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2018年2月26日 (月)

バリショップ・改修しました。

バングラデシュから戻る2日前、
スタッフから連絡がありまして。
バリのショップで照明の元ケーブルが故障。
電気系統全部オフ!

遠隔操作で応急的に直してもらいましたが
天井裏でネズミがかじるのか、点灯するランプは少しずつ減る一方であり
今や半分となっている。

重い腰を上げる時期が来ました。

この場所もかれこれ、10年経ちましたし。

バングラから戻った翌日、工事の打ち合わせにお店へ行くと
なーんか、おとといまで見ていたような風貌のお客さんが。

バングラと同じムスリムの国、フロム・ドバイのお母さん。

このジャケットをカスタマイズしてくれたまし、と。

(エミレーツのゴールドカード!)
ショップではあまりオーダーは受け付けていないのですが、
これもご縁でしょうか~。

工事直前に滑り込み。

好みがはっきりとされているので、おまけ要素は付けずに
言われたとおりにお作りしました。
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「ドバイの一件」を終了した翌日の朝から、

搬出開始。

今回はリニューアルというよりも“修理を兼ねてちょっとペンキなど塗り替える”修繕ながら
天井を剥がさなければならないため、店は5日間の休業に。

商品を運び出してしまうと、何か、仕切り直しの時を感じます。
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床もついでに変えたいところですが、工事が大変すぎるので、
今回は必要なところだけ。

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天井剥がしたけれど、ネズミは出てこなかった。

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工事期間は毎朝チェックに。

向かいのバタンワルでカプチーノ。…飲みながら工事の指図、といけばウキウキするのだけど…
職人がなかなか来ないので、

まちぼうけのカプチーノ。


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4日目の夕方、職人からワッツアップに送られてきた写真。

天井きれいに元通り。

中央に4個のアンティークランプを入れました。

昔のジャワのラボラトリーで使われていたもの。

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ついでに壁やシャンデリアのペンキも塗り替えて。

そのほかは前と何も変わらないのですが、

大分きれいになりました。


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バングラデシュのシルクのショールも入って、
再びのオープン♪
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外見ほとんど変わりません。

どうせなら思い切り全部きれいにしたいところだけど、(日よけのクロスとか!)

今回はここまで。
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しかしながら、一旦休業もしてお供え物も途絶えたので、

暦の良い日に祭壇の守り神さまに再開の儀式を。

ブルー&ブラッドの満月の日、1月31日に。

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お次は看板の上の神様へ。

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近くの川の神様へ。
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提菩樹の神様へ。
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とても丁寧な儀式でした。やってもらえてヨカッタ。

UBUDでいちばん大好きなデウィシタ通りのお店。

これからも大切に守っていきます!


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2018年2月24日 (土)

バングラデシュへ 4

ちょいと日にちがあいてしまいましたが、

タンガイルの続きです。

(バングラデシュのジャムダニ織の産地です。)

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お天気の良い日でしたので、

じきに気温が上がってきました。

日向に干してあるのは竹に巻きつけたコットンジャムダニ。

そのそばで、

織りあがったサリーに糊付けして巻きつける作業をしているお父さんが。

残念ながら動画しか撮ってなくて(ここにはメモリーオーバーで載せられませんが)

「この道50年じゃ!」、と得意顔。

お母さんが傍らで黙々とお手伝いをしていて、

ベンガル人は本当に家族仲がよいなぁ、と。

この地域はヒンドゥー教の人も多く、

私がバリで嫁入りして以来ヒンドゥに改宗した事を

案内の人が村人たちに説明して回るので、どの家でも歓迎されるのでした。

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道にはヤギと人しかいないので、(あとは、ときどきバイクか自転車)
家の敷地からはみ出して
長い経糸のセットをこんなふうにやっていました。面白い!こんなの初めて見ました!
巻き取り機を使わず、サリー10枚分の55メートル!!
思わず、走りたくなる?(笑)

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ゴールは道にはみ出してま~す。
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透き通るような織物・ジャムダニですが、経糸は2000本。
手作業で数えながら、竹でつくられた筬(おさ)に通していく。
ゴール側でテンションを緩めたり引き上げたりするのは、道具ではなく、人。
(綱引きみたいですか?)
この村では、UBININGという機関がジャムダニ織の保存、育成に携わっているそうで、そのため村全体がこのように織物を中心に成り立っているらしい。
 
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竹細工かと思ったら、筬をつくる職人さん。
しなやかな部分を細く削り、櫛の部分をつくっている。
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村全体に茂る竹が、織り機、綜絖、布の仕上げ、隅々まで利用されています。
動力に電気はほとんど使っていないところも素晴らしい。
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ベンガル地域は昔から薄い薄い織物を作り続けてきた産地ですが、
タンガイルでは
培われてきた技術が健在であること
村全体で複雑な技術を分業していること
織られた布が輸出向けや一部の富裕層向けではなく、
自国の一般庶民の晴れ着であること。
もう、素晴らしいの一言です。
この美しい工芸品のような竹細工は、織のための生きた道具に。

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ところで、
ジャムダニも素敵なんですが、家々の洗濯物がまた魅力的で。
これはコットンサリーでつくられたカンタ。敷物かしら、テーブルクロスかしら?
こういうのが暮らしの中で普通に使われている。

(思わず欲しくなります!)


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水辺で洗濯する主婦たち。
ピールと呼ばれる、大きな水たまり。
ここの水は土のせいなのか鉄分が多く、白いものを洗うのには向かないそう。
色のきれいなサリーを着る分には不便はないかもですね。

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道端には、
バングラデシュのサブカルというか、民間アートとしても評価されている
リキシャ・アート。
とにかく色彩があでやかで、夢いっぱい。
我々はこのまま歩いて、隣接の村へ向かいます。

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隣村も、窓越しにこれ。
パンチカード。

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こっちの経糸職人は、何とコンクリートブロックも利用!
腰で引っ張るためのクッションも装備!
しかも何か抱えている!! 何でしょう、これ??


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しばらく行くと、
こちらは経糸を染め分けしたものをやっていますね。
やはり道端で。
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小乗仏教のお坊さまのような方が。
何かの材料店でしょうか?

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小学校の近くのワルン!

吊るし方!
雨と水が多いから?

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店先にキッチンがあるワルン♪
バリと似ていてうれしくなる。
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冬でもこんなに茂っている竹。
家々の周囲を日差しから守っている。
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出発地点のゲストハウスに戻りました。
予約してあったランチが待っています!
広々とした厨房の中を見せてもらいました。
これ、大型のかまどでしょうか?

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バングラデシュの土壌は肥沃なのか、冬でも野菜が豊富でした。
3つの川がそそぐ世界一のデルタ地帯。
食材が豊富だからか、さまざまなおいしい食事をこれまで数日間いただいてきましたけれど、
ここは格別でした。
食材そのものを自立したシステムでつくっているタンガイル。
先ほどのUBININGがもうひとつ試みているのが「種の銀行」。
種子を無償で貸し、収穫後に種子を返却するシステムらしい。
タンガイルでは農業にもこだわりを持った無農薬によるベンガル固有種の栽培を推進しているそう。
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赤米のごはん、カリフラワー、ナス、キャベツ。
川魚のイリッシュのカレー、マトンのカレー。
ダール(豆のカレー)。
無農薬野菜が中心のランチ。


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うん。
朝あれほど食べたのに!
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バングラデシュはBRACをはじめ民間NGOが成功している例が比較的話題になっているけれど(マイクロクレジットのグラミン銀行はノーベル平和賞を受賞するくらいですから!)
タンガイルのUBININGは小規模の集落を伝統的な暮らしのままに活性化させている。
この素敵なランチとジャムダニ織のプロジェクトは同じ試みからスタートした2つの柱だったようです。
私はネットサーチしただけでしたが、
あの「風の旅行社」が、UBININGツアーを企画しているそうですよ。
http://www.kaze-travel.co.jp/bangladesh_kiji001.html
(本ブログの文章もこちらから一部情報を引用させていただきました。)
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ダッカに戻る道すがら。
縫製工場がありました。
きっと無数にありますが、写真が撮れたのはここだけでした。
案内をしてくれた方が、
「この国は、女性たちが働く縫製工場によって経済が支えられているんですよ。この人たちのおかげなんです」、と言っていたのが心に残りました。


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バングラデシュ、最終日。
ホテルのドアノブに引っかかっていた新聞によると、
大寒波による被害は深刻だったもよう。
50年ぶりの最低気温更新!
暖房がない国で2.6度、って。厳しい。
(ダッカのホテルも空調は冷房だけしかないから、あるったけ着込んでおります。)
そして、また充実の朝食。(苦笑)

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見納め。
ダッカの布市場。
あら、それは。タンガイルサリーではないですか?(笑)
マフラーのおじさんが物色中。
プレゼントかしら?
シアワセの断片、いただいた気分。

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街中心。川のように見えるけれど、グーグルマップには湖となっている。
しーんとした真っ黒の水、魚はきっといない。
たった6日間では見切れない国のひとつの断片。

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さ、バリに戻るよ!
空港へ向かう前に、お世話になった方々と。♪

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インドから、東西パキスタン時代。独立してからまだ47年。
若い国。ベンガルの国。
思いつきで来てみたけど、大好きになりました。
で、今年のマニスはベンガル特集からスタートします♡

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2018年2月 4日 (日)

バングラデシュへ 3

バングラデシュ4日目。

前日の晩、ふたたび国内機で戻ったダッカ。

翌日も早朝から遠出です。ここはちょっとがんばりどころ。

後半のダッカは、

ブティックホテルみたいな窓のないホテルでしたが、

朝食はバッチリ。しかも、時間通りの7時オープン。笑

これだけ食べれば、元気も出ます!

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ダッカも寒い。
新聞によると、どうやらこの寒波は深刻で
暖房が普及していないせいか健康被害が相次いでいるらしい。
ありきたりの服を着込んで、
タンガイルというジャムダニ織で有名な地域へと向かいます。
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走行距離は100キロちょっとなのですが、
道がこんな。
舗装してあるところもあるけれど、未舗装のところも多く、
乾燥でデコボコ、ほこりだらけ。
ノロノロ運転&クラクション鳴らしっぱなし。
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2時間以上走って、ようやく沿道に木が茂る集落へ入りました。
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日も高くなっているけれど、まだ息が白い。
ノルショッダ村というところにあるゲストハウスです。
ここを拠点に織物を見に行きます。
ここには宿泊しないけれど、スタッフの方が案内してくれることに。
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まずは、ムフフ。
ホカホカあったかいスイーツをいただく。グレインココナッツの蒸ケーキ。
テーブルクロスがカンタです。

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さぁ! 探索開始。
村の建材はなぜかブリキが多い。
どこからか甲高い機の音が響いています。


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最初に入った家では、職人がパンチカードを作っていました。
ということは、ジャカード織機ですね。
段ボールにハトメと木槌で、リズミカルに音を立てている。
新しい柄を増やすごとにこのパンチカードをつくる、
というか、
タンガイル・サリーは国内でホットな存在だけに
常に新柄をせっせと生み出しているみたいで。

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コンピューターの基盤か、デジタル音楽の譜面か、
モールス信号の符号か、と見まがう。
これでジャムダニを織っている。
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こちらのお家では、
洗濯されたばかりのサリーがジャムダニでした。w
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カタンカタン、甲高い織機の音。
足踏み式でなかなか速度があります。タンガイルのジャムダニはシルクが中心で
1日に2mくらいは織れるらしい。

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緯糸、カラフル!
中国製シルクらしいです。

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巨大なオルゴールのような手織りジャカード機。
はじめて見ました。
動力はすべて人力です。
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足踏み部分は土間に掘り込んであります。

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経糸を操作するおもりがこんなにたくさん。
織り始める前までのセットがどれだけ大変な事か。
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タンガイル・サリーは、シルクが中心でカラフルなものが主流のよう。

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薄いピンクとグリーンの春らしいサリー、一枚買ってみました。


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マハトマ・ガンジーさんのトレードマーク、チャルカ。糸車。
この家のおじいさんが回していました。
緯糸の準備です。
村ではほぼ全体がジャムダニを織っているようですが、
このように細かく分業することでフクザツな工程を合理化。
ライン縫製みたいな合理化ですが、今もまだモーター(電力)は使わず
手仕事で営まれているようです。
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織物をやっているのは主に男性です。
これは大きなポイントなのですが、ここでは織物は女の人の副業ではありません。
女の人たちは台所で食事の準備をしていました。
沼で採れた魚の下ごしらえ。
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薪をくべています。
近隣は日よけのための木々が生い茂っているので、
その小枝を燃料に使っているようです。

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これは、食事のテーブル? 台所の中に。

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次々と用意されているおかず。
おいしそう!
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別のお宅へ。
こちらも色とりどりの洗濯物が冬の光の中で。


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こちらでは、織りあがった布の裏糸をカットしていました。
ジャカード織機で織る場合、同じジャムダニでも工程がずいぶんと違います。

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竹を使った道具がおもしろい。
ご夫婦なのか、向こう側とこちら側とで二人作業。

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村は、竹とヤギがたくさん。

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車はありません。バイクもほとんどいません。
静かな通りには、機の音だけが響きます。
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長くなるので、続きはまた次回に。
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