マリービスケットで
先日スタッフが行事で1日休む日がありました。ご存知のように、バリって年がら年中昔の日本の暦のように折々の行事ごとにお供え物をつくってはおまいりをして……というのに忙しいのです。これまではそうしたバリヒンドゥの暦にはあまり迎合できていなかったのだけど、今月から日曜日のほかそのバリ暦に合わせて月1回お休みを加える事にしました。バリでは国民休暇のような祭日は比較的普通に働くところも多いのですが、その分バリの暦に従って休みが一般的にあるわけで。ええと、これまでお休みが少なかったのは、やっぱりマニスの仕事がいつもすごく忙しかったからでもありますが、7年目を迎えてちょっとずつでも“ゆとり”を、と。
さて、週中にぽっかりお休みの日。何しようか?
そうだそうだ。越してきて以来やったことがなかったことをやろう。人を呼ぶ、ということ。何しろ建物はまぁ出来たとはいえ土がむき出しの庭はそのまま手付かずで。お客さんを招待できるのはまだまだ先のことだなぁ、と思っていたのだけれど、人が集まらないとなかなかできないことだってある。
それは、ケーキづくり。
前にdaHANAというスミニャックにある日本人オーナーのレストランに行ったときに、子供のバースデーパーティーがあってたまたまつくったので、と出していただいたケーキ。それがずーっと気になっていて、いつかつくってみたいと思っていたのです。でも、それは普通の日につくるものではない気がする。何か特別な日に、さくっとつくるのが合っている。そうして、パッと食べ終えるもの……。なぜか、こんなイメージがこびりついていて。
どんなものかというと、マリービスケットと生クリームを重ねただけ。ビスケットにクリームの水分が移ってしんなりした食感に。その取り合わせのシンプルさ。いかにも簡単につくれそうな分かりやすさ。食後にぺろっとひとかたまり食べられてしまう恐ろしさ(?)。これはもう、断然おもてなし向き。自分たちだけでつくって食べてはいけない! ……というわけで、やっと機会あってつくることができました。お呼びたてしたのは、ヨガ教室で一緒の皆様。
さてひとつ問題は、年中夏みたいなバリでうまく生クリームを泡立てることができるかどうか。生クリームの瓶はかくはん前に1時間くらいフリーザーに入れておき、泡立てるときには保冷剤を入れた氷水でやってみました。結果、思っていたよりも早くしっかりしたクリームが。しめしめ。ビスケットとクリームを手早く重ねて、急ぎまたフリーザーに放り込む。実際、ケーキのかたちにこだわる暇もなくあっという間にクリームが解け始めて、もうフリーザーに入れるっきゃない。クリームの味見も間々ならず、かなりぶっつけ本番。
結果。クリームに砂糖を加えるのを忘れビスケットだけの甘味では中途半端だったので、チェリージャムを添えていただくと、おぉ、いかにも“おうちデザート”っぽくていい感じ!
森永チョイスにプリンの素を流し込むデザートは子供の頃よく食べたけれど、マリービスケット&生クリーム。当日ゲストのNさんが「あ、これ、知ってる!」って言ってたけれど、誰が思いついたんだろう。チョイスは日本製しかないようだけどマリービスケットだったらバリのローカルでも普及しているのです。翌日、残ったのをスタッフにおすそ分けすると、「これって、あれだー」と言う風に分かったらしく。つまり、バリ人の口にも合うという訳です。
マリー・アンド・クリーム、ビスキュイ・ア・ラ・クレーム? こうなったら、是非誰かに名前をつけてもらいたいです。あ、もしかして、もうあるのでしょうか?
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