Tubanへ・その2
Tuban2日目。
南半球の乾期ながら、じりじりとした本格的な暑さの一日は
まさに初めから終わりまで布ざんまい。
久しぶりに大量の布選びに酔いしれる。w
どれだけたくさん見ても布であれば(骨董品、美術もそうだが)、もうこれで十分という事はない。どれだけでも見続けられる。
これはもう、特技かもしれない。
カラカラに乾燥したTubanの郊外。
ネットで探せたのは地域の名前だけ。
ここに、一軒のバティック工房が。
お訪ねすると、ほぼ全体が手描き。中にはチャップ(スタンプ)もあるようですが、
手描きの方が圧倒的に盛んな様子。
染め場は天然染め半分、化学染料染め半分くらいの配分。
そして、この工房では基本的につくっていないような感じでしたが、手紡ぎ・手織りのテヌンの工程を見せてもらいました。
綿は、日本の綿花と同じ種類かと。カパスと呼ばれています。
種を取り綿を長く伸ばしながら、撚りをかけてつないでいく。
機はこちらでは腰機でしたが、高速の高機もこの後別の場所で見ました。
織りあがったテヌンの美しいこと!
綿自体が最初から茶色い天然色。
ちょっと立派な門構えの工房に行きあたる。
聞いてみるとすぐに中に通してもらえました。
職人たちがお昼寝しているそばをすすっと通り抜け、奥の染め場を真っ先に案内してくれたおかみさん。
藍のプールにたくさんの布が沈んでいるのを、ゴム手袋をささっとつけて持ち上げて見せてくれた。
その下は、茶綿の綿。普通の白い綿より小さい。
テヌンの織り糸。上が普通の綿。下が茶綿。
海に近いトゥバンは、その伝統から肩掛けにして物を(魚を?)運びやすいような幅と長さにテヌンを織っているらしい。(と、何かのサイトに書いてあった気がする。)
15年ほど前に訪れたトゥバンでは、キジンミリンという織り糸にバティックを施した紬のような細かく地味なタイプが多かったけれど、(たぶんそれがトゥバンのオリジナルなのだろうけれど)
今の染織の方が、生き生きとしたものが多い気がする。
行ってみたい方は、こちらの写真をヒントにどうぞ。w
こうした作業が今も盛んにおこなわれていることに、嬉しくてテンションますます上がります。w
空が高い!
商売にしっかり者のおかみさんもいれば、シャイで口数の少ないおかみさんもいる。
しかし共通しているのは、出会うほとんど全部の女の人たちが布の魔法にかかっていることだ。
魔法ではなくて、DNAみたいなものかもしれないけれど、人種や宗教を問わず、お金持ちでも質素な家でも、
まっすぐでやさしい、大いなるお母さんを感じるのです。
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