やっと行きました、常滑!
柚木ミサトさんとのまめたび、日本じゃなかなかお見掛けしない
ちっこいジムニーに乗っけてもらって
電車とバスだけじゃなかなか回れないところを案内してもらっています。
久しぶりにソーカイ・ユカイな珍道中。
バックパック旅時代が懐かしい(笑)。
土岐市で小兵窯を見せていただいたあと
最後は、岐阜から高速に乗って2時間弱(普通の車なら1時間ちょっと?)、
伊勢志摩サミットでかまびすしかったセントレア空港方面へまっしぐら。
はい、それって、常滑です。
どうしてこれまで機会が生まれなかったのか。
「苗族刺繍博物館」、やっとお訪ねしました。
そもそも、3月に一度トライするも土日お休みにて仕切り直しだったのです。
服がハンガーにかけられていますが、もちろん売り物ではありません。
旧家の天井下にしつらえられた博物館です。
どれからどう見たらいいものやら、迷っていると
棚に積まれていた一山を、主宰者の佐藤瑞代さんが「これなんかどうかしら?」、って
窓際の小さな机にどさっと。
パッパとルーペも用意してくださる。
、というか、そういうナビでもなければこの宝庫を数時間で見るのはムリっ!
ルーペを覗き込んだ瞬間から、えらいこっちゃ、
分かったつもりでいた少数民族の刺繍の奥深さにドーンとのめり込み。これまで何も分かっていなかったことを思い知りました。
やばーい!
なんじゃ、この細かさ加減は!
こちらはミリ単位の物差しを置いてルーペで見ているところを撮ってみました。
ちなみに10の目盛りのところまでで1センチですのよ。
下は一見ブレードのように見える部分。
布を折ってプリーツにしたりステッチしたり。ナンちゅう細かさ!
ほかにも写真撮りましたが残念ながらネットエラーばかり、UP出来ませぬ。
直接見に来てください、って事ですね?
とにかく、このレベル。
ルーペ越しじゃないと理解できないくらい細かい手仕事。
しかも、みっちり埋め尽くされている。
この価値観が里山の少数民族に宿るという不思議。
技法も地域ごとに多岐に渡り
ひたすら酔いしれます。
佐藤さんによるとこうした細かい仕事は早くて6歳くらいからはじめ、せいぜい
20歳くらいまで。そこから先はここまでの細部を見るには視力が追い付かないらしい。
20歳くらいまで。そこから先はここまでの細部を見るには視力が追い付かないらしい。
20年前前後に集めたこれらの刺繍、今ではほとんど作られなくなっているそうです。
その急速な変化にもう一度息をのむ。
今じゃ、里山でもスマホの時代かな、って。だとしても、この精緻な手仕事からいきなりTシャツでスマホってどうなんでしょう。
こちらは、小さな布端を四つ折りしたものを重ねて重ねて縫い付けたもの。
三角が基調なのは、四角の角を斜めに重ねているからです。
余白と言っては何ですが、フレンチナッツステッチがお魚の赤い口の先に花火のようにはじけている。この発想は深い。
ネットが切れ切れ、写真がなかなか思うように入りませんので端折ります。
下は、太陽系&惑星または核の構造のようなパターンの一連です。
ネンネコにおんぶ布に、こうした模様を多用しているのはほぼ魔除け。
ネンネコにおんぶ布に、こうした模様を多用しているのはほぼ魔除け。
岩立さんのミュージアムで展示中のアジアの子供服を見せていただいた折り、キュレーターの廣田さんがアフガニスタンやトルクメニスタンの子供服について、「脇を縫わないのは脇の縫い目に邪気が入るから」、という説があるとの事。
脇はフラしで肩で着るような形です。
苗族の子供服にも似たようなものが多数。ともかく、共通するのは「邪悪なものからいのちを守る」ための様々な手仕事なのです。
ミクロのみならずマクロも見ごたえありあり。
図案の妙技もまた別の視点からいろいろ示唆があります。
これは曼荼羅というか宇宙ですね。
佐藤さんは半ば本気で苗族の人たちは宇宙人だとおっしゃっていましたが。
地べたに普通に暮らしていて、この図案ですから。
ネットの調子が回復したら写真を入れなおし再投稿します。
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