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2012年3月10日 (土)

まめしんぶん ’12春 1

春がむくむくと顔を出し、いろいろな門出がそれぞれの時期を迎えています。

今年最初の作品展がもうすぐ。

クリスマスツリーがまだ飾られていた頃から、少しずつ作りためてきた春の服を、お届けします。

私は今回、子供の学校のスケジュールの関係から少し早目の来週火曜の帰国。

作品展の前に京都でのイベントにお伺いする予定です。

そういうわけで、少し早目ではありますが今春の服、ご紹介いたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・Photo_12

「SPRING SPRING」

このタイトル、一昔前な気がして迷いつつ、それでもやっぱり今はこの気分なのでした。

今回はあまり新しさを追わずに「いいな」と思えるものを目指しました。この時期は年間の中でも比較的素材のストックが多いので、どれから先に使おうかと迷える贅沢な時期でもあります。インドのもの、日本ですすめているリネン生地の企画。今回はそこにパレンバンのものも加わってバリエーションはなかなかのもの。

今回の会場は恵比寿。気持ちの良い新しいギャラリーでの新しい服、ぜひご覧ください。

写真は、カーネーション柄のロング・ジプシー。

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春プリントのシリーズから

配色的に似たもの同士を集めて春らしいパートを組みました。

ピンクや赤はありません。なぜだかブルー系多し。

Photo

「春気分のプリント」

Kirolのショールで。

デリーをはじめインド各都市にお店がある人気ブランドのショールをスクエアポンチョに。

Kirolの色使いは昔のシビラを思い出します。

タッサーシルクのそのままの色にダークカーキにコバルトブルーのレタープリント。

ショールとしては一見地味な配色ですが、ブルーの発色が際立っています。

偶然かもしれないけれど、すばらしいバランスです。

何て書いてあるのかは分かりませんが(!)、もしかしたら上下が逆かもしれない文字のモティーフ。

どこかでインド人に会ったら聞いてみてくださいね。

「春一番のブルーPhoto_2

こちらはpindotさんの輸入物。

フロム・アメリカです。

平和の象徴オリーブの木と見まがうモティーフとネイティブインディアン風のストライプ。

数年前に購入したもので、おそらくカーテンなどのインテリア用。

だからか、シンプルなギャザースカートにぴったりでした。

ヴィンテージ風の単純さがこのプリントの個性だと思います。

ウエストゴム入り、フリーサイズ。

Photo_3

小鳥のパンツ」

こちらはインドのスクリーン・プリント。

大雑把で濃淡のない柄が遠目に映えそうな、インテリア・クロス風。青みがかったグレーのベースに黄色の小鳥さんが楽しげです。

インドのプリント、本当にバリエーションが増えました。ブロックプリントだと時間がかかって間に合わない! という気持ちがちょっとだけ分かるような気もします。

しかしこの小鳥さんは、インド伝統の生命の木の小鳥さんであり(たぶん)、スクリーンといえどなかなかいい味出していますよ。

柄は3種類。

二重仕立てで裏面の柄もポイントに。

春は、楽しくいきましょう。

「カットワークのブラウス」Photo_4

バラナシを中心に織られている伝統布。

透ける布のブロケード織は裏糸をカットする行程が加わるのですね、きっと。それで、生地屋さんでは「カットワーク」と呼ばれている。

ふわふわ少し立体感のある織り柄は肌触りもやわらかく。

モスリン風の極薄に織り込まれる柄はシンプルなものが多く、配色もこんなペイルトーンが多いのです。

これはもう、今の気分です。

以前つくった取り外し襟付きのブラウスのパターンをマイナーチェンジ。

五分袖の丈長です。

「バリの水玉スクリーンプリント」Photo_9

HARUMANISシリーズでおなじみのドット柄。

今回はバティックではなく、スクリーンプリントです。インドのスクリーンもそうですが、手作業なのでやはりどこか不均一で素朴な仕上がり。

薄いブルーグレーの薄い生地なので、透けることもあり中にバリ手織りシャンブレー、二重仕立てのしっかりしたパンツに。

ちなみに、この形、インドパンツはバリショップでも一番人気があります。日本人の方はもちろん、欧米系の方からインドネシア人の方まで。

ウエスト紐の先端にはベネチアのガラスパーツを使いました。

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クロマー新作

今春のクロマーは「服のパターンに合わせて織る」という試みが(!)。裁断するときの配置をあらかじめ決め、服の左右の柄が対称になるようにするという難しいワザへの挑戦でした。

しかもクロマーは織った後に洗うと縮むので、最初の1着分を織った後に洗って縮率を調べ、それによって微調整をしながらほかを織り進めるというとても細かい配慮がありました。

こんなすばらしい企画ができるなんて。

クロマニョンの中村夏実さんと、カンボジアで現地管理をされている高木智子さんのおかげです。

「インドパンツ」 

こちらがその力作。Photo_7

写真では一見普通に見えるかもしれませんが、格子のピッチを大きくしたり小さくしたり、ランダムなパターンを左右対称にするには、通常ではたくさんの切り落としが出てしまうのです。

ぜひ試着して、動いてみてください。

中心のタック部分に細かい柄が入っていて、サイドにはアクセントに濃い縞が入っていることが分かります。

シンプルなパンツのなかにいろいろな格子が入っていることが分かります。

マニアックでしょ?

今回のクロマーではその他、ランダム格子の「ジプシーシャツ」や、新型のスリムなパンツをつくっています。

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新型の服たちPhoto_10

「 プル・シュミゼ」

欧米で“ペインタージャケット”と呼ばれるらしいギャザーがたくさん入った昔ながらの四角い服。

マニスでは「シュミゼ」と呼んでいて、前ボタンのコート風のを前からつくり続けてきました。

今回そのシュミゼと同じ雰囲気で、プルをつくりました。

後ろボタン開きですが、ネックが広いのでボタンを外さず脱ぎ着できます。

カディショップで見つけた細かいチェック柄は、薄くてしっかり。

これはインドでは定番のメンズ向けの生地。地味な配色が多いのだけど、ときどきピンク色もあったりするので悩ましい。ピンクもおじさんたちが着るのかな、って。

Photo_11

「ピンタックチュニック」

ピンタックを入れて服のシルエットをAラインにしたカンタン服。

ボタンが苦手な方にもおすすめの、ボタンなし服ですよ。

袖口&スリットに入ったひもをプルアップすると若干違った雰囲気に。

襟元のフリルもポイントに。

こちらも同上の生地にて。2色あります。

パンツにさらっと合わせやすいバランスも、おすすめですよ。

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まめしんぶん、続きます。

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