テレビも見ないし、たまには本でも。
最近は日本にいてもほとんどテレビを見ないので、ニュースはひとから聞くことがほとんど。バリの家では、テレビは子供のDVD専用。つまりアンテナがない。NHKやナショナルジオグラフィックが見れる衛星放送が安くなったから入れようかな、とも思うのだけど。はてさて、そんなものがあったら今度はきっと仕事がさっぱり進まなくなりそうで……。
こんなのんびりとしたところにいるというのに、相変わらず気持ちに余裕というものがない。これは私が要領が悪いことに起因すると思う。仕事と家事と子供の相手であっという間に1日のほとんどが終わっちゃう。時々、そういう日々に反省してせめて何か読もうと思う。
雑誌は定期購読のものがEMSで届くたび一気読みするのだけど、本はいつ読んでもいいみたいな安心感から買ってから3年もたってやっと読むものもあったりして我ながら驚く。日本に長くいたころはいつも同じ時間に同じ電車に乗る生活だったから本はかなり読めたし、子供が赤ちゃんだった頃まではバリでも結構読めたんだけどなぁ。
悪いのは、ここ1年。本、といっても重さの関係もあって文庫ばかり、は、去年はただ買い込む一方で1年に両手の指の数くらいしか読んでいないです。しかも、小説ばっかりで六本木の青山ブックセンターか渋谷のリブロで買うものばっかり。やはり非常に偏っています(だって、紀ノ国屋書店などへ行ってもトレンドの下積みがないから選びようがなかったりする!)(ひとり言)。
とにかく、そのいつ買ったのか忘れてしまったもののなかで(失礼!)、最近読んでよかったもの。
ちくま文庫の「つむじ風食堂の夜」という本です。著者は吉田篤弘。めざせ作家、というよりも脱力系? カバーに書かれているプロフィールによると、もともとブックデザインのお仕事で、ぽつぽつと物書きもするようになったらしい。タイトルから受けるイメージと内容がかけ離れていない素直さがいいなと思う。
お話は、雨を降らせることを研究している中年男性が主人公。お父さんの思い出から始まって、お父さんの面影で終わる。夜更けまで開いている食堂が舞台で、川上弘実の「センセイの鞄」に出てくる居酒屋にも似ているかも。そこに出入りする彼と常連たちが何本かの筋書きで出てくるのですが、食堂の面々は朝の連ドラ風キャラクター。気の優しい彼は古本屋で本を買い、帽子屋で帽子を買い、舞台俳優から台本を書いて、と頼まれる。
自分の日常だってそうしたちいさな出来事や出会いの繰り返し。滅多にひとが結びついたり葛藤したり、死んだりしない。このくらいテンションの低い小説って自分に近い位置で読めていいなと思いました。
ところで、私のこの情報&活字不足。リハビリ的に最近ときどき行くのが日本の新聞を置いているカフェです。日本発JALやガルーダの直行便の機内用でお客さんが読み終えた新聞を回収して空港からUBUDまで運んでくる業者がいるそうで。ゆえ、その新聞は地方欄が東京のものから関西のものやらいろいろ。そのカフェで3日分くらいの(乗客が少ない時期は1週間くらい配達されないこともあるそうなのであまり新しくないことがしばしばだけど)新聞をばさばさっと広げて1時間か2時間くらいむさぼり読む。不二家のぺこちゃんがもう売られていない事なんかも、そうやってようやく知ったりして。
そうそう、「まめ新聞」ことアトリエマニスの初の印刷物が今週いよいよ撮影、入稿に。今春からますますモードチェンジしている新しい服についてはそちらをお楽しみに! 「ひとり言」はそちらでもいろいろ書く予定でいます。
※読売新聞が読めるUBUDのカフェ:アンカサという名前、スウェタ通りにあります。コーヒーとスパゲティがおいしい有難いお店。
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