2019年5月26日 (日)
2019年5月20日 (月)
まめしんぶん 2019春夏 3 カラコットン
5月17日に京都に着きました。
きょうは、もう東京へ送る荷物の梱包作業中。
早いもので、作品展はもう今週です。
週末はお天気もまずまずでちょっとまた気温が上がって来そうな予報ですね。
初夏のための爽やかなコレクションが映えるといいな、と
楽しみでなりません!
まめしんぶん3回目は、
「Khadimanis」のシリーズをご紹介します。
カーディマニスは、薄ピンクのネームラベルをつけています。
天然素材、天然染めのベーシックな服を中心にしているのですが
シーズンによってあったりなかったり。比較的影が薄いのですが、
今回は薄ピンクラベルが充実です。
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カルナタカのカディ
カダールと呼ばれるカディ、手つむぎによる本来のカディ。
地図で探すと、南インドのバンガロールに近い地域です。
カディコットンと言うと今や半分機械のような動力で大量生産もされている中で
ここでは有機染料(天然染め)だけを使い
ガンジー思想のポリシーを尊重した織物をつくっているそうです。
今回はカディコットン探しに没頭しているうちにここの生産者と巡り合い、
インディゴを使ったストライプを取り寄せてみました。
ふわっと綿毛が時折飛び出してくるようなナチュラル感。
これまで扱ってきたどのカディより、コットンらしさが感じられます。
(DMのコラージュ写真にこの布のアップの写真を入れています。)
柔らかいので、弱りそうな力がかかる部分にステッチワークを入れました。
カッチのインディゴ・カラコットン
砂漠地域グジャラート州・カッチ地方から直接担いできた布を
高温多湿のバリで洗うと、ちょっとしんなり。湿気のせいかどうかは分かりませんが。
カッチでは、カラコットンと呼ばれる綿毛の実が小さい品種を栽培しているそうで、
それが糸車で紡がれている。
繊維が短いタイプのコットンは太く分厚くされがちですが、
こちらはガーゼのように薄い生地。
カッチのセンスはなかなかです。
濃いインディゴ染のカラコットンで、ノースリーブ重ね着タイプのカシュクールと
脇にパネルを入れすっきりしたフォームのブラウスを。
一見ボソッとした表情ですが、薄いガーゼ調のせいか、いい雰囲気。
ブラウスは2サイズ。
チューブスリーブTOPと名付けられていて、
スッキリしたシルエット。
ほんの一部に白糸ステッチを効かせて。
(ボタンループの脇ですが見えるでしょうか?)
カッチのカラコットン・ストライプ
カラコットンの中でダントツかわいいのがストライプです。
まずはメビウスTOPというデザインで
インディゴ染料を使ったブルー系の爽やかなストライプを使いました。
緯糸の撚りが強く、洗い立ては楊柳のように縮みます。
裾、端にシルクオーガンジーのパイピングワークを取り入れて
しっかり仕立て。
さらりと羽織りやすい夏のアウター。
同じ工房のやや太めのストライプ。
こちらはロングチュニックを作りました。
紐にはストライプに似せたステッチワークを入れて。
カラコットンのサリー
デリーのギャラリーで買ったサリー。1枚からブラウス2点、スカート1点を。
写真の柄は完売していますが、こんな風に紐の先端にパーツを付けて。
袖口と裾にシルクオーガンジーを付け足して、
ブラウスそのものが2枚重ねのようにも見えそうな一枚仕立てです。
サリーのTOP部分からスカートを。
ストライプのグラデーションがおしゃれ。
ポンポンが付いているのは片面だけです。
中地にタッサーシルクのオーガンジーを使った贅沢仕立て。
別のサリーは、グレーの天然染めとルビー色のコンビネーション。
下のはサリーではなく
カッチで買った服地用。
このようなジャムダニのような織模様の事も、カッチと呼んでいるようです。
ベンガルのに比べて柄が大きくはっきりしているのが面白いです。
東西パキスタンがあったように、グジャラートと西ベンガルは共通していることが時々あるように思います。
(キルト=カンタはベンガルとパキスタンにあるし、自分の祖先はカッチから来たというベンガル人もいます。。)
生成にトリコロールがおしゃれですね。
下は、カッチの工房作のデュパタ(ショール)を使った
「カシュクールエテ」、
夏のオーバードレスです。
1枚1着だと不足なので、パーツがコンビになっているものもあります。
端のタッセルをそのまま裾に使っています。
最後は、カラコットン・ボーダーです。
ビーチタオルのような太いボーダーが薄手の織にいい雰囲気。
風合いは上のストライプと似ていますが、楊柳のように縮まないタイプ。
ボタンとボタンの間にコメ印ステッチを入れて、ポイントに。
カッチのコットンは、この生成色の雰囲気がいいですね。
真っ白、オフ白のストライプと比べてこの地色であること、
短繊維のコットンながらカジュアル過ぎない粗野な感じがしない。
薄さ加減も服地にバランスよくて。
色合いを保つためにも洗剤ではなく石鹸系のもの、ソープナッツなどで洗ってくださいね。
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それでは、
今から荷物発送します。
神楽坂でぜひお目にかかりましょう。
2019年5月15日 (水)
突如ジャカルタと4月のバリ2
まめしんぶんとつれづれ日記が交互に入る今期です。
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もうじき帰国だが、「旅」を差し込むことに。
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4月下旬のある日、
インスタグラムを見ていたら、急遽ジャカルタへ行こうと思いつく。
ええと、インドネシアのジョコウィ大統領をフォローしているんですが、
間もなくINAクラフトというイベントが開催されるという投稿が。
前から行ってみたかったけれど開催時期が分からなかったのでずっと据え置きだったのです。
スケジュールは? ……うん、何とかなる。
あとは? ……パ、パスポート!
まだイミグレの手続き中で手元にないのだった。
滞在許可証もまだ新しいものが来ていない。
国内線に乗れるのか?
調べたところ、「パスポートのコピーで可能」とのことで、早速航空券をポチっとしました。
今度こそ問題のない航空券でありますように!!!!(前の月にジェットエアウェイズの災難がありましたから!)
しかし。
予約確認はできていたのに翌日になってもE-ticketが来ない。
「これは怪しい」。
辿ってみると、
クレジットカードがネット上でブロックされるという事が起きていた。
第3者がなりすましで利用しているかもしれないと、オンライン決済が自動的にブロックするものらしい。
すぐに気が付いたので良かったヨカッタ良かったヨカッタ。
翌日(=出発の前日)すぐに決済やり直し。
最近は冷や汗かくのに慣れてきた。(笑)
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【ジャカルタ日記】
渋滞で有名なジャカルタなので、今回は前もって調べて「エアポートトレイン」というのを使ってみました。
空港ターミナルから別棟の、3階建てくらいの建物。
エスカレーターでただ上がっていくだけの。
ほかに何もない建てもの。(これでいいのか、どうか。)首都の空港なんですが、、。
改札手前の券売機。驚いたことに、乗車券がカードでしか買えない。(現金使えない。)
インドネシアのお札は使い古されてくしゃくしゃのが多く、自販機に対応できないのかもしれない。(ちょっと情けない。)
ホームはガラス張り自動開閉。←ここはシンガポール並みかと!
座席が指定になっているので、その席を探して見つけるも、
車内ガラスキなのになぜかそこだけに誰かが座っていたりする。
羽田モノレールみたいに荷物置き場があります。
ピッカピカの列車だが、車窓はバラック。
この線路に面した自由奔放な生活ぶりが面白いのだけど(住んでいる人たちはピカピカ列車が借景、己に屈託がない)、
政府の方針からしてこの人たちのパビリオンが撤去されるのも時間の問題かと。
都心の駅で降りて、そこからはメータータクシーで会場へ。
入り口はこじんまりとしているが、ものすごい広さ。
インドネシア中の工芸品、布が集まってい来ると思われる展示会場。
何と700店舗もの出展者。
その半分くらいがバティック屋なんです。
この人たちが広げているのは20ジュタ(16万円ほど)もするクラシックな手描きバティック。
物色していたのは若い男性でした。(右端にちょこっと顔だけの人。)
こういうのを自分でお見立てできるってなかなかの人ですよね。
下は、最近はやっているタイダイ。こちらではジュンプタンと呼ばれているが、
店によっては「シボリ」と呼んでいる。
流行りものには人だかり、店の中に入っていくのが面倒になるくらい。
試着室がないからそこでおおらかに着脱ぎしているし、、。
PPバンドと呼ばれる荷物をくくる紐を使ったカゴは、ベトナムで多く作られている?ようですが、
これはジャカルタのホームデコのブランドのもの。
マニスバリショップ用にいくつか買いました。
こちらは、素晴らしいクオリティの草木染ソンケット。
スマトラ島からの出展者。
全部ほしくなるも、一枚も買えない値段でした。
日本の帯地にも使われているブランドだそうです。
分かる!帯地にピッタリ! でも、私は切ってスカートを作りたい。
こういうスカートに生成のニットとか、そんな風に着たい。コートはブランケットコートで。
……ここは、潔く、買いませんでした。(笑)
2019年の受賞作。
さすがに洗練されたものが多い。
上段左側のクラッチバッグが素敵だったので注文してみました。
カリマンタン島のとても細かいラタンワークとレザーのもの。
出来上がりは7月とのこと。楽しみです。
布部門の大賞はこの2点。右の浮き織はとてもシックなインディゴ染。
機械織としか思えない精緻なシルクの手織りでした。
左はジュート。
こんな大人しいタイプの作品がグランプリとは、意外なインドネシア。
審査員は誰だったのだろう?
2日間あれば十分かと思っていましたが、相当駆け足でした。
万歩計使ってみたら良かったな。
のべ12時間弱。ものすごーく歩きましたので。
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以下はジャカルタ後のプチバリ・レポートです。
全然関連性のないお話しですが、。💨
1
ジャカルタの翌週は、服作り最後の追い込み。
サマードレスに仕掛かりました。
半年間で集めた今年用のドレス生地を取り出して。
毎年楽しみな夏のドレス作り。
2
忙しくなってきた最中に、
こんなものがタイルの目地から生えてきた。
友人たちが「蟻塚」だと教えてくれる。
そして、「それが現れたら割とすぐに近くの家具がボロボロになる」、と予言された。
その5日後。
夜ちょっと仕事をしていて気が付いた。生地棚に蟻。
翌日スタッフに見てもらうと、何千という数の羽アリが生地を巻いているパイプから出てきたので、
生地を強制撤去。
そのまた数日後にも、子供部屋の壁面の額縁の裏にきれいな家形の巣を発見。(きれいな形、無印良品みたいだと褒められました!)
アンド、
そのまた後に、キッチンが!!
夜中に大勢のアリ族の移動の為、壁中と床が薄黒くなるという事態に見舞われ(族が通過しただけだったので損傷はありませんでした)、、
蟻塚の「お知らせ」がこれほど大きなことにつながるとは驚きです。
ちなみに3回とも異なるアリ族でした。
しかし、まだ「家具はボロボロに」なっていないため、
引き続き警戒が必要です。
3
またもや話題が全く変わりますが、アリ騒動でわさわさしているのと同じ頃、
植物繊維から紙のオブジェ、タピスリーなどを作っているアーティスト、ジョセフさんのお家に久しぶりに。
彼の作品はアマン東京にも使われているほど、一流。
お茶を挟んで積もる話を。
とても珍しい高級ウーロン茶を入れていただきました。
別世界に、なごみます。
4
最近やっと秋らしくなってきました、南半球。
隣の田んぼは今休息中で、大豆畑になっている。
秋とはいえ紅葉はなくて、相変わらず青々としております。(笑)
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次回は「まめしんぶん」の続きです!
2019年5月14日 (火)
まめしんぶん 2019春夏 2 ステッチワーク&トリコロール
きょうは、まめしんぶんの続きです。
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ステッチワークの服
前の投稿にもいくつか入っていましたが、
薄手の生地をしっかりさせる為もあり、ステッチたっぷりの今回です。
インドにある服の仕立て方には縫い目を使ってステッチでそのまま縁飾りを描くものもよく目にします。
それをちょっと応用して色糸を使ってポイントに。
下は、リネンガーゼを後染めしたもの。
こげ茶と紺があります。
ふんわりしたポムショートという形の服。
薄手の生地に色糸ステッチが入ると服の雰囲気が楽しくなります。
下は、毎シーズン作っているロングジプシーという形。
ややしっかり目の薄手リネンです。
白地にブルーのステッチと、ナス紺に白のステッチ。
襟をしっかりさせるために、これまたステッチたくさん入れました♪
下は、ブルマーパンツという形。
ギャザーとフロントボタンがポイントの履きやすいパンツです。
濃赤に生成ステッチ、紺には赤ステッチで。
ベーシックないつもの形も、ステッチ効果でちょっと新鮮、かな?
今回お題にしているトリコロール調で
その他いろいろ。
ちなみに、ポイントに使っている赤は
リネンのほかコットンキャンブリックも。
深めの赤がこのところ続いていますが、
来シーズンの秋冬でも天然色にこの赤を差し込んでいく予定です。
(赤の時代が到来しているみたいです・笑)
イカットとバティックの服
夏なので、
爽やかなイカットを少々使って
2タイプのドレスを作りました。
毎度お決まりのようですが、コンビです、やはり。
左のワーカーズドレスの形では、ブルー系のコンビネーションで2柄。
右のギャザードレスではモノトーンで4柄(写真のほかの3柄はチェック地)。
どちらもフリーサイズ。
イカットはオリッサ州の手織です。
バリ産のエンデックという腰巻イカットと比べると、かなりソフトな風合い。
実は最近イカットに再注目しています。
インドネシアにいると腰巻派はバティック部隊が大勢の中、おしゃれなイカットがしばしば目につきます。
バティックは生地が機械織でち密なのに比べて、イカットは手織りのせいか
ちょっとしたズレがリズミカル。
涼しい夏ドレス、おすすめです。
お次のバティックは、ほんの1週間前に行ったジャカルタのINAクラフトというイベントで
見つけたものです。
スクリーン(手作業のプリント)ですが、同じ配色でいろいろな柄があるので
やはりコンビネーションです。(笑)
ボタンループパンツは今回履きやすいローウエストに。3サイズあります!
写真は左が前、右が後ろ。
レイヤースカートもやっぱりコンビで。
1着ごとに全部組み合わせが異なります♪
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バリから京都へ今週移動。
5月18日の土曜日は私がtoko manisのお店番をしています。
お直しなどのご相談がある方、お待ちしております。
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まめしんぶん、続きます!
2019年5月13日 (月)
2019・4月のバリ 1
まめしんぶんの合間にちょいとまめまめしくバリ日記。
(ブログタイトルはまめ日記・笑)
4月は、
久しぶりに時間に余裕があって
いろんな事が出来ました。
振り返ってみたら、本当に写真だけでも結構ありました。
余裕というものはこれまであまり訪れたことがなかったので、
訪れたとたんに波長が狂いました。笑
ひとつの事を達成するのにえらく時間がかかり、大したことをしていなくても一日が終わってしまうという。
それなのに、やり残している案件がたくさんあるという。
5月になったら直るのか、と思いつつ
そうなんです。
令和になりましたら作品展目前という事もあって、おしりに火が付きました!
きょうは、そのヒが付く前の写真を入れてみます。
(結局、余裕というのは何だったのだろう。)
(だけど、こうして振り返ってみるといろいろあった4月です。)
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某日。
バリの布ストリート、スラウェシ通りに面した巨大な市場が3年前に火災で全滅し、
最近やっとリニュアルオープン。
その立派さ加減が面白くて、生地関係のお仕事のついでにひやかしてきました。
(こんな風に「ついで」、とかができるところが「余裕」でしたね、、)
まずは建物の立派さが半端ない。
これ、市場。パサールですよっ!
立派だ!
エントランスも豪華。だが、行きかう人は以前のまんま。
行ったのがお昼すぎだったのでほとんどの店は引き揚げていましたけども、
運び屋さん(=大量の買い物をバイクや車まで運ぶポーターさんのような人)は健在。
(ちなみに、バリの市場は午前4時から7時くらいがピークらしく、私はいまだにその時間帯に出くわしたことがないのです。)
この人たちがいなければ、ここが市場だという事を忘れてしまいそうな。
何せ、エアコン入り!
天井までうず高く商品を積むのも無しになっています。
そう。向こう側が見渡せるなんて、格段の進歩!
そして、エスカレーター付き!(エスカレーターは火災前にもあったかも。)
火災の教訓か、動線が格段と広くなっていました。
お菓子屋はまだ開いていた。このコーナーは扇風機。
生活雑貨売り場。ぎっしりギシギシ・ディスプレーが市場的ですね。
合同展示会場のように均一な各ブース。もう燃えないように、汚れが目立たないように(たぶん)
タイルが使われている。
場違いな感じに吊るされてるシンバルは、何となく観光客目当てな気配。
そう、これなら観光客も案内できます!
デパートみたいな建物から見下ろす場外市場は以前のまま。(ぎっしり!)
ベータもある。
その脇の壁画に市場感覚が。
こりゃもう、シンガポールの市場並み。
外観を裏切らない内容で安心しました。w
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某日。
インドから買い付けてきたショール類を遅ればせながらバリショップに納品。
お店の中がショールだらけになりました。
バリショップにはツーリストの皆さんが、暑さしのぎにエアコン入りの店内に入ってくることしばしば。
見るものが増えると、その分ゆっくり居ていただける!
西ベンガルのカディジャムダニのもの、
カッチのカラコットンのもの。
下は12月に入れたジャイプールのブロックプリント。
絞り染めのシルクショールも盛り付けました。w
……、のついでに、
近所のビーガンカフェでランチ。
UBUDは実はビーガン、ベジタリアン、ローのカフェだらけ。
ヨガリトリートの流行と共に押し寄せた波。
世界中からヘルシー志向の人々を呼び寄せているのです。
そして、長らく据え置きになっていたお店のラックをついぞ作り替えたのも4月。
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某日。
コーラス・コンサート。
金澤博さんがバリへ来るたびに指導されているUBUDコーラス部の発表会が
某ホテルのラウンジにて開催されました。
常々布まみれにて、これにしばし集中できたことはとてもとても栄養になりました。
写真はリハーサル風景です。
私は世話役兼アルト部。
なかなかハードな練習を経て、60名越のお客様の前でお披露目でした。
ワタシは音楽好きで小学生のころまでは音楽家か天文学者になりたかったので(笑)、しかし
ピアノは弾けないし、カラオケは大嫌いだけど、コーラスなら!
ちなみに16名の団員全員UBUD村在住の日本人です。
金澤さん。
皆さまご存知の、マニス作品展の時にお会計を手伝ってくださっているあの大きな男の人です。
本当はお会計など、そんなお役目はお願いしてはいけないんですが、、、
いつも必ず来てくださる。
昨年はご自身のブランド、パサール・クマンマンとマニスのコラボ展も開催できました。
ミュージカルの舞台にも立てば、大女優さんの声楽指導もする方です。
何よりもすごいのは、どんな人でも引き込んで歌の魔法をかけてしまうこと。
そして、どんな状況でも必ずうまくいくこと。
みんなが沸き立ち素晴らしいハーモニーを生み出すこと。
昨年台湾でリリースされたCD&DVDブックは、ピアノと歌だけのシンプルな構成で
いつまでも聴いていたくなるような名盤でした。
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話題がいろいろバラバラですが
4月の件は、このあとまた!
2019年5月 8日 (水)
まめしんぶん 2019.春夏 1 ブルーの服
GW直前に投函している作品展のお知らせDM、
受け取られていますか?
今回は、西ベンガルの写真を少しコラージュしてみました。
早いもので作品展と銘打っての季節の展覧会も、もう69回目。(次回の11月には70回目となります!)
アトリエマニスをスタートしたのが1999年辺りですので、今年辺りはかれこれ20歳。
こんなに長く一つのブランドを続けてこられるなんて、
本当に感謝の一言に尽きます。
着てくださる方があってはじめて存続できる仕事です。
皆さま、いつもありがとうございます!!
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今回の春夏服は、あえてナチュラルなタイプに偏ってみました。
まずは昨年末の本藍の出会いから。
藍染師佐々木睦子さんに染めのお願いをし、そこから発展して
前から訪れてみたかった徳島の本藍染工房・矢野藍秀さんのところで
服を染めていただくことが出来ました。
本藍を中心に、インディゴ染によるさまざまな布集めをしてきました。
また、
段々ヒートアップする世界気候の中でより快適に着られる夏服をイメージすると、
それはやはり西ベンガルのカディコットンでした。
モスリンと呼ばれる極薄コットン、おそらく世界でも最も薄いタイプの手織コットンは
以前から大好きで何度も使っていますが
今回は
昨12月より2回に渡って布探し、注文、産地の訪問、と
コルカタを拠点にかかわって来ました。
もうひとつ、
同じカディでも綿花そのものが異なり風合いも独特なカラコットンも
産地のカッチ地方・ブージから入手してみました。
「布集め」にスタート地点を置き、集まった布で
着やすい服&いつまでも着られる(なるべく!)服を今回も。
少し早めですが、今日から3回に分けて、「まめしんぶん」2019春夏服を投稿していきます!
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本藍染の服
矢野藍秀さんは、着分ずつの生地を染めるのがベストとおっしゃったのだけれど
いろいろ考えて、先に縫いあげた服を染める方法でお願いをしました。
こちらはリネンガーゼ。コットンよりも藍を良く吸い込み、深い色合いとなりました。
ほとんど黒に近い深さ。それでも透明感がある。
矢野さんの本藍染めについては前に書いていますが(→こちら)
インディゴ染料とは異なり色が落ちない、というところが本当に素晴らしい。
何よりも鮮やかな染め上がりが素晴らしい。
(そのほかさまざまな効果も期待できると言われています。)
矢野さんがこのリネンガーゼをご覧になったときに
「わ、いい布ですね!」と即おっしゃった。
ショール用のみならず服地になる強度があります。
京都の麻専門老舗のリネンガーゼ。
本藍は染める人によって出来上がりが結構異なるのかもしれない、とふと思いました。
こちらのチベタンチュニックのほかに、80番手リネンのシュミゼ、ツイルのパンツも好評です。
下が佐々木睦子さんによる染です。
あまりにも鮮やかで、写真にうまく写し込めませんでしたが
光が差し込む深海のような自然界のイメージ。
佐々木さんは、藍が持つ潜在能力は人を治癒すると言い
染めるタイミングや内容はインスピレーションで決められているようです。
今回お願いしたのは、作品の中でもひときわ強い印象がある「ねじり絞り」です。
本藍独特の濃淡が1点ごとに異なり、絵画のような出来上がり。
佐々木さんのこれまでの中でも手ごたえがあったそうで、「作品に光を入れることができた」、と。
今回の新型「バックタックパンツ」を仕立てていますが、
布の特性から、一部を作品展時にカスタムオーダーをお受けすることにしました。
デザイン、サイズなどを承り7月下旬までにお仕立てする予定です。
2着限定です。
インディゴブルーの服
本藍とはまた違ったインディゴの魅力。
今期最初に入ってきたのは、アフリカ。ブルキナファソの手織です。
岩立ミュージアムやBigaさんでも販売されている、アレです。
New itemでも以下のように紹介中です。
ブルキナファソという西アフリカの小さな国はかご編みで最近知られていますが、綿とのつながりが深いモシ族のお話を文化人類学者の川田順三さんが書かれています。
モシ族は綿を織るだけではなく種を食用にもするそうです。
岩立広子さんによれば、細幅(10センチほどの)テープのような織物を横に何枚もはぎ合せた衣は、昔、懐が寂しい時には何枚か切り取ってお金の代わりにした、という事もあったらしい。
手縫いによるはぎ合せは思ったよりしっかり縫われていて風合いも気持ちよく、服になってまた一段と個性が出たと思います。
1枚の大判ショールからパンツが1着、それぞれの厚さや染め濃さが異なります。
まずはしっかり洗いこんでから仕立てました。
色が相当落ちた分風合いがソフトになりました。
1枚ずつ染めあがりや風合いも異なるので、面白い出来上がりに。
下は、先染めリネン。
薄くてナチュラルな皺がおしゃれな手織りです。
西ベンガルで作られていますが糸はヨーロッパから輸入しているようです。
見返しと袖口裏の赤い部分は1ミリ幅のステッチ。
表側は生地と同色の糸なのでプレーンです。今回はお試しに、生地生産地のコルカタで縫ってもらってみました。
ピンタックや細幅ステッチに長けたベンガル人仕立屋集団の仕事です。ちなみに全員男性です!
下のパンツ(インドパンツ)は同じものはもうなくなってしまったのですが、
上のジャケットの生地で似た感じのリピートを作っています。
紐が赤ではなくインディゴ。白との配色もあります。
ポケット口、裾にやはりステッチワークが入っています。
ジャムダニ・カディコットンの服
2月にもご紹介をしているジャムダニです。(→こちら)
2月制作のプルシュミゼはストール風の極薄でしたが、下のチベタンチュニックは
ロング丈用に少ししっかりした糸を選んで織ってもらったもの。
織産地の様子は先日アップしています。(→あちら)
現代社会の中で希少と思われる
有機的で伝統的な生活様式の村で丁寧に織られている
ピースフルな織物であり、
恐らく世界でもっとも薄く軽いタイプのコットンです。
昨年ご紹介したダッカのジャムダニは複雑な織模様でかなり高価なサリーでしたが
今回のジャムダニは単純模様を全体に入れて服地用に長く織ってもらいました。
ダッカやタンガイルのものと比べて、素朴なセンスが感じられます。
インディゴの濃い染めと薄い染め。
下が薄い方。
白地のものも爽やかな出来栄えです。
出来るだけ細い縫い代で、ステッチを重ねて丈夫に。
この薄地縫いはバリの我々マニススタッフの熟練者が上手にやってくれました。
ジャムダニの織模様に合わせて、繊細なステッチワークが
効いていると思います。
こういう布だからこそ、細部がポイント。
デザインはほとんどないくらいのシンプルなチュニックです。
・・・・・・・・・・・・・・・・
続く。