリントを大胆に使って。

このほか岩立さんから10年以上前にいただいた、ウメドプーラのナンナ模様(黒いプリント)の裏地のものがあります(11月下旬入荷予定)。

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カッチ産ラバリトライブ風サリー&リネンドビークロスのベルトポケットパンツ

トライブ=民族風の織柄、アンティークのような落ち着いた天然染めのサリーが1枚だけ手に入りました。

こんな枯れた色もアリなのかと驚くカッチ流センス。写真は明るく見えますが、結構渋めの赤です。

本物アンティークならばハサミを入れられないのでスルーしていたかもしれません。

ポケットパーツで明るさを彩るようなパンツを考えてみました。リネンの裏地と重ねて縫っています。

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西ベンガル・ヘリンボン

カディコットンを秋冬向けにと西ベンガルで依頼したヘリンボンのシリーズです。

一見似た組織ながら糸が違うだけでずいぶんと違う2種類が上がってきました。

西ベンガル産ギッチャーシルクxリネン手織ヘリンボンのオールドコート

経糸に太い黒のリネン糸、緯糸にはギッチャーシルク。

ウールツイードのようなネップがたくさん入ったMIX調ですが、光沢と軽さ、しなやかさはシルクならではの着心地です。

布の雰囲気に合わせて四角いシルエットのおじさん風コートを作ってみました。襟芯を貼らずに柔らかい仕立て。

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西ベンガル産カディコットンホームスパンxリネン手織へリンボン&バリシャンブレーのマオコート

経糸に太い黒のリネン糸、緯糸に0番手と言うカディの一番太い糸を使ったヘリンボン。

カディコットンの柔らかさが特徴です。

打ち込みがやや緩くカディ糸の撚りが甘いため、裏地を一緒に縫い込む仕立て方にしています。

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色はこちらのブルーとライトブラウンがあります。

同じ生地でパンツを作っています。

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西ベンガル・総刺繍のシルクカンタ

コルカタの古いお屋敷で西ベンガルの女性たちの生活支援を兼ねてカンタづくりを奨励している、Malika’s Kantha Collectionのショールとサリーを使っています。(コロニアル風のとても素敵なお宅でした。)

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パイピングや縁をそのまま使いながら3タイプの服をつくりました。

セミフォーマルや日常のちょっとしたお出かけに手刺繍を楽しんでいただけたらと思います。

 

西ベンガル産シルクエンブロイダリーカンタ&ラジシャヒシルクのワークローブ

黒地に赤糸だけの大胆なペイズリー柄。無地部分が多いサリーなので、黒いプレーンシルクを合わせてみました。

TOPが短めでハイウエストのローブ型ノースリーブ。スカート部分の裏地も全部シルクです。

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西ベンガル産タッサーシルクエンブロイダリーカンタサリーのシュミゼショート

1枚にどれくらいの時間がかかるものなのか、5.5メートルのサリーのほぼ全体に1色の糸だけで贅沢に刺繍されています。

素朴な柄が何ともベンガル風。

縁取りやステッチワークをプラスして1つのサリーから4点のブラウスを。基布は張りのあるタッサーシルクです。

裁断の位置によって刺繍の込み具合が違うため価格もそれぞれです。

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下はちょっとピンクがかった落ち着いた赤で、クリーム1色の刺繍。

ダークグリーンのトリミングを入れて、ちょいと引き締めてみました。

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西ベンガル産タッサーシルクエンブロイダリーカンタ&ラジシャヒシルク 

ライニング:カーディコットン

基布はタッサーシルク。モティーフの縁取りが色糸、中を白糸で埋め尽くした清楚なデュパタ(ショール)を使ったドレス。

TOP部分はバングラデシュのシルク産地ラジシャヒのプレーンシャンブレー。

ライニングドレス付きです!

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ライニングドレスは洗濯ができるようにカディコットンを使っています。

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まめしんぶん、もう少し続きます!

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2019年10月25日 (金)

まめしんぶん・2019秋冬 1

皆さま、こんにちは。

ご案内DMはお手元に届いていますか?

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作品展がもうすぐです。

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vol.70 Kutch artisan & eternal warming

ブランド設立1998年から21年、本格的にバリでの服作りが始まってから20年となります。

1998年3月にVol.0(ゼロ)のプレ作品展をやらせていただいてから、今回で70回目となります。

これほど長い期間、回り道をいっぱいしながら、家族や仕事仲間にいろいろ迷惑もかけながら、わがままに作り続けて来られたのも、偏に着てくださる皆さまのおかげなのです。本当に本当に、ありがとうございます。

今年はずっと行きたいと思いながらなかなか機会が持てなかった西インド、グジャラート州のカッチへおもむき、産地の素晴らしい織手の人々から直接分けていただいた布が中心に、春夏から今回の秋冬展を通して心温まる素材をご覧いただいています。

グジャラートをはじめインドの布の一部は、もはやエスニックではなく、多様性に富み作り手のセンスと技術を今の時代にどんどん膨らませていて唸ってしまいます。

東インド会社からマハトマ・ガンジーさんの思想を経て、今や経済発展まっしぐらの中にこれほど麗しいテキスタイルが、保存会のような特別扱いされずに、ひとつの商売として淡々と作られている。

機械化に傾倒しないで職人的仕事が生き生きとしている。

よって今回はこれまでより一層時間をかけてじっくり服へ落とし込みをしました。

時間をかけた分点数は少なくなりましたが、現在進行形のカッチ流アルティザンの着心地をお楽しみいただけたらさいわいです。

 

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カッチのウール

カッチの毛織と言えば、デシウール呼ばれる硬いウールが代表的。

長年間接的に入手して使ってきていましたが、軽さと柔らかさを追求する冬素材の中でこのゴワゴワしたウールは相当なマイノリティです。

なぜこんな硬いのかと思ったら、移動の民ラバリ族の周辺にいるラクダや羊、ヤギなどの獣毛(たぶんその一番硬い部分)を使っているらしい。硬いせいか、洗ってもあまり縮まないようです。

この個性的なウールのほかにも輸入されているメリノウールを使っているもの、模様織を入れたものなど種類も豊富。

今回はショールとして売られていたものを主に使って織柄とフリンジを生かしながら仕立ててみました。


デシウールブランケットのラバリコート

ショールサイズのブランケット1枚から1着がぎりぎり取れるサイズのハーフ丈チュニックを作りました。

ショールのサイズがまちまちなので、小さくてパターンに満たないものは別布を足しています。

両端のフリンジを裾に使って、身頃部分だけ裏地付けて。

裏地、パイピングと紐を1着ずつ選んでいく作業は成り行き任せ。

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個性的なウールをナチュラルに着る、今年の秋冬です。

中央のダークブラウンが一番カッチ風気分ですが、右の深いインディゴがいいバランスで仕上がっています。左のオフホワイトはフリンジだけがインディゴ染で面白いのでパイピングも同系色に。

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カッチ産デシウール&タッサーシルク手織ショールのロングスカート

ウールとワイルドシルクのタッサーの美しいインディゴ染め。

伝統的な織柄が入った贅沢なショールをほぼ裁断せずそのままタック入りスカートに。

裾にステッチワークを効かせたフルロング丈です。

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カッチ産デシウールインディゴダイ手織のシュミゼロング丈

こちらはオーダーしてつくってもらった布。タテヨコともデシウール100%です。

カッチではインディゴ染が盛んなようで、私が見せてもらった工房では地面に彫り込まれた簡単な藍のプールを使ってサクサクと染めていました。ウールのインディゴ染はしばしば色が落ちやすい事があるのですが、今回は2度洗いしてもあまり色移りせずなかなかよい状態です。

糸染めなので部分的に濃淡があります。

こちらは人気上昇中にて残りわずかとなりました。

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カッチ産デシウールインディゴダイdolkiモティーフのインドパンツ

同じタテヨコ共デシウール・インディゴ染の機で一部を織柄入りにしてもらいました。

模様が入るとフォークロアっぽさが一段と出てきます。

赤いコットンの付属パーツと赤いステッチを効かせて。

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模様織はこんな風に織りながら刺繍するような感じで入れていきます。
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カッチのインディゴウール

メリノウール(オーストラリアからの輸入糸という)のインディゴ染。

もっと柔らかいものが来ると思っていたのですがサマーウールのように強撚でした。薄くて丈夫そうな仕上がりです。

織模様にはそれぞれに名前がついていて、私の乏しい英語力ゆえ正確さに欠けますが、メモしてきたものが以下です。今回はこの中からdolkiという模様を選んでお願いしてみました。

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カッチ産インディゴ手織メリノウールdolkiモティーフのロングカシュクール

裾と紐のコットンがポイント。いつものカシュクールよりも丈長にしています。

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同じ生地でサックボトムを。

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同じ素材で模様無し(無地)。

生地幅から成り行きで裁断した四角いパーツを縫い合わせたTOPです。

裾に上の巾着スカートで使わず切り落としたフリンジ部分を縫い付けてポイントに(一部ついていないものもあります)。Img_2819

 

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まめしんぶん、続きます!

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2019年10月20日 (日)

台風お見舞い申し上げます。

台風15号に加えて先週の19号では日本の広い範囲が甚大な被害に見舞われ

多くの方々の生活が犠牲になられた事、

今も復旧に大変な思いをされている皆様に

深くお見舞い申し上げます。

1週間前の週末は、インターネットで上陸後の19号の動きをずっと見守っていました。

台風面積が15号の16倍という規模で、おまけにジェット気流による湿った空気が重なったそうで

予想以上に広範囲で長時間の大雨だったそうで

3連休明けから遅れて入ってきたニュースに胸が痛みました。

昨年は関空が冠水し、京都の寺社でも大切な古木が倒れたり伝統建築が破損し

大きな爪痕が残されました。

今回もまだたくさんの地域で困難が続いています。

どうか一日も早く安心できる暮らしに戻られますよう、陰ながらお祈りしております。

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バリは次第に気温と湿度が上がってきましたが、

インドネシアの乾燥続きはアマゾン同様森林災害も引き起こし

政府も動き始めているようです。

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9月中旬。

インドから戻って、ショール類をショップに納品。

シルクオーガンジーのものがたくさん入りました。

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西ベンガルのジャムダニ織ショールは一度使い始めると手放せなくなる気持ちよさ。

小さめでお手頃価格のものが揃いました。

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スタジオでは、カッチウールの服がいろいろ仕上がりつつあります。

気温が上がってきて、スタッフも今が一年で一番頑張り時。

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久しぶりに糸を買いに。

華僑の一家が営むデンパサールの糸商。

少し前まで電卓ではなくそろばん使っていました。

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9月はなるべく出かけずに。

いつもの習い事も全部お休みして、仕事と家事に集中していました。

日照り続きで真っ赤なトマト、2キロで110円。

久しぶりにトマトケチャップ作りました。

 

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ニンニク塩麹も作っちゃう。

ニンニク500グラムをニンニク潰し器でぎゅーぎゅー。

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何事も成長が早いバリでは、2日くらいでおいしくなります。

早速のまかないごはんは

豚肉のニンニク塩こうじ焼きとゆで卵ケチャップ載せ。

最近肉を食べないと元気が出ない歳になってきたもので。

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これ、何か分かりますか?

うちの洗濯室のガラスにいた珍客です。

全長18センチくらい。

ナナフシのようですが、足が4本しかないですね?

それにしても見事な擬態です!

他の場所だったら絶対に見つけられなそう。

息子が最初に当てましたが、生き物に詳しい友人が「亡霊カマキリ」だと教えてくれました。

そう。答えは何とカマキリです!!

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下の逆Vの字のがカマです。その上の左側に宇宙人グレイみたいなとんがり目の顔が見えています。

めっちゃこっちガン見しています。

翌日、玄関の近くに別の擬態族がいました。

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そういえば、うちはこの手のお客さんなら普段でも多いですよ。

(本物のお客様はめっぽう少ないですが・笑)

よーく見ているとあちこちガサガサ動いていますからね。

時々ガラスにぶつかって気絶している文鳥さんがいますが、

時々野菜かごからセミが鳴きだしていますし

夜パラパラとベランダに種を落としていくのはコウモリたち。

木の葉の裏にはリスやアルーと言う大き目のトカゲ。

犬が多いのでサルだけは滅多に入ってきません。(笑)

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さて、そろそろ作品展が近づいてきました。

この後は「まめしんぶん」を連投する予定です。

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