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2007年3月28日 (水)

カバンの夢

先週木曜の夕方、寒気がするなと思ったら、寒気じゃなく悪寒でした。もこもこ着込んでヒーターの前に座り込んでもまだ寒い。久し振りに子供と一緒の時間に布団に入ったものの寒さは続く。

その3時間後、ふつふつお湯が湧くように熱。からだの中に毒素がいっぱいたまっていたのだ、と思う。これまでこんなに長く悪寒が続いたことはなかったから。ふつ、ふつ、と本当に音でも聞こえてきそうなくらいに熱が出た。まるでマラリアの症状みたいだわ(かかったことはないのだけれど)。

そのうち、まぶたの裏に何やらカバンのようなものが見えてきた。そのカバンは人が3人くらい入れそうな大きなもので黒いナイロンのような素材でできている。ポケットを兼ねた半円形のマチがたくさんついている。それを大きく広げて畳みたいのだけどカバンの方が勝手に動き回るのでさっぱり小さくならない。わたしはそのカバンを畳もうとすると同時に、いったいどういう形をしているんだろうとどうしても知りたくなってだんだん真剣になった。

カバンはまるで生き物で、どうやらひとつではなくいくつかのかたちのものが重なったり、その中に入っていたりするらしい。やっとそのひとつを捕まえて(?)真直ぐに広げて畳む。と、別のカバンたちがさっきよりも大仰に暴れだした。もしかして、わたしがじっと手出しをしなければカバンたちも大人しい。でも、こっちだってもう引くに引けないのだ。

わたしは高い熱があって、ふらふらしているというのにこのカバンについて解決しなければならないことを知っている。解決すれば朝には熱は下がって万事OKなのだきっと。

そうこうしているうちに、水が飲みたくなった。
ふと我に帰って起き上がる。
目の前にこんもり押し寄せられた羽布団があった。
なんだ、これだったのか。

症状がインフルエンザっぽかったけれどお医者さんへ行く暇もないまま4日くらい経ってしまった。熱は一晩どころか4日間以上続いた。結局一晩中カバンを畳めないままだったからだろう。
身体の痛みが取れて軽くなったな、と思ったら、あらら。外ではもう桜がいっぱい咲いていましたです。

さて、皆さま明日から作品展です。初日の明日は3時開場です。
今回もおすすめがたくさんありますよ。

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2007年3月18日 (日)

パンダ、竜巻き、ズッキーニパンなどなど

13日にバリを出て帰国しました。

その何日か前バリですごい強風の日がありました。何でも竜巻きだったらしい。うちでは4m四方の大きなすだれが2枚吹っ飛び、隣の笹の生け垣が倒れ混んできたりして大騒ぎだったけれど(おまけに2日にまたがって停電)、向かい側にあるリゾートホテルではレストランがそっくり吹き飛ばされたそうで。セキュリティのおじさん曰く「礎石に柱を固定するバレ建築だったから風には弱かったんだろう」って。その前日にジョグジャカルタでガルーダが事故を起こしていたし、とにかくその日が出発の日じゃなくて良かった〜。と、思ったら、知り合いのHさんがその日のフライトだったんですって。恐かっただろうなぁ。

いつもながらぎりぎりのスケジュールにて検品しながら掃除しながら荷造り。ふーっ。とにかくまた日本に着きました! 運良く入れ忘れはなかったものの、成田で飛行機から降りる時子供が大事なぱんださん(上野動物園で買ったパペット)を機内に落としてきたもよう。3年抱きっぱなしだったからここら辺で買い替えということか。

日本では、去年の3月に帰国したときは桜が咲きはじめてから雪が降ったりしましたが、今年も暖冬とはいえまた寒いですね〜。

昨日は神宮前から表参道を歩いてみたのですが、風がすごーーーく冷たかった。ちょっと休もうと思ってもどこのカフェも店内席はいっぱい。ブラウンライスカフェでストーブの側でちょっと待って店内席に案内してもらえました。5時をまわっていたのでちょっと早めの夕ごはんに日替わりセットメニューと野菜のスープにしてみました。セットメニューの方はあまりピンと来なかったけれどスープはビンゴ。しっかり暖まって栄養もあってしかもドリンク程度のお値段。寒い日のお散歩の合間にぴったり。

それにしても風の冷たいことよ。みずほ銀行まで歩くとまた挫折。甘いものが食べたいなぁ。ケーキでも買って早めに帰るかと思って地下を潜って出ると、キルフェボンはテイクアウトですら20分待ち。BRカフェではあまり食べなかった(というかカロリー低めな食事だったので)子供はすっかり不機嫌に……。仕方なく、アンデルセンで餡ドーナツを(鯛焼きの代わり?)買って鼻たらしながら立ち食い。ズッカ、コムデギャルソン、HAAT、フラボア。お店を見せていただきつつ実は暖まらせていただきつつやっと根津坂を下りました。

きょうは怖じけて外へ出ない一日。そしたら、夕方にコライユのやすこちゃんたちが焼きたてのズッキーニパンを届けてくれた。わーい、うちにいて良かったなー。明日の朝にでも食べてね、と言われたけれど、もちろんもらってすぐにぱくつきました。やすこちゃんたちの食べものはいつも楽しいアイディアがあっておいしくて大好きです。

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2007年3月 5日 (月)

オーガニック菜園を見に

P1010592_1 あと1週間で帰国です!

いつもながらこの時期は慌しいけれど、今月末の作品展にお目見えする服はほぼ出来上がりつつあります。

先週は、やっとマニスからの初の印刷物「まめしんぶん」が校了しました。今春のマニスの服のカタログです。といっても、スペースやスケジュールの関係で全部は入りませんでしたが。東京近郊にお住まいで作品展のDMがいつも届いている方にはDMと一緒にお送りしますのでお楽しみに。ご希望があればその他の地域の方にもお送りしますので、メールかファクスでお申込みください。モノクロ版ですが、作品展にお目見えする服の感じがだいたい分かっていただけるようにつくってみました。

しかし。まだファクスで仮の段階しか見ていませんけれど、何やら自分にとっていい記録。つくった服を写真で残すことはしているけれど、印刷物になるとちょっとまた違った感じで「記念」になるような気がします。問題は、これがどのくらい定期的に発行できるかだけど。……ともあれ、旬なカメラマンYさん、突然お願いしたモデルのNさん、スタイリングと進行管理をしてくれたKさん。ありがとうございました。

さてさて。きょうも、やっぱりオーガニックについてです。

先日、バリで無農薬の野菜やお米をつくっている農園のひとつ「タマン・スリウィダリ」にお邪魔しました。

場所はクロボカンとタバナンの中間辺り、幹線道路からちょっと入ったシバンという村の一角。日本人でバリにたぶん20年以上住んでいるバクトさんが運営している農園です。バクトさんはもともとデザイナーだったそうですが、バリの規制のない農薬の使われ方を不安に思ってオーガニックの農業を一から勉強したのですって。スミニャックのビーチに近いところに暮らしつつ、シバンに通うこと2年。やっと売り物になる野菜が出来るようになったそう。

土地は粘土質がむき出しになった荒地だったそうです。

P1010589_1 バクトさんによれば、いちど農薬や化学肥料に晒された土地で無農薬で作物をつくれるまで5年はかかるのだそうです。確かに、2年を経たタマン・スリウィダリでも、まだほんの少ししか野菜が育ちません。……ということを、実際の土地を見て思いました。トマトのような実のものは、まだ育ちません。キュウリとカボチャは元気に育っていましたが売るのに適した生産量というと、道のりは遠い。サニーレタスが今やっとバリ各地のレストランに卸せるようになったのが草の根的に有志で集まった農民たちとバクトさんにとって、やっと訪れた安堵のようです。

農薬と化学肥料に頼ると、土がどれだけ駄目になるか。偏った養分の土でまた次の作物を作ろうとすると、もっといろいろなものが要る。その繰り返しで出来る食べ物などは相当かなしい。オーガニックの食品が少しばかり高くても、その野菜が育つまで辛抱強く育てているひとのことを思えば、やっぱり買いたくなります。反面、オーガニックと名前につけると高く売れることがわかっている業者もいて、紛らわしいのですけれど。

バリでは規制がないことから市街地の排気ガスだってかつてのバンコックみたいに深刻だし、今のままだと日本よりずっとリスクが高い。せっかくバリで暮らしていけるようになったのですから、理想を高く持って順応したいと思いますです。

バクトさんの農園のことは、今後もご報告していきたいと思います。

タマン・スリウィダリ財団:tamansriwidari@lycos.cm

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