岐阜へ 5
この菊花模様の器は、ぎやまん陶というシリーズで、ディオール社も取り扱っているそう。ガラスのような漆のような光沢のある独特の釉薬を使っているそうです。
再び土岐市に移動して小兵窯という量産の陶磁器の窯元を柚木ミサトさんに案内して貰っております。
神社の御神酒などに使われる磁器から始まり、先代は徳利。三代目の現主人はまたも違うタイプのものづくり。日本の量産焼き物で多分いちばん忙しい窯元さんです。
工場はとてもきれいに整備されライン式に。
成形は下請け別会社から上がって来る。
先ずは素焼き。
巨大なオーブンが開き、扇風機で熱を払っている。
量産と言っても釉薬を塗るのは一つずつの手作業。
この作業と焼成はどれだけ効率化しても数に限りがあり、注文品は現在2カ月待ちなんだそうです。
流行でも景気のいい時代でもなくとも、日本の産地の中にはこんな忙しいところも中にはあるんですね。
小兵窯さんは問屋さんだけに頼らず、ユーザーである日本全国の主婦からの意見や提案をもとに、ぎやまん陶以外にもいくつかのシリーズを展開しているそうですが
どれも今のキッチンとダイニングに合いそうな手頃なもの。
ショールームは昔からの建物で歴史を感じます。
焼成は24時間フル稼動。
窯に入れ込み焼きあがると1割ほど縮むそう。
焼き物の世界の量産は、服作りと同じく手作業がいっぱいの世界。着る事も食べる事も、基本は手仕事であると分かりました。
経済効果ばかりを追っかけて100均が増え、いつの間にか物価も安いまま推移した日本。
物価の面ではインドネシアももうじき追いつくかも知れない域ですが、こうした独自の製造業がある限り世界の中ではまだずっとパワフルな存在だと思います。
頑張っていきましょう〜。
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