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2018年2月24日 (土)

バングラデシュへ 4

ちょいと日にちがあいてしまいましたが、

タンガイルの続きです。

(バングラデシュのジャムダニ織の産地です。)

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お天気の良い日でしたので、

じきに気温が上がってきました。

日向に干してあるのは竹に巻きつけたコットンジャムダニ。

そのそばで、

織りあがったサリーに糊付けして巻きつける作業をしているお父さんが。

残念ながら動画しか撮ってなくて(ここにはメモリーオーバーで載せられませんが)

「この道50年じゃ!」、と得意顔。

お母さんが傍らで黙々とお手伝いをしていて、

ベンガル人は本当に家族仲がよいなぁ、と。

この地域はヒンドゥー教の人も多く、

私がバリで嫁入りして以来ヒンドゥに改宗した事を

案内の人が村人たちに説明して回るので、どの家でも歓迎されるのでした。

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道にはヤギと人しかいないので、(あとは、ときどきバイクか自転車)
家の敷地からはみ出して
長い経糸のセットをこんなふうにやっていました。面白い!こんなの初めて見ました!
巻き取り機を使わず、サリー10枚分の55メートル!!
思わず、走りたくなる?(笑)

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ゴールは道にはみ出してま~す。
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透き通るような織物・ジャムダニですが、経糸は2000本。
手作業で数えながら、竹でつくられた筬(おさ)に通していく。
ゴール側でテンションを緩めたり引き上げたりするのは、道具ではなく、人。
(綱引きみたいですか?)
この村では、UBININGという機関がジャムダニ織の保存、育成に携わっているそうで、そのため村全体がこのように織物を中心に成り立っているらしい。
 
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竹細工かと思ったら、筬をつくる職人さん。
しなやかな部分を細く削り、櫛の部分をつくっている。
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村全体に茂る竹が、織り機、綜絖、布の仕上げ、隅々まで利用されています。
動力に電気はほとんど使っていないところも素晴らしい。
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ベンガル地域は昔から薄い薄い織物を作り続けてきた産地ですが、
タンガイルでは
培われてきた技術が健在であること
村全体で複雑な技術を分業していること
織られた布が輸出向けや一部の富裕層向けではなく、
自国の一般庶民の晴れ着であること。
もう、素晴らしいの一言です。
この美しい工芸品のような竹細工は、織のための生きた道具に。

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ところで、
ジャムダニも素敵なんですが、家々の洗濯物がまた魅力的で。
これはコットンサリーでつくられたカンタ。敷物かしら、テーブルクロスかしら?
こういうのが暮らしの中で普通に使われている。

(思わず欲しくなります!)


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水辺で洗濯する主婦たち。
ピールと呼ばれる、大きな水たまり。
ここの水は土のせいなのか鉄分が多く、白いものを洗うのには向かないそう。
色のきれいなサリーを着る分には不便はないかもですね。

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道端には、
バングラデシュのサブカルというか、民間アートとしても評価されている
リキシャ・アート。
とにかく色彩があでやかで、夢いっぱい。
我々はこのまま歩いて、隣接の村へ向かいます。

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隣村も、窓越しにこれ。
パンチカード。

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こっちの経糸職人は、何とコンクリートブロックも利用!
腰で引っ張るためのクッションも装備!
しかも何か抱えている!! 何でしょう、これ??


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しばらく行くと、
こちらは経糸を染め分けしたものをやっていますね。
やはり道端で。
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小乗仏教のお坊さまのような方が。
何かの材料店でしょうか?

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小学校の近くのワルン!

吊るし方!
雨と水が多いから?

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店先にキッチンがあるワルン♪
バリと似ていてうれしくなる。
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冬でもこんなに茂っている竹。
家々の周囲を日差しから守っている。
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出発地点のゲストハウスに戻りました。
予約してあったランチが待っています!
広々とした厨房の中を見せてもらいました。
これ、大型のかまどでしょうか?

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バングラデシュの土壌は肥沃なのか、冬でも野菜が豊富でした。
3つの川がそそぐ世界一のデルタ地帯。
食材が豊富だからか、さまざまなおいしい食事をこれまで数日間いただいてきましたけれど、
ここは格別でした。
食材そのものを自立したシステムでつくっているタンガイル。
先ほどのUBININGがもうひとつ試みているのが「種の銀行」。
種子を無償で貸し、収穫後に種子を返却するシステムらしい。
タンガイルでは農業にもこだわりを持った無農薬によるベンガル固有種の栽培を推進しているそう。
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赤米のごはん、カリフラワー、ナス、キャベツ。
川魚のイリッシュのカレー、マトンのカレー。
ダール(豆のカレー)。
無農薬野菜が中心のランチ。


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うん。
朝あれほど食べたのに!
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バングラデシュはBRACをはじめ民間NGOが成功している例が比較的話題になっているけれど(マイクロクレジットのグラミン銀行はノーベル平和賞を受賞するくらいですから!)
タンガイルのUBININGは小規模の集落を伝統的な暮らしのままに活性化させている。
この素敵なランチとジャムダニ織のプロジェクトは同じ試みからスタートした2つの柱だったようです。
私はネットサーチしただけでしたが、
あの「風の旅行社」が、UBININGツアーを企画しているそうですよ。
http://www.kaze-travel.co.jp/bangladesh_kiji001.html
(本ブログの文章もこちらから一部情報を引用させていただきました。)
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ダッカに戻る道すがら。
縫製工場がありました。
きっと無数にありますが、写真が撮れたのはここだけでした。
案内をしてくれた方が、
「この国は、女性たちが働く縫製工場によって経済が支えられているんですよ。この人たちのおかげなんです」、と言っていたのが心に残りました。


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バングラデシュ、最終日。
ホテルのドアノブに引っかかっていた新聞によると、
大寒波による被害は深刻だったもよう。
50年ぶりの最低気温更新!
暖房がない国で2.6度、って。厳しい。
(ダッカのホテルも空調は冷房だけしかないから、あるったけ着込んでおります。)
そして、また充実の朝食。(苦笑)

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見納め。
ダッカの布市場。
あら、それは。タンガイルサリーではないですか?(笑)
マフラーのおじさんが物色中。
プレゼントかしら?
シアワセの断片、いただいた気分。

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街中心。川のように見えるけれど、グーグルマップには湖となっている。
しーんとした真っ黒の水、魚はきっといない。
たった6日間では見切れない国のひとつの断片。

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さ、バリに戻るよ!
空港へ向かう前に、お世話になった方々と。♪

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インドから、東西パキスタン時代。独立してからまだ47年。
若い国。ベンガルの国。
思いつきで来てみたけど、大好きになりました。
で、今年のマニスはベンガル特集からスタートします♡

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