アーメダバードは国際線の曜日が合わなかったことから、今回はデリーからの往復国内機で。
乾いた晴天の陸の上を飛ぶのだから、きっと揺れないだろうと思ったが、揺れましたね結構。
空港では「5番ベルトから荷物が出てきます」と表示されているのにずっと待ってても出てこない。おや、隣の4番ベルトにさっき機内で見た人が。……、ま、よくあることと言えば、よくあることですが。
4番ベルトで最後まで回っていたのは、私のカバンでした。
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翌日。
いつものがっつりインド朝ごはんを食べて。
まずはカディショップへ。
アーメダバードのカディショップ、大好き。
ぼろぼろの建物で、街の人たちにもあまり知られていないところだけど、カラフルなカディコットンがあるのです。
これをしこたま買い込んで、今夏から展開しているマニスの「カッチブラウス」を縫ってもらっている工房へ。
アーメダバードの下町の渋滞ぶりは本当にすごいけれど、デリーやジャイプールのようにイライラしていないのがすごい。
運転手さんに聞くと、「ストレス?感じないなぁ」って。これ、大事な秘訣ですね。
どのくらい昔からこの光景は変わらず続いているんだろう。
機械ではなく道具の世界。
その町並みにちらほら携帯ショップがほかと同じようなコマコマとしたたたずまいで割り込んではいるものの。
工房到着。
「行くよ」と言ってあったので、すっかりお昼ご飯まで用意して待っていてくれました。
打ち合わせが長引いているとまかないのおばさんが会議室にごはんを持って来てくれて(笑)、食堂に置いておくと誰かが食べちゃうから、とか、心配だから、とか。

こちらの工房では今回スラジさんのブロックプリントと、カラフルカディコットンでの次回の注文を。
ブロックプリントは1枚が5m、要尺3mのブラウスは1枚のブロックから1着しか取れない計算なので、裁断係りのおばさんと実際に生地を広げてマーキング。
結果、若干縫い代幅を狭めたり、ギャザーの分量を減らしたりしてほとんど切り落とすところがないようなギリギリの裁断になりそう、でも1枚から2着が取れるってことに。
夕方、打ち合わせ終了後に担当の女の子がオールドマーケットを案内してくれるというので、運転手さんにはさらに待ってていただいてトゥクトゥクに乗り込む。
トゥクトゥク、ってインドでも言うんだな、知らなかった。オートリキシャかと思っていた。
オールドマーケットは道幅が狭く車が入れないから、これで行くしかないのだと。
確かにすんごい大渋滞にはまり、マーケットの手前からは徒歩になりました。
バイクも進まないくらいだから人だっていろいろ跨いだり身をひるがえしたりしながらじゃないと(笑)目的の方向へはすすまないのよ、本当に。
そんな混雑の中にいったい何があるんだろう、と思ったら。

これまた梯子のような細い階段をよじ登って入るはブロックプリントの専門店。こんな迷路みたいな場所、自力じゃ二度とこれないけど、中にだって人がいっぱいでした。写真は、その人たちが掃けないと私たちが入れないから、順番を待ってやっと入って生地を選んだところ。
店内空間の半分は生地かもしれない密度。(写真は生地の山の上に身を反る様にして撮っております。)
インドって広いのに、狭いところは日本以上に狭いのです。
帰りのトゥクトゥクも、最高に危険で(笑)実際にごつごつといろいろぶつかりながら、すっかり夜になりさらににぎやかな通りを抜け出していくのでした。
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翌朝は5時出発。
日の出とともにデリーへ出発なのです。
デリーに着くと、あれ、お迎えが来ていない。
じゃ、ちょっとコーヒーでも買って一休み。
ところが30分しても来ないから、仕方なく電話を掛けると「あ!!!」って。
そういう可能性はもちろん考えたけれども。
……お迎えは、国際線出口でお待ちでした。
ゆるいな~~。そこがいいんだけども(笑)。
3年くらいまでは牛が町中に寝そべっていたんだし(笑)。
デリーで最後の買い込み、平日だから、やっと正気に戻って。はい。
そしてお昼を食べる時間と、ゆるりとウィンドーショッピングするくらいの時間は残り、
お昼はあのお気に入りの店にて、いつものタマネギをかじりながらコーラを飲みながら、ベジタリアンケバブを。
左の巻巻してあるものはまわりはポテトと小麦を練ったもの、中はコリアンダー(たぶん)とカシューナッツ、カッテージチーズ。
なかなかおもしろいケバブでしたな。
ウインドーショッピングは、日曜日に閉まっていたサントゥシティ・コンプレックス。
ここにはもうしばらく来ていませんでした。
あの素敵なお店はどこだっけ?
あ、あった!
TURSIというお店。皆さまご存知の、ニール・クマールさんというデザイナーさんの。
入ると、あ、やっぱりいたなぁ、すっごいコワイおばさん。
思いきり冷たい視線を浴びながら、その人の座っている目の前にあったキルトがすばらしくて、片っ端から広げていただく。
前に来たときは後ろ髪引かれながら結局何も買えないままだったこともあって、この日も見るだけのつもりが、いや、今回は買うぞ、って気が変わる。
去年のインド最終日もサプライズだったけれど、今回はここでしたか。
何を何枚買ったのかといいますと、ジャケット3枚、バッグ2個、カンタのストール、キルトのベッドカバー。これだけに絞り込むのもやっとでした。
そして最後が良かったのよ。
そのコワイおばさんがすっかり上機嫌になって「私今度バリへ行くわ!」って、笑顔で言ってくれちゃった。つい、iphoneをこっち向けてツーショット、って。すごいわ。天使のいたずらかも。、それくらいコワイおばさんなのよ、行ったことある人なら知っていますよね。
後。
いよいよ。梱包へ。
FEDEXの会社へ。
今回もまたおもしろかったですねぇ、FEDEX。
去年までのFEDEXとは違う会社でしたが、より一層。
「さぁ、どうぞ中へ。必要なものは全部ここにそろっております」といいつつ、私たちが到着してから男たち総出で段ボール箱を近所へ探しに出かける。
きっちゃない椅子を10回も20回も「どうぞお座りください」とすすめてくる。
待つこと45分、やっと段ボール箱が集まり、そこからのパッキングは10分(!!)。
そして「安心、確実、100%」を保証され、
その荷物は何と2週間近くたつ今日もまだ届かない。
データによれば15日に現地を出発、バリでの受け取りは22日だと。SALのようなFEDEXでしたね。
しかし5箱送ったのがデータには「3 of 5」とあり、これ、どういう意味ですか???
とにかく月曜日が楽しみ(こわい)です。
おかげさまで作品展へ出す服の生地は手持ちで来たシルクだけしか仕掛かっていないし、
ショップにも手持ちで来たスカーフが並んだだけ。
無事に届いたあかつきには、御社のパッキングの早業を動画でアップして差し上げますよ。
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あー、もう、ドキドキします。
あのキルトだって、あのプリントだって、全部ぜーーんぶ、あの中に。
作品展に生地が間に合いますよう、服をつくるだけの時間がありますように。
神様にお願いして。