パレンバン 3 老舗のソンケット屋さん
3日目。
ネットのどこかで拾っていたRumah Limasという名のお店(ギャラリー?)を探す。
旧市街の外側で、Diponegoro通りにあるらしいことを、前日のソンケット店から聞いていました。ロンリープラネットには「町からは5キロ」とも書いてあり、矛盾してるなぁ、と混乱しながらもタクシー運転手がうまく見つけてくれました。
ちなみに、メータータクシーは町全体でまだ50台しかないそうで、午後3時ごろは電話もなかなか通じないのだけれど、良心的な運転手ばかりでとても助かりました。チャーターの白タクもいるようですが、私の場合、入った店が5分で済むか何時間もかかるかは入ってみないと分からないし(笑)。
そうなんです。こちらのお店に入ったら、すっかり時間を忘れてしまいました(笑)。
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お店のしつらえも落ち着いていい感じ。
置いてあるものも、前の日見てきた旧市街のたくさんのお店とはかなり違うのです。
シルクイカットと組み合わせたソンケット、きれいでした~。
ソンケットは、折り畳んで保管しません。
芯に巻いて立ててケースの中にあります。
これは他のお店でも同じです。そして購入するともらえるのか、買い足すのか、金色の塗料で塗られた木彫りの細長い箱に入れてお持ち帰り。
箱の写真があいにくありませんが、洗練されたみやびな文化だなぁ、と。
バリのショップで置こうかな、と、イカットだけのスレンダンとサロンのセットを何枚か購入。あ、写真になぜか、マニスの水玉が……。
パレンバンではコットンのイカットは見ませんでした。皆、シルクで柄もバリやインドネシア東部、ヌサテンガラのものとは大分違って、どちらかというとタイやカンボジアのマットミーシルクのような印象のものが多かったです。
ここは、同じインドネシア国内でもバリの私にとっては異国の印象。
おもしろい発見です。
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バティックもこちらにはたくさんありました。
しかも。
いまどき珍しい手描きばかり。今やプリントがほとんどか、ろうを使っていてもチャップが席捲している世の中で。……だったのですが、カインパンジャンやサロンはなく皆お仕立てシャツ用の仕切り線が入っているものでした。だから、残っていたというべきか。
上の写真は総手描きの古いものです。左のは今のビンハウスに通じるものが。 新しいものの方も色や柄はとてもおしゃれです。
わたしがバティックに反応を示したせいか、いかにもマダムと呼ばれていそうな上品なおかみさんが出てきました。きれいにお化粧してデザインのいい指輪をはめて。
このマダム、奥からいろいろな古いものを持って出してきて見せてくれました。
どれも写真集で見たことがあるパレンバン・スタイル。
古いものはもう残ってないと思っていたので、本物を見られて感激です。
印象は、やはり色のセンスがとても洗練されているということ。深みのある強い色や、一見地味なピンクでもこっくりといい落ち着きがあります。
ギザギザ柄はやはり多い。
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しつらえた棚に畳まれているのは、左側がイカットやジュンプタンと呼ばれる絞り染めの一連。右がソンケット。
その間が奥の居間へつながる通路になっていました。
古き良きパレンバン・スタイルを見ていると、ブキティンギで見た舟形住居やパダン文化との違いがはっきりと分かる。
ジュンプタンは綿のものとシルクのがありますが、綿のものの方がパレンバン風を感じました。
別の部屋に、たくさんの在庫があって。
私、これ、買いましたよ、ジュンプタン。
どんな布なのかは、マニス服になるまでのお楽しみですよ!
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さて。
何時間も待たされたのはうちの子供。
だってもう午後3時でした。ごめん、ごめん。
お店の人が、ベチャを呼びましょうか? と、ナイスな提案。
わ~~い! すっかりご機嫌です。
近くの通りへ出てご飯が食べれそうなお店の前で止まってもらいました。
店の前で何やら焼いている。
あ、そっか。
これがあのラクサに入っていたもの。
魚のすり身、いわゆる、パレンバンのかまぼこ。
メニューも何もないお店に入って、店の人に色々聞いてオーダーしました。
ペンペックとかいうかまぼこ、いろいろ取り混ぜて出してくれました。
焼いたの、揚げたの、茹でたの(蒸してるのかも)。それぞれ中にゆで卵が入っていたり豆腐が挟まっていたり芸があります(笑)。
もち米と混ぜたようなモチモチのは、茹で(蒸し)てあって韓国のトッポギみたいな食感。
タレは2種類どちらも辛いので素のままで。
お腹が空いていたけれど、このおでんみたいな食べ物はかなりボリュームがあって、食べきれませんでした。
下のは、ジャワでいうところのバクソですね。これ、スマトラではナント、MODELというの(あ、もしかしたら聞き間違えもあるかも)。
ね、バクソでしょ、これ。
でも味の素じゃないし冷凍じゃないゾ。うれしい地元の味。
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私たち、この後、とある骨董屋さんへ行ってみたのですが、すっごく狭いところだったので説明にふさわしい写真がありませんでした。
どんなところかといいますと、家具屋さんなのです。どう見ても。
でも、あちこちで聞いてきた噂を照合するに、そこなのです。
で、聞いてみました。そしたら、職人さんがワッショイつくりかけの家具をどかして、壁際にある古いタンスの中がその骨董でした。
パレンバンにチャレンジされる方、ぜひ行ってみてくださいね。ちなみに、マスクと懐中電灯を持参されることをおすすめします(笑)。
驚きます。
宝石店の二階のアンティーク店を思い出しちゃうなぁ。デリーの。
そして、ここで、値段も安く使い込まれたいい感じの金糸のソンケット、ひとつだけ買いました。
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最終日。
この日はノボテルに滞在していました。チェックアウトまでプールでざぶーん、ざぶーん、やって喜んでもらって、お昼は向かい(といっても歩道橋を渡る必要があり結構歩く)の魚料理。
シーフードと書いてあるが、グラミと呼ばれる川魚。あの川で捕れるものだな、さては。
そして出てきたグラミはフォークが突き刺さってお茶目でばっちりな。
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おまけです。
○○へ行きたい、というと誰もが茶色い車に乗ればいいよ、って。
結局乗りませんでしたが、ミュージックガンガンなイケイケな車でした。
庶民の足は、これらしい。
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参考までに、スマトラ島は東西南北に4つの文化があるそうです。
西のメダンはアチェ族、バタック族。東のパレンバンはマレー族。北(?)のランプンはランプン族。南のパダンはミナンカバウ族。……なのですって。そっか、パレンバンはマレー派なのでした。ナットクです。
パレンバンのお話、これまで。
お読みくださり、ありがとうございました!
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