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2017年9月30日 (土)

Tubanへ・その3

3日目は、同行人の息子をTuban市内のホテルにおいたまま、

(朝食の後の二度寝にてw)、

12時のチェックアウト前の時間、市内にある工房をお訪ねしました。

そのひとつは、驚きの大規模経営。

こんな風にきちんと手作業をやりながら、工場のような広さの中に多数のスタッフがいて、

織りも染めもある。

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手仕事だけど、これまで見てきた布工房とはおもむきがまったく異なります。

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織りのパートでは大音量のヒップホップがかかっていて、その速度に合わせて
びっくりするくらい早く横糸のシャトルが行き来する。

これはもう機械のような人力。

いいのか、これ?
(よくない気がする!!)
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織りあがったものは、なんとバリからのオーダー。

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もう一軒行きました。

こちらは、昔ながらの古いお家の中での家内生産。
人力機械的工房とは真逆の空間。

デコラティブなショールームスペースにはこのお家の歴史が飾られていて、

飾り物全部にひとつひとつのストーリーがある。


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おかみさんは、素朴でとってもいい人!

草木染のコレクションがステキでした。


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布まみれの旅の途中、ちょっとだけ観光もしてみました。

海沿い街ながらTubanには鍾乳洞が二つもある。

その一つ、市内にある方に行ってみると

思いのほか広くて湿度たっぷり。

暑くもないのにじっとり汗ばむ音のない世界に入り込むと

安心と不安の境目について考えました。

安心も不安も、実は同じもので、見方の、角度の違いなのかな、と。

ドームに包まれる安心と、もしもここから出られなくなったらどうしよう、というほぼありえないけれども頭をよぎる不安と。

息子はあんまり関心なくて、さっさと出て行ってしまったけれどもw


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Tubanからスラバヤへの移動は、これまたすごくワイルドなバスだった!

あまりに揺れて、本気で振り落とされそうになるものだから、ついぞ写真がありません。
AC(エアコン装備)とあったので乗ったのに、窓全開、タバコもくもく、物売り&ミュージシャン絶え間なく。w
2時間半乗って200円足らず、とは恐れ入りますが、

できれば500円でも1000円でもいいので、もう少しおとなしい運転で物売りさんたちが入ってこないようなバスがあるといいです。
スラバヤで予約していたホテルは、そんな旅の埋め合わせだったんでしょうか、5つ星なのだけど東京のビジネスホテルよりも安いマジャパヒト・ホテル。
「あー、もう、冷蔵庫に、コーラ入ってるしw」
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「居間の奥がベッドルームだし!」
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「こんなパースペクティブ久しぶりだしw」
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「何しろ、庭の刈り込み方が半端ないw」

「まる、しかく、さんかく」
おんぼろバスに揺られ、このギャップ。
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翌朝は、ちょいと高いがカフェテラスでの朝食を。
ブッフェに並ぶもの全部食べてみたくなるわけでw、ひとまず一皿目はサラダ。

スラバヤの朝、前日のほこりまみれを忘るる。


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飛行機の時間までは、ホテルから徒歩5分ほどのショッピングモールで過ごしました。

息子、はじめてのラテアートをインスタグラムにアップしてご機嫌w

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まだ終わりません、この旅は。
この後にもう一回のどんでん返しがありまする~~~~

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十分時間を見て出発したはずが、思いのほか大渋滞にて
バリへ帰る飛行機に乗りそびれてしまった。

振替便を探すも、「3日後」しか空きがない!!
息子が「バスで帰ろうよ」、と意外な事を言い出す。
マジャパヒトの滞在で埋め合わせしたものの、その前のバスに絶句していたのは誰?

しかし、もう3日スラバヤにいるわけにもいかず(新学期始まっちゃうし!)、

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バスターミナルに再び!

エアコン完備でまぁまぁのバス、バリ行きをみつけて乗り込むも3時間待ち。

深夜のジャワの陸路横断。
明け方、ジャワの東の果てバニュワンギからフェリーに乗り込む。


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朝日を海の上で見ることははじめてでした。、

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あ、バリ、見えてきた!

3日しか離れていなかったのに、何だろうこの懐かしさw

飛行機なら1時間足らずのところ、待ち時間入れたら15時間の復路!
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インドネシアって広くていろいろ異なるたくさんの場所がひとつの国になっている事は、
たぶん分かってもらえたと思います。w

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2017年9月29日 (金)

Tubanへ・その2

Tuban2日目。

南半球の乾期ながら、じりじりとした本格的な暑さの一日は

まさに初めから終わりまで布ざんまい。

久しぶりに大量の布選びに酔いしれる。w

どれだけたくさん見ても布であれば(骨董品、美術もそうだが)、もうこれで十分という事はない。どれだけでも見続けられる。

これはもう、特技かもしれない。

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カラカラに乾燥したTubanの郊外。

ネットで探せたのは地域の名前だけ。

ここに、一軒のバティック工房が。

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お訪ねすると、ほぼ全体が手描き。中にはチャップ(スタンプ)もあるようですが、
手描きの方が圧倒的に盛んな様子。

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染め場は天然染め半分、化学染料染め半分くらいの配分。
そして、この工房では基本的につくっていないような感じでしたが、手紡ぎ・手織りのテヌンの工程を見せてもらいました。
綿は、日本の綿花と同じ種類かと。カパスと呼ばれています。
種を取り綿を長く伸ばしながら、撚りをかけてつないでいく。
機はこちらでは腰機でしたが、高速の高機もこの後別の場所で見ました。
織りあがったテヌンの美しいこと!
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こちらは、茶綿。
綿自体が最初から茶色い天然色。
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同じ地域を少し回ってみると、
ちょっと立派な門構えの工房に行きあたる。
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お昼休みでたまたま戸がしまっていたようでしたが、
聞いてみるとすぐに中に通してもらえました。
職人たちがお昼寝しているそばをすすっと通り抜け、奥の染め場を真っ先に案内してくれたおかみさん。
藍のプールにたくさんの布が沈んでいるのを、ゴム手袋をささっとつけて持ち上げて見せてくれた。
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こちらはカユ・マホニー。赤茶色の染料。
その下は、茶綿の綿。普通の白い綿より小さい。
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テヌンの織り糸。上が普通の綿。下が茶綿。
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織りあがったテヌンにすべて天然染め、手描きで伝統柄のバティックを。
海に近いトゥバンは、その伝統から肩掛けにして物を(魚を?)運びやすいような幅と長さにテヌンを織っているらしい。(と、何かのサイトに書いてあった気がする。)
15年ほど前に訪れたトゥバンでは、キジンミリンという織り糸にバティックを施した紬のような細かく地味なタイプが多かったけれど、(たぶんそれがトゥバンのオリジナルなのだろうけれど)
今の染織の方が、生き生きとしたものが多い気がする。
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行ってみたい方は、こちらの写真をヒントにどうぞ。w
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沿道で綿つむぎをしていた。
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種を外すのが結構手間のようで、ここからまず織物までにどれだけの時間と手間がかかることか。
こうした作業が今も盛んにおこなわれていることに、嬉しくてテンションますます上がります。w
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別の工房にて。
若い女の子たちがチャンティンをやっているのも、嬉しい!

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このかわいいおかみさん、大好き!
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腰機でこの幅を織っているのがすごい。
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周辺は一面のトウモロコシ畑でした。
空が高い!
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布をめぐる旅先で出会うのはいつも女の人たち。
商売にしっかり者のおかみさんもいれば、シャイで口数の少ないおかみさんもいる。
しかし共通しているのは、出会うほとんど全部の女の人たちが布の魔法にかかっていることだ。
魔法ではなくて、DNAみたいなものかもしれないけれど、人種や宗教を問わず、お金持ちでも質素な家でも、
まっすぐでやさしい、大いなるお母さんを感じるのです。

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2017年9月28日 (木)

Tubanへ・その1

もうじき10月になる。

ってことは、もうバリに戻って早4か月!

いつも「まめ日記」をチェックしてくださっている皆さま、ほんとうにごめんなさい。

スケジュール帳に毎週のように「ブログ更新」のメモ書きがあるのに対し、

これまで更新できなかったのって、何だったのか。我ながら驚く9月の末。(+_+)

6月から先、前代未聞の来客多数。(ありがとうございます。)

そして、ジャワへ2回行きました。(冒険でした。)

絹糸の糸紡ぎをお手伝いしました。(経験しました。)

スタッフの子供が2回入院しました。(慌てました。)

コンサートで合唱しました。(w)

ハハ来ました。(これまた6年ぶりにw)

その他は日常のあれこれに尽きるのですが、こんなに長いブランクになってしまって、時の流れはますます加速しているようにしか思えない!(思い過ごしでしょうけれどもw)

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気を取り直し、

まずはジャワの旅、書いていきます。

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まだ夏の日のこと、7月下旬。

10年ぶりにスラバヤ拠点の織物産地、トゥバンへ行きました。

インドの布おろか、最近は日本からの布さえも税関での手続きにひんぱんに呼び出されるようになってきて、考えました。

トゥバンにはカパスと呼ばれる綿を栽培し手紡ぎしている村があることを思い出し、ネットで検索を繰り返すも、あまり具体的な情報はない。

そんな折、夏休みが終わりかけた息子が、「友達みんなヨーロッパとかオーストラリアとか行ってるみたいだけどオレだけどこも行ってない」、って。

ヨーロッパもオーストラリアも無理だけど、ジャワとかどう?

うん、どこでもいいよ。

素直な息子。(笑)

ということで、情報があいまいなまま、3日後の飛行機を予約。

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フライトは1時間。

きれいな上空からの景色にワクワクするも、

スラバヤからトゥバンへの110キロほどの陸路はなかなか!!

バスターミナルから乗った長距離バスは10年前とぜーんぜん変わらず、ほらほら、

物売りがどしどし入ってくる。

ドリンク、果物とかピーナッツ、揚げ豆腐はじめ、電光キラキラのおもちゃやら文房具セット、靴下、帽子、櫛セット。

まぁ、気持ちは分かるがポーションがね。

大きすぎる!

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そんなにたくさん買う人いるんですかね、と不思議に思っていたら

やはり誰も買う人はいなかったりする不思議!!

それなのに、平然と真面目にやっている物売りスタッフさんたちも不思議~~

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旅のお供はカラオケビデオ、それもすんごく古いインドネシア歌謡曲w

(あぁ、もう、早速バリでは体験できないことだらけ、息子にとっては大変社会勉強になっているはず!)

家を朝7時に出発し、夕方に着きました。トゥバンの街!

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ホテルの部屋に早速ひきこもる同行人を残し、日没まで散歩なのだ。

久しぶりのジャワの地方都市、

当たり前のようにこだまする大音量のコーラン、アザーン(サラート?)。

ジャワ島は多くがイスラム教。

宮殿のような立派なモスクは、観光名所でも何でもない、町の中央でひたすら祈りの場所として成り立っている。

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モスクの近くにあったナイトマーケットに迷い込み。

運よく、おいしい、ベジタリアンメニューにありつきました。

ナシ・ペチェル。

ご飯の上にさまざまな茹で野菜、豆腐、テンペなどを乗せ、ピーナッツソースをかけて。

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わー、これで飲み物入れて100円よ!
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ジャワの物価は、まだまだ安い。
そのことよりも、
すごく遠くまで来た気がするのに、言葉が通じいつものお金(ルピア)がそのまま使えることに、私はワクワク、嬉しくなる。

文化や宗教が異なりつつも、ひとまとまりの秩序を持つ
アーキペラゴ、群島国家、インドネシア。

今ここで、いろいろあって、この国の広さと深さを大冒険。かも。
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