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2007年6月25日 (月)

チベッタンベル・テラピー

Photo_52 チベッタンベルをつかうテラピーを試しました。

テラピストはアルンさんというイタリア人。アルンさんは以前アボリジニの楽器、リジュリドゥを人の体に充ててその振動で体調のバランスを整えるようなテラピーを試みていたそうですが、あるときダラムサラへ行って手に入れたチベットの鐘(チベッタンベル)に出会ってから、あらためて「音や振動で人の心や体を癒すことができる!」 と確信したそうです。とういうことで、この施術は流派のようなものがなくかなりオリジナル。これまでに3人ほどこの鐘を使ってテラピーを考案した人が居るけど、どの人もそれぞれ違ったやり方なんですって。何でも、深い瞑想状態に導かれて自分の力ではなかなか解けない緊張をほぐせるらしい。……という話しを聞いてから少しして、わたしは今のややストレス過多な状況にもいいかも、と思ってさっそくお願いすることに。

大きい金は低い音。ホーミーというチベットのお経の歌を聞いたことがある方なら想像できるかもしれません。それをうつ伏せの姿勢で手のひらと足に乗せて響かせます。低い鐘の音というのは「地面の音」のように感じられます。想像の中で地球のずっとずっと深いところからやってくる波動のような。その響きは最初はちょっと気持ち悪く感じて、1時間半もの間この音を聞いてられるかな~、と不安でした。

その鐘を腰に移動させると、いわゆる第2のチャクラ(?)の上(わたしは最近やっとヨガをやり始めてちょっとばかり勉強中)。お米を砥ぐときのように鐘をまわしながらゆっくり静かに響かせていくのです。するとだんだん、深い響きがゆったりとした安心感に変わっていくのが不思議。その安心感というのは、何だか意識の底とか、いままであまり触れた事のない部分という気がしました

仰向けになると、お腹の上にその鐘を置くのです。冷たくて重たい鐘の異物感。足の裏と手のひらを軽くぐるぐるとマッサージしてもらうとまた安心な気持ちになってくる(施術の感覚と心の中で起きることの両方をよく研究しているなぁ、とひとり言)。お腹の周辺が低い地響きなら、今度は頭です。高い音の鐘が両耳の脇に置かれ、もうひとつ小さいのが額の上の方でゆらゆら動き回りながら気持ちいい音で伝わってきて、低いところで音を感じていた自分があっという間に高い高いところでゆれ始めます。あらら? 自分でも鐘の音につられて頭が右に左に揺れ始めたりする。そのうち、何だか有難~い気持ちでいっぱいになってぽろぽろ涙まで出てくる始末! いわゆる催眠状態のようなものにはきわめてかかりにくい私。鐘の音と振動だけでこんなに自由でステキな体験ができるなんてびっくりです。

アルンさんいわく、次元を超えるとそうなるんだって。すごいなぁ。もしかして世の中のある種のきのことか葉っぱを食べたり噛んだりすると、こういう状態になるのでしょうか? ともあれ、鐘のおかげかその後は憂鬱な気分がぐっと減って、さっぱりした気持ちでいられるようになりました!

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2007年6月15日 (金)

バリ手織ポプリン

Photo_51 今回の作品展もたくさんの方に見に来ていただくことができました。わたしは5日間だけの帰国。会場には初日と2日目だけしか居られませんでしたが、つくった服をお客様に試着していただくのを見て、今度はこんな風につくってみようかな、とか、もっとこうすればよかったな、とか。たくさんのエネルギーをいただきました。これはもう、本当にナントカ冥利に尽きます。皆さま大変大変ありがとうございました。そうして、今週はもう秋物の服に取りかかっています! ナントカ暇なし!

きょうは、バリ手織シャンブレーのポプリン版が仕上がってきました。

マニスをはじめてからかれこれ7、8年。ず~っとつかっているバリ手織シャンブレー。皆さまご存知の通り、シャンブレーというのは縦糸と横糸の色が異なっている織物のことです。それがひとつの効果になって織り上がりにちょっとばかり光沢が出ます。で、そろそろちょっと工夫(?)を、ということで、縦横を同じ色で織る方法を手がけはじめました。う~む。しかし、仕上がりからしてポプリンというよりはポケットの裏地などに使うスレキに近いかも。とにかく同じ材質ながらシャンブレーと比べてかなりマットな仕上がり。

手織をいつもお願いしている工房の奥さんも心配そうに「本当にこんな色でいいの?」って。マニスのスタッフたちも「え~、これ?」みたいな顔。そーねー。バリで手織というとカラフルな色や光る要素が加わるのが普通だから、こんな地味な色でマットだと変な感じがするよね、確かに。でも、シャンブレーのときには光沢で目立たない手織ならではの織り目、といいますか、ゆっくりだったりスカスカだったり、というムラの加減も出ていてわたしは「ナカナカいいなぁ!」と。

頼んだ色目は「バリナチュラルカラーダイ」のような茶系です。グレーのような茶のようなちょうど真ん中くらいの色を。洗ってからゆっくり風だけで乾燥させて(これから先バリは乾期、風の季節です)、を何度か繰り返して。そうしたらきっといい感じになると思う。

バリの手織は足踏み式の織機ゆえ、比較的さくさくと織ることができます。これを「手足を使うといえ機械とほとんど同じだ」と言う人がいますが、わたしはそうは思いません。インドのカディコットンしかり、人の力で織っているものって機械の織物とは全然違う。いちばん違う点は、着て洗うたびに布がどんどん変わっていくことです。目が詰まってハリが落ちていく。綿なら綿の表情が現れてくることです。慣れてくればくるほど、自然なディテールになることはもちろん、着易くなるのです。この加減が機械で織られたものとは大分違うナァ、と。

「ポプリン」版は秋向けですが、ネイビーや茶系を取り混ぜたNEWチェックのシリーズは6月下旬からお目見えします。

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