ボタンについてひとりごと

それよりもさらに前は、くるみボタンをつくるのが自分のなかで流行っていたので平べったい既成ボタンは服の内側やパンツのウエスト部分くらいにしか使わなかった。……7年もやっているうちにボタンについての認識も変わるものです。
それにしても。世の中にはたーくさんの種類のボタンが売られているのに“平べったい系”のものではダントツ貝ボタン。マニス以外でも自分で買うよその服についているのはたいてい(たまたま?)“貝”だったりする。不思議といえば不思議です。貝ボタンって割れやすいし、かなり個性的な光沢があるから生地によっては異質な感じもする。それでわたしはときどき裏面を表につかいます。裏面は模様や色にかなりばらつきがあるので、1着の服にまんべんなく似たようなものが並ぶように数百個くらいのなかから選ぶのです。「黒蝶」と呼ばれる黒っぽい貝ボタンがとくにそうで、ごつごつした岩っぽい表情のやら、つるっと茶色っぽいものやら、月が雲に隠れたみたいな半透明な光を放つものやら。そうしたなかから着分ごとにセットをつくる。だから服づくりの仕上げにつけるボタンが1着ずつ違って、出来た服たちは1着ごとに違った感じになる。……というところも貝ボタンの面白さかも。あとは滑りの良さ? 分かりませんが、とにかく飽きないしずっと好きなのです。
この前、子供に初めてパジャマを買った。それまでは悪くなった長袖やジャージーパンツでどうでもいい格好で寝せていたのだけど。大きめのチェック地で中がガーゼの二重織のもの。着始めてから「へぇ」と思ったのは、ボタンの大きさです。子供用にしては大きすぎるなぁ、と思って見ていたら、まもなく本人が「自分でできる」って。ボタンをはめるなんて難しいだろうと思っていたら、わりと上手にできるのです。そうかー。そのために大きいのがつけてあるのかーって。こういうボタンのつけ方、誰が考えたのでしょう、素敵です。あと、これも知らなかったのですが、脇に小さなボタンがついていて、これでパンツをとめてお腹が出ないようにするのですね。自分がいつごろからボタン締めを手さぐりでできるようになったのかも記憶にないけれど、ずっと昔から服のなかで同じようなものが同じように使われている。いろいろな配慮も加えられて。
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