カットソーの服
これまで“織物”こと布帛が中心だったのですが、“編地”のカットソーは私たちまだまだ日進月歩。ふだんからマニスでは「ロックミシンを使わない仕立て」をしているので、カットソーの縫い代も手仕事で始末。縫いものを自分でするひとだと分かると思いますが、ロックミシンだと縫い代が服の内側で泳いでいる状態。カットソーなら素材の厚さや密度の具合でそのまま切りっぱなしでよいものもありますが、縫い代を固定するとやはりかたちがきれいだと思う。縫い糸も普通は伸縮性のあるナイロン糸を使うのだけど、今のところ普通のもめん糸で縫っています。
カットソーという素材はロックミシンとの相性で簡単に縫えることから、比較的消耗品的存在だなぁ、と思っていたのです。それじゃ普通の布と同じく縫ってみたらどうだろうと。工場で縫えばきっと1日に5枚も6枚も(もっと多いかも)縫えるでしょうけれど、マニスの手仕上げでは1枚に2日はかかります。その分値段も高くなってしまうのですが、ちょっと高級なカットソーを使ってていねいに縫うという仕事は新鮮。「ロックミシンの方がきれいに縫えるだろうな」と思うこともしばしばだし、アパレル技術的に邪道かもしれないけれど、表面にごちゃごちゃと手仕事をくっつけるよりも裏にひと仕事ある服って何となく好きなのです。
今回は通称スウェット、裏毛を試作中。ポケットとフードのかたちに特徴があるパターンをつくってみました。きょうその1着目がやっとできたのだけど、スウェットだったら洗濯機で洗ってどうなるかも実験してみようと思って。このほか、綿天竺を2枚重ねて縫うパーカーやゆるめで薄いものを斜め地に裁断してつくるものなどなど、この春の服はカットソーがいちおしです。2月中旬から企画展、委託ショップでお目見えしますので、ぜひチェックしてみてください。
バリは雨期真っ只中。ときどきの晴れ間に溜まった洗濯ものをわ~っと。ちょっと前から床のお掃除以外の家事は自分でやるようにしているのですが、ことに洗濯とアイロンかけはひと仕事なのですけれどいろいろ改良の余地があって。“裏毛”もこんどの晴れ間に洗います。