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2011年4月13日 (水)

toko manisちょっぴりたっぷり

あれから1ヶ月しかたたないのになんて長いのでしょう。

なんと今になって地震が毎日のように起きていますね。

桜便りも伝わってきて、こんなふうに不安な中でも桜はちゃんといつものようにしっかりと咲くのだなぁ、なんて思って励まされています。

私は帰国まであと4日です。

さてきょうは、来週末に開催する予定のtoko manis specialについてご紹介します。

あぁ、楽しみですtoko manis!

今回は京都のギャラリー「啓」さん、ラオスで布作りをされている谷由起子さん、アンティークのアンタイディーさんほかにご参加をいただけることに。

マニスでは基本的に古いもの(アンティーク布)にはあまりはさみを入れないことにしているので、これまでアンティークを取り上げたことがなかったのですが、昨年“布茶”さんこと浅井さんと京都へ行ったときにご紹介いただいたGallery啓さんの布に出会ったことがちょっとしたきっかけになりました。

啓さんのコレクションはBOROと呼ばれる。日本の庶民生活のなかで使われてきた布は、もともと自生する麻や綿をつかい天然染めされたものばかり。集められた空間はとてもパワフルで新鮮で。野良着としてさんざんぼろになるまで繰り返しリフォームされてきた布ってなんて迫力があるのだろう。啓さんはその中に込められた創意工夫あふれる当時の仕事をルーペでのぞき込みながら教えてくれました。しかも、啓さんってとってもチャーミング(伊藤まさこさんの本デでも紹介されています!)。この方を通してこの布を見たからすべてがインパクトにつながったなぁ、って。

そしてその後インドで古いブレードに出会ってはまってしまったことから、今私の中にはアンティークの風がかなり吹いてしまっています。

バティックやイカットの古いのはもちろん切らないけど、庶民生活の布はすでに使われてきたものを解体して部分ごとに売られていたりすることも、私にはよい取っかかりになりました。

前置き長すぎ…。

とにかく、マニスのお客様にもぜひご紹介したなぁと思った次第です。

それでは。

以下。

啓さんの布

啓さんからは、ご紹介のメールが届きましたのでほぼ原文のまま入れます。Photo

「日本で『麻』と言われているものは、縄文時代からある大麻や苧麻のことです。リネンはもともと日本にはなく明治時代に外国から入ってきました。右の写真は大麻と苧麻の着物を解いたものです。大体は明治から昭和初期頃のものです。糸の太い紺色のものは東北地方のもの。ごく細い糸のものは越後上布か近江上布です。大麻や苧麻は草なので、糸に出来るまでの工程はとても大変なものでした。一本ずつ裂いて繋げていかなければなりません。この作業を『積む』といいます。」


「下の写真は明治から昭和初期の布団地です。木綿が日本に普及したのは江戸後期です。柔らかくて暖かい木綿は急速に広がりました。これらは農村部の女の人たちが綿を栽培して手紡ぎで糸にして織り上げたものです。」Photo_2

「いつも思うのですが、アートディレクターやデザイナーが存在しなかったはずなのに、なぜこのようにセンスのいい布が織り上がるのか?」

「上の写真の麻の反物も同じですがそれらは情報やデザインの知識など無く、自然や日常の現象をヒントに日々の生活の中から生まれたものです。」

「日本の庶民生活の中ではぐくまれた染織のすばらしさを知っていただきたいです。」

プラスチックや家電がまだ普及してなかった頃の暮らしって、そうと狙っていないのにまことに美しくバランスが取れていたのですね。その布の断片ひとつでも独特の深さが感じられてすごいです。啓さん、楽しみにしています!

谷さんの布

谷さんの布は皆さんご存じのとおりアンティークではありません。2

でも、啓さんの布を見ていると谷さんの布が思い浮かびます。ラオスでは私たちにはすでに遠く昔の事となってしまっている「美しき暮らし」が続けられ今も変わらず作られているものだから「似ている」と思うのかもしれませんね。

谷さんからもご挨拶が届きました。

Rimg0533拝見したら、今思って書いたこと、谷さんも同じ思いでいらっしゃるみたいで嬉しいです。

「H.P.Eの布は 現在 日々作っている布です。新しい布です。

でも 布の出来上がるまでの過程は 古代的です。

綿も絹も素材を作るところから皆ができる 少し時代を遡れば 世界中で普通に営まれていた自家製の布作りです。

例えば 藍染めには 石灰が必要ですが、石灰になる石を山で探し 運び 窯をつくり 石を焼いて 石灰を作ります。

絹の糸を吐く蚕も 卵作りから始まります。

自家製の布作りであれば 卵から育てるのは当たり前のことですが 日本では自由に蚕の卵を作ることは法律で禁止されていることを 最近耳にしました。

自然の恵みから 人が 知恵を絞り 身体と手を使って 生み出した布。

ラオスの村人の手仕事の力強さを 感じていただければ 幸いです」

谷さんからは布小物を中心に出品いただく予定です。

アンタイディーさんの布とバッグ

Rimg0138アンタイディーさんは福岡のアンティーク屋さんですが、2002年に表参道にもお店を出され、昨年はそれが西荻へ移転。表参道のときはラスチカスの手前のマンションの中にあって、けろちゃんに教わって伺いました。

その時買ったウエストポーチ、今も冬になれば毎日つかっています。

一見ヨーロッパの生活雑貨のお店という印象があるのですが、はい、やはり、私たちマニスが気になるだけあって、布がすごいのです。ヨーロッパなすてきな雑貨の中に混ざって「タイの少数民族の布やチェンマイ産のヘンプを扱っていらっしゃる。買い付けはそういうわけでヨーロッパだけではなくアジアでもされているのです。

Rimg0139ね、いいでしょ。

今回はアンタイディー東京の店主柏原さんにお願いしてバッグと布をお借りします。

サイトを拝見すると、バッグは「オランダの民族衣装のスカート生地」、「タイの少数民族の刺繍パーツ」や「タイのヘンプの織物」、「アフリカのヨルバ族の布地」、「パキスタンのキルト」、「日本の帯地」などなどとてもノマド! ちなみに私のウエストポーチは軍モノの毛布です。こんなふうに自在に布を取り入れながら1点1点バッグを作っているアンタイディーさんには要注目なのです。http://untidy.main.jp/

どんなバッグが届くのか楽しみですね!

ちなみに柏原さんは現在オランダ買い付け旅行中。ブログもおすすめです。http://muntkidy.exblog.jp

寝間着も来ます

このほか、フランスを中心に1920~40年代手織のリネンでつくられた寝間着を手配中。

実はこれを出展いただける方をずいぶん探したのですが国内では見つからず、現在空を飛んでいる(!)最中です。

手縫いだったり、手刺繍だったりする1点ずつ異なる寝間着は、当時嫁入り道具として各家庭でつくって持たされたもの。それがのみの市などに流れてきてしばし私たちにも購入できるチャンスがありましたが、最近はかなり入手が難しくなっているそうで今回はドイツ在住の方が協力してくださって送っていただけることになりました。

はい。

もう、とっても楽しみです。

toko manisは中目黒の会場で22金、23土の2日間のみの開催です!

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