2018年1月21日 (日)

バングラデシュへ 1

1年半ぶりのシンガポール航空。
機内の
オンデマンドでこれを4回も見ました。(あと2回は見たいと思っている!)
今、ネットサーチしてみたら日本では今月13日に公開されたばかりの映画でした。
「ドリス・ヴァン・ノッテン ファブリックと花を愛する男」

広告を否定し
スポンサーを持たない。
すべては自由なクリエイションのため。
「じっくりと味わえる服をつくりたい」
「持ち主と一緒に成長できる服だ」

最初から最後まで、本当に美しくて
完璧な映画。
足元にも及ばないけれど、
手仕事の布を求める旅に出かけるところです。

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フィルムの中で
刺繍デザインの担当者がインドのコルカタを訪れるシーンがありました。
あ、この場所。
たぶん今から行く場所、ベンガル!(国は違いますが)
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職人が男性です。
ココがアジアとインド流の違いかと。
素晴らしい映像、そうです、この、クラフトマンシップ。
布の中に込められていくもの。
この映画を久しぶりの一人旅、はじめての旅先
の前に見るなんて。
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そして、着きました。
はじめてのバングラデシュ、ダッカ。
むかーし、ビーマンバングラデシュ便が日本に乗り入れていた頃は
ヨーロッパ行の格安航空券の御三家でもあったので、確か1回か2回はトランジットしたことが。
今回はここに着地!
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翌朝、結構寒いなか最初に出かける先は
案外、保守的。(笑)
旅行会社でした。
(平均気温15~25°という事でしたが、10度前後の朝でした。)
ホテルの人に行先を相談するとリキシャに乗るべきとのことで、
ホテル前で拾って価格交渉もしてもらいました。
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インドでもあんまり乗ったことがない。
ダッカでは今もたくさんの人が利用している。
少しばかりの英語は通じるので、これは便利!
ワクワクします。
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旅行会社に最初に行ったのは、
ネットでさんざんサーチしても、ガイドブックをくまなく読んでみても
あまりパッとした情報がないからでした。
まぁ、地名くらいは出てきますけれど、様子がさっぱりわからない。
で、訪れた先で知り合ったガイドさんが
「ルポシ、今から行きません?」、って。
ダッカ郊外にある手織の村で、ネットにも出てきた地名ながら
普通は船で行く場所らしいので候補から外していました。
何やら一日がかりで大変そうだったので。
その村は車でも入れるから案内してくれるって。
もちろん、行きますとも!!

早速車に乗り込みました。
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ダッカ郊外。こんなプラゴミの山があちこちに。
歴史に残るような大洪水の原因はプラゴミだとして、ずいぶん前からレジ袋はじめプラ袋の使用を禁止しているバングラデシュ。らしいけれども。
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川辺のように見えるたくさんの水辺は大半が池、湖。
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これは川ですって。
大きなボートがあちこちに浮かんでおります。
川に沿って、とても細い道があり、
車がやっと通れる幅で。
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ジャムダニ織の工房に到着しました。
うわ~~~、すごい!
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縫い取り織りです。
ピアノの連弾のように、サリーの布幅に対し
二人の織手が並んで作業しています。
(結果的に、最初に会ったこちらのご夫婦の作品が今回の最高の収穫品となりまして。)
1枚のサリーにこの柄だと
二人で3か月もかかるのだそうです。

出来上がったら、コルカタに送られるとか。
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こちらは一人で、裾の柄だけを入れている。

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掘りごたつのように土間に足踏みを掘り込んだ織機。
この方は、米を糊として経糸に擦り込んでいました。
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ルポシの集落を案内してもらいました。
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おびただしい洗濯物の、色彩がまず素晴らしくて。(笑)

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ジャムダニ工房のストックルーム。
これは草木染による作品です。買いました。すんごく高級品。

この柄の部分が、先ほどの写真の、
針で刺繍のようにさしている縫い取りによるものです。

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雪印も買いましたw

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集落の中で、静かに織物がすすんでいます。
(右のトタンの建物の中にも織り機が。)
車、ぎりぎりの幅です。
こんなに静かな集落が喧噪のダッカの中に。


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この国に来たのは、正解だとここで思いました。(笑)

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余談ですが、

ちょいと趣向が違う話題です。
グラミン・ユニクロっていうのがあるそうなので
帰り道に案内してもらいました。
あのグラミン銀行とユニクロが合弁し2010年に誕生した
ソーシャルビジネスモデルにて、
現在国内に7店舗、
現地御用達ショップ。
590タカのポリエステルボトム。
大体810円。安くないけど、人気らしい。
店内にはサロワカミューズという現地の女性たちが着る民族衣装のドレスがたくさん。

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この端と端をつなぐような試みは、もしかしたら、
このあとヤジロベーが傾くかもしれません。
好景気の一歩手前、とっても元気な国です。
かつてモスリンの産地だったベンガルで、モスリンはもうありません。
だけど、国の経済を支えるのは縫製業。
輸出が中心だと思いますが、街中にも
衣類はとても豊富、と見えました。
インドと共通するものと違っているものを小さな断片で気づき
比較しながら、探究するような旅でもあります。
客観的に見れば
ドリスヴァンノッテンの孤高の美とのギャップがすごいんですが、
絞り込みが大事ですよね。ここは、しっかりと絞ります。(笑)
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バングラデシュについて。
豊かな緑と水資源に恵まれた国で日本の国土の40%ほど。
1億5000万の人口は世界いちの人口密度。
1971年に東西パキスタン時代から独立。
アジア最貧国のひとつとされていた、そうです。
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ダッカの公共バスは今もこんな感じ。
現在空港と都心をつなぐモノレールの建設中。
こんなバス、もう世界でも少ないかな~、暑い季節にはどれだけ過酷なことでしょう。
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まめたび、この後をお楽しみに~~~

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2018年1月 2日 (火)

あけましておめでとうございます 2018

あけましておめでとうございます!

新しい年になりました。
昨年は作品展後に不覚にも風邪をこじらせてしまいまして、
12月はほんとうにノンビリ過ごしました。
ゴロゴロしながらカズオ・イシグロをもう4冊(先日の3冊のほかに)読んでしまった!
さぁ、今年はどんな年になるでしょうか。
アトリエマニスでは
インドネシア国内にフォーカスした昨年
バティックやトゥバンの手紡ぎコットンを使いました。
今年も国内、と思っていたのですが
ふとしたひらめきで(笑)
お正月明けからバングラデシュへ行ってきます。
行ったことのない国に行くのはとても久しぶりです!
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昨年現地に注文していた無地のノクシカタ(バングラの刺し子)が
秋冬に間に合わなかったので
今春に使うことにしたのです。
そのついでに
産地へ赴いて収集してみたいと思います。
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その前に、
1月12日に京都toko manisにて福袋を販売してみます。
はじめての試みでして、成り行きでコーデし価格も内容も一つずつ異なるので
透明な袋に入っております。(笑)
ですから、こちらで先に公開しちゃいます。
当日いらっしゃることができない方は、お電話、メールで
お申込みいただけるようにしています(店頭販売が優先となりますのでご了承ください)。
半端なものはセール価格の70%引き~、
いつも作っているバリの手織チェックや定番リネン服も60%引き~、ですよ!
小物、こぶくろ、バッグ、おみやげもいろいろトッピングしてみました。
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①  6000円
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ウールリネンカルゼのちびぽけパンツ、Lサイズです。
冬服の中に合わせやすいやさしい赤。
ちびぽけパンツは長らく作っていなかったのですが、太めのシルエットですっきりとしています。
ウエストサイズは調節出来ます。
シルクオーガンジーのこぶくろは手仕事いっぱいのぜいたくな小物。
ほかおまけつき!
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②  4000円
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早い者勝ち!

上のパンツと同じ生地に裏地を付けたセミフレアスカート。
裏地の始末がちょっと凝っています。w
しっかり暖かく履けますよ~。
こちらはMサイズ。
バティックのはぎれセット、手作りの紙などおまけつき。
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③  5000円
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発表会などのセミフォーマルに、とつくった2009年作。
フリルつきシルクオーガンジーの二重スカート。
ミドル丈のセミタイト、Mサイズ。
シルクざんまいでお買い得です♪
フリルもシルクオーガンジーにギャザーを寄せたものです。
やはりシルクオーガンジーのこぶくろとセットで。
インド・アノキのハンカチなどおまけつき!
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④  16000円
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こちらはかなり贅沢な内容
バリ・カランガスムの手織チェックをいろいろ組み合わせたコンビネーションのリスパンツ。
Lサイズですが、ウエストフリー。
こちらは定価品から特別参加!
それに合わせて、グジャラートのブロックプリントでパッチワークしたバッグと
さらに! 細かいパッチワークで仕立てたこぶくろをセットにしました。
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⑤  9000円
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毎年定番の
バリハンドバティック、インドパンツ。Mサイズ。
ブッダフラワーと呼んでいるインドの柄で型押し版をつくったものです。
色を合わせて、ハート部分をビーズで埋めた贅沢なこぶくろとセットで。
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⑥  16000円
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こちらは服2点とフェルトバッグのフルコーディネート
ウールに少しラメが入ったポンチョ風のジャケット、Lサイズ
インディゴ染リネン&バリ布の二重仕立てパンツ、Mサイズ、
なぜか1点ずっと残っていた溝口さんフェルト展のときのミニバッグ。
ジャケットはネックで絞って調節して着るタイプ、鉤針編みブローチついてます!
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⑦  13000円
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定番リネンのトリニティパンツ(Mサイズ)は定価品。トレパンのような動きやすい形。
ブリジットシンのプチバッグと、シルクオーガンジーにステッチワークを入れたこぶくろ、
いかがでしょう?
季節を問わず履ける硬めのリネンパンツ、重宝しますよ!
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⑧  5000円
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目の詰まったコットンポプリンのショート丈ジャケットLサイズ、
ブリジットシンのミニバッグと
ウール生地でつくったお花のコサージュ(赤い蓋の箱に入っています)、
シルクオーガンジーにハンドステッチの生成のこぶくろ。
盛りだくさん!
これはお値打ち!
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⑨  10000円
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バリショップで常時販売中、Harumanisのバリ手織チェック・ツイストパンツと
バリバティックの水玉に刺繍を入れたこぶくろ。
タマタマとカクカクでセットで1万円。
ツイストパンツはMサイズ。
その他ちっちゃいおまけつき!
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⑩  11000円
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最後10番目は、ピンクのセット
シルクシャンタンのワイドパンツはXLサイズにてずっと残っていたもの。

UTOさんでつくっていただいた懐かしのカシミア&コットンのオリジナルニット、
フリーサイズ。
贅沢素材の組み合わせで元気なピンク、サイズが合えば
とってもおすすめです。
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以上10セットです。
●toko manisに来られる方は、もちろん試着可能です。
●メールでのお申し込みは1月17日正午まで受付となります。
●お電話でのお申込みは1月15日と17日、10:00~14:00、留守電は不可。
●ご来店の方が優先となります。メール、お電話でのお申し込みは1月12日閉店後に残っているものからお申し込み順に対応させていただきます。ご希望に添えない場合はご了承下さい。
●価格は消費税込みです。
●お一人2点まで。
●転売を目的とされる購入はご遠慮ください。
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それでは皆さま
今年も良い一年を送りましょう!
今年もどうぞよろしくお願いいたします。

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2017年12月23日 (土)

杉本博司の江之浦測候所

皆さま

お元気にお過ごしですか?

バリは相変わらず雨降りばかりですが、

ありがたいことにアグン山噴火の方はずっと小康状態。

バリスタジオは先週末今年最後の服を送り出して

今週からは春の服に取り掛かりました。

師走ってバリにはあまりない感覚で、今どきが一番のんびりできる。

ついダラダラとしてしまいますが、

日本でのたび日記がもうちょっとありますので

追っかけ投稿いたします。

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写真家・現代美術家の杉本博司氏が私財を投じ

10年がかりでつくったという

「小田原文化財団・江之浦測候所」というところへ行きました。

長らくニューヨークを拠点に活躍され、六本木・森美術館や東京都写真美術館などの大掛かりな展覧会もあったので、杉浦氏の存在をご存知の方は多いかと思います。

私は直島アートプロジェクトの神社での作品を見て以来隠れファン。

それに、小田原といったら私の高校時代の庭(!)じゃありませんか。

江之浦測候所は穏やかな海原を見渡す広大な高台にありました。

ふつうにみかん山のままだとしても、

気持ちが救われるようなおだやかで温かな情景です。

杉浦氏もここに母なる海を感じていたそうです。

で、ここに何作ったの?? 測候所って何、何??
気になりすぎて、困るので。早速行ってみました。

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見学は完全事前予約制。

東京から京都へ移動の日にトランジット、なのです。

ネット予約、セブンイレブン発券、

自販機一個があるだけの無人駅から時間指定の送迎バス、

施設内は物販もカフェもなく、

見学する心構えがおのずと整います。

(ですから、ここをデートスポットに推している雑誌の記事はちょっと間違っているように思えます。)

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海原を見渡すとやおら自分も素材や風景の一部に溶け込み、無になります。

ちなみに幅広く収集されている「石」ですが、相当なこだわりを感じます。

(こちらは室町時代のものだったか?)

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根府川駅は無人駅でした。このバスに乗って行きます。

歩くと30~45分かかるそうです。

湘南ライナーで駅に降り立った人のほとんどが

このバスに乗ったような気がします。(笑)

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ぐいぐいと登って行く山、キラキラ輝く海にすっかり心奪われ、10分くらいで到着です。

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エントランス。
屋敷の門のような不思議な雰囲気。

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見学者はこの門をくぐらず、まずはメインの詰所で入場手続き。

詰所と言ってしまいましたが、待合棟です。縁取りのないガラス張り、地階への採光、無機質な素材に古い石。

江之浦測候所のものがたりを早速感じます。

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見学順路は自由。

待合棟の前にある「100mギャラリー」にまず目が行きます。

長さ100mの片面総ガラス張り。

こんなふうに海に向かって気持ちよく、まっすぐに伸びる。

この細長い空間を夏至の太陽がまっすぐに突き抜けるそうです。

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そのわきの階段を下りていきました。

何やら古い石塔や敷石。石だらけ。不思議~~。

後から調べて分かったのですが、杉本氏は一時骨董商だった時代があるそう。

おそらくその頃に集め始めたものなのでしょう。それにしても

石だけ見たらここは“石ミュージアム”ですね。

そういう印象があとに残らないのがまた不思議なんですけれども。

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「止め石」。ここから先に行かないでください、という敷地内のルール。

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その向こうにあった「茶室」には、自筆の書が。茶道にも長ける杉本氏。

すっと前に「たけしのアートビート」というNHK番組で、北野武が杉本氏のNYの事務所を訪問するのだけど、招かれるはその中にしつらえられた茶室でしたね。

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茶室に上がる手前には、直島の護王神社でも使われていた光学ガラス。

まるで氷のような涼しげなかたまり。

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茶室の海側の門になっているのは、

古墳時代の鳥居に倣い組み立てられたという石造鳥居。

春分、秋分の日の出の光が真っ直ぐに入るような位置に設置されているそうです。

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100mギャラリーは先端が突出していました!

人が立っているところはガラスのフェンスがあるけれど、一瞬そうとは分からず。

下をくぐるようにして、海を見晴らす舞台があるところへ。

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突出したところの下。

丸いのがゴロゴロ。

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これであの止め石をつくっているのでしょうか。

川の流れのように敷かれている丸石。

丸くなる過程について空想する、どれだけの時間がかかるのか。

きっととても長い時間。

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左の長いのは100mギャラリーの壁面です。

下のこの敷石は京都市電の軌道敷石だったものらしく。

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大きな一枚岩の真ん中の亀裂は自然に?

石が割れるって、これまたどのくらいの力がいるものだろう、と。

あぁ、何かちっぽけな私の前後左右に、悠久の時間みたいな感覚がぞわぞわと。

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光学ガラスでできた能舞台。清水寺のような懸け造り。

席からはガラスの舞台が水面に浮いているように見える、と、パンフレットにあるけれども。

その左わきの錆びた長いのが、私は一番心に残りました。

錆びた長いのの中は、シンプルなトンネル。

切り取られる海のまぶしさ。止め石。

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隧道。

このパースペクティブが杉本流かと。そして、ジェームス・タレルのような。

美しさとともに安心感を感じます。

隧道の真ん中には、井戸。

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光の井戸。上は、切り取られた空。

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冬至の日の出が70メートルの隧道を真っ直ぐに入り込み

この岩に当たるそうです!

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井戸の脇に鏡のある小部屋。
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隧道の上も美しい。思わず、止め石を見落として先までぐんぐん歩いて行った見学者がいました。
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たくさん写真を取りすぎました!(笑)

まだまだたくさんあるのですが、この辺にしておきます。

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某日、

病院の待合室にあった雑誌ディスカバリー・ジャパンのインタビューを書き写してきました。

「20世紀から21世紀にかけて


特に戦後の産業復興は人類の歴史を振り返っても


特異な現象だと言ってよいでしょう。


経済成長の中でより安定した豊かな生活を求める一方で


自然から多くを収奪してきたことに気づかなくなってしまった。


こうした人間の行動&思考のパターンが現代の闇を作り出している」


「人も建物も密集した都会に住んでいると、


広々とした場所で目的を持たず過ごす機会はほとんどないでしょう。


自分が好きな場所に腰を下ろし、空にトンビが舞うのを眺め、……、


環境の微細な変化を全身で感じ取る事で、


人が人でありこの世に存在している理由がおのずと見えてくるはずです」


ところで、

ウィキで杉本氏を検索すると、冒頭にこう書かれています。

「作品は厳密なコンセプトと哲学に基づき作られている。」

確かにそう、厳密なのです。

そして、意外と父性よりも母性を感じたりしました。

あぁ、それはきっと、この海のせいですね!

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今回は、見たものが壮大すぎて

何かうまくまとまりませんでした。

それでは皆さま、メリークリスマス!








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2017年11月26日 (日)

しばし東京

11月15日にバリへ戻りました。

今週は12月のマニス展のための服をバリから送り出します。

こちらに戻って以来、青空はあまりなくほとんどが曇りか雨。

私の不在中からずっとそんな感じだったようで、

最近に至っては午後の雷雨がお決まり!

そしてなんと、アグン山も噴火してしまいました。(!!!)

きょう26日の朝はかなり噴煙が上がり、UBUDの拙宅でも床がざらつくくらいの降灰が。

このまま終息してくださるといいのですが、

聖なる山はわたしたち人間の行き過ぎた欲望に、もう耐えに耐えてきて

「これ以上はムリ!」、と言っているような気もします。ですので

バリ中のお坊さまが「そこをなんとか、被害が最小限で済みますように」、と

祈祷してくださっているそうです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・

きょうは、作品展の翌日のお話しにさかのぼります。

作品展の3日間を通して、今回神楽坂とのご縁が一層深まりました。

で、翌日もまた午前中から神楽坂。

フラスコのオーナー、日野さんのお店・貞さんのすぐ近くにある

古い木造住宅の一角。

ここで、フラワーエッセンスの調合をしてもらいました。

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この三角のお家の隣です。

この長屋さんの中は、いろいろな人たちが

いろいろなお仕事で利用されているみたいです。

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柿の木に小鳥たちが集まる様子が窓から見える奥の角部屋。
差し込む光が美しい!
フィンドホーンフラワーエッセンスは、スコットランドの北部、
フィンドホーンから採取される野生のお花の個性、パワーを水に転写したものを使い
より豊かにラクに、思い通りに生きるために役立てる、というもの。(私の解釈ですが)
あるサイトに出ていた解説によると、こんな感じです。
1930年代、英国の医師であったバッチ博士は、性格や感情の状態によってかかりやすい病気がある、心の不安や傷を癒すことが病気の予防や治療に役立つ、ということから、体に無害な花のエッセンスを作り、系統化したのです。

フラワーエッセンスにはメーカーや種類がたくさんあり、
パッと見、どれをどう使ったらいいのか難しすぎるように思えますが
フィンドホーンの解説を見ると、初心者でも比較的分かりやすいと思います。
自分でネットで購入することもできますが、
とくに、こうして自分の状態をじっくり観察し、どうなりたいかを
こころに聞きながらのセッションで調合してもらうエッセンスは、
思いがけない変化にもつながって面白いと思います。
写真は、エッセンス選びの技術を持つ青木真奈さん。
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おいしいお茶を頂きながら、真奈さんのナビでしばし自分の心と向き合います。
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フラワーカードで今の自分に合うお花を探していきます。

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ペンデュラムにも聞きながら、真奈さんが調合の割合を決めて、

作ってくださいました。

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なんと鉱物のルビーも入りました。
私の「なりたいもの」とは、いまさらですが、邪気に振り回されない自分です。

ちょっとした人の言葉、ちょっと見ただけのネガティブな映像などからしばしば逃げられないのを最近ふたたび自覚して、

このパターンは直すことができるんじゃないかと思い始めていました。
フラワーエッセンス、言われたようにきちんと飲んでいませんが、
それでも気が付いたことがあります。
最近とても怖い本を、そうとは知らずに偶然に読みました。

前は、怖い本なんか絶対に読まなかったんです、だって眠れなくなってしまうから!
ところが、その本を一晩で読了(すごく面白かったので)するも、
なかなかにすがすがしい印象が残りました。

思うに、怖いところがほとんどだけれども、その中にほとばしる光の方を追いかける作者と同化すると、不思議と大丈夫だったんです。

面白すぎて、やはり眠れなくなってしまったんですけれども。(笑)
あ、そういえば、フラワーエッセンス飲んでいるし、と、その時にふと思いました。
・・・・・・・・・・・・・・・
真奈さんのセッション、次回のマニス作品展の際に
ご希望の方に受けていただけるように設定しようと思っています。
・・・・・・・・・・・・・・・
その日の午後は、国立新美術館。安藤忠雄展へ。


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月曜日なのに入り口は行列でした。

建築家・安藤氏のおもしろさは、関西へ移り住んで間もなくはまって、

著書も読みました。

何ていっても無学でここまでの仕事をする安藤氏の型破り的な偉業。
もう、日本を代表するヒーローの一人、って思います。

それに、この方もやはり、旅をして学んだのです。そこが好き!

ヨーロッパの歴史建造物を見て回る体験。
その多くがカテドラルのようなキリスト教にかかわる空間だったと思われますが、

安藤氏の建築の中で一際すばらしいのはやはり「教会」建築だと私は思います。

展示の中に、なんと、あの代表作「光の教会」のレプリカが!


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その他の展示は写真と模型、図面がほとんどで、
建築をやっている人じゃないとちょっと分かりづらいかと思いましたけれども、

安藤氏の空間を知るにはいい機会だと思います。(私が言うのもなんですが、、)
建物を地表に建てるという概念を外した地底シリーズや、
「土地を読む」というメッセージ性の高いブース、
木を植えるプロジェクトもやはり、安藤氏の生み出した「無かったもの」かもしれません。
そういえば、昔ちょっとだけ職場だったところも安藤建築でしたっけ。
中央の吹き抜けから、どのフロアも見渡せてしまうという、逃げ場のなさに驚きました。(笑)

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美術館と直結する乃木坂駅から何となく千代田線に乗り、そうだ、表参道ヒルズ。

あれはどうなっているのだろう、と一駅トランジット。

ね、ね。

そうですね。

安藤氏の作品は、商業施設には向かないかも。

コルツィオーネもそうだった。

祈りの場、癒しの場の神ですから。

この建物にはブティックではなくて、展示ギャラリーのようなものの方が合うのではないかと。

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写真が少なく、語りが多い今日でした。(笑)



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2017年11月11日 (土)

作品展終了しました

少しだけ雨も降りましたが、

穏やかな3連休。

今回もたくさんの皆さまに来て頂くことが出来ました。
本当にありがとうございました。

こちらの写真は、東京に搬出する直前のtokoです。

ソンケットはほぼ全部旅立ちました。
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シェットランドウールの服、トゥバンバティックも、残りわずかに。

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作品展会場ではちゃんとした写真が取れませんでして(今回も)、

以下は神楽坂の写真です。

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気が付いたら夜……。

初日の夕方は試着舞台が盛り上がりました!
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ワインも人気。

コーヒーは2日目と3日目に試飲していただきましたが、

初日にもバリスタがいたらよかったです。

何か、こんな写真しかなくてすみません。

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今回も、お会計には諸山朝子さんが。

平塚から都内のお嬢さんのところに泊まり込みで

設営から撤去までフルでお手伝いいただきました。

神楽坂でサロンをしているさとこさんには、設営&撤去のお手伝いと

急な思い付きで
2日目に10分お試し施術コーナーをお願いしたら、とても人気でした。

全部で14人も受けられたんですよ!おかげで私は受けられませんでしたがw

金澤博さんと高橋哲也さんも川越からお手伝いと応援に来てくださいました。

ほか、お客様の皆様からもいろいろ手伝っていただいてしまって、

本当にありがとうございました。

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京都から荷物を送って、一人東京へ向かうも、
沢山の皆さまに支えられて、作品展66回目、終了いたしました。
次回は来年5月です。

また皆さまにお目にかかれることを楽しみにして、来週バリへ帰ります!

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2017年10月31日 (火)

まめしんぶん2017秋冬3

ベーシックウールのシリーズ

【シェットランドウールリネン&コットンジャージー】

毎年使っているシェットランドウール。

今回は、裏面にコットンを接結したジャージータイプがおすすめです。

写真右のカットソー(DMにも写真を入れています)は、

普通のミシンで、伸びすぎないように調節しながら

伸縮性のある糸を使って縫っています。

ゆるやかなAラインでポケットのないシンプルな「クメールシャツ」は。

今回はLサイズもあります。

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こちらのフード付き「テントパーカ」も接結ジャージーです。

ポケットなど一部に同色の布帛を使い、丁寧にシングルコートの仕立てをしています。

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【シェットランドウールリネンツイル&バリシャンブレー】
硬さがあるシェットランドウールの定番生地に、上のジャージーのもけもけした耳を

パイピングにつかっています。

同じ色の別仕様(ニットと布帛)をアレンジしてありそうで結構ないかもしれない

カーディガン風ジャケット。

ポケットもリブジャージー。

ロング丈のコート風(マオコート)もつくっています。

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【シェットランドウールツイル&ナチュラルウォッシュリネン】
シェットランドウール100%の贅沢な表地、
裏に肌触りの良い良質なリネン生地をつかって二重縫いしています。

前中心のたんざく部分に、生地の耳を使って、アクセントに。
たっぷりとした分量ながら軽く暖かくはおれます。
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【ウールコットンリネンソフトデニム】

今回の新型、「ラオ・パンツ」は、

タイパンツのようなカッティングで股上が深いのがポイント。

履き方は、ひも結びがある前のギャザー分を全部後ろに寄せて、

前をスッキリ、うしろをタップリ、

が、おすすめですが、前後逆に履くこともできます。

(あいにく作品展にこの素材のものが間に合いません。

別素材にてご覧ください。)

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【リネンウールワッシャークロス】

薄くフラットなワッシャータイプ。昨年も使いましたが、

分量のある秋冬服に重宝するので今年も。

このページの一番上の2つの服が並んでいる写真の左側も同じ生地です。

(↑:BIGパンツというとても分量のあるフリーサイズのパンツに

サスペンダー風のストラップを付けました。)

下の写真は、バリシャンブレーや薄手の生地で主に夏物でつくる

「レイヤースカート」というかたちです。

たっぷりタックと裾幅を取って、大人っぽいシルエット。

TOPにきゅっと小さなめなものを着て、丈長を強調して着るのがおすすめです。
(私はポリエステルの山用キルティングジャケットにこの形を着るのが好きです。)

こちらの生地だとさすがに重さもややありますので
サスペンダー風のストラップをつけました。
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同じ生地で、こちらも秋冬ではほとんど作っていない「ロングジプシー」。

薄手のリネンで作るものもきれいに仕上がりますが、

ウール混リネンだと、ちょっとしたアウター風の雰囲気も。

今回のおすすめのひとつです。
(現在リピート制作中ですが、作品展では点数が限られますので

お早めにご覧ください。)

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皆さまにお目にかかれることを楽しみに、
11月3日からの3連休、神楽坂でお待ちしております!

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2017年10月30日 (月)

お知らせ

まめしんぶん3の前に
もうひとつお知らせです。
11月4日(土)、作品展2日目には、
神楽坂でボディチューニング・サロンをされている「ゆりなす」さんが、
会場内でお試しショートコースをやってくださいます。

普段お仕事が忙しい方、

あまり整体やスパに行かれていない方にはとくにおすすめしたい体験です。
揉まない、押さない施術、ゆりなす。
「揺らす」ことと心地の良い圧をかけることで身体の調整をはかります。

以前バリに在住されていたこともあり、癒しのエネルギーも定評があります。
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座・ゆりなす(The yurinasu)
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◆腕微振動ゆらし&背中さすり
10分 1枠 1000円
慢性疲労、凝り、つまり、むくみetc
日頃よくある不調の緩和
瞑想的な感覚でカラダを丁寧に
深く調整したい方にもオススメです。

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シドメンへ

「まめしんぶん」連投を一旦はずれて、

きょうはまめたび(布のはなし)の一日です。

10月になって間もなくのこと。

サンデーオーガニックに久しぶりに顔を出すと、

友人、さちこさんと意外な話に。

「アグン山地域の避難者ね、シドメン(=ソンケット織の産地)からもいるって」

「50年前の噴火の時には、シドメンからヌガラ県(バリ西部)まで

徒歩で疎開した人たちもいて、うちの主人の家系はその一部なの」

「なるほど、ヌガラにもソンケットがあるのは、そのせいかもね。実は、

機を持って避難先からうち(マニスのスタジオ)に来てもらって、

織物やってもらえないかと思ってたところ」

「避難の人たちの様子、知りたい。

親せきの一部がシドメンにいて、確かに織物をやっているよ」

「わお、じゃ、さっそく行こうよ!」

、ってことで、即決まったシドメン行き。

さちこさんの親せきの人に案内をお願いして、山奥の村を訪ねました。

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避難勧告が出て以来、不思議と見えなくなっていたアグン山。

いつもは晴れていれば私たちの村からもくっきり見える霊峰です。

火山性微震の回数は減ってきたものの、山が見えない不透明さは

ひとつの心配の種でした。

避難の人たちが気になった事がきっかけになったけれど、

バリの織物のメッカ、シドメンにはかれこれ10年行っていなかったのです。

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画家のウォルター・シュピースが暮らしていた地域。

今もバリの原風景が残る田園地帯。

下の写真は、その中の一軒のお宅です。

これ、何か分かりますか?

ヤシの樹液を採取して、おいしいものをつくっているところ。

この地域の名産でもあります。w


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シドメン地域は日本の山陰のように山、また山。その合間に小さな集落。

色彩の少ない、素材の色だけの民家が多い。


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バリは今やすっかり都市化された思いきや、

昔から変わらない暮らしと時間を送っている地域がこうして。

貧しいのではないのです。

必要なものが少ない暮らしだから、自然の中に根ざした暮らしだから、不安がない。

きっと。そのようなシンプルライフなんじゃないかと思います。

家の一角には、機織り場。

これはソンケットの技法で、

儀式用のサロンの裾に縫い付ける織テープを織っているところ。

聞けば、この糸材料とパターン(模様織りにするため縦糸に織り柄をセットする作業)は

自分でおこなわず、リテーラーからセットにしたものを渡されるのだそう。


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そうですよね、模様織りは、織の作業も複雑ですが、

機に糸をセットするところがかなりの技術だから、一般の人にはなかなか難しい。


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では、どのように「セット」をしているのかを見せてもらいに

車でさらに30分ほどの山奥に。

食堂すら一軒もないような山間の集落で、この複雑な仕事をしていることには

正直驚きました。

こちらは、経糸をセットしているお宅です。

一家の何人かのお嫁さんたちが共同してやっているらしい。

経糸は1300本くらい掛けるらしい。

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竹ひごに色糸で描かれた図案のサンプル(写真のもの)をもとに、

実際の経糸の綜絖に図案が描かれるようにセットをしている家。

難しい技術なので、この地域では二人しかできる人がいないそう。


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この人の頭の中には、

得意の音楽を奏でるように

柄が次にどう進むかが入り込んでいるかのよう。

一見簡単そうに見えますが、そうですね、

確かにガムラン音楽のような、複雑ながら、なめらかな一面を感じます。

山奥でこの技術。

聞いてみると、この地域は50年前のアグン山噴火の際には被害を受けず、

昔からソンケットを織っているのだそう。


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インドなら貴族のお抱え職人のような立場でしょうけれど、

なんてのんびりとして見えるのでしょうか。

お訪ねすると、裸族のおばあちゃんが、今マンディ(川での洗濯)に行ってるから、

ちょっと呼んでくるね、って。

バリ人のすごいところのひとつは、これです。

高度な技術が、比較的ふつうに、もったいをつけずに存在している。

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街から糸を仕入れ、柄や配色を決め、それぞれの分業を手配するリテーラーさんの家。

昨年マニスがスカートに使ったソンケットの写真を見せると、

ひとつずつの柄に名前がついているようで、

あぁ、これはもう10年くらい前によく作ったものだわ、とか、

これはうちでもやっている柄だよ、とか、

これはこれでまた奥深い。

ソンケットはともかく、分業というギルドで成り立っていることが一つの特徴だと思う。

以前聞いた話で、

西陣や京友禅が厳しいのは、糸屋、織屋、染屋、などなどの
分業が発達した結果だという(1軒がつぶれたら他も全部止まってしまう。)

金沢ではその分一軒ごとに全部の工程をするのが伝統なので、

一軒がつぶれても他は残る、という。

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この山間の村がどのくらい前からソンケットを織っていたのかは不明のままだけれど、

王室とのかかわりが深いことは確かだと思う。

シドメンの近くには昔栄えたクルンクンとゲルゲルの王家があり、

バリアガのダブルイカットを織る地域と近いにもかかわらず、

異国の影響、とくに華僑からの影響が感じられる城塞都市も残っているので

群島国家インドネシアの中であまり多くは見られないソンケットが

ここにあるのも、きっと歴史のなかにしっかり脈絡があるはずです。

金糸銀糸を多用するソンケット、今はカラフルな化学染めが主流のせいか、

こんなに派手なのです。(写真は生地の裏面ですが)


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ハデハデだとマニスでは使えないのですが、布商の一部には

このような私たち好みの配色のものもあります。


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今年もほとんど裁断しないこちらの「イカットスカート」をつくりました。




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最後にキュウリの、写真。

シドメンの近くの市場でなぜか買うはめにあったオマケでした。

無理やり買わされたけど、みずみずしくて美味しかった!


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飛行機に乗らず、両替もせず、

私たちのバリにある布の神秘にワクワクする今。

作品展で、ご覧ください!

さて、振り出しに戻りますが

火山活動による避難の方々は、シドメン地域からはいないようで、

逆にシドメンの集会所に避難している人々が大勢でした。

1日でも早くおうちへ帰りたい人々の願いとともに、

ここまで危機感を、持ちながら

本格的な噴火を免れている山の意思にまずは

深く感謝いたします。

山はたくさんの人々の祈りに応えて、

一生懸命に莫大なエネルギーをほかに分散しているかのようで。

ひと月以上続いた警戒レベル4、昨日避難区域が火口から7.5キロまで、

レベル3に引き下げられたそうです。

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2017年10月29日 (日)

まめしんぶん・2017秋冬2

きょうは京都大雨です。

昨日まで3日間マニス展開催だった熊本は、もう晴れているとの事。

こうしてみると、台風の合間に無事来ることができて本当に良かったです、私。

毎週台風、って寺町通りの皆さんがおっしゃるのでこの次の週末こそ

晴天に恵まれますように!

バリではアグン山の噴火警戒で

14万人もの人たちが1か月に及ぶ避難生活が続いていますが、

今日ご紹介するのは、その火山があるカランガスム県の布です。

バリの布産地カランガスムは長らく、

エンデック呼ばれる横絣(イカット)が多くつくられていましたが、

このところの好景気のせいか

高級なソンケットを婚礼で購入する人も増えているようで

カラフルでセンスの良い布に出会えるようになってきました。


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カランガスム・チェック

昨年から使っているいろいろな配色と柄が楽しい、カランガスムのチェック・サロン。

20年ほど前にロンボク島にこれとよく似た配色の格子がたくさんありましたが、

昔のものは上海木綿のようなもっと地厚な手紡ぎ風でした。

格子柄は白黒の大きなギンガムチェックが

バリでは儀式の時に「守護」的に使われますが、

このカランガスム・チェックと私が勝手に呼んでいるタイプのものは、

それとは違って

色の明るい線(縞)が細く入っているのが特徴です。

ローカルの皆さんはやはり祭事の腰巻によく使っています。


【プリミティブリネンハードクロスダーク&カランガスム産手織チェック】

今回は、まずこちらの「トラベルコート」のライニングに。

黒い硬いリネン生地に、ピッチの違う黒のチェックをいろいろ取り混ぜて。



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【カランガスム産手織チェックコンビネーション】

「二重服」というかたちの袖を両面長袖にして、

袖口にいろいろな配色が見えるようにしました。

2枚の長袖が裾で縫い合わされているようなかたちで、

リバーシブルではありませんがひっくり返して逆面を着ることができます。


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配色がいろいろあって、楽しめます。

こちらはパープル系。
Img_1976_1800x1800オレンジ系は細かいイカット柄とギンガムチェックのコンビです。

タイのマットミーシルクのような古風なタイプのイカット柄が新鮮です。

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ソンケットのスカート、再び

昨年同じスカートをつくりました。

今回は産地の織元を訪ね、ソンケットの複雑な技法に驚きながら

仕立てました。


【バリ・シドメン産シルクコットンソンケット&国産キュプラ】

今回のソンケットは、シルクコットン糸とのことで布のお値段がさらに高いので、

裏地を手元にあったキュプラにして昨年と同じ販売価格としました。

カランガスム県のシドメンという集落は、エンデックも盛んですが

ソンケットのメッカでもあります。

「イカットスカート」と呼んでいるこのスカートは、サイドの開きが編上げ式の紐使い。

紐の先にカラフルなクルミボタンを縫い付けています。

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こげ茶色に赤、ピンクの紋織り柄がおしゃれ。

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アンティーク調の落ち着いた赤茶色。

このほか、ティーグリーンのような色のものがあります。


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パーニュのシリーズ

マリなど西アフリカのサロン布、パーニュ(アフリカンバティック)。

日傘、バッグ地などで多用されていますので皆さまもご存じのはず。

真夏にピッタリな鮮やかな配色を、あえて冬物に取り込みました。

私は個人的に大好きで風呂敷やスカートなどいくつか持っているのですが、

布として今回やっと購入できたので、初マニス。

【シェットランドウールリネンツイル&オランダ産パーニュ(バティック)】

アフリカンバティックの産地がなぜオランダなのかは、

今回の素材説明に少し書きましたが、

実際は分からないままなのです。

どなたかご存知の方、ぜひ教えてください。

こちらの「マオジャケット」は、着てしまうと中が全く見えません。

脱いだ時、キラリとパーニュが光ります。(笑)


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スカート、パンツもつくりました。

こんな風に上下で着たら、ウールの季節に楽しいと思うんです。

いかがでしょうか?

この「レイヤースカートショート」は、2配色ありますが、

こちらはパーツの一部に反転の配色(丸い輪がブルー)をつかっているのが

遠目からおもしろいデザインになりました。


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まめしんぶん、この後、もう1本投稿しますが、

その前にソンケット産地のシドメン村の「まめたび」が入ります。

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2017年10月28日 (土)

まめしんぶん・2017秋冬1

台風と台風の間の、ここちよい晴れ間の昨日、日本に戻ってきました。

皆さま、

いよいよ、作品展が近づいてまいりました。

予定とちょっと順番を入れ替えて、先にまめしんぶんスタートです。
Syashinmen
ご案内状がまだの方、ご入用の方は至急お知らせください。
info@ateliermanis.com
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Tenunのシリーズ

【トゥバン産手紡ぎコットン(Tenun)】
先のブログでいろいろ写真を入れております、
ジャワ島部、Tubanでつくられている手紡ぎコットン、手織りの無地布「Tenun」。

同じ地域で栽培しているカパス(=コットン)。手作業で種を取り、

糸車にかけて撚りを入れて

ゆっくりゆっくり。

織り腰機のせいもあるかもしれませんが、

かなりしっかり米粉の汁を使っているので

無地染めしているこちらは、かなり色のムラがあります。
仕立て前に2回、普通の洗剤で洗っていますが、

お家でのお洗濯はなるべく
中性洗剤であまり頻繁でなく、をおすすめします。

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前の開きをスナップづかいにして、リボンタイをつけた「シュミゼ」。

腰機の生地幅(通常の生地の半分くらいなのです)を無駄なくつかうために、

生地同士を先にはぎ合わせています。

袖が細めなのでこの上にたっぷりめのコートが着れます。

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写真の色がちょっとぼけてしまいましたが、濃紺のような色です。

「ブーツパンツ」と呼んでいる裾幅があるややローウエストなパンツ。

丈夫にしっかりと履けるよう、バリシャンブレーと二重縫いしています。

柔らかでしっかりとした仕上がり。

足元にあたたかいものを重ねて履きたいときにぴったりのボトムだと思います。

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上と同じくバリシャンブレーとの二重縫いで、

久しぶりに「サルエル・パンツ」も縫いました。

ウールとの相性がよさそうな秋色の茶色がおすすめです。

(茶・紺の2配色です。)

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同じバリシャンブレーとの組み合わせで、フードつきの

スリムなジャケット。

「ロングパーカ」と呼んでいる、ニット向けにつくっていたデザインを

リベンジしました。

たまたま揃った3色。ブルー、グリーン、ダークピンクがあります。
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ナチュラルダイ・バティック


【トゥバン産草木染手描きバティック】

カイン・トラディショナル。

王室などのオフィシャル御用達の、伝統的なジャワバティック柄ですが、

本場のジョグジャ、ソロにもこのタイプがあるのかどうか。
薄手キャンバスのような少々地厚なコットンに手描きされ、天然染めされている。

こんな丁寧なバティックが今も作られているトゥバン、素晴らしいです。

こちらのサスペンダー風ストラップ付きの「BIGパンツ」は、

1点ずつ柄が異なります。

ウールに合わせて着る、冬のバティック。

伝統色の深い色が寒い季節の光に映えてきます。
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下のスカートは、

前が四角、後ろが台形という非常にシンプルなパターン「三角スカート」。

写真は真横から撮っています。

両端が無地の1.3mほどの小さなピースを先に長くはぎ合わせ、

成り行きで裁断していますので

柄の出方が1点ずつだいぶ異なります。

裏面に黒のリネン生地を使いすべりの良いリバーシブル仕立て。
(リバーシブルなので一応裏表着ることができます。)

前後逆で着ることももちろんできます。

、という、単純デザインに、波のような鱗のような深いインディゴ染めの柄が映えます。

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ストライプの手描きバティックは、
縦向き、横向きで変化を付けて「ツイストパンツ」に。

このパンツが右パーツと左パーツによってできていることが、

より分かりやすい仕上がりになりました(笑)。

こちらも二重縫いしてしっかりした仕上がりです。
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トピックスです。

Tenunの生成りをうっかり蛍光剤入りの洗剤で洗ったら、

部分的に漂白されてしまったので、

YUKAさんにバティックをお願いすることに。

ジョグジャ風の迷路のようなムスリム柄をマクロに大きく拡大して、こんな大胆な柄に。

大きな柄ですが、生地の性質と柄の特性上、手描きバティックとなりました。

そんなわけで、とても贅沢なオリジナル。
そして成り行き上、こちらは1点のみです。(!)


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次の台風の影響で、京都は静かに雨が続いています。

「まめしんぶん」、近日中に続きを入れます。



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