まめしんぶん09冬ー2
≪西ベンガルのクロゼット≫
夏には毎年お世話になる西ベンガル産の布地たち。主にごく薄コットンのサリーをつかっていますが、今回はその他の西ベンガルものです。
上の写真はカンタワーク。カンタは刺し子のような全面刺しゅうが基本。このライフツリーもタッサーシルクに刺しゅうだけで描かれています。1枚のショールが連続した一服の絵のように見えるため裁断せずに四角いまま縁取りに綺麗な色を。インテリアにもいいと思いますが、やはりタッサーシルクの軽やかさが個性。巻いたり羽織ったりして、ぜひ身につけて歩いていただきたいなと思います。
下の写真は西ベンガルの縫い取り織。ごく薄コットンに金糸(ラメ糸)を刺しゅうのように織り込む技法。やはりサリーなので部分によって柄のパターンが異なります。コットンは糊でハリを出していると思われるので洗わずにつかっています。
インドローブと呼んでいるAラインのローブ、なかなかいい雰囲気で仕上がりました。2点のみ。
町の生地屋さんに売られている系。
色も配色も不揃いで悩ましい。おそらく手作業のスクリーンプリント、あちこち版ズレしてて、きちんとしてないところに何だかほっとしたりりする。ブロックプリントの名残かどこか木版調のお花たちがいい感じなのです。
写真のお花さんはリネンの服との相性ハナマル、布の上で元気いっぱい咲いています。
ヒマーチャルプラデーシュ州のホームスパンのヤクウールも入荷しました。ヒマーチャル州(実際にはウットランチャル州)のものは昨年チベッタンウールのインディゴ染の杉綾やツイードを使いましたが、ヤクウールもなかなか素晴らしい。
本物のヤクの毛って実はほとんど流通していないそうです。理由は標高6000mのヒマラヤの高地だけに住むヤクはとても希少だから、とのこと。厳しい自然条件の中で育つ動物の毛なので、とても暖かいといわれています。
ヤク織物の多くは手織で、縦糸はウール、横糸がホームスパンヤクです。
上のジャケットはイカット風に色が変わっている糸をランダムに織り込んだもの。シマシマの入り方がヴィンテージっぽくて面白い。同じ生地でショートパンツもつくりましたがシマシマボトムの方は11月にsold outのようです。
下のトップスは1パーツでできている平行四辺形でストールのようなかたちの服。メンズ用の大判ショール1枚からちょうど2着取れました。それこそはめ込みパズルのようにぴったし。袖のみウールの天竺です。6枚中2枚が横糸ヤク100%の豪華版です。
以上、今回のレコメンドでした。
もちろん、本当はもっといろいろあります。
是非直接見ていただきたいので、さわりはここまで~。
アグンおばちゃんがベッド大の大判クロスと格闘中。これは色々な呼び方があるようだけど私は個人的に「ウエルカムクロス」と呼んでいるもの。西ベンガルなどで各家庭の入り口に吉祥の意味を込めて掛けられていたタピスリーです。今でもその習慣があるのかどうか、
ともあれ、アンティーク商人から譲り受けたこのウェルカムクロスは、古いものを壊して綺麗に残っている部分だけをパッチワーク状につないである。ベッド大のものやらバスタオル大のものやら、使いやすく飾り易いものにリメイクされているというわけです。
しかし、そのツギハギ作業が雑。それでマニス手縫い部がこうしてつなぎ目を補修したり刺しゅうの壊れたところをカバーしたりと手を加えています。
色といい模様といい、見ているだけでハッピーなクロスはこれはもう裁断などまったく……。四角いままの典型です。
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明日、これらの服たちを背負って(?)出発しますよー。
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