オーガニック菜園を見に
いつもながらこの時期は慌しいけれど、今月末の作品展にお目見えする服はほぼ出来上がりつつあります。
先週は、やっとマニスからの初の印刷物「まめしんぶん」が校了しました。今春のマニスの服のカタログです。といっても、スペースやスケジュールの関係で全部は入りませんでしたが。東京近郊にお住まいで作品展のDMがいつも届いている方にはDMと一緒にお送りしますのでお楽しみに。ご希望があればその他の地域の方にもお送りしますので、メールかファクスでお申込みください。モノクロ版ですが、作品展にお目見えする服の感じがだいたい分かっていただけるようにつくってみました。
しかし。まだファクスで仮の段階しか見ていませんけれど、何やら自分にとっていい記録。つくった服を写真で残すことはしているけれど、印刷物になるとちょっとまた違った感じで「記念」になるような気がします。問題は、これがどのくらい定期的に発行できるかだけど。……ともあれ、旬なカメラマンYさん、突然お願いしたモデルのNさん、スタイリングと進行管理をしてくれたKさん。ありがとうございました。
さてさて。きょうも、やっぱりオーガニックについてです。
先日、バリで無農薬の野菜やお米をつくっている農園のひとつ「タマン・スリウィダリ」にお邪魔しました。
場所はクロボカンとタバナンの中間辺り、幹線道路からちょっと入ったシバンという村の一角。日本人でバリにたぶん20年以上住んでいるバクトさんが運営している農園です。バクトさんはもともとデザイナーだったそうですが、バリの規制のない農薬の使われ方を不安に思ってオーガニックの農業を一から勉強したのですって。スミニャックのビーチに近いところに暮らしつつ、シバンに通うこと2年。やっと売り物になる野菜が出来るようになったそう。
土地は粘土質がむき出しになった荒地だったそうです。
バクトさんによれば、いちど農薬や化学肥料に晒された土地で無農薬で作物をつくれるまで5年はかかるのだそうです。確かに、2年を経たタマン・スリウィダリでも、まだほんの少ししか野菜が育ちません。……ということを、実際の土地を見て思いました。トマトのような実のものは、まだ育ちません。キュウリとカボチャは元気に育っていましたが売るのに適した生産量というと、道のりは遠い。サニーレタスが今やっとバリ各地のレストランに卸せるようになったのが草の根的に有志で集まった農民たちとバクトさんにとって、やっと訪れた安堵のようです。
農薬と化学肥料に頼ると、土がどれだけ駄目になるか。偏った養分の土でまた次の作物を作ろうとすると、もっといろいろなものが要る。その繰り返しで出来る食べ物などは相当かなしい。オーガニックの食品が少しばかり高くても、その野菜が育つまで辛抱強く育てているひとのことを思えば、やっぱり買いたくなります。反面、オーガニックと名前につけると高く売れることがわかっている業者もいて、紛らわしいのですけれど。
バリでは規制がないことから市街地の排気ガスだってかつてのバンコックみたいに深刻だし、今のままだと日本よりずっとリスクが高い。せっかくバリで暮らしていけるようになったのですから、理想を高く持って順応したいと思いますです。
バクトさんの農園のことは、今後もご報告していきたいと思います。
タマン・スリウィダリ財団:tamansriwidari@lycos.cm
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