« フローレス・イカットを巡る旅 2 | トップページ | フローレス・イカットを巡る旅 4 »

2018年7月20日 (金)

フローレス・イカットを巡る旅 3

フローレス、2日目の続きです。

海辺の産地は申し分なく素敵だったけれども、結果的に手ぶらだったので

駆け足でもうひとつの産地へ。

ボーサマサマと同じ地域にある別のソサエティーです。

こちらは堅く天然染め。

Img_4192
やはりエンデ流イカットは草木染ならではの美しさだと思う。

背景の、自然の色との調和。

Img_4188
竹を多用した織り道具に、天然染めの色彩はやはり抜群に美しい。

Img_4197
下の写真の中央上が“天使の(ぼろバイクの)おっちゃん”です。w

私たちが到着した後まもなく、スラバヤの若い公務員(文化交流機関の職員さん)がやってきて、

一緒にイカットをお見立てする。

情報も乏しい山里でも、来る人は来るんですね。☺

イカットハンターの集いに主宰のおばちゃんが嬉しそう!

Img_4198
イカット・サロンを床に広げてみると、あぁ、もう。素敵。

やはりそれなりに高価で、1枚だけ選ぶ。

同じ産地でも前日のボーサマサマとセンスが異なるのが面白い。

・・・・・・・・・・・・・・

さ、さ、そろそろタイムリミット。

・・・・・・・・・・・・・・

駆け足でホテルに戻り、15分で荷物をまとめ

チェックアウト!

そしてもうひとつの「どうにかしなきゃいけない」件なんですけども、

その後の交通手段、なんですけれども。(!)

とにかくチェックアウトしてから何とかしよう、と開き直る。

まぁ、最悪はえらく高いがホテルの車を使う算段で。

・・・・・・・・・・・・・

そこへもう一人の天使、来たる。

フロントを出ると

先ほど別れたばかりのぼろバイクのおっちゃんが、ハァハァしながら戻ってきた。

車連れてきたから、これで行きなはれ。

え!早!(フローレスなのに!w)

私たちのその後のスケジュールは、フローレス中央部の山間にある国立公園、クリムトゥに行き、翌日そこから島の北部のマウメレまで行く。

1泊2日の遠距離。(その足がまだ見つかっていなかったのです、、)

結果からして、この成り行き任せがね、

素敵な展開になりました。

おっちゃん、ほんまに天使やわ。

はは、そうやねん。わし。

・・・・・・・・・・・・・・

おっちゃんが連れてきたるは、若手で親切なドライバー。

インドネシアの旅先ではいいドライバーに巡り合えることは極めて重要、と思う。

天使バトンタッチで、続く旅。

・・・・・・・・・・・・・・

何て長い一日。

幾重もの山を越え、くねくね道を上って下りて。

ヘアピンカーブがこうも続くとは!

エンデからクリムトゥへ向かう午後。

舗装されていたものの、道の険しさは半端なかった。

Img_4210
午後3時、クリムトゥの麓にあるエコロッジに到着。

Img_4208_2
クリムトゥ国立公園はカルデラ湖で知られるインドネシアきっての観光名所。

エンデからシッカ(マウメレ)への行程の途中にある。

日の出の時間に合わせ、朝4時に宿を出発して登るのが一般的とのことで

この界隈にはいくつかのバンガローがある。

案外早く着いたし、こんなに晴れてるし、他にやることもないし。w

(曇ると見えなくなるものらしいし)

それじゃ、今日のうちに行っちゃおうか、と。

ハンズが二度うなずく。

Img_4212
車で宿から30分以上、またもひたすら上り坂。

さむ~~~い!

もう、窓開けてられない。

国立公園のゲートで、外国籍だけど居住者だというと

入場料金が10分の1になった。(!!)

・・・・・・・・・・・・・・

日も傾きかけ、誰もいない山道を

駐車場で車から下り、その先は一人で歩く。

(ちなみに風邪気味の同行人は来ないw)

あまりの静けさに、ドキドキ。

この地域は言い伝えによるといろいろ怖い話しもあって、

そんな場所に、ひと気のない時間帯に一人で入るって、ね。(・_・;)

成り行きだけども

あぁ、怖い!

整備された遊歩道を

まぶしく美しすぎる午後の光に吸い寄せられながら登っていく。

Img_4213
そして現わる、しーんと静かなエメラルド色の水たまり。

そこまで行くと、人がいた。

ローカルの若者たちだった。

湖水に向けて小石をしきりに投げ込んでいる。

でもさ、石、消えるんだよね。

そんなことないでしょ、湖水までが遠すぎるから見えなくなるだけだよ。

いや、途中で消える。ほら、よく見てて!

うーん。

そういわれてみればそうかもしれないけど、、

この湖には生命体がおらず、時期によって水の色が黒から赤、ブルーのように変化するらしい。

神秘的な景観ゆえか、死者の行き先とか、いろいろ言い伝えがあるみたいで。

余計に怖くなるやんか!

Img_4221
さらに登る。

午前中、布まみれだったエンデから

地球の不思議地帯に侵入しているクリムトゥの午後。

硫黄成分のせいか、途中から木はほとんどなくて地面に這う草だけの一帯。

Img_4224
すでに雲の上。ここまできてしまったのだ、吸い寄せられるように。

あの小石、本当に消えちゃうのかな。

なーんて、反芻しながら到達した。ヤッホー、とラララ。

静かなクリムトゥの頂上には、カップ麺を売る一家がいて、

子供が泣き叫んでいるのだが、遠くまで反響しないのがまた怖い。w

何か大きな部屋の中にいるみたいな。

「一人じゃなくてよかった。」

背後にはもうひとつ、黒い湖が、低く垂れ込みつつある夕暮れ時の湿度に霞んでいた。

Img_4239
パノラマ撮影もしてみました♪

Img_4233

こんな超自然に向き合うとき、人によっては悟りが開いたりするのかもしれないが、

私はひとまず安全第一で、スタコラ、駐車場へ戻りました。

日が暮れる前に。

「あぁ、なんて冒険しちゃったのだろう。」

小さく感動。(実際には夕暮れ時の散歩にすぎないw)

駐車場で待っていたハンズは、別のドライバー(そういえば帰り道に何人かの観光客とすれ違って驚いた、今から登るの?って)とスマホ・ゲームにキャーキャー言いながら熱中しているので

屋台でコーヒー頼んで温まることに。

というか、しばらくそこにいて人に囲まれていたかったので。

ついでに屋台のおばちゃんが出してきたイカットを

スタッフへのお土産にまとめ買い。

ここでもイカット買う私って。ww

5時過ぎ、日没を迎え、

いよいよ本格的に冷え込むクリムトゥを後にしたのでした。

夢の中の出来事のようなクリムトゥの時間。

・・・・・・・・・・・・・

エコロッジでの食事は、1時間前に注文する決まりになっていました。

風邪ちょっとこじらせているもよう。本格的に熱出しつつあるちひろ。

ジンジャーティー&ラーメンをすする。

その後朝まで、節々が痛くて眠れなかった。

しかも、何と、夜半から雨が降り出した。

それでも、4時には何台かの車が出発する音がした。

(雨の中でも見えたのだろうか、クレーター湖?)

Img_4242
エコロッジでの朝食。

UKからはるばる一人で来ていた婦人がいて、

せっかくここまで来たけど雨になっちゃって行かなかったわ。いいのよ、これで。

縁がなかったのだわ、って。

ちひろも見れなかった、けど、

そうね。

なぜかしら。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

続きます!




|

« フローレス・イカットを巡る旅 2 | トップページ | フローレス・イカットを巡る旅 4 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« フローレス・イカットを巡る旅 2 | トップページ | フローレス・イカットを巡る旅 4 »