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2006年11月16日 (木)

二重仕立ての服

Photo_21 私はバリにいることの方が多いため、布を探せる機会がわりと限られている。とくに秋から冬物をつくるとき。おなじみのバリ手織シャンブレーやナチュラルダイのバティック。インドの木綿やシルク。…といった素材はやはり暑い気候の中でつくられているから、やっぱり春から夏向けですよね。ウールの布はというと、毎年もっとも悩ましい。昨年から国内でオリジナルのものをつくってもらうようにしていますが、最低生産量があってマニスのほかの布のように「少しずつたくさんの種類」はできません。

秋冬もののバリエーションを増やすために、昨年から少しずつ“二重仕立て”の方法を試しています。二重仕立て、とは言葉の通り。別々に裁断した2枚の布を裁ち端2mmくらいのところで縫い合わせてから1枚の布で縫うのと同じ手順で縫うのです(ちなみにリバーシブル仕立てとは大分違います)。もともと、1枚ではスリップ(滑脱)が起きてしまいそうな織りの甘い布を何とか服にする手段として思いついたのだけど、これ、ウールの季節に結構応用できる。

今年は薄いジャージー+バリ手織シャンブレー、ウールガーゼ+コットン、といった掛け合わせの服をいろいろつくっているところ。(といって、もう最終段階なのですが。)ふたつの布の色合いや雰囲気を一か八かで掛け合わせてみるのだけど、案外仕立て上がりは想像できなかったりする。はじめ「これは一等合う」と思っていても、縫ったあとに手を加えないとバランスが取れないものもあるし、あまり躊躇しないでずばっと合わせた布同士がぴったり納まり合ったりして。……くたくたに柔らかかったウールジャージーに薄い木綿地を合わせ1枚の布として縫い上げると、しっかりした感じだったり、同じような布同士でもリバーシブル仕立てにするとやっぱり柔らかい感じの服になったり。仕立ての技術としてはあまり慎重にならなくてもかなりいろいろなパターンでつくれそうです。

バリ手織シャンブレーは今のところ織機と糸の太さのバランスを変えることが出来ません。ずっと前は織糸を2本取りにしてキャンバスのような厚手のものをつくっているところもあったのですが。でも、二重仕立てでつくればバリシャンブレーだって通年素材。今の季節でも着ていただける服がいろいろつくれるのです。

12月5日からの作品展で是非ご覧ください。そうそう、今回はバッグもおすすめですよ。

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