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2009年1月18日 (日)

直島・家プロジェクト

昨日でtoko manisのプチセール&フォーマル・オーダー会が終了しました。

今回は遠方から来てくださったお客さまも多くて、楽しく賑やかな3日間でした。皆さまにお買上げいただいた服が長く活躍できますように。フォーマルでオーダーいただいた方にはマニス最大限のお仕立てをさせていただくつもりです。お楽しみに!

さてさて。

高知&直島シリーズが長くってごめんなさい。きょうもまた、です。はい、でも、きょうで最後です。Photo

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町営バスすなおくんに乗って、本村地区へ。

人口3500人という静かな島で漁港を中心に古くからある集落が本村とのこと。町並み保存なのかどうかは分かりませんが、集落全体のほとんどが焼杉板の黒い壁。家同士にすき間ないつくりで細い路地に統一感があるとても美しい集落です。Photo_3

家々の門の中には小さいながら内庭があります。

小高い山の上には海の神様を奉る神社、そのふもとにはお寺が。 家プロジェクトは本村地区の古い民家の中に現代アートの作品を点在させています。

まずは「かどや」へ。

敷地内は撮影不可のため写真は今回外観だけです。

Photo_4 97年にはじまった家プロジェクトの第一号がここ。上から3番目の写真です。

高齢化がすすんで空き家が目立つようになってきた本村から「家屋を譲りたい」という方が現れたことから、直島アートプロジェクトの中にこの地区も組み込まれることになったらしい。

かどやには宮島達男というアーティストが抜擢されて、この家に、入ってびっくりな作品を考案。制作に当たっては集落の人々も参加してアートと文化と地域が結びつくきっかけにもなったそうです。すばらしいことです。Photo_5

お次は山の上の「護国神社」です。杉本博司氏の作。今回見たかったもののナンバー2です。

この神社が古くなって改修が必要、となったときに写真家である杉本氏が抜擢されたのだそうです。神社にこの人、という発案も大変クリエイティブ。

杉本氏の活動は写真表現が中心ですが、恒久的なもの、太古からあって今もずっと先の未来にも同じくあるはずのもの、という共通の思いが感じられてとても実験的です。その点で、現代アートの中でも重要人物だと思う。

右上の写真の氷がだんだんになっているようなものは、社本殿の正面に据えられた階段です。写真は真横から撮っています。レンズなどに使う光学ガラスを使っているそうでとてもとても透明で美しいものです。

神社って本殿の前に若干の空間があって、その前にお賽銭箱というのがPhoto_6フツウでしょ。

でも、古い神社は古墳と関係があるということで本殿の地下を試しに掘ってみたんだそうです。そうしたら、地階に石室のような形が現れたらしい。石室の真上にあたる場所には24トンの1枚岩をかぶせ、光学ガラスの階段はその石室のような地下までつながってるのです。

地下は幅がとても細い通路を通って入ることが出来ます。 石室内には泉が沸いていて、その水面と本殿がガラスの階段を解してつながっているというものなのです。大昔の空間感覚を現代のものでシンプルに再現した素晴らしいプロジェクトだと思います。

写真は石室の通路から瀬戸内海が見晴らせる外に向かって撮ったもの。何だかとても不思議な感じでしょ? 真っ暗な狭い石室から出るとそこは瀬戸内のブルーが輝いているんです。

次は「南寺」です。Photo_7

ここは古い民家をつかったものではなく、町並みの雰囲気を生かして安藤忠雄氏が設計したもの。もともとお寺があった敷地にジェームス・タレルの「バックサイドムーン」という光の体験アートのパーマネント展示として新築されたものです。

全く光に閉ざされた暗がりの中に入っていく。はじめはまばたきしても目を閉じてまた開けても真っ暗という非日常的な空間に不安な気分。でも、1,2分すると実はぼんやりとした照明で前方に何か別の空間が見えてくるんです。真っ暗闇と微量のPhoto_8光の空間。すごく刺激的な体験です。

最後の写真は「はいしゃ」です。

もともと歯医者さんだったという建物を外観から中までアソビ感覚いっぱいに大竹伸朗氏がリメイクしたもの。

左よりの長~いパイプは潜水艦のイメージで建物の中にあるちっこい「覗き穴」から覗くと、ずっと遠くにある景色がパイプサイズに小さく切り取られて見えるというものです。

このほか見きれなかったもの、知らずに通り過ぎたものも多々ありましたが、すなおくんの運行時間と14時20分発の高松行きフェリーに乗るべく、本村からバイバイしました。

これら美術館エリアから家プロジェクトまで、直島を現代アートで再生させようという発起人かつスポンサーはベネッセアートサイトとのこと。

ベネッセというと、今や日本では教育方面で旅行業界のHISのように唯一無二な存在かもしれません。巧みな手法で大層多くの方が通信教育教材を買われていると思います。でも、そのビジネスがこんな風に行政ではとても考えつかないような後世に残りそうな文化プロジェクトを試みているのだったら、これはいいお金の循環かも知れないなと。

ところで私はきょうの便でバリへ。

バリスタジオは現在大雨の影響で電話線が復旧するまで1ヶ月とのこと。ブログアップが次回いつになるやら心配ですが、なるべく溜めないようにしないと! 皆さまお元気でお過ごしください。

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