インド4 サンガネールとアノキ
ジャイプールから30分ほど郊外にある新興住宅地のようなところの一角に、迷路のような車もほとんど入れない細い路地の旧市街があります。ブロックプリントで知られるサンガネールはその中に。
表には版木を彫る職人さんたちの店が数件並んでいるだけでちょっと見つかりにくいかも。プリントをつくっている工房や製品を取りまとめるリテーラーも、あまり表にそれと分かる看板がありません。
版木屋だけでも外まで溢れるくらいぎっしりの職人(追いも若きも)が働いているから、ここの伝統産業は健在で元気なんだろうな。これはとても大事な事です。
案内されて中に入ると10m位の長いテーブルに薄いクッションが張られたものが並んでいて、そこに二人一組の職人さんたちがさくさく作業を進めています。
バリ人の仕事のペースと比べたら、なんて早い事か(比較してゴメン!)。あっという間に1mくらい押し終えてしまう。早い分確かに雑かもしれないけど、ゲージのようなものもなく感覚的に押していくのだからやっぱり職人技だと思う。
面白いのはインクを入れたトレー。版木を持つ右手の外側(右横)にキャスターがついた専用の台に乗せられていて、左から右へ版を押していく時に、体でその台を右へ右へはじいて転がしていく。ぽんと生地に押してつんと台を転がしてちゃちゃっとインクをつける。リズムがあって無駄がなくて。いつ頃誰が考え出したものなんだろうナァ。
これらの生地を買いたいと思って、聞くと、ジャイプールのバザールに行くように言われた。でもジャイプールでも思っていたほどのブロックは売っていなかったように思う。確かにどの生地店もブロックを持ってはいるんだけれども。
ジャイプールでブロックを見たり買ったりするには、ANOHKIというお店が有名らしい。ピンクシティの外側にあるフツウのビルの2階。おしゃれなカフェも併設されていました。売られているもののほとんどが服ですが、いろ~んな種類のブロック(伝統的なインディゴ染めからモダンなプリントまで)が使われていて、それが渾然一体1店舗に揃っていて面白かったです。私も個人的に色々お買い物。
ANOIKHIは、アンベール城の近くにミュージアムがあるというので行ってみました。
城の旧市街というか城塞都市の一角。古い建物を壊して復元したらしいミュージアムは、やはりサーモンピンクが基調で建物だけでも十分美しいものでした。
展示品はスラジさんのブロックをはじめ、ラジャスターン各地で現在もつくられている伝統的なブロックが中心。一般に言うミュージアムピースはほとんど置いてないのです。立派なものはなくとも、いえ、きっといっぱい持ってはいるんだけど隠しているんでしょう。ミュージアムとしてのひとつのやり方かと思います。
もうひとつ偉いことに、ANOKHIは本も出していて綺麗で価格も比較的安くとても参考になります。よい仕事をしているなぁ、と思います。
アジャキと呼ばれるカッチ地方の伝統ブロックの工程を展示していて、これはシルクが使われていました。★このシルクのブロックはANOKHIオリジナルプロダクツとしてスカーフが販売されていたので購入しました。バリショップで11月より販売します。
屋上のテラスでは版木職人とブロック職人の実演がありました。ここではチーク(シシャム)の木を使っているそうで、バグルーで見たよりもっと複雑な版木を彫っていました。
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明日もインド、つづきます。
お次はブリジットさんの工房へ。
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