« 春マニス 2016 | トップページ | ペジェンの歴史巡り 2 »

2016年2月 5日 (金)

ペジェンの歴史巡り 1

バリスタジオがあり私が暮らしているペジェンという地域は

バリの神話と深いつながりがあります。

この場所に定住してからかれこれ10年弱。

直感で決めた借地はプタヌ川という清らかな渓流に面していて傾斜地です。

ここを整地することから始めメインの建物を建てて、何だかんだと住み始められるまでに1年あまり。

その後はこの川の音を聞きながら過ごしてきた10年弱ともいえるでしょう。

 

最近やっと少し余裕が出来て

この土地、ペジェンについて視野を広げ始めています。

 

ペジェンには「発掘された」遺跡が多く、その中には仏教の系統のものも多々あることが最近分かってきました。

あれ?

バリはアニミズムとヒンドゥのミックスだとばかり思っていました。

いつ頃どんなふうに仏教???

というわけで、そこに疑問を感じてしまった以上自分で動いて調べないと気が済まないんです。

あー、はじまっちゃいましたー!

なぜならば、日本のように歴史的物件や神話が整理されていない。

なかなかあっちの話しとこっちの話しが照合しない。

自分で動いて聞きまわる方がずっと早いのです。

 

1月最後の日曜日。

京都から来ているヨコベ夫妻を引っ張り込んで

遺跡巡りのツアーに出かけました。

、と言っても、本当に。その気になれば徒歩でも行ける場所ばかり。

 ペジェン文化に詳しいアパ情報センターのワヤンさんにガイドしてもらう。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

まずはワヤンさんのレコメンドでサムアン・ティガ寺院へ。

Img_0457
おお!

ここは確か20年くらい前に取材で来たことがあったかもしれない。

それにしても立派なお寺。

Img_0460
11世紀、バリの中でずっと途絶えなかった宗教観の争いを調停するため

この場所で当時の仏教の高僧とバリのアニミズム系の代表者とがはじめて顔を合わせたそうです。

チャンディ・ブンタル(割れ門)から先は聖域。
Img_0458
そしてバリ信仰の源流はどうもこの辺りにあることが垣間見える。

門の左手にある大きな木。

この木の下に祀られているのは豚、象などの偶像。

すごく大きなパワーがあるな、と思っていたら!
撮った写真にスペクタクルが映り込んでいました。

Img_0462
ウェルカム、ってことなんでしょうか?

この木の下に立つと勢い大きな風が吹いて、たくさんの木の葉が落ちてきました。

そうして間もなく稲妻と雷雲が近づいてくる。
境内中央にもすばらしい木が。

こちらの木の向こう側には川と泉があり、奥の院というか更なる聖域のような場所でした。
それにしても見事な木!

Img_0467

この木の傍らで子供の時から過ごしているという寺の守り主が言うに、
この木は昔からこのくらい大きかったらしい。
彼が60歳だとして、子供のころから今に至るまで「大きさ」に異変がないのは
この木がどれだけ昔から歴史を見おろしているか、ってことに至ります。

吸い込まれそうになる生命体。


Img_0469
その傍らには、何やらお願い事がいっぱいです(笑)。
左は田んぼ&山の象徴。
真ん中はお金。
右は海。

右と左でカジ取りしながら、真ん中はお金~。
そうか、バリがインドネシアの中で別格に土地バブルなのはこのお寺のせいか~(笑)。
それにしても、仏教ゆえのお寺なのに目に入るものはバリヒンドゥそのもの。
1000年あまりの時間が経ていますからね。
バリの歴史を紐解くと、
ヒンドゥが渡来して開祖したのが8世紀。
その後11世紀に王族が競い合うかのようにして建立してきたヘリテージ。
このサムアンティガ寺院も11世紀のものなので、
どうやらそのころにバリで主だった信仰の基軸が出来上がった模様。
その中には仏教のマイノリティもまばらながらお手伝いをしている、という感じなのでしょうか?
ペジェン地域に残る神話と遺跡、また続きます~~~。

|

« 春マニス 2016 | トップページ | ペジェンの歴史巡り 2 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 春マニス 2016 | トップページ | ペジェンの歴史巡り 2 »