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2006年12月29日 (金)

虫取りのもの

Photo_24 ことの始まりは、虫キング。

先日の作品展の開催中、おばあちゃんのところで留守番していた子供に「おりこうにしていられたらデパートで虫かごと虫取り網を買ってきてあげる」と約束しました(銀座三越での作品展だったので)。そうしたら、もう初日の午後におばあちゃんを引っぱって「虫取りのもの買って!」とやってきた。約束としては“1週間いい子にしていられたら”だったんだけど、虫マニアとしては“虫取りのもの”と聞くとじっとしてられなかったのです。バリはもちろん虫だらけ。素手でもざくざく取れます。そのせいか、虫用のものって売っていないのですよ。今度日本へ行ったときに買おうね、ともいっていたから。

仕方なく、銀座のデパートの屋上を見てまわる。三越は犬用品だけ。松屋は熱帯魚がたくさん、虫用のものは飼育ケースと土があったけれどさすがにカゴや網はなかった(だって冬ですものね)。新宿の京王デパートに電話してみるとやはりカゴ、網は今の季節は置いてないとのこと。東急ハンズにも聞いてみようかと思ったけれど、そうだ。青山に志賀昆虫っていうのがあったっけ。聞くと、「ありますがあと30分で閉店ですよ」。そりゃ大変だ。子供の手を引いて銀座四丁目から直行。銀座線を降りて宮益坂を駆け上がる。

志賀昆虫って、建物が目立ちますよね。でも、中に入ったことはなかったです。というか、用がなくては入りにくい。だからこうして機会あって何が売られているか分かって嬉しいです。学者向けの採集用品と、蝶の標本など。昆虫は売ってなかったです。案外さっぱり。店のおじさんがカゴは子供向けのがあるけど網はプロ仕様のしかないって(あまり親切ではない言い方)。へぇ。インドネシアに住んでいてあっちでは買えないから来たことを言うと、オッとなってあれこれ説明してくださる。昆虫界ではインドネシアは格が高いらしい。虫キングの図鑑にも「生息地インドネシア」って結構多いし。で、ネットと竿が別売りで組み立て式の素敵な虫取り網は値段もそれなり。3歳の子供には贅沢すぎるけれど、じゃ、これがクリスマスプレゼントね、もう何も買わないよ。

ところで虫かごの方なんですけれど。

よく見るといまどき珍しいくらいキッチュなつくり。金網を張って紐をつけただけの。その両側面のブリキにすごくはっきりしたプリントが入っている。見るだけで虫をいっぱい取りたくなるような。子供はもう、すっごく気に入ってそれからというもの「早くバリへ帰ろう」と何日も何日も言い続けたです。

で、バリに着いた翌朝。彼はもう、こんなに(写真)たくさんの虫を取ってきてしまいました。まだ網の方は組み立てていなかったので素手で、です。ざくざく、でしょう?雨期もあってそれこそ毎日履いて捨ててます。 Photo_25

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2006年12月23日 (土)

ロボちゃんとクリスマス

Photo_23 ぶわわ~っと毛穴が開くような感じと、停電かと思うくらいの夜の暗さ。

成田からバリへの航空便はたいてい夜の到着なのですが、バリに戻るたびに何度も経験しているのに毎回そのことにびっくりする。毛穴と暗さ。毛穴の問題については先日ご報告したばかりなので省略しますが(ちなみに急に閉じて痒くなるものは急に開いたとき“チクチク”するように思う)、……夜の明るさについては、とくに12月って都心はクリスマスのイルミネーションで競い合っているみたいで平時よりもテンションが高いですよね? それに比べてバリって……。街なかでは懐中電灯なしで歩けるようになったのは確かだけど。

なんてことをぶつぶつ言いながら、うちに着いて電気を付けると白い建物のせいか目がホッとする。でもそうそう、クリスマスツリー出さなくちゃ。ヒンドゥやイスラムの宗教色が強いからバリのクリスマス時期はあまり賑やかにならない。せめて家の中で中国製のチカチカ安っぽい電灯を巻きつけたツリーを飾って“らしく”するのだ。あと数日ではあっても! 日本にいると周りがすごく「クリスマス、クリスマス」でちょっとうんざりすることがある。ラジオもお店も11月ごろからずーっとで。家ではま、いいか、何にもしなくてもって思っちゃうのに。

さて、プラスチックでできたモミの木を出してきて、家具がまだあまりない居間のテレビの横に置いてみると(コンセントの関係で)、あら、その上にはバリの神棚。すごい取り合わせになっちゃいました。翌日、子供が「(日本の保育園でともだちがつくってたのと同じ)ロボットをつくりたいよー」というので空き箱やらダンボールやらを探し出してガムテでぺたぺた貼りあわせ。ロボちゃんができました。まだ材料不足で未完成なんだけどおもむろにツリーの前に立たせておくと、ツリーがやたら映える。テレビじゃなくて神棚じゃなくてツリーをしっかり見ているロボちゃんがいると、今はクリスマスなんだ! というキブンがすっごくしてきます。雨期で羽虫がぶんぶん飛び回るし、晴れると思い切り暑いのだけど。それでもよし。

それでは皆さんよいクリスマスを!

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2006年12月17日 (日)

暖かな週末にひとりごと

あと1日でまたバリへ戻ります。
きょうは約3週間分のシーツやら布団まわりとセーター類など、大量の洗濯物をわ〜っと片付けてからあちこち拭き掃除。その後大きなものは荷造り開始。一日水を使い続けたけど、暖かい日だったから助かりました。子供は母に頼んで“こどもの城”へ連れていってもらって、久し振りにひとりの時間でもありました。
ひとり暮らしが長かった私にとってひとりの時間は懐かしい。でも、何時頃までにこれはやってしまわなくちゃ、というのがあるから昔と今とはやっぱり違いますけれど。
バリにいるとひとりっていう状況はちょっと特殊。ひとりだと寂しいでしょ、という配慮がどこかにあります。子供が主人の実家へ泊まる日はセキュリティのおじさんが夜わりとどうでもいい用事をつくってやってくる。どうでもいいことをちょっとばかりおしゃべりして、じゃね、と戻っていく。
それとは違いますけれど、DEES HALLで展覧会を開催中のキリム拾集家のメメットさんからちょっといい話を聞きました。
キリムってお土産用のようなものを除けばトルコでは50年以上前のものしかないらしい。50年から100年くらい前のキリムは、遊牧民の生活とともにごく自然に織られていたもの。だからモティーフは星とか木とかが中心で、色彩は寒さや空虚さを彩る赤を中心としたほんわかしたものが多いらしい。忙しいものが全然ない草っぱらでの生活で生まれたのがキリムの細かさや丁寧さなのかも、と思いました。服地にできない織物だけに私の場合ちゃんと見る機会がこれまであまりなかったのだけど、やっぱり織物って語るのですいろんなものを。メメットさんのお話に一瞬旅のようなふっとどこかへ連れていかれるような気がしましたけれど、自分の中でちょっとバリの手織り布を思い起こしたりして。織物を手で織る速度ってやっぱり好きなんだなぁ。そのバリへもう間もなく戻ることは嬉しいやら残念やら複雑なのですけれど。
で、織物ですが。思うのは、やっぱり織っている時は限り無くひとりなんだけどそれを使うのは大所帯の家族だったりせわしない生活の中。それが前提で織られているのだと思うのです。自分の為にというより誰かの為に。家族の為に、誰かの為に。とくに時間のかかる手織りについては、そういったものがいっぱい入っているのではないかと。ひとりごと。

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2006年12月 9日 (土)

寒さについてひとりごと

きょうは銀座三越での作品展、5日目でした。冷たい雨が一日中降っていたのに銀座は人でいっぱい。寒さに弱い私は自分たちの作品展だから定時にバスに乗って向かったものの、そうじゃなかったらかなりの割合で“キャンセル”してただろうなぁ……。

この時期バリから日本へ来ると気候のギャップが激しいのです。南半球のバリは今が酷暑期で午前中からごくごく水を飲んでしまう日々。まぁ、幸いにして今回日本がまだそれほど寒くないのでよかったのですが、この時期に日本に来ると、まず、1回は風邪をこじらせる。今年は3月に帰国したときに雪まで降る寒さだったので、そのときには声が出なくなるくらい重傷でした。高熱が出てしまった日がちょうど作品展開催中でしかもパターンブックの出版記念パーティーの日で。つくづく「私は本番に弱いなぁ」って思いましたです。

もうひとつ寒さで恐れているのが痒み。薬局の人によれば老人性かさかさ症と呼ばれているものらしい。老人性…というよりも、年がら年中毛穴が開きっぱなしの生活をしていて急に寒い所へ来ると、毛穴がザワザワと閉じてそこが痒くなってくるというものらしい。蚊に刺されるようなスポット的な痒みと違って、一度掻くとさらに痒くなって痒さがほかに広がっていったりするから厄介なのです。そのことを以前アフリカで暮らしていた知り合いに言うと「僕なんか帰国してから何年もたっているけれど、冬になるといまだに痒くなるもん。毛穴が暑さの方に慣れちゃったままみたいで」って。ちなみに冬の日本からバリへ戻るとムズムズっと毛穴が開くのが分かります(本当です!)。

今回はもうひとつ発見(?)がありました。

うちの子供なんですが、日本に来た興奮も醒め寒さや人ごみやテレビ番組の内容などおおよそのことに順応し始めた今週から、実によく眠る。それまでは夜11時ごろまでちっとも眠くならなかったのに最近は7時とか8時に眠っちゃう。そしてかなり物音を立てても揺すって起こしたりしなければ朝9時ごろまで眠りっぱなし。暗くなるのが早いせいもあるかもしれないけれど、寒さって眠気を誘うものなのだなぁ。毛穴が開きっぱなしのところから来ると、俄然眠る。ま、彼が大好きな昆虫も今は土の中。動物たちも冬眠中ですからね。本人もいっぱい眠っていたってよいのですきっと。

さて、作品展。あと2日です。まだの方、是非お運びください。大分サイズ切れもありますがいいものがまだいろいろありますよ~。

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2006年12月 4日 (月)

明日から作品展です。

11月28日に帰国して、あれっ、早くも明日から作品展です。ブログに何書こうかな〜っと思っていたらもうかれこれ1週間も経っていましたです…。
今、マニスの事務所内では私以外全員が搬入の準備中。今回はデパートでの開催なのでこのあと夜7時に出発して8時から会場のセッティング作業。きょうは一日長いぞ。
この週末は久し振りに仕事から離れて子供と散歩。電車やバスに乗らず、気ままに歩く。
土曜日はワランワヤンの由里ちゃんと娘のりりちゃんと合流してこどもの城へ。実は、はじめて行きました。屋内でいろいろ遊べるものがあるということは、雨の週末だったりすると結構混む? 2時間くらい遊んでクレヨンハウスにお昼に行った。こっちはお天気がよかったせいかどうかすっごく混んでいた。子供は2歳以上で630円というのがやや割高に思った。すっごく食べれる子だったらブッフェ式のクレヨンハウスのお昼はおすすめだけど。でも子供連れの人、多いですよね。やはり。おかずの内容に子供が食べやすいものももう少しあるといいなと思った。ちなみに子供用のプレートとしては有楽町のMUJIカフェが今のところ気に入っています。525円でジュースが付く。
昨日の日曜日は六本木ヒルズへ。森美術館で開催中のビル・ヴィオラ展を見に。子供にとっては「早く帰ろうよー」となりがちな内容ではあったけれど、東京シティビューと併せて見れるし4歳未満は無料(!)。それほど混んでいなかったので、ミュージアムカフェにあった窓際の中東風のカーペットの上で寝転がって東京の景色を見降ろし日が暮れるまでぐうたら過ごしました。このミュージアムカフェですが、森タワー内でここだけすごく六本木な感じ。バロック調こてこて金+ビロードなコーナーも。中東風カーペットのコーナーも夜にはそれなりに六本木っぽい感じになるのでしょうけれど、バリ育ちのうちの子供にとってはカーペットにクッションが置いてあるという設定に妙になごむ(バリでは床に寝転がる生活だから)。ひと頃はすごく混んでいて近寄りがたかった六本木ヒルズだけど、リピーター利用に力が入っているし美術館の展示内容も独特でいいと思います。
あっ、それで、作品展ですが、もう間もなく搬出作業に入ります。毎回いろいろなテーマでいろいろな服をつくっていますが今回のは私自身いちばん気に入っています。皆さんにもお気に入りがあるといいなと思いつつ。それでは、行ってきます!

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