インドふたたび 3
今回もなが~いインドのご報告です。
きょうで最終回。もう月末。駆け足の10月。
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6日目。
デリーは実はまだ1日しか見ていないのです。最後の2日でまたずらっと回りたいところがいっぱい。後半デリーはともこさんはアーユルヴェーダのスパと博物館へ行くことになっていたのにも関わらず、結局最後まで私の強行スケジュールにお付き合いいただきました。
6日目の午前中はチャンドニーチョークへ。何度来てもパターンが見つからない、オールドでリーの迷宮、問屋街です。今回もまた以前と違った場所を拠点にリキシャに乗り換え侵入。しかしコモンウェルズのセキュリティ強化のため主だった入り口がほとんど塞がれていて大きく迂回して。
リキシャのおじちゃん(きっと我々よりも年下だろう)は、リキシャにしちゃきれいなピンクのワイシャツにジーンズ。途中で携帯が鳴ってしゃべりながら……、という辺りは、バリでチャナンをこしらえながらおばちゃんがHPでしゃべってるのとほぼ同じ光景の、ほのぼのした時代の移ろいを感じます。
マイカーだって結構おしゃれ!
「生地とボタンとシルバーパーツを見たい」と告げると、まず連れて行かれたのが、小奇麗ないかにもコミッションで成り立っていそうなシルバー&ジュエリー店。値段ももちろん高かったけど、その割りに、面白い料金交渉。
「1個○○ルピー」「じゃ、○○ルピーにして」「いや、○○ルピーまでしか下げられない。シルバーの相場はぐっと高くなっている」「じゃ、いりません」、と帰ろうとすると、「ちょっと待った」
「何ですか?」「グラムで計算する」と、金持ちそうなその店員(店主か?)は料理用の小さいグラム計を持ってきて量り、「全部で○○ルピー」という。○○ルピーは、私が提示した値段よりずーっと安いのでした。「ま、それなら買うよ」、と、結局買う。思うに、たぶん彼は何かを間違えて私に公平な価格をばらしちゃんたんじゃないだろうか。「ちょっと黙り込んで、「それでOK」みたいな言い方だったし。
リキシャのおじちゃんはその後、何だか最初の言い値よりずいぶん高いことを言い出すので、それじゃ、もう帰ろう、と。 ともこさんがその辺上手で、きっぱり最初の言い値を払ってさっさと解消。旅友の存在は大きいな。
チャンドニーチョークは相変わらず読めない場所です。でも、ここのみっちりした風情はインドの縮図のようにも思え、そうして、また次回も来たいなー、とどこかで思っちゃう不思議な場所でもあります。
ピンクのファサードは、ジュエリー屋の界隈。きっと観光客の多くがここに連れ込まれるようになっているんだろうな。でも、裏道のひっそりかわいいエリアなんです。
下町チャンドニーチョークを後にして、今度はデリーのおへそ、コンノートプレイスへ。
あの、煤けた時代がかった、サークル状の集合建築(?)が、何とぴっかぴか。
運転手さんが、コモンウェルズのために塗り替えた、と教えてくれる。それにしたって、笑っちゃうくらいきれいですよ。
写真の手前が真っ白で奥の方(左側)がまだ煤けた以前のまま、というのが分かるでしょうか? 奥のほうは塗るのが間に合わなかったか、予算がオーバーだったか、どちらかと推測。でも、これでビフォー&アフターの比較がばっちりよ。お疲れ様でした!
コモンウェルズをちゃんと知らないままだけど、その効果はしっかりと目に焼き付けておきましょう。
さて、実はここまでですでに10店はまわっています。いい加減にお昼かな。
コンノートプレイスの近くにある「時間帯によっては行列のできるレストラン」とガイドブックにあるレストランへ行ってみると、本当に行列でした。南インド料理の専門店。20分待ち、と言われたけど、二人だったせいかわりとすぐ入れちゃう。
ナシチャンプルみたいな定食みたいなお盆のものを、ここでまた注文。写真がちょいとピンボケですみません。
南インドのごはんは、サンバルというトマトソースの辛くないスープみたいなものがおいしいのです。バリでサンバルというと「辛さトッピング用のチリソース」だけど、インドでは「全然辛くないトマトスープ」。覚えておかないと!
「行列」がなるほど、と思えるくらいおいしく。しかも安かった。
その後も、私たち生地屋さん三昧にて、しかも、最後はとあるブレード屋さんに私がはまってしまい、この日は何と終了9時近く。
サリーの生地耳にこってりした織り模様や刺繍がしてあるのの、古いものを売っているお店で、奥深くマニヤック。
すっごく高かったけど、買っちゃいましたよ。本当はもっと買いたかったなー、とひとりごと。
ともこさん、お付き合いありがとう。
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7日目。
インド最終日。なのに、これまた最後まで生地屋さん巡り。
我ながら回を重ねるたび、少しずつ掘り下げていく感があって、今回は祭日もアーユルヴェーダも博物館もお城もナシで、みっしり生地屋さん。生地がこんなにも好きだったなんて、と、自分でも驚くほど見飽きなかった。何かをはしょるでもなく、何かを諦めるでもなく、しっかりとインドという襞の内側へ少しずつ入り込んで行っているような、気がします。
タイ、ラオス、カンボジア、台湾。これまでずいぶん行ったけど、このところのインド詣は、自分の変化でもあるし、インドがどんどん変化してきて見放せない感じもあり、手仕事と布が健全で活気があって、まだまだ見たことのないものが向こう側にたくさんありそうで、また行きたい、すぐにでも! これって、数年前の「2泊4日でさっさと帰る」とは間逆です。
夕方、国際宅急便の梱包に行き、その後は空港へゴー。
バイバイ、インドの空港にはカプチーノが飲めるスタバ式カフェ。なぜか、これもきっかり100ルピー残っていたのをこのカプチーノにきっかり払う。昔は空港内でごはんを食べるところもなくて泣かされたのに、もはや何の心配も要りませんねー。涙!
待合ゲート内には私、個人的にかなり崇拝しているガンジーさんが。その前には、実は、糸車がありました。写真で切れてしまいましたが、これはカディの伝統を生んだのと同様に、ガンジーさんが今のインドの自由を勝ち取ったシンボルでもあるんです。
糸ですよ、糸。最後まで! 何と因果なことでしょう。
ありがとう、インドさん。ナマステ。