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2018年7月26日 (木)

フローレス・イカットを巡る旅 5



フローレス4日目。




起きたら、快晴。

部屋にいるのがもったいなくて、朝ご飯を買いに外へ出る。




相変わらず不毛地帯だけれども(笑)

幹線道路沿いを歩いて数分のところで出くわすは「ナシクニン屋」でした。




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ナシクニンとは、黄色いごはんのことで


バリでは学業の神(弁天さま)のお祭り日に合わせて各家庭でふるまわれる特別料理。




イカンアシン(塩漬けの小魚)がポイントで、大豆の炒ったもの、ココナッツのふりかけ、生のナスのスライス、などなどいくつかの決まったものが乗せられる。

そうそう、


どうやら魚王国のフローレスですからね、魚乗っけ黄色いごはんに納得!ww





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乗っているのは揚げ魚、味付けの濃い焼きそば、だけ。でしたけどね。

ここはシンプルでいいんです。やっと分かり始めたバリとの違い。w

常識が、違うのです。

テイクアウトして部屋でコーヒー淹れて海を眺めながらいただいたら、

満足度120%

ホテル朝食の10分の1以下の値段だし!

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そろそろ最終日。


いろいろあって、ホテルの車を半日チャーターすることに。

マウメレ近郊のシッカ人の織物探索です。

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D1:イカットなら、今日はたまたま週一の大市場の日だから、市場にも売りに来てるかもしれないですよ

D2:そうそう、山奥からたくさんの人たちが出てくる市場なんですよーー

親切なドライバーが提案して連れて行ってくれたのは、ワイパレ市場。

ええと、なぜかドライバーが二人いて、お客は私一人という、、組み合わせ。

(旅の同行人は、、やはり来ないw)




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乗り合いバスを待つ女性たち、皆、イカット!お見事!



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巻き方が粋。ただの筒状なのだけど。




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週一の大市場、イカットも確かに豊富にありましたが(素敵なものもありましたが)

どれも化学染料。上の写真の数点だけは、天然染料らしい。

エンデ風の茶系のものも多く扱われていました。

皆さんが着ている姿は本当にかっこいい。

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インドネシア有数のコーヒー産地で知られるフローレス。

山で採れたアラビカまたはロブスタ、混ぜこぜの豆は結構深炒りして売っている。

粉に挽いたものを買ってみましたら、炒り過ぎで香りは消えているけれど、味は良い。

100グラム85円!(きっと本当はもっと安いw)

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山道に迷いながら、到着しました。イカットの村。

これはすごい!

広場にぐるりと吊るされた、イカットコレクション。

そこにいるたくさんの村人のトラディション。

予約をすれば村人の踊りと音楽パフォーマンスを見ることもできる。

私はうまく連絡が取れなかったのでアポなしだったけど

ほかの観光客グループがいたため、一緒にいろいろ見ることができました。


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これは衣装なのか普段着なのか、ちょっと微妙ですが。w 

大勢でまとっている天然染めの伝統イカットは見事。

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上の写真の男性がリーダーのようで、

私がイカットに感嘆していると作業場を案内してくれました。

左の人のサロンが素晴らしい。

(スカートにしたい!!)w

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前日に見たのと同じ、わたの種取りからスタート。

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紡がれた糸を巻き取っている。足の使い方に注目!

この人の着こんで色があせたイカットも、美しい。

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竹の道具がいろいろ。

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染めの基本となるインディゴは、やはり小屋の中に。

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筒形のサロンは、この幅で織るものを2枚はぎ合せる。着ると絣が横縞になります。

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ノーアポだったにもかかわらず、手際よくおもてなしもいただきました。

黒米とヤシ砂糖の餅菓子と、ココナッツの入れ物に入っているのはトゥアック、ヤシ酒。

D2(2人目のドライバー)がこのトゥアックを飲んだら、急に大人しくなってしまいまして。(笑)

竹とヤシをふんだんに使う暮らしの器。

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他にもたくさんの写真がありますが、長くなるのでこの辺で。

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近くにもうひとつ、織物の村が。

こちらは訪問前にアポを入れられたのだけど、

作業見学に結構高い料金がかかるそうなので

逆に見学はキャンセルし

布だけを見せてもらいました。

山間の美しい集落。

車を降りると、晴れ渡る午後なのに風が冷たい。

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学校、まだ夏休み。男子たちのバレーボール、コートがちっちゃい。w

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下の写真。これは、物干しなんです! 売っているのではないの。w

一家の皆さんの私物です。

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D1(1人目のドライバー)の提案で、南端の海辺まで。

東西に細長いフローレス、南北に移動すれば、山を抜ければ、また海。

カトリックが多いフローレスですが、独特の風習がいろいろ。

この十字架は何だろう??

多くの家々の入り口には、マリア様が描かれたカラフルなタイルが使われた親族の墓がありました。

南の島の風習とMIXされたカトリック。

イカットの模様の中にも、何かカトリック的な意味が込められているのかどうか。


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こんな感じなんですよ。乗り合いバス、トラック。

道ですれ違う時は、全員と目が合っちゃいます。w

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海辺の一角でようやく見つけたワルン。もう夕方に近い時間に、ランチにありつく。

もちろん、魚!(しかない・笑)

付け合わせ、ここでも具なしの焼きそば。

スープ、もちろん魚のアラ!w

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マウメレへ戻る途中は、気の利くD1が来た道と違う道を行ってくれまして。

棕櫚の樹が、巨大なたんぽぽの綿毛のようにそびえるフローレス。

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どこまでも続く緑たわわの山なのです。

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ホテルに着くと鮮やかな夕日。前日よりもさらに美しい!

マウメレの海はやはり、南端と比べて穏やかで。吸い込まれます。

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今日見たイカットの縞模様みたいな、空!

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帰る日の朝は、日の出前に目が覚めた。

寝ているのがもったいない、と身体までもが反応しているみたいで。w

飛行機に乗るまでまだだいぶ時間があるので、

前日のルートを散歩。

あの大市場があった市場の場所まで行ってみる。

初日に散歩したエンデの市場もそうだったけれど、朝早くには、まだひと気はほとんどなくて

ぼちぼち開き始めたワルンが1軒、ようやくコーヒーにありつくシアワセ。w




蒸しパンみたいなのには、


おろしたココナッツとヤシ砂糖が入っている。

赤ポチが中華的。いつごろどこから伝わってきたものやら。あのナシクニンも。

浜辺で出会う流木のように、出会う、遠くから来たものの気配。




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コーヒータイムの後、早起き組の市場で開店していた糸商。

イカットづくりの皆さんが使っているのは、これかな。

パッケージはインドネシア語だけど、たぶんインド製?

孔雀マークの100%コットン。


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旅の最後に、この糸見れたのが面白いのでした。

さんざん見せてもらった手つむぎ、天然染めの工程も実は

こうして背後からやってくる安価な大量生産の波にさらされている。

それでも、まだ、これほどの自然とイカットを保っている。

と、言うことが分かって本当に良かったのでした。

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バイバイ、フローレス!

帰りも青空、ありがとう。


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2018年7月23日 (月)

フローレス・イカットを巡る旅 4

フローレス島、3日目。

朝も雨。標高1500m、あまりの寒さにありったけの衣類を着込む。(もちろんダウンも。)

エコロッジには家族連れやグループも何組か泊っていて、その中で一体何人がクリムトゥの湖面を見れたのだろう。

もしかしたらあなただけだったかも、とハンズ。

本当に。まさかの雨。

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シンプルな朝食をゆっくり目にいただき、やっと止んだ頃に出発。

途中の山にはカカオの植林がいっぱい。

相変わらずのヘアピンカーブを上ったり下ったり、2時間ほど走った頃、

海沿いの道に出たので(ちょうどお昼時だったし)

ビーチまで出てみようよ!

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すると、次第に晴れてきた。

おおおお、

ホワイトサンドだ!

透明なブルーの海!

長袖を脱いでビーサンをカバンから引っ張り出して

早速波打ち際まで掛けていくと、ザブンとやられて

マニスの水玉サックボトムがびちゃびちゃ!


(ひとりはしゃぐわたし)

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ハンズが、おーい、先にごはんを注文して、と叫ぶ。

出来てくるまで30分かかるから。って。w

(昨夜も1時間前の注文だったっけ。w)

あ、もしかして今から魚釣りに行くの?

ワルンのメニューには魚しかない。(笑)

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フローレスの海辺にはゴミが少なくて、人も少なくて。

ちょっとの間、今の時代の深刻な問題点を忘却できる。

昔、そんな場所を求めてミンダナオ島のエルニドという浜へ、マニラから3日がかりで行ったことあったっけ。

浜辺で遊んでから食堂に戻ると、ちょうど出来てきた焼き魚定食。

ココナッツもそこら辺から採ってきたのかな。

食後に出てきたパパイヤも。

食べ終わるころには、サックボトムも乾きました。w

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ビーチを後にして、再び山道を行くが、ヘアピンカーブはもうなくて

結構飛ばすことができた。

フローレスはトラックおろか車、バイクも圧倒的に少ない。

時々出会うのは庶民の乗り合いバス(=トラック)。荷台に屋根を付けただけもの。

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マウメレの町の手前で、シッカ人の集落にある織物工房に立ち寄る。

エンデとは違う言葉を話すシッカ人。

そこそこ観光客相手の場所のようで、入っていくと子供たちが歓迎の太鼓をたたいてくれたりする。

工房には、カパス(綿花)がたくさん積まれていました。

こちらの工房は、イカット材料のほぼ全てを集落全体で自給、

自生の森の中で栽培しているそうです。

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くるくる手でハンドルを回しながら、綿花の種取りを。

その横で、綿を膨らませるために棒でたたいている女性。

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足の指で糸巻を挟んで、糸をつむぐ。

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こうして時間と労力が費やされた糸を使う織物は、さすがに高価すぎて手が出ない。

糸づくりは続けられているものの、ほとんどの織物は輸入の綿糸らしい。

しかし、染めはほぼ全部天然染め。

インディゴの葉が軒下で発酵を待つ。

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絣の模様を描くのは、防染の糸括り。バリではすっと前からビニール紐ですが、

フローレスではロンタル(ヤシの葉)を割いたものを使っていました。

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エンデと同じく、シッカも“たて絣”。

たて糸を絣に染め分け、機にセットする。

エンデとの違いは絣の間に無地や浮き織を組み込む事。

こうして経糸に間隔をあけて、別の糸を入れてコンビネーションを描く。

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織るまでの工程に、何て手間がかかることか。

イカットという難しい織物が、こののんびりした島で盛んである事に、何度も驚く。

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同じフローレスでも地域により特徴が違うのが面白いですね。

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こちらの工房内には、シッカ人の伝統的な住居で宿泊できる設備も。

観音開きの扉がバリと同じ。

竹で編んだひし形模様の壁は、沿道の集落でもしばしば見かけました。

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ゲストハウスの隣には、伝統的なキッチンが。

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うーん、いい感じ♪

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マウメレの町には夕方到着。

1泊2日の道のり、ハンズは今から今日のうちにエンデまで帰るという。

復路に乗せて帰れる観光客がいればヨカッタのだけど。

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ありがとう、ハンズ!

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予約していたホテルには、今見てきたばかりのシッカ・イカットがふんだんに使われていた。

エンデに比べてさらにのんびりしたマウメレに、こんなリゾートホテルがあるなんて。


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部屋のバルコニーから、海が見える贅沢。

空いているので、プールサイドに寝転んで、これまで不自由だったwifiに接続。

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次第に染まりゆく、静かでなめらかな海原。

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フローレスの旅、満喫中。

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もう少し続きます。



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2018年7月20日 (金)

フローレス・イカットを巡る旅 3

フローレス、2日目の続きです。

海辺の産地は申し分なく素敵だったけれども、結果的に手ぶらだったので

駆け足でもうひとつの産地へ。

ボーサマサマと同じ地域にある別のソサエティーです。

こちらは堅く天然染め。

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やはりエンデ流イカットは草木染ならではの美しさだと思う。

背景の、自然の色との調和。

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竹を多用した織り道具に、天然染めの色彩はやはり抜群に美しい。

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下の写真の中央上が“天使の(ぼろバイクの)おっちゃん”です。w

私たちが到着した後まもなく、スラバヤの若い公務員(文化交流機関の職員さん)がやってきて、

一緒にイカットをお見立てする。

情報も乏しい山里でも、来る人は来るんですね。☺

イカットハンターの集いに主宰のおばちゃんが嬉しそう!

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イカット・サロンを床に広げてみると、あぁ、もう。素敵。

やはりそれなりに高価で、1枚だけ選ぶ。

同じ産地でも前日のボーサマサマとセンスが異なるのが面白い。

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さ、さ、そろそろタイムリミット。

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駆け足でホテルに戻り、15分で荷物をまとめ

チェックアウト!

そしてもうひとつの「どうにかしなきゃいけない」件なんですけども、

その後の交通手段、なんですけれども。(!)

とにかくチェックアウトしてから何とかしよう、と開き直る。

まぁ、最悪はえらく高いがホテルの車を使う算段で。

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そこへもう一人の天使、来たる。

フロントを出ると

先ほど別れたばかりのぼろバイクのおっちゃんが、ハァハァしながら戻ってきた。

車連れてきたから、これで行きなはれ。

え!早!(フローレスなのに!w)

私たちのその後のスケジュールは、フローレス中央部の山間にある国立公園、クリムトゥに行き、翌日そこから島の北部のマウメレまで行く。

1泊2日の遠距離。(その足がまだ見つかっていなかったのです、、)

結果からして、この成り行き任せがね、

素敵な展開になりました。

おっちゃん、ほんまに天使やわ。

はは、そうやねん。わし。

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おっちゃんが連れてきたるは、若手で親切なドライバー。

インドネシアの旅先ではいいドライバーに巡り合えることは極めて重要、と思う。

天使バトンタッチで、続く旅。

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何て長い一日。

幾重もの山を越え、くねくね道を上って下りて。

ヘアピンカーブがこうも続くとは!

エンデからクリムトゥへ向かう午後。

舗装されていたものの、道の険しさは半端なかった。

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午後3時、クリムトゥの麓にあるエコロッジに到着。

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クリムトゥ国立公園はカルデラ湖で知られるインドネシアきっての観光名所。

エンデからシッカ(マウメレ)への行程の途中にある。

日の出の時間に合わせ、朝4時に宿を出発して登るのが一般的とのことで

この界隈にはいくつかのバンガローがある。

案外早く着いたし、こんなに晴れてるし、他にやることもないし。w

(曇ると見えなくなるものらしいし)

それじゃ、今日のうちに行っちゃおうか、と。

ハンズが二度うなずく。

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車で宿から30分以上、またもひたすら上り坂。

さむ~~~い!

もう、窓開けてられない。

国立公園のゲートで、外国籍だけど居住者だというと

入場料金が10分の1になった。(!!)

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日も傾きかけ、誰もいない山道を

駐車場で車から下り、その先は一人で歩く。

(ちなみに風邪気味の同行人は来ないw)

あまりの静けさに、ドキドキ。

この地域は言い伝えによるといろいろ怖い話しもあって、

そんな場所に、ひと気のない時間帯に一人で入るって、ね。(・_・;)

成り行きだけども

あぁ、怖い!

整備された遊歩道を

まぶしく美しすぎる午後の光に吸い寄せられながら登っていく。

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そして現わる、しーんと静かなエメラルド色の水たまり。

そこまで行くと、人がいた。

ローカルの若者たちだった。

湖水に向けて小石をしきりに投げ込んでいる。

でもさ、石、消えるんだよね。

そんなことないでしょ、湖水までが遠すぎるから見えなくなるだけだよ。

いや、途中で消える。ほら、よく見てて!

うーん。

そういわれてみればそうかもしれないけど、、

この湖には生命体がおらず、時期によって水の色が黒から赤、ブルーのように変化するらしい。

神秘的な景観ゆえか、死者の行き先とか、いろいろ言い伝えがあるみたいで。

余計に怖くなるやんか!

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さらに登る。

午前中、布まみれだったエンデから

地球の不思議地帯に侵入しているクリムトゥの午後。

硫黄成分のせいか、途中から木はほとんどなくて地面に這う草だけの一帯。

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すでに雲の上。ここまできてしまったのだ、吸い寄せられるように。

あの小石、本当に消えちゃうのかな。

なーんて、反芻しながら到達した。ヤッホー、とラララ。

静かなクリムトゥの頂上には、カップ麺を売る一家がいて、

子供が泣き叫んでいるのだが、遠くまで反響しないのがまた怖い。w

何か大きな部屋の中にいるみたいな。

「一人じゃなくてよかった。」

背後にはもうひとつ、黒い湖が、低く垂れ込みつつある夕暮れ時の湿度に霞んでいた。

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パノラマ撮影もしてみました♪

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こんな超自然に向き合うとき、人によっては悟りが開いたりするのかもしれないが、

私はひとまず安全第一で、スタコラ、駐車場へ戻りました。

日が暮れる前に。

「あぁ、なんて冒険しちゃったのだろう。」

小さく感動。(実際には夕暮れ時の散歩にすぎないw)

駐車場で待っていたハンズは、別のドライバー(そういえば帰り道に何人かの観光客とすれ違って驚いた、今から登るの?って)とスマホ・ゲームにキャーキャー言いながら熱中しているので

屋台でコーヒー頼んで温まることに。

というか、しばらくそこにいて人に囲まれていたかったので。

ついでに屋台のおばちゃんが出してきたイカットを

スタッフへのお土産にまとめ買い。

ここでもイカット買う私って。ww

5時過ぎ、日没を迎え、

いよいよ本格的に冷え込むクリムトゥを後にしたのでした。

夢の中の出来事のようなクリムトゥの時間。

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エコロッジでの食事は、1時間前に注文する決まりになっていました。

風邪ちょっとこじらせているもよう。本格的に熱出しつつあるちひろ。

ジンジャーティー&ラーメンをすする。

その後朝まで、節々が痛くて眠れなかった。

しかも、何と、夜半から雨が降り出した。

それでも、4時には何台かの車が出発する音がした。

(雨の中でも見えたのだろうか、クレーター湖?)

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エコロッジでの朝食。

UKからはるばる一人で来ていた婦人がいて、

せっかくここまで来たけど雨になっちゃって行かなかったわ。いいのよ、これで。

縁がなかったのだわ、って。

ちひろも見れなかった、けど、

そうね。

なぜかしら。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

続きます!




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フローレス・イカットを巡る旅 2

フローレス島、2日目。

朝7時。

朝食前に、まず散歩。

(同行人は当分起きないと思われ)

ホテルから町の中心部の方へひとまず歩き出す。

エンデはフローレスで一番大きな町らしいのだけど、

家や商店がぽつぽつ点在する程度で

バリから来た自分としては「何もない」印象。

15分くらい不毛な(=取り立てて印象的なものがない)だだっ広い道沿いを行くと、

やっと出くわした「何か」!

カラフルな扉が並ぶこの場所は、「市場」でしたが、

なんと、まだ開いていない!!(笑)

バリだと市場といえば朝しか開いていないというのに。

前日の、あの空港脇ののんびりした山の印象が反芻される。(笑笑)

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朝の散歩といえど、ひそかに目的もありました。

「布市場」。(それと、ここから先マウメレまでの交通手段。)

ぼちぼち店を開け始めた人に聞くと、

布があるのはもっと港寄りの中央市場で朝早くからやってるよ~、と。

でも、ここからはかなり遠いよ~、と。

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あっちの方よ~、と、教えてもらった方向は、やはり不毛地帯。

やがて

ここは絶対に引き返したくないな、と思うような坂道を下る。

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「ハロー、ママ、ホエアユーゴー?」、

とあるバイクのおっちゃんが、その“後戻りはなし”と決めたばかりの坂の下で声かけてきた。(笑)

おっちゃん、あたし、布市場に行きたいねん。(ちょいと疲れ顔で)

おー、それ、連れてったるわ、、5000ルピアでどお?(45円くらいかしら)


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このタイミングで現わる天使は、ぼろバイクのおっちゃん。

そして、結局本当に遠いところでした、布市場。(なのに5000ルピアってw)

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そして、確かに開店していた布市場。

観光客もたまには来るのか、ユーズドの草木染のサロンがあったりする。

右は新品。

左のユーズドの方がめっぽう、いい感じで半額なの。(誰が値段をつけているのか?)

試しに1枚買うことにして

店のおっちゃんから地域のイカット情報をあれこれ聞く。

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商売人にしちゃ無垢なお人柄に嬉しくなって、思わずツーショット撮っちゃいましたヨ。

市場なのに。(笑)

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鳥のさえずりのような現地語で、イカット店のおっちゃんからバイクのおっちゃんに

地域情報を伝授してもらって、そのまま遠征することに。

(途中でホテルに寄ってチェックアウトは12時と確認。おっちゃん急げ!)

エンデの町を出て、海辺の道をひたすら東へ。

おっちゃんのヘルメット越しに両手伸ばして撮ってみた写真が1枚。


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WOW!!

青は空、そして、海。

白は雲と、波しぶき。

こういうの、何年ぶりだろう。

あっち側にはエンデの

のんびりした山が、ほら、やっぱりのんびりと。(もはや目印になってるw)

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すごいな、フローレスの自然。

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訪ねた村は、カトリック。

イカットありますか?

ほら、こんなんがあるよ~。

おばちゃんの後ろにマリア様。

こんなに風景に溶け込んでいながら

出てきたのは、化学染料染めでした。

おばちゃんが着ていると違和感ないのだけれども。……


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別の家に行って、「イカットありますか~?」

右の人のは、自作のもの。やはり化学染料染め。(売る気満々w)

左の人のは天然染め。だけど、きっと大事な私物を出してきたのでしょう。

私が買い付け人だと知ると困った顔になって。。

可哀そうなことをしちゃって、ごめんなさいでした。

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別の家。

柄も素敵だし一見いい感じだけれども、やはり化学染料。

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私の織ったのも見て~、と、わらわら人が集まってくる。

残念ながらどれも化学染料。

このエンデ風茶系のイカットにおいては、天然染めとの差が歴然としていて

触手が出ないまま。

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いや、化学染料でもいいんです。

不毛の町からさらに最果てのような装飾のない村の中で、ゆっくり無心に機を動かしている人々。

自分が着るものを、こんなに手間をかけてつくる暮らしを、どうか末永く続けてください。

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ファストファッション時代に入ってもう久しいけれど、

まだこんな暮らしぶりを目の当たりにできる、フローレス。

このまぶしさに、もう、クラクラ。w

スローファッションに一票!いや、千票!

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こちら、おまけです。

もう、金賞ものですよね💛

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輪状のサロンの干し方=2本の竹竿に通して重しをつけるだけ。

ポリタンクには水が入っています。

アイロンはいらない!!

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フローレス、続きます!



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2018年7月18日 (水)

フローレス・イカットを巡る旅 1

関西での地震に続いて、豪雨。

たくさんの被害に胸が痛みます。

そして

豪雨のあとの酷暑。

厳しい7月の日本を心配しながら

南半球のこちらは雨続きでダウン着こみながらの投稿です。

連日どれだけ暑かろうと、時間通りに動いていらっしゃるお仕事・お勤めの皆さま

どうかどうか体調を崩されませんように。

そうそう、こんな時にこそマニスの服を着てみてください。

もしかしたら、……いいことが起きるかもしれません。(^^♪

ちょっとだけ魔法をかけてありますからね。w


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こんな折ですが、きょうからしばし旅のご報告を投稿させていただきます。

7月3日から5日間、バリから空路で東へ2時間のところにあるフローレス島へ行ってきました。

初夏までの数か月、ずっとベンガルの薄手の布に没頭していたせいか

秋物に仕掛かる前に

がっちりしたイカットを見て頭を切り替えたくなりました。

ところが

こちらバリ島もなかなかに不安定です。

出発数日前にバリのアグン山が再び噴火して空港クローズ、

当日朝は地震! 

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ええと。身長、すでに相当ぬかれてますね。w

今やうちの家族親戚の中で一番背が高い。

中学終わって休暇中の子供(ちひろ)に頼んで、旅についてきてもらう。

荷物持ち( `ー´)ノ

布にも観光にもぜーんぜん興味ないし、

プラス

前日に風邪ひいて熱出しちゃってomg

不在中に屋根の防水工事を頼んじゃったから居場所もないし。w

ち:ま、ひとまず行くけどね(場合によっては途中で帰るってこと??)」

私:あ、そうか、空港ちゃんと開いているか分からないしね。

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火山灰は風向きであっちへ行き、

インドネシアの国内線、アイランドホッピング(2つの島、3か所経由便)のプロペラ機は時間通り。

ち:小さいな~~、揺れそうだな~~~~。(・_・;)

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心配をよそに、ジャンボ機並みに安定飛行。

青空澄み渡るフローレス島にスムーズに降り立つ。

私:ウシシ、着いてしまえばもうこっちのもの。

ち:でもさ、帰れなくなるってことはないの?

私:うーん。

ち:帰れなくなったらやだな~~~~。

私:そお?(今なら多少長めにいても仕事に支障ないのだけどw)

空港の脇、てっぺんが平らなちっちゃな山がのんびりとしている。w

何だか、外国に来たみたい。ww


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エンデという町です。

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すでに夕方でしたが、

空港から比較的近いところにある天然染めのイカット産地に直行!

早速、夢のような美しいイカットにまみれます。
ボーサマサマというソサエティです。

人々の言葉はポリネシア系を感じる、鳥のさえずりのような音。

サンスクリット系のバリ語とは明らかに違う。

インドネシア語でお話しができることが、とてもありがたい。
主宰のマリアさん、お名前からしてクリスチャンかな。でもこの村はムスリムでした。

噛みたばこで、女の人たちの口は皆赤い。

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こちらのイカットは全てたて絣。

グリンシンに似た茶系の配色がこの地域の特徴なのだそう。

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まもなく雨が降ってきて。。(空港ではあんなに晴れていたというのに!)

布はお家の手すりに移動。

こうやって見ると、あれもこれも買えばよかった、と思うものばかり。

まだ到着したばかりで比較できるものもなく、

目についた数枚のサロンを選ばせていただく。
写真はスレンダン(細幅)ですが、

ここのサロンはスレンダンを手縫いでしっかりとはぎ合せて輪にしたもの。


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お家の中には、フレームにセットされたたて糸が。

画家のキャンバスのようにも見えますね。

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こうして紐で括られた糸はグバンと呼ばれる赤茶色の染料に漬けられる。(下の写真)

インディゴやムンクドゥという木の皮も使われて、全体に濃淡のある茶系を描く。

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何度か染分けされて柄が整ったたて糸。しっかりと柄が見えますが、これはまだ織る前です。

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手間がかけられたたて糸に、よこ糸を織り込んでいく。

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糸はジャワから入ってくる輸入品の木綿糸のようだけど、

何本か撚り合わせて独特の厚さ、重さにしているようです。

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ずっと昔、やはりイカットが見たくて訪れたことがあるヌサンテンガラ(インドネシア東部群島)、スンバ島でも、キャンバスのような地厚な織物が中心でした。
そのころにはまだラジャ(王家)があり、イカットは神聖な儀式のためのもの。

生命の樹かと思ったら、首狩りの首が木に吊るされた模様だったのには驚きました。
フローレス、エンデの模様は

ひし形が基本の抽象的なものが多い印象があります。

島、地域ごとに培われた独自性。

覗き始めたばかりのフローレス。

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続きます!








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