京都へ
今回の京都は布とお茶の旅人、浅井恵子さんがご案内くださいました。
名古屋を出た我々は早速京都の平安神宮の近くにあるギャラリー唯さんへ。唯さんはマニス展を年に2回開催してくださっているお店ですが、今回初めてお伺いしました。昨年オーナーの宇田さんがバリへ遊びに来て下さったこともあって、京都での再開、楽しみにしていました。
私たちの宿は宇田さんが経営していらっしゃる「小宿・しら川」というところ。あいにくの雨でしたが、唯さんから徒歩数分の川のほとりを歩いてお宿へご案内いただきました。
荷物を置いて早速行動。
まずは通称BOROと呼ばれるらしい日本の庶民的なアンティーク布を扱っていらっしゃる「ギャラリー啓」さんへ。今年の5月につのぶくろと呼ばれる農民が主に使っていたらしい布袋の企画展をされたそうで、そのつのぶくろを早速見せていただきました。
手前の紙はそのときのフライヤー、フライヤーが乗っているのがつのぶくろです。着尺幅の布を斜めに接ぐことによって結びやすくなり、中のものが大きくなっても長くなっても伸び縮みするので使いやすかったのではないかと思う、と啓さん(奥)。
マニス服もご愛用いただいているそうです。嬉しいです!
このつのぶくろと下にある大きめのギンガムのような格子の布がとっても気になりました! BOROというタイトルの本(小出由紀子さんと都築響一さんの)もあって興味津々。でも、こうした日本の田舎の古布は今は欧米の若者のあいだでファンがいるそうです。日本の我々(若くないけど)ももっと注目したいところです。
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啓さんで布について尽きることのないお話を聞いてから、浅井さんのお茶仲間でもあるお料理屋さん「長竹」さんへ。
こちらは一見居酒屋さんなのですが、中国茶を茶芸の器で頂くことができる上、お抹茶をつかった甘味がいろいろあって、お客さんもそれぞれ。我々はおばんざいにビールと日本酒でしたが、甘味だけのお客さんもいれば中国茶と甘味の方々もいて、さすが京都。ずっと前イシスの加奈さんが「京都の人はお茶にうるさいからうちでは特別なコーヒーを出すことにしているの」、とおっしゃっていたことが思い出されます。
長竹さんは中国茶芸用に使いやすい器をご自分で注文して作られたり、いろいろこだわりがあるせいか、お店は地元の人でいっぱいでした。私がいただいた日本酒でも、器はこんなふうに出されて「ええの選んで」、と。
おばんざいは加茂なす焼き味噌だれがおしかった! すっごく大きくてとろとろしたナスにびっくりでした。はももおいしかったです。
しかし浅井さん、よくこんなに細長い通りにたくさんひしめいているお店で迷いませんねー。知らなかった京都の一面を見せていただけて楽しかったです。
翌日は朝から苧麻などの伝統的な麻布をつくっていらっしゃる宇治の「青土」さんへ。
現在では中国湖南省で独自の工房を持たれて制作されているそうです。
マニスでは7、8年ほど前に近江上布の生地屋さんにやはり苧麻の生地をお願いしたことがありますが、こんなにいろいろな種類の麻でいろいろな織り方のものを見るのは初めてでした。 青土さんは中国以外にもフィリピンでピーニャと呼ばれるパイナップル繊維の織物をつくっていらして、オーガンジーのような半透明のとても美しい織物。
麻の種類の繊維は自然の中のいろいろな植物から取れますが、綿に比べて糸になるまでの過程がとても重労働のようです。植物を灰で煮て、川面に晒して、更に発酵させたり足踏みでやわらかくしたり。そうして選りすぐられた糸だから、光沢があったり強かったりして生活の中で絶えず使われてきたのでしょう。手作業の麻布は、存在感が違います。
2階のショールームに並んでいた伝統的な機。左が韓国のもの、中央が日本、右が中国のものと伺いました。
お昼は奥さんの薫さんがつくってくださったちらしずし。おいしくておかわりして食べちゃいました。薄味でさっぱりしたお吸い物も京都風かな?
青土さん、いろいろお話を伺うことができて勉強になりました!
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この後、もう一回京都のご報告をする予定です。お楽しみに!
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