春カケ その4
某日。
久留米の一日。
前日の晩にネットで探し出した森山絣工房さんに朝イチで電話。
当日の訪問でもオッケーとの事で、
出掛けました。
たまたま幸いこんな直撃に快く対応して下さいましたが
今後行かれる方は余裕を持って予約をされて下さい。
福岡県広川町の静かな風景。
この辺りであの久留米絣は代々受け継がれていました。
久留米駅から、バスで30分くらい、アンド、徒歩10分。
森山さんのお母さんが草取りをしながら
私たちの到着を待っていて下さいました。
まずは絣織体験をさせて貰う。
三輪さんは織姫だからお茶の子さいさい。
私は今更ですが初体験。
絣は右手も左手も常にバランスが大事、って事だけはひとまず分かりました。(≧∇≦)
敷地内には水路が引かれています。
でも、今では水が澄んでいないとのことで
染色には井戸水が直接使われているようです。
藍甕がたくさん並ぶ染め場。
これほど藍甕が残る工房はこの地域には2箇所だけ、
その一つがこちらです。
森山哲浩さんが、糸染めを見せてくれました。
一回だとなかなか色が入らない。
30回から40回染めたものだと黒に近い色になり、
白い下着に重ね着しても色移りせずにずっと同じ色でいられるらしい。
織りとデザイン担当のお母さんによると、
夫婦喧嘩など家族の中で心乱れる事があると
絣の柄が乱れるので織れなくなる。
そういう時には、鼻歌でも歌いながらさっさと忘れて織りに没頭する。
そうしないと家業に影響がありますから、って。
だから家庭はいつも安定しているんですって。
素晴らしくないですか?
残念ながら、こちらでは他所からの注文は受けず
その代り100〜200年前から変わらない手仕事での染めと織をされているそう。
バスを乗り継ぎ、八女というところまで。
静かな商店街。
工芸品のような民家と商店の佇まいは
布のお膝元だけあって。
奥ゆかしい。
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